ハーベスターとは│種類や値段について・中古で安く購入する方法

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コンバインで小麦の収穫風景

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ハーベスターは収穫のときに脱穀を専門に行う農機具です。この記事では、ハーベスターと間違われやすいコンバインとの比較や、ハーベスターの詳しい活用方法と保管要領などについてご紹介します。

また、特に脱穀の効率化を考えて専用機であるハーベスターを購入する場合や、他の農作業でも使えるコンバインなどを中古で導入する場合に考慮すべき事項についてもまとめました。農機具を中古で安く購入する方法もチェックしましょう。

ハーベスターとは何か

ハーベスターは農作業のうち収穫を専門に担当する機械で、収穫を意味する英語である「ハーベスト」がその名の由来です。東南アジアを中心とした外国に輸出されることもあり、その場合は動力脱穀機(パワー・スレッシャー)と呼ばれます。

ハーベスターは収穫を担う機械全般を指し、農業だけでなく林業でもハーベスターと呼ばれる専門の機械が活躍しています。いずれも手作業で収穫するのに比べ、作業を圧倒的に効率化してくれるのがメリットです。

農作業で用いるものは、日本では米作りでよく使用されます。ハーベスターの機種によってはジャガイモなど他の作物を収穫することも可能です。

脱穀の歴史とハーベスター

稲刈り 作業

米を主食としてきた日本では、脱穀を含む農作業を機械化するのは古くからの課題でした。

江戸時代には「千歯扱き(せんばこき)」と呼ばれる、櫛のような歯のついた道具に稲穂をくぐらせて脱穀しました。明治時代には足踏みの上下運動を回転運動に変換して脱穀する「足踏み式脱穀機」が発明され、脱穀の作業を大きく省力化します。やがて回転の動力がモーターに変わるなど、機械化が進んだのです。

ハーベスター以前の機械の脱穀機はエンジンを積んでおらず、別に発動機や耕耘機といった動力を必要としました。また、タイヤなどもついてなく、発動機と合わせての移動が大きな負担となっていたのです。

これに対してハーベスターはエンジンと、移動するためのキャタピラーなどを備え、さらに作業効率を高めていきました。現在では、主に「クボタ」「イセキ」「ヤンマー」といった国内農機メーカーがハーベスターを生産しています。

脱穀・籾摺りについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください

使われる場面

米作りの場合、稲を収穫する時期に使用されます。収穫には稲の刈り取りと脱穀、籾の選別が必要ですが、ハーベスターに刈り取りの機能はありません。収穫の際は鎌を使用して手作業で刈り取りをすませるか、刈り取りを専門に行うバインダーと合わせて使用するのが一般的です。

ハーベスターとセットで用いられることが多いバインダーは、「デバイダー」とも呼ばれます。倒れてしまった作物を引き起こす、刈り取りする、一定量の稲を紐で結束する、走行する、という4つの機能で構成される機械です。車体は小さめで、比較的馬力の低いガソリンエンジンを搭載しています。

収穫の際にはまず、刈取りした稲を乾燥させた後、ハーベスターで脱穀し選別します。稲の乾燥は、はぜ掛けと呼ばれる天日によるものですが、新しい機種であればはぜ掛けで乾燥しなくても脱穀することが可能です。

コンバインとの違い

ハーベスターと同じように収穫の時期に活躍するものにコンバインがあります。コンバインの特徴、そのメリットデメリット、さらには一部同じ作業を行えるハーベスターとの違いや使い分け方について説明します。

また、コンバインよりコンパクトで入手しやすいバインダーについてこちらの記事で詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください。

コンバインとは

コンバインは作物の刈取と脱穀と選別を全て引き受けることができます。複式収穫機(ふくしきしゅうかくき)とも呼ばれます。アメリカから導入された普通型と、日本の稲作に合うように独自に開発された自脱型に分かれます。

コンバインを生産している主要メーカーは、イセキ・ヤンマー・三菱マヒンドラ農機・クボタなどです。

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コンバインがハーベスターより適している場面

コンバインとハーベスターはできる作業が違います。収穫の際、バインダーは刈り入れ、ハーベスターは脱穀に特化していますが、コンバインは同時に全てを担います。一台で収穫作業のほとんどを終えることができるため、作業効率はコンバインがハーベスターに勝ります。

土地や経営規模が大規模な農地であれば、作業効率の面からコンバインの購入を検討してもよいでしょう。

コンバインよりハーベスターが適している場面

コンバインの弱点としては価格が挙げられます。高機能なだけに価格もバインダーやハーベスターよりも高く、経済的な余裕がないと購入が困難です。

また、もともと大規模農業が盛んなアメリカで開発されたコンバインは車体が大きいのも特徴です。のちに日本で稲作に適した自脱型コンバインが開発されて車体がコンパクトになりましたが、それでも平野部のある程度面積のある棚田でないと使用しにくいという問題があります。

コンバインの短所を埋めるのが、ハーベスターの長所です。一般的なハーベスターは比較的手頃に入手できるため、コンバインに比べて購入に踏み切りやすいのがメリットでしょう。

ハーベスターは山間部や小さな棚田でも活用できます。ただし、近年軽トラックに搭載可能なコンパクトなサイズのコンバインも登場しているため、「山間部や小規模農家にはハーベスターが最適」と一概にはいえません。

ハーベスターの種類

ハーベスターは自走式・けん引式の2種類に分けられます。自走式のハーベスターはエンジンと脱穀機能を一体にしたものです。けん引式のハーベスターはエンジンを搭載しておらず、トラクターの後ろにつけてけん引されるものです。

自走式のハーベスターは自走自脱機とも呼ばれます。脱穀の作業の処理能力はけん引式のものよりも優れています。人力で押して使う歩行型と、人が乗って使う乗用型があります。

自走式ハーベスターは大規模農場向けにアメリカで開発されたもので、車体が大きいので日本ではなかなか用いる機会がありません。大規模な土地活用が可能な北海道で主に用いられています。

けん引式のハーベスターは自走式よりは小型で値段も比較的リーズナブルです。主に小規模農場で活用されます。

米作りが盛んな日本では、これら二つの分類に限らずさまざまなハーベスターが展開されています。特に稲のハーベスターはコストを抑えて使用できるでしょう。

ハーベスターの価格の目安

ハーベスターの価格の目安は新品のもので70万円〜100万円が目安。クボタやヤンマーなどから販売されています。

燃料はガソリン、もしくはディーゼルのものが一般的です。ディーゼルの方が馬力が高いので、必要に応じて選びましょう。

ハーベスターの購入

国内では、ヤンマー・クボタ・イセキ」といったメーカーがハーベスターを販売しています。それぞれに、選別の精度を上げたり安全性を高めたりといった工夫がなされています。根気よく探し、自分の使用方法に適したハーベスターを見つけましょう。

最近はコンバインの普及によりハーベスターの新規製造が少なくなっています。一方で中古市場は充実しており、後述のように中古のハーベスターも選択肢の一つです。

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ハーベスターの構造と扱い方

コンバインハーベスター

ハーベスターの構造やその違いによってどのように作業方法が変化するのかといった点と、使用・保管する際の注意点を解説します。

仕組み・構造

ハーベスターの構造は、稲やトウモロコシやテンサイといった扱う作物により異なります。対象となる作物の商品になる部分が地表に出ているか地中にあるかといった構造によっても、ハーベスターの構造や作業の方法が変わります。

穀物用ハーベスターの一例では、稲藁投入口・脱穀胴・藁排出機構・籾袋受け・ゴミ排出口のある本体がキャタピラーの上に乗っている構造です。

また、ハーベスターの動力はガソリンまたはディーゼルです。ディーゼルの方が高馬力なので、作業の必要に応じて選びましょう。

ハーベスターは籾袋受けに籾袋をセットして使います。使用の際には他の農業用の機械と同じく安全対策が必要です。長袖長ズボンを着用し、周りに人がないか確認したうえで使用を開始しましょう。稲の束を投入する際に腕を巻き込まれないように注意します。

稲は雨や夜露で濡れていることがあります。稲が濡れているときには能率が上がらず詰まってしまうなど不具合が起こりやすいので、できるだけ一旦乾かすようにしてください。

手入れ・保管

カバーを外し、エンジンをかけて脱穀のスイッチを入れます。中の籾などが排出され始めるので、出てこなくなるまで待ちます。空になったら機械の奥や隙間などをしっかり洗浄しましょう。

点検時にはエンジンオイルを確認して交換します。脱穀用のベルトや走行用のベルトを確認し、消耗しているものは交換してください。

ハーベスターは穀物を扱うものだけに、保管するときに掃除が行き届いていないと生き物を招き寄せます。ネズミにケーブルをかじられたり、生き物の糞に汚染されたりする危険があるため、手入れの際には籾など有機物を落とすことが重要です。

長期間保管する際には燃料タンクの燃料を抜いておきます。風通しのいい平坦な場所を選んで格納しましょう。

ハーベスターを中古で安く入手するために!中古のハーベスターの選び方

ハーベスタ

ここに書いてきたように、ハーベスターは手作業での収穫の負担を大きく軽減してくれる機械です。コンバインよりも手に入れやすいとはいえ、導入コストがかかることに変わりありません。コスト削減のためには中古での購入も検討の価値があります。

実はハーベスターは内部構造がシンプルで、中古のものでもよく手入れされていれば新品と遜色なく使用できます。コンバインへの乗り換えのためにハーベスターを手放す農家もいるので市場にも多く出回っています。

中古のハーベスターの選び方1.整備されている

ハーベスターを中古で購入するときには、「整備されているもの」を選ぶことが重要です。

「以前に使っていたが、今は新しいものを購入したので、中古で販売する」「使っていないものを格安で譲る」といった場合は、整備されず使ったまま放置されていることがほとんど。格安で手に入れられるかもしれませんが、安全に使うためには整備が必要です。

整備をしていないものを購入すると、整備をする段階で「実はもう部品がなくて直せない」「もう使い物にならないので破棄しないといけない」「修理するのには高額な金額が必要」といったことにもなりかねません。そうなると、安物買いの銭失いになってしまいます。

ハーベスターに限ったことではありませんが、中古で農機を購入するときには、かならず整備済みのものを選ぶことがポイントです。よほどの玄人で、実物を見たら修理が必要か判断できる場合を除き、使えない機械を買ってしまわないように「買った後に自分で整備したらいいか」と選ぶのは避けましょう。

中古のハーベスターの選び方2.利用状態を確認する

中古のハーベスターを購入するときには、今までどれくらい利用されていたのかを確認することもポイントです。

10年間利用されていたハーベスターと、1年しか利用されていないハーベスターでは、残りの寿命も違いますよね。どれくらい利用されていたものなのかは、必ず確認するようにしましょう。

また保存状態も重要です。雨ざらしになっていたものは、錆びついていて動きにくいことや、故障しやすい傾向にあります。多少ホコリをかぶっていたとしても、倉庫で保管されているものの方が故障しているリスクは低いでしょう。

また、使わなくなって長時間たっているものは、錆びついていることが多いので注意。最近まで利用されていたものや、メンテナンスされていたものは動きに問題ないことが多いでしょう。

もし確認できるのであれば、いつまで使われていたのか、メンテナンスはされていたのか、どこで保存されていたのかもあわせて確認すると安心です。

中古のハーベスターの選び方3.アフターケアが受けられる

ハーベスターを中古で購入するときに心配なのは、その後故障した場合の対処法です。もし不具合を起こしたときにはアフターケアを受けられる場所で購入すると、安心して利用できます。

個人でも売買の場合はアフターケアは受けられないので、できるだけ中古農機を扱うお店にて購入することがおすすめですよ。

アフターケアや保証年数を確認しておきましょう。

中古のハーベスターの選び方4.年式が古すぎない

アフターケアを受けられる場合でも、年式が古いハーベスターの場合は「部品がすでに販売されていない」という場合もあります。

あまりにも古い年式のものだと、故障した場合修理ができないこともあるということを認識しておきましょう。

気になる場合は、メーカー名や型番号を伝えて修理可能か聞いておくと安心です。

中古コンバインを探す

コンバインやハーベスターを中古で購入する選び方などをこちらの記事でまとめています。あわせて参考にしてみてください。

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まとめ

ハーベスターは収穫時の脱穀に特化した機械です。稲作だけではなくさまざまな作物の収穫に使用されます。多くの場合、刈り入れに特化したバインダーとセットで使用することが多いでしょう。

複合的な機能を持つコンバインと比較すると作業効率などは劣りますが、導入コストが安いというメリットがあります。さらに、コンバインへの乗り換えが進んでハーベスターを手放す人も多いので、良い状態の中古品をより低いコストで購入できることも珍しくありません。

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こちらの記事では、米作りを助ける機械を紹介しています。あわせて参考にしてください。