スピードスプレーヤーの使い方と散布斑をなくすポイント

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大規模農園での薬剤散布は時間もかかるうえ、肉体的負担も大きい作業です。しかしスピードスプレーヤーの登場で、短時間で簡単に行えるようになりました。当記事ではそんなスピードスプレーヤーの使い方と、効果的に薬剤散布をするための注意点についてお伝えします。

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大規模農園で薬剤散布をする際に欠かせないスピードスプレーヤー。広範囲に一気に薬剤を散布できるためとても便利ですが、使い方を誤れば故障の原因になってしまいます。非常に高価な農機だけに、間違いのない使用方法で故障させないようにしましょう。

散布の仕方によっては、うまく薬剤が付着しないこともあります。今回はスピードスプレーヤーの基本的な使い方と、薬剤をムラなく散布させるためのポイントについてご紹介します。

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スピードスプレーヤーとは

農薬散布機 スピードスプレーヤー

スピードスプレーヤーは大型のタンクを装備し、大量の薬剤を果樹などに一気に散布できる機械です。自分で風を起こす大型のファンが装備されており、高所や広範囲に薬剤を散布できるのも特徴です。

スピードスプレーヤーが初めて日本に導入されたのは1955年のことでした。アメリカの 「FMC・ジョンビーン社」から輸入したもので、一度に広範囲への薬剤散布ができるという性能に注目が集まりました。

その後、国産のスピードスプレーヤーが誕生。当初はトラクターで薬剤タンクを牽引するタイプでしたが、その後自走式が開発されました。今では誘導ケーブルを使った無人タイプや、エアコンを装備させたキャビンタイプなどさまざまなものが登場しています。

そのほか果樹園のデコボコ道でも走りやすいように四輪駆動を採用したものや、騒音や環境に考慮した電動タイプのものまで開発され、スピードスプレーヤーは現在も進化を続けています。

果樹園で行う農薬散布の作業は、数ある農作業の中でも時間を多くとる作業でした。スピードスプレーヤーが登場したことによりその時間は大幅に短縮され、農家の負担も軽減されています。

スピードスプレーヤーの使い方

スピードスプレーヤーの使い方は大きく分けて「タンクに水をためる」「薬剤を混ぜる(ポンプを動かす)」「エンジンをかける」「ファンを動かす」「薬剤を噴霧させる」です。それぞれの注意点も踏まえながら使い方について詳しくご紹介していきましょう。

エンジンスタートから噴霧までの手順

スピードスプレーヤーを使用する前には必ず外観チェックを行いましょう。スピードスプレーヤーはその特性上大量の水を使うので、破損があるとそこから故障につながる場合もあります。目視して亀裂などの異常がないかチェックしましょう。

エンジンスタート

エンジンをスタートさせる前に、噴霧用のポンプや送風ファンのスイッチがオフになっているか確認しましょう。大きな送風ファンが急に動くと危険です。思わぬ故障や事故につながるかもしれません。

きちんとスイッチがオフになっていると確認できたらエンジンをスタートさせます。スピードスプレーヤーは基本的にディーゼルエンジンのため、説明書に従って予熱を行ってからスタートさせましょう。

薬剤タンクに水をためる

給水ホースを取り外して薬剤タンクに差し込み水を入れます。濾し網の上から入れて構いませんが、このとき薬剤タンクの排水バルブは開けておきましょう。タンク内に付着している汚れなどを洗い流すためです。

新品でもない限り、前回使用した薬剤の残りなどが乾燥して塊となっている場合があります。こうした薬剤が残っていると希釈割合が変わってしまいます。

また、噴霧ノズルや排水バルブのつまりを誘発しかねません。はじめに洗浄する習慣をつけましょう。濾し網は取り出して洗浄しておけば、よりつまり防止に役立ちます。

噴霧ポンプを起動させる

起動前には故障防止のため、噴霧ポンプのピストン部分にエンジンオイルを1~2滴注入しておきましょう。その後ポンプを起動させ、どのノズルからも綺麗に噴霧ができているか確認します。もしうまく噴霧できていない場合はつまりが考えられるので、ノズルを清掃します。

薬液を作る

噴霧ノズルは必ず閉じ薬剤を撹拌します。まずは薬剤を入れない状態で撹拌を開始しましょう。

顆粒タイプのものは濾し網の上から投入します。濾し網の底に薬剤の溶け残りがないか確認し、残っている場合は手でしっかりと溶かし込みます。この場合、農業用のゴム手袋を忘れずに着用してください。

噴霧開始

薬剤タンクの蓋をしっかり閉めたら噴霧開始です。エンジンを安定させるためにまずは送風ファンを起動させておきます。安定した送風を確認したら、噴霧バルブを開き散布してください。

噴霧中も定期的にノズルのつまりなどが発生していないか、目視確認をすれば散布ミスも防げます。薬液がなくなったらすぐに噴霧ポンプを停止させてください。

連続で噴霧する場合

続けて薬剤を作り散布させる場合は、タンクや送風ファンの周りなどについた草などの汚れを取り除くようにしましょう。タンク内にこうしたものが混入するとつまりの原因になります。

噴霧作業の直後のエンジンは、非常に負荷がかかり高温状態になっています。急にエンジンを停止すると故障してしまう可能性もあります。ある程度時間を置いて放熱させてからエンジンを停止させるようにしましょう。連続で噴霧を行う場合は、エンジンを止めずに給水作業を行うことをおすすめします。

スピードスプレーヤーの使い方自体はそう難しくはありません。しかし、手順を間違えると思わぬトラブルが起きることもあります。大型のファンを搭載しているなど危険な面もあるので、初めて使用する方は業者から説明を受けるようにすると安心です。また、取扱説明書などもよく確認するようにしてください。

使用後のメンテナンス

散布が終わったら残っている薬液を排水バルブから排出させます。そのうえで水を入れて攪拌しながらタンク内を洗浄します。薬剤の残りはつまりの原因になるため、可能な限り綺麗にしておきます。

薬剤によっては固まって残りやすいものも多く、噴霧ノズルや排水バルブ周りでつまる原因になります。使用の前後で洗浄することは、そうしたつまりの予防に役立ちます。

そのほか、噴霧ノズルや排水バルブストレーナーなども水洗いし、綺麗にしておきましょう。水切れをよくするため、排水バルブと噴霧用のバルブは開放した状態にしておくのもポイントです。

散布斑を減らして効果的に散布するには

リンゴ農園の写真

スピードスプレーヤーは広大な果樹園などで、一気に薬剤散布できるとても便利な機械です。しかしその性能に完全に頼ってしまうと、散布斑を引き起こす原因にもなりかねません。スピードスプレーヤーの性能を十分に生かせるよう次の点に注意してみてください。

事前準備で気をつけておくこと

スピードスプレーヤーの薬剤タンクには撹拌機能がついていますが、この機能は十分ではありません。薬剤によって溶けにくいものもあり、手でかき混ぜるなど補助が必要不可欠です。濾し網の中に残るときは、手でしっかりと混ぜ込むようにしましょう。

複数の薬剤を混ぜ込むときは、溶かす順番が重要です。順番を間違えると、目的としている効果を得られないこともあります。2種類以上混入させる場合は、水に溶けやすい薬剤から混ぜます。

基本的に「展着剤(泡立ちにくいもの)」→「水溶剤」→「液剤」→「乳剤」→「フロアブル」→「顆粒水和剤」→「水和剤」→「展着剤(泡の立ちやすいもの)」の順です。

まず展着剤と水をしっかりと混ぜ、その後に次の薬剤を混ぜます。一つひとつきちんと混ざってから、次の薬剤を投入しましょう。液剤どうし、乳剤どうしの場合に限り一緒に混ぜてもかまいません。

そのほか、雨の後など樹木が濡れているときは、薬剤を散布しても想定の効果があまり得られません。散布直後に雨や霧などの影響を受けてしまった場合も同様です。必ず天候をチェックして散布を行いましょう。

散布中の注意点

スピードスプレーヤーは基本的に風のない日に散布するのがよいとされています。しかし、実際のところ散布中ずっと無風状態が続くことはほぼありません。風のある日は散布量を調節するなど対策をとる必要があります。また、向かい風よりは追い風の方が効果的に散布できます。風向きも考慮しましょう。

走行速度にも注意

走行速度が速すぎてもうまく散布できません。速度が頻繁に変わってしまうと散布にムラができやすくなる点も注意が必要です。樹木が密集している場所は散布しにくいため、速度を落として走行しましょう。

そして、走行中の送風量も注意しておきましょう。走行中に草や葉などが付着すると、ファンが一定速度で回らないなど不具合が起きることもあります。風量が変わると均等に散布できません。風量に変化がないか、強弱の具合なども常に気を配りながら散布しましょう。

スピードスプレーヤーの特性から気をつけておくこと

スピードスプレーヤーは強風域では薬剤の付着量が少なく弱風域では多くなります。進行方向に相対する面の葉には多く付着しますが、裏面にはつきにくいという傾向もあります。

こうした特性による散布斑を防ぐために、果樹園などではすべての列を走行するようにしましょう。1列おきなどの散布方法では散布斑ができやすくなります。

樹木の両側では異なる方向から散布すれば、より斑を防げるはずです。オプションの制風板などを装着すれば、強風域と弱風域の散布差を減らせるでしょう

日頃のメンテナンス

地域や気温によっても変動しますが、スピードスプレーヤーで薬剤の散布を行うのは1年間におおよそ15回です。毎日使用するものではないため、大丈夫だろうとあまりメンテナンスをしていないという方も多いかもしれません。

しかし薬液散布は時期がある程度決まっているので、いざ使おうとしたときに動かないと困ります。汚れがたまりやすい部分はこまめにメンテナンスしておきましょう。

例えばラジエータースクリーンは、定期的に取り外して洗浄してください。ストレーナーや噴霧ノズルは使用するたびに洗浄します。

1年を通して使用したら動力噴霧器ポンプのオイル交換やグリスアップなどをし、消耗品などは交換することをおすすめします。できれば整備工場などで定期的に点検を行うと、より安心して使用できるでしょう。

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まとめ

スピードスプレーヤーは使い方を覚えてしまえば比較的簡単に操作できます。しかし風向きなど環境的な要因に左右されることも多く、薬剤の散布は気を配りながら行う必要があります。

また、薬剤を混ぜる際には順番に気をつけるなど守らなければならない部分もあります。けれども、人の手だけでは大変で多くの時間がかかっていた薬剤散布を、短時間で行ってくれるスピードスプレーヤーは、大きな果樹園を持つ農家にとって強い味方となるはずです。