四季なりイチゴの育て方・栽培方法|甘くておいしいおすすめ品種も紹介!

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イチゴ

夏でも収穫できる「四季なりイチゴ」があることをご存知でしょうか?

四季なりイチゴはプランター栽培にも向いており、季節を選ばず栽培・収穫を楽しめるため、家庭菜園にぴったりのイチゴです。

本記事では、四季なりイチゴの育て方やおすすめ品種などについて、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。

四季なりイチゴとは

イチゴ

ふつうのイチゴと同じくバラ科に属される「四季なりイチゴ」は、通常とは異なる性質をもっています。

四季なりイチゴは、温度や時期、日照条件を選ばず栽培できるのが特徴的です。真夏・真冬以外は花を咲かせ、季節を問わず長期間にわたって収穫できます。

ここでは、四季なりイチゴ栽培の基礎を解説していきます。

ふつうのイチゴとの違い

ふつうのイチゴは、正式には「一季なりイチゴ」と呼ばれています。

四季なりイチゴと一季なりイチゴで大きく異なる点は、栽培・収穫期間です。

  • 四季なりイチゴ:真冬・真夏を除き、長期間収穫できる
  • 一季なりイチゴ:年に1度だけの収穫

日本で流通しているイチゴのほとんどが一季なりイチゴです。収穫期間は短いですが、甘みや大きさ、収量などが優れている品種が多くあります。

栽培・収穫時期

四季なりイチゴ栽培は、ふつうのイチゴと同様、苗の植え付けからスタートします。

真夏と真冬以外ならいつでも栽培可能です。春植えまたは秋植えが一般的です。

植え付け 収穫
春植え栽培 3〜4月頃 6〜10月頃
秋植え栽培 10〜11月頃 翌年の5〜10月頃

四季なりイチゴは順々に花が咲いていき、春の終わり頃から秋にかけて収穫できます。別名「夏秋イチゴ」とも呼ばれています。

栽培環境

四季なりイチゴは、温度や日照条件に左右されず、15〜30℃ほどの幅広い気温で生育可能です。

【栽培環境】

  • 日当たり・風通しの良い場所
  • pH5.5〜6.5ほど
  • 排水性のよい土壌

多肥・多湿条件に弱く、病気や生育不良などの原因にもなるので注意してください。

また連作障害も起きやすく、同じ畑でふたたび四季なりイチゴは栽培するには1〜2年あける必要があります。

甘くておいしい!四季なりイチゴのおすすめ品種

いちご

一般的に四季なりイチゴは一季なりイチゴと比べると、甘み・大きさなどの品質、収量などが劣ると言われています。

しかし近年では、そういった欠点を改良した一季なりにも劣らない優良品種も増えてきました。

四季なりイチゴだけでも多くの品種があります。家庭菜園にもオススメなのは以下の5品種です。

【家庭菜園にもおすすめな5品種】

  • あまごこち
  • とちひとみ
  • すずなりいちご
  • エンジェルエイト
  • 天使のイチゴ

上記の品種であれば、甘みや酸味のバランスもよく、おいしいイチゴが楽しめます。なお、エンジェルエイト・天使のイチゴは、甘みもあって非常に人気のある白イチゴです。

そのほかにも、デルモンテやサントリーなどのメーカーが、家庭菜園用に販売しているイチゴ苗もおすすめです。

四季なりイチゴの育て方・栽培方法

イチゴ

四季なりイチゴの栽培方法を、失敗しないポイントや注意点とともに解説します。

  1. 苗の準備
  2. 土作り
  3. 植え付け
  4. マルチング・水やり
  5. 花芽・ランナー摘み取り
  6. 人工受粉・摘果
  7. 追肥
  8. 収穫

1:苗の準備

イチゴ栽培では四季なり一季なりに関わらず、種からではなく苗から育てるのが基本です。

苗は植え付け時期になると、ホームセンターや園芸店などで販売されます。「四季なり」と記載のある苗を購入してください。

生育・品質のよいイチゴにするには、よい苗を選ぶことが重要です。

【よい苗の条件】

  • 葉が色濃くツヤがある
  • 茎が太くガッチリしている
  • クラウンが太い・きれい
  • 病害虫被害や変色がない

なお、イチゴは1つの株からどんどん増やせる植物です。苗を購入するのは最初だけで、翌年以降は必要ありません。

2:土作り

植え付け時期が近づいたら、購入した苗を植えるための畑・プランターを準備します。四季なりイチゴ栽培に適した、pH5.5〜6.5ほどで排水性のよい土を作りましょう。

畑の場合

2週間以上前に苦土石灰・堆肥・元肥を入れてよく耕します。

イチゴの根は肥料に触れると傷みやすいため、はやめに肥料を入れて、土によく馴染ませておくことが大切です。

【1平方メートルあたりの施肥量目安】

  • 苦土石灰:100g
  • 完熟堆肥:3kg
  • 有機肥料:100g

株間30cmほどを確保し、高さ10〜30cmの畝を立てれば土作り完了です。

プランターの場合

鉢底石を敷き詰めて、市販の野菜用培土を入れるだけで簡単に作れます。

なお、ベランダなどの家庭菜園では「ストロベリーポット」というイチゴ専用のプランターが、栽培から苗採りまでしやすくおすすめです。

通常のプランターでももちろん栽培できます。その場合は、深さ15cmほどのプランターを選びましょう。

3:植え付け

春なら3〜4月頃、秋では10〜11月頃になったら、準備した畑・プランターに苗を植え付けましょう。

植え付ける際は、ランナーが畝の内側を向くように苗の向きを揃えて植え付けてください。

イチゴはランナーとは反対側に実を付けます。実が付く方向が外側になるよう揃えれば、収穫作業をより効率的に行なえます。

また、クラウン(葉の付け根部分)が地上に出る程度の浅植えにしましょう。クラウンはイチゴの生長点であるため、土に埋まっていると生育が極端に悪くなります。

株間30cmほどで作った植え穴に、苗の向きを揃えて浅く植え付けたら、たっぷり水をやって植え付け完了です。

4:マルチング・水やり

植え付け完了後、夏の乾燥・冬の寒さ対策として、稲ワラなどでマルチングをしておきましょう。

稲ワラを株元に敷いておくだけで、乾燥や寒さ意外にも様々な効果が期待できます。

  • 乾燥対策
  • 暑さ・寒さ対策
  • 雑草防止
  • 泥はね防止

また、イチゴは乾燥だけでなく多湿にも弱いため、水のやりすぎには注意が必要です。

地植えの場合は基本的に雨任せで大丈夫なので、ほとんど水やりは必要ありません。

プランターの場合もこまめな水やりは不要で、土の表面が乾いたらたっぷり水をやる程度で十分です。

なお冬期になると生育が一旦止まります。枯れているわけではないため、適度な水やりを続けましょう。

5:花芽・ランナー摘み取り

植え付けから収穫時期までの間は、花芽やランナーなどを適切に管理し、株を充実させる期間になります。

秋植えでは秋〜冬の間、春植えでは収穫時期になる前に出てきた花芽・ランナーは、すべて摘み取ってください。

この時期に花が咲いても、寒さに負けて実は成りません。また、放っておくとランナーに栄養が取られてしまい、株の生長も遅くなります。

この時期のランナー・花芽はしっかりと摘み取り、株の充実に集中させましょう。

栽培期間中、古くなった葉はどんどん枯れていきます。枯れた葉は病気伝染の原因になるため、適宜取り除くようにしてください。

6:人工受粉・摘果

春の終わり頃になると、花の開花が始まります。室内や都心部など、受粉してくれる虫がいない環境では人工受粉をしましょう。

屋外での栽培であれば、ミツバチや風などによって自然に受粉するため、基本的には不要です。

人工受粉というと難しそうに聞こえますが、イチゴは1つの花に雄しべと雌しべ両方をもつ「両性花」なので、やり方は比較的簡単です。

花の中心部分を筆や綿棒などで3〜4周程度やさしくなでるだけで、簡単に受粉できます。

受粉に成功すると徐々に実が膨みはじめ、形がある程度分かるようになってきます。形の悪いものや肥大の悪いものは小さいうちに摘果し、品質のよいイチゴに栄養を集中させましょう。

7:追肥

四季なりイチゴは収穫が長期間になるため、定期的な追肥が必要です。

追肥は最初の収穫から、3週間に1度ほどの頻度で株間に追肥しましょう。

また秋植えでは、新芽が伸びはじめる越冬後の3月頃にも追肥が必要です。追肥量は、1平方メートルあたり緩効性肥料30g程度を目安にしてください。

ただし肥料過多は、生育不良・病気・生理障害などの原因になるため、やりすぎは禁物です。

8:収穫

開花から1ヶ月ほど経過すると、いよいよ収穫時期を迎えます。

上部までしっかりと色づき、ヘタが反り返っていれば収穫適期です。完熟したものから、早めに収穫していきましょう。

真っ赤になったイチゴは、カラスや小動物などに狙われやすくなります。実が白いうちに防鳥ネットなどを張っておくと安心です。

四季なりイチゴは、真夏になると一時的に花が咲かなくなることがあります。涼しくなるとふたたび開花が始まります。

そのため、株が休んでいる期間でも適度な水やりと、3週間に1度の追肥は忘れずに行いましょう。

ランナーで翌年の苗を作ろう

イチゴ

栽培中に出てくるランナーは、摘み取らずに育苗ポットで生育させると、翌年の苗として利用できます。

これは一般的に「苗採り」と呼ばれる作業で、知っていればイチゴ苗を購入する必要はありません。

【苗採りの手順】

  1. 病害のない健康な親株を選ぶ
  2. 親株に付いたままランナーを育苗ポットに挿して針金などで固定
  3. 根付いた苗を育ててランナーが出たら、その苗のランナーを同様に根付かせる
  4. 本葉3〜4枚ほどになったらランナーを切り離す
  5. 畑・プランターに植え付けて、ふたたび栽培スタート

親株から1番目の小株は病気が遺伝している可能性があるため、栽培には2〜3番目以降の株を使いましょう。

まとめ

四季なりイチゴの育て方やおすすめ品種などを解説しました。

四季なりイチゴは季節を選ばず長期間にわたって収穫できるため、家庭菜園にも非常におすすめです。

この記事を参考に、四季なりイチゴ栽培に挑戦してみてください。