混合油はガソリンとオイルを混ぜて作る!混合油の必要性と自作・購入方法を解説!
ホームセンターなどでも販売されている混合油は、農機をはじめ、ガーデニング機器などに幅広く使用されています。実はこの混合油、ガソリンとオイルを混ぜて自作も可能です。当記事では混合油について詳しくご紹介するとともに、自作の方法についても解説していきます。
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お手持ちの農機の動力が2サイクルエンジンなら、燃料となる混合油は、ガソリンとオイルを混ぜて自作可能です。燃料からこだわることでエンジンの負担を減らし、より快適に使用できるかもしれません。
しかし、混合油をどうやって作ればよいのかわからない方も多いことでしょう。さらになぜ負担を減らせるのか、不思議に思う方もいるかもしれません。今回は混合油の詳しい説明と、自作の方法や注意点についてご紹介します。
目次
混合油とは
車のエンジンには、燃料としてガソリン、そして潤滑油の役目をするエンジンオイルが別々に入れられています。車を例にとりましたが、要するに混合油とは、この2つを混ぜて、両方の能力を持たせた燃料のことです。
混合油は手押し型のミニ耕運機をはじめ、刈払機やチェーンソーなどに幅広く使われています。配合の割合は「25:1」や「50:1」「100:1」などさまざまなものがあり、その割合は使用する機器により異なります。では、なぜガソリンとエンジンオイルを混ぜる必要があるのでしょうか?
なぜ混ぜる必要があるのか?
混合油を注入するか、ガソリンとエンジンオイルを別々に注入するかは、エンジンの種類によります。いわゆる2サイクルエンジンと4サイクルエンジンの違いです。混合油は主に2サイクルエンジン(2ストロークエンジンともいわれる)に使用されます。
では、なぜ2サイクルエンジンには混合油が必要なのでしょうか。その理由は、2サイクルエンジンの仕組みを見ていくとわかります。
2サイクルエンジンの仕組み
ここで少しだけエンジンの仕組みについてご紹介しましょう。エンジン内部のシリンダーの中ではピストンが上下しており、その動きをクランクシャフトと呼ばれる回転する部品に伝えることで、エンジンは動力を生み出しています 。
4サイクルエンジンは、そのために「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」の4工程を繰り返しています。それに対し2サイクルエンジンは、「吸気と圧縮」「爆発と排気」のそれぞれが同時に行われる2工程で動力を生み出します。
それぞれの部品をスムーズに動かすためには、潤滑油として、4サイクルエンジンではエンジンオイルが必要不可欠です。しかし、2サイクルエンジンはシリンダー内にバルブを持っていないため、ガソリンの燃料気体と空気が混ざった混合気が、クランクシャフトのあるクランクケース内まで送り込まれます。2サイクルエンジンは、シャフト部分にまで混合気を送り込むことで、混合気自体に潤滑油のような役割を持たせているのです。
しかし、当然ながら混合気だけでは十分な潤滑効果は得られません。そこで考えられたのが、あらかじめガソリンにエンジンオイルを混ぜた混合油を燃料にする方法です。こうすると、自然とシリンダーやクランクケース内にエンジンオイルが届けられるため、十分な潤滑効果が生まれ、部品がよりスムーズに動作するようになります。
混合油を必要とする農機を使うときの注意点
エンジンオイルは、ガソリンに比べて燃えにくいためにエンジン内部の潤滑剤としての役割を果たしますが、燃えカスが残るという問題があります。
ガソリンは燃焼し、爆発することで消費されていきますが、エンジンオイルは同じように燃焼しないので、その分カスが残ってしまうのです。 残った燃えカスはマフラーを詰まらせたり、点火プラグのつきを悪くしたりと、周辺の部品に影響を及ぼすことがあります。
オイルの配合比率が高くなればなるほど、エンジン周辺に燃えカスが残り不調を招きます。反対にオイルの配合比率を低くしてしまうと、潤滑効果が損なわれ、焼きつきなどの重大な故障につながるでしょう。しかし、これらのデメリットは、絶妙な配合比率にすることで解決可能です。
どんなものに使われているのか?
混合油というと、刈払機やチェーンソーなどのエンジンに使用される燃料のイメージがありますが、 農機にも混合油を使用するものがあります。その好例が、家庭菜園などでよく使われている小型の耕運機です。
混合油を使用可能な2サイクルエンジンの耕運機は、非常にコンパクトで女性でも扱いやすく、人気を集めています。価格もお手頃です。
混合油の作り方
ホームセンターでは農機用の混合油が販売されています。缶入りで保管しやすく、手軽に扱えるので、こうしたものを購入してもよいでしょう。しかし、混合油はかんたんに自作可能です。 自作すればコスト削減はもちろんのこと、使用する農機に合わせて配合割合を自由に調節できるというメリットもあります。
それでは、混合油を自作する方法をご紹介しましょう。
用意するもの
混合油を自作する際は、次のものを用意します。
・ガソリン
・携行缶
・2サイクルエンジンオイル
・混合容器
・耐油手袋
・燃料ポンプ
混合油はガソリンとエンジンオイルを混ぜたものなので、まずはガソリンを購入する必要があります。令和2年2月1日より、ガソリン購入時には「本人確認」「使用目的の確認」「販売記録の作成」が義務付けられています。ガソリンスタンドではこれらのチェックがあるので、身分証は必ず持って行きましょう。
携行缶へのガソリンの詰め替えは、ガソリンスタンドの従業員が行います。セルフのガソリンスタンドでも必ず従業員がいるので依頼してください。
ガソリンは、灯油用などのポリ容器には入れられません。必ずガソリン用の携行缶を持参しましょう。2サイクルエンジンオイルをはじめ、携行缶や混合容器などはホームセンターで購入可能です。
配合比率
混合油は、使用する機器に合わせてガソリンとオイルの配合比率を変えます。たとえば「25:1」の配合比率なら、ガソリン25に対してオイルを1混ぜ合わせます。
配合するたびに計算するのは面倒なので、以下の量を参考にしてください。表示はすべてガソリン:オイルです。
- 25:1 = 1L:40ml / 2L:80ml / 3L:120ml
- 30:1 = 1L:33.3ml / 2L:66.7ml / 3L:100ml
- 50:1 = 1L:20ml / 2L:40ml / 3L:60ml
- 100:1 = 1L:10ml / 2L:20ml / 3L:30ml
混合油を作るための専用の混合容器は、小さなポリタンクのような形をしています。中が仕切られており、ガソリンとオイルをひとつの容器の中で別々に計量できる仕組みです。 それぞれの量を量り、蓋を閉めてしっかりと混ぜ合わせれば混合油の完成です。
2サイクルエンジンの選び方
ホームセンターに行くと、数多くの2サイクルエンジン用オイルが販売されています。選ぶ際にチェックしたいのはオイルの規格です。エンジンオイルには「JASO規格(日本自動車技術会規格)」があり、 現在は3種類のグレードに分類されています。
FB
FBは、現在販売されている2サイクルエンジンオイルの中では、最も手頃な価格で入手可能です。潤滑性や清浄性に優れています。
FC
FCは、FBよりもさらに清浄性に優れ、排気煙も少ない2サイクルエンジンオイルです。エンジンにかかる負担も軽減されているため、農機を長く快適に使いたいと考えるなら、このグレードのオイルがよいでしょう。
FD
FCよりもさらに清浄性に優れたオイルです。現在販売されている2サイクルエンジンオイルの中では最高のグレードで、エンジン内部をきれいに保ち、負担を軽減してくれます。
FDは、排気煙も少なく、環境に配慮されたオイルです。濃いめの配合にしてもエンジンに負担がかかりにくいことから、25:1など、オイルの配合割合が多い混合油を作る場合に使うとよいでしょう。
「100:1」の混合油は何にでも使える?
エンジンオイルの配合割合は、濃すぎても薄すぎてもよくありません。それはすでにお話ししたとおりですが、実は黄金比的な配合割合があります。それが「100:1」です。焼きつかない程度のオイルを配合することで、エンジンが快適に動作します。
「25:1」や「50:1」と指定されている機器でも、100:1の混合油を使用することは可能なようです。しかし、メーカーが特記して推奨していない限りは、必ず使用可能かどうか確認しましょう。「100:1」の混合油を自作する場合は、FDグレードなど、「100:1」に対応しているオイルを選び、必ず正確に計量してください。
混合油を自作する際に注意すべきこと
ガソリンとオイルがきちんと混ざっていないと農機の故障につながることがあります。エンジンがうまくかからない、エンジン音に乱れがあるなど、不具合を感じたら、すぐに混合油をチェックしてください。混合容器で計量して混ぜる場合は、ゆっくりと左右に何度か倒し、しっかりと混ぜましょう。
長期保存はNG
自作の混合油は長期保存できません。その日に使う量だけを作れればよいのですが、余ってしまった場合は、1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。
オイルは比較的酸化しにくいのですが、ガソリンは酸化しやすく、酸化すると普段とは異なるニオイを発します。傷みやすいガソリンは、混合油を作るたびに買いに行くようにしましょう。
バイク用は使用できない
2サイクルエンジンオイルには、バイク用のものもあります。高価なので良質なオイルではないかと感じて購入したくなるかもしれませんが、これは禁物です。バイク用と農機用では、オイルの作りが違います。購入する際は農機に対応している2サイクルエンジンオイルを選びましょう。
混合ガソリンの取り扱い注意点にもご注意ください。
間違えた場合はどうなるのか
チェーンソーや、刈払機のほとんどが、2サイクルエンジンを使用しています。そのため使用する燃料は混合油となります。
しかし、4サイクルの草刈機なども使用していると、間違えて給油しまうことも起こります。万が一、誤ってガソリンを入れてしまった場合は、正常に動かないのは当然、エンジン自体が故障し、使用できなくなる危険性があります。
混合比率を間違えて給した場合も、エンジンが焼け付いてしまい、故障に繋がります。本来の比率より低い給油であれば問題なく利用できますが、それを超過してしまうと故障します。必ず事前に確認してください。
また、チェーンソーは湿気などで錆がつくことで故障に繋がります。保管場所にも要注意しましょう。
混合油の購入方法
混合油はガソリンスタンドやホームセンターで購入することも可能です。ただしホームセンターで購入できるのは2サイクル混合ガソリンで、4サイクル専用混合ガソリンを購入する場合はガソリンスタンドに行く必要があります。
ホームセンターやネットショッピングで購入
2サイクル専用ガソリンであればホームセンターで手軽に購入できます。自分で作ったほうがお得な場合もありますが、失敗した時や、手間などの時間を考慮して検討してみてください。
おおよその目安は、1Lあたり500円程度のものを選ぶとよいでしょう。
ガソリンスタンドで購入する
ガソリンスタンドで購入するには、従業員の人に作ってもらう必要があります。お近くのガソリンスタンドに連絡をしてから行きましょう。また、JAのガソリンステーションでは事前に用意されており購入が可能です。
出店していない地域もありますので、ステーションマップで近くにあるかどうかを確認してください。
ガソリンスタンドで購入する際の注意点
ガソリンスタンドでガソリンを購入する際には携行缶が必ず必要です。危険物の取り扱いに関しては、消防法により様々規制があるため、性能試験をクリアした金属製のガソリン用携行缶を使用する必要があります。(KHK・UN マークあり)
一斗缶や灯油用ポリ容器に関しては、一度開閉したら衝撃などで漏れる可能性があるので、ガソリンを入れることは非常に危険です。必ず専用の携行缶を購入しましょう。
また、令和2年2月1日より、ガソリンスタンド等でガソリンを購入する際に、以下の2点が消防法で義務付けらています。セルフスタンドでも、ガソリン容器への詰替えはガソリンスタンドの従業員が入れる必要があります。
- 顧客の本人確認(運転免許証の提示など)
- 使用目的の確認を行うとともに、販売記録を作成すること
出典:総務省消防庁
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まとめ
2サイクルエンジンを搭載した農機には、混合油が必要不可欠です。混合油はエンジンを動かすだけでなく、潤滑材としての役割も果たします。混合油は、ホームセンターでも購入できますが、自分で好みの割合に調合してもよいでしょう。
ハイグレードなオイルで混合油を作ることで、手持ちの農機の負担を減らせます。農機の種類や目的に合わせて混合比を調整できることは、自作混合油の大きなメリットだといえるでしょう。