バインダーとは|特徴や使い方・整備のポイント・中古での購入方法

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バインダーで稲刈りをしている風景

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米農家にとって収穫の季節になくてはならない頼れる農機、バインダー。とはいえ、1年のうち数日しか使わないため、高額の費用をかけて購入するのをためらう人も多いでしょう。その場合は、中古農機の活用をおすすめします。

今や不動産や中古車もインターネットでの売買が当たり前の時代。農機の中古市場も活発化しています。この記事では、バインダーを中古で購入するポイントやバインダーを長持ちさせるメンテナンスについて解説します。

米農家なら1台は持っていたいバインダー

近年は農地の集約化が進み、とくに水稲では広い圃場(ほじょう)で大型のコンバインを使う農家が増えています。とはいえ、小回りが利き持ち運びもしやすいバインダーは、面積の小さい圃場や複雑な形状の圃場で水稲を営む農家にとっては収穫期に欠かせない農機です。

比較的広い圃場でコンバインを利用している農家や大規模農業法人でも、一部の狭い圃場や自家用の圃場、一部のもち米用圃場などにバインダーを活用している場合もあります。また、ブランド米や特別栽培米の付加価値として天日干しにする場合にも、バインダーが欠かせません。中山間地の農地の多い日本では、まだまだ需要の高い農機です。

バインダーの3つの利点

バインダーならではの人気の理由は、主に3つあります。

狭い圃場でも使いやすい

バインダーの大きな魅力は小回りが利く点です。ほとんどが1条または2条用の走行型で、畔の多い農地や狭い場所でも歩くペースで丁寧な刈り取りができます。中山間地の棚田など、まっすぐな圃場の取れない複雑な地形での水稲が多い中山間地では、今でも収穫期の主役となる農機です。

また、複雑な操作も必要なく、結束用の紐を設置するだけで簡単に使えるため、機械が苦手な人や比較的初心者でも扱いやすいでしょう。小回りの利きやすさに加えて使い勝手のよさが大きな利点です。

コンパクトで移動しやすい

もう1つの魅力はコンパクトさです。圃場が離れている場合でも、軽トラックの荷台に積んで圃場間を移動することができます。また、使用するのは収穫期に限られ、年のほとんどは収納しておくことになるため、収納スペースもコンパクトで済む点は非常に助かります。

丈夫で長持ち

シンプルな構造と1年に数日しか使わないことから、しっかりと手入れをしていればとにかく長持ちします。複雑な機能がないため故障も少なく、修理もそれほど大変ではありません。

かなりの年数が経っている中古でも良品が多く出回っています。ただし、もし修理が必要になると、年数が古すぎて部品がすでに製造中止になっていることもあるため注意が必要です。

コンバインやハーベスターについて気になる方はこちらの記事を参考にしてみてください。

バインダーによく見られる故障や不具合

工具 DIY

丈夫で壊れにくいバインダーですが、もちろん故障が全くないわけではありません。使用する前に不具合がないかどうか、しっかり点検しましょう。

よくあるトラブルが結束に関するものです。紐がうまく結べない、きちんと結束できないというケースが見られます。この場合、原因の多くは機械の故障ではなく紐にあります。

古い紐を使っていたり、安価な廉価品を使っていたりすると、太さが均一になっておらず結束がうまくいかないのです。まずは、新品のメーカー純正品の紐に買い換えて使ってみましょう。

結束機のオイル切れも考えられるので、オイルがあれば注入します。また、紐を通すビルの強さを制御するバネが弱くなっていると、結束ミスが多くなります。その場合はバネの強さを調整することで改善することもあります。

それでもうまくいかない場合は、紐ブレーキや結束ガイド、搬送ベルトの摩耗・消耗が原因かもしれません。この場合は部品交換や補充が必要になるため、農機販売店に問い合わせましょう。メーカーで製造中止になっている古い機種でも、インターネットを利用して部品を取り寄せられる場合もあるため、探してみるとよいでしょう。

メンテナンスのポイント

女性の写真

バインダーを長持ちさせるには適切なメンテナンスが欠かせません。使用中はもちろんですが、使用前には必ずエンジンを動かし、点検と試運転をしましょう。

作業前の毎日の点検

収穫作業中は、毎日作業前に以下のポイントに気を付けて点検をしましょう。不具合があれば、機種に応じて調整や注油を行います。

・燃料・エンジンオイルは十分か?
・紐は正しく通してあるか?
・各部品へのオイルは十分に注油してあるか?
・引き起こしチェーンの張りは適正か?
・タイヤの空気圧は適正か?
・ビルや紐ブレーキ、結束ガイド、搬送ベルトなど各部品に不具合はないか?
・刈刃部分に不具合がないか?
・刈刃が欠けていないか?

作業中の点検

20~30アールごと、50~60アールごとなど、ある程度作業を進めたら、機械を止めてこまめに点検します。引き起こしチェーンや各種クラッチワイヤーなどのオイルを点検し、オイルが不足していたらこまめに注油しましょう。

100アールを超える場合はエンジンオイルの給油や交換をするとよいでしょう。注油・給油の方法は機種によって異なるので、取扱い説明書に従って適切に行います。排気のフィルターの汚れも取り除きましょう。

200アールを超えて作業し、走行操作がうまくいかないような不具合があった場合は、各種クラッチワイヤーの調整をすると改善する場合があります。各機種の取扱説明書に従って調整しましょう。

また、結束不良が増えてきたら、ビルやバネ、搬送ベルトなど結束機の部品の状態もチェックし、必要があれば調整します。各接続部のゆるみがあればしっかりと締めてください。この頃に一度刈刃もチェックし、摩耗や欠けが見られたら刃を交換すると作業効率が上がります。

作業終了後の手入れと収納前のメンテナンス

バインダーを長持ちさせるためには、作業が終わったあとの適切な手入れが重要です。機体についた泥などの汚れを真水できれいに落とし、乾いた布でしっかりと水分を拭き取ります。

水分が完全に乾いたら、引き起こしチェーンや刈刃部など各部品に注油します。回転部や支点部など、作業中には注油しない部分にも忘れずに注油しましょう。

また、機体の塗料が剥げた部分は塗料やグリースを塗ります。こうした手入れをすることで、格納中の錆を防げるはずです。

また、ファンのカバーを外して汚れを取り除き、フィルターもきれいに洗います。ガソリンはすべて排出しておいてください。入れっぱなしにすると格納中に気化してしまい、次回の始動時に不具合を生じる場合があります。

タイヤの空気圧も既定の圧力に調整します。ほこりがかからないようにカバーをかけて保管しましょう。

バインダー購入には中古農機がおすすめ

お米 稲

年間で使用するのは数回だけというバインダーは、高価な新品を購入するのはもったいないと思う人も多いでしょう。その場合は中古農機の購入がおすすめです。とはいえ、中古だと状態もわかりにくく、購入に不安を感じる人も少なくありません。

近隣で中古農機を探しても、そもそも品数自体が少なく、希望する機種でよい状態の品を見つけるのは難しいでしょう。そこでおすすめしたいのが、インターネットによる中古農機の購入です。

バインダーの他にコンバインやハーベスターを中古で選ぶ際のポイントについても紹介しています。是非参考にしてみてください。

中古でバインダーを購入するときのポイント

中古でバインダーを購入するときには、いくつかチェックしたほうがよいポイントがあります。

走行時間

農機具の目安の走行時間は、馬力×100時間程度だといわれています。たとえば2.4馬力だと240時間程度、3.8馬力だと380時間程度です。一般的に農機具は1,000時間を超えると不具合が出るため、なるべく走行時間の少ないものを選ぶとよいでしょう。

メンテナンスの状態

メンテナンスの状態を確認しましょう。とくに結束用バネは十分な弾力があるか、搬送ベルトが摩耗していないか、タイヤが変形していないか、ヒビが入っていないか、刈刃が欠けていないかなどを確認します。

年式があまりにも古いものは、いくらメンテナンスがよい状態でも、もし修理が必要になったとき部品が製造中止になっている可能性もあるため、注意が必要です。

性能と重さのバランス

バインダーは1輪か2輪タイプで1条~7条程から選択できます。広く刈り取れるものほど機械自体の重さも増し、扱いが大変になります。

また大きなものほど広い保管場所が必要です。保管スタンドがないタイプは、保管の際ブロックなどを使用してタイヤを浮かせる必要もあります。機体寸法や重量などのスペックと、自分が必要としている性能のバランスを確認しましょう。

農機の中古市場の広がり

現在は農機の開発が急速に進み、最新技術を駆使した新機種も日々販売されています。それによって高齢者でも作業が楽になり、経営規模の大小を問わず農機の重要性が高まっています。

その一方で、離農したり農地の集約化で大規模経営農家や農業法人に作業を委託したりするケースが増え、まだ十分に使えるのに不要となる農機も増えています。とくにバインダーは、農地集約に伴って大規模経営に向くコンバインへの買い替えが進んでおり、きれいな良品が多く中古市場に出回っています。

中古農機市場はインターネットの活用により、地域を超えて全国でまだ十分に使用できる農機を探し、取引できるように市場を広げています。このような環境の変化によって、農機は不動産や車と同様、インターネットによる中古売買が当たり前になってきています。

インターネットで中古農機を購入するメリット

インターネットで中古農機を購入する一番のメリットは、品揃えのよさです。全国を対象にしているため、機種別やメーカー別に探しても多くの農機を選べます。

また、価格の比較が容易な点もメリットです。お店を回ることなく、その場で掲載されている商品を見比べて価格も比較できます。相場もわかりやすく、良心的な価格で出品されているお得なバインダーを探せるでしょう。

直接農機をみることはできませんが、良心的な出店者はたくさんの画像を出品サイトに掲載しているため、状態もよくわかります。気になる農機が見つかったら、出品者に詳細を問い合わせてみましょう。

中古農機の購入に便利なUMM

中古農機市場UMM

インターネットで中古農機の購入を考えているなら、まずは「中古農機市場UMM」をチェックしてみましょう。UMMは中古農機具を専門に扱うサイトで、全国の農家と農機具販売店を結んでいます。

種類別にみると、トラクターは400点以上、コンバインは120点以上、バインダーも10点以上の出品があり、それぞれ豊富な画像と状態の詳細が見られます。

購入側の農家の登録料は無料です。購入が決まった場合でも仲介料は一切かかりません。気になる人はぜひチェックしてみてください。

まとめ

農機具の中古販売市場は今後も広がる傾向を見せています。中でもバインダーはコンバインを利用できない小規模農家はもちろん、コンバインを使っている農家にとっても便利な農機具です。そのため需要・供給量ともに多く、根強い人気があります。

インターネット市場には良品も多く出るため、小規模経営農家にとっては中古市場がねらい目です。こまめにチェックし、よい品を少しでも安く手に入れましょう。

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