ニンニクの育て方│栽培・植える時期、病気にならない育て方のコツを紹介!

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にんにく

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栄養豊富で免疫力を高めてくれる食材として知られるニンニク。害虫の心配が比較的少なく、栽培の難易度もそれほど高くないため、安定した収穫が見込める作物です。長期の保存もきき、大量に栽培して貯蔵もできます。

他の野菜と比べると狭い面積にたくさん植えられるため、計画通りに収穫できたときの達成感もひとしおです。本記事では、ニンニクの栽培時期や栽培方法や注意点などをご紹介します。

ニンニクの品種

ニンニクは地域ごとに生育に適している品種が異なるため、その土地の気候に合った品種を植えることが成功の秘訣です。ニンニクには大きく分けて、寒地栽培の品種と暖地栽培の品種があります。

寒地栽培に向いている品種

寒地栽培の品種で代表的なのが、北海道や青森などで栽培されている「福地ホワイト六片」です。福地ホワイト六片はニンニクの中でも最高級品種で、名前の通り鱗片がおよそ6つに分かれています。粒が大きく揃っているのも特徴のひとつです。糖度が凝縮されていて辛味とのバランスもよく、香りがマイルドなので料理にも使いやすいでしょう。

暖地栽培に向いている品種

暖地栽培の品種で代表的なのが、香川県や大分県で栽培されている「上海早生(しゃんはいわせ)」や、宮崎県など九州で栽培されている「嘉定(かてい)」などです。

上海早生は中身が12~18個に細かく分かれるため、鱗片自体はそれほど大きくはなりませんが、他種と比べると上品な味わいが特徴です。嘉定は小ぶりながら香りが強く、早いうちに収穫すれば葉ニンニクとしても食べられます。

家庭菜園に向いているニンニク

家庭菜園で、初心者の方でも簡単に育てられるニンニクもあります。「ホワイト6片」「エレフェントガーリック」「無臭ニンニク」などがおすすめです。

お住まいの地域の気候や風土に合わせて、失敗しないニンニクの育て方をしましょう。

また、プランター栽培に適した野菜を季節ごとに紹介しています。色々な野菜を育ててみたい方はぜひ参考にしてみてください。

ニンニクの栽培・植える時期

ニンニクは暑さに弱いので、一般的には秋頃に植えつけて翌年の夏前に収穫します。栽培スケジュールは品種や地域によっても異なりますが、中間地である関東地方であれば、9月下旬〜10月中旬に植えつけ、11月に追肥、2月〜3月に再追肥、5月下旬〜6月中旬頃に収穫というのが大まかな流れです。

9月下旬|土づくり

ニンニクは酸性の土を嫌うため、植えつけ2週間前には石灰を混ぜて土の酸性度をpH5.5〜6.0程度に中和させます。石灰には作物の成長に必要なカルシウムを補う役割もあり、球を大きくさせるためにも使用した方がよいでしょう。

分量は1㎡あたり100〜200gで、土の表面がうっすら白くなる程度を目安としてください。

植えつけ1週間前になったら、完熟堆肥と化成肥料を施してよく耕します。完熟堆肥は1㎡あたり5〜6握りが目安です。堆肥が未熟だと土の中で発酵し、ガスを生じさせます。根を傷める原因にもなるので、必ず完熟堆肥を使いましょう。

化成肥料はできれば緩効性でリン酸が多めに入ったのものを選びます。分量は1㎡あたり大さじ7〜8杯分程度です。よく耕したら幅30cm、高さ10cmぐらいの畝を作っておきましょう。

こちらでは、土作りについてまとめていますので、あわせて参考にしてください。

10月上旬|植えつけ

ニンニクの種球は、ばらしてネットに詰めた状態か、塊の状態で売られており、ホームセンターなどで購入できます。種球の鱗片はひとつずつばらしてから植えつけましょう。薄皮はむかなくても発芽はしますが、むいた方が早く発芽します。その際には爪で鱗片を傷つけないよう注意が必要です。

薄皮をむく作業は、乾燥を防ぐため植える直前に行います。植える鱗片はできるだけ大きいものを選んでください。このとき、干からびていたり、病斑があったりするものは避けましょう。ウイルスに感染している可能性があり、発芽後に葉がよじれてうまく生育しない恐れがあります。また、植える前に種球を一晩水に浸けておくと発芽時期が揃います。

鱗片を15cm間隔で5cm程度の深さに植えましょう。芽が出る方(尖った方)を上向きにし、やわらかく土を被せます。マルチを被せると保湿対策や、雑草を抑制するのに効果的です。穴が空いたタイプを使うと植えつけが楽にできます。

水やり

土が乾いていると発芽が遅れるので、発芽するまでは乾燥しているようなら水やりをし、発芽してからはやや乾燥気味に育てます。冬でも1週間以上晴れの日が続くようであれば、かん水した方がよいでしょう。春になってから、球が大きくなりやすいといわれています。

ただし、乾燥には比較的強くても過湿には弱いので、水はけをよくしておくことが肝心です。春の長雨などでダメにしてしまうこともあるので、その場合は畝を高くするなどして対策します。

10月下旬|芽かき

薄皮をむかなかった場合は植えつけから30日後ぐらい、早いと1〜2週間で発芽します。草丈が10〜15cmまで伸びる頃になると、芽が2本出ている株もあるはずです。このままだと球の生育を阻害するので、勢いの弱い方をかき取って1本にします。

この際、株がすべて抜けてしまわないよう手で押さえながら脇芽を抜き取ってください。うまく抜き取れなければハサミで切っても構いません。

また、マルチを被せていても雑草は生えてきます。株の成長を妨げないよう、こまめに抜くようにしましょう。

11月上旬|追肥

1回目の追肥は越冬前、植えつけから1ヶ月後ぐらいに与えます。ニンニクは光合成によって作られた養分を冬の間に茎と根に蓄えます。そして、春になると球へ転流させる性質があるため、越冬前に地上部をしっかり育てておくことが重要です。

元肥にも使った化成肥料を追肥に使います。1㎡あたり大さじ3〜5杯程度が目安です。この段階では、30cmぐらいの葉が4〜6枚程度ついた状態まで成長しているのが望ましいでしょう。

ニンニクは、冬の間は冬眠期間です。この時期は肥料をあげても寒さで養分を吸収しないので、春先の2~3月頃になってからもう一度追肥しましょう。

6月上旬|トウ摘み

春になると「花芽(トウ)」が伸びてきます。花芽を放っておくと球に養分が行かないうちに株が枯れてしまうので、早めに摘み取らなければなりません。

花芽は手で簡単に折れるほか、真上に引っ張るとすぽっと抜けます。ちなみに、この花芽の部分が中華料理などで食べられている「ニンニクの芽」です。

国内で多く栽培されている「福地ホワイト六片」などは花芽があまり伸びないため、国産のニンニクの芽というものは少なく、スーパーで売られているニンニクの芽のほとんどが中国産です。寒地向けの「富良野」や暖地向けの「上海早生」などは花芽が長く伸びるので、出荷されるものもあります。

6月下旬|収穫

ニンニクは球が成熟すると再び休眠に入って成長が止まります。地上に生えている葉が8割ほど枯れて黄色くなったら収穫時期のサインです。

このとき、葉の色だけでなく茎にも注目してください。茎が細く締まっている状態がベストです。茎が太いものは収穫にはまだ早いと考えましょう。

また、球が成熟していれば引っ張って簡単に抜けますが、抜けにくい場合はまだ球の成長が見込めるため少し様子をみます。収穫が早すぎると球が小さく、反対に遅すぎると球が割れてしまうので、最適なタイミングを見極めることが重要です。

質のよいニンニクは鱗片が6〜8片に分かれ、1片1片が丸く均等です。一方、7片や9片のように数や大きさにばらつきがあるものは生育が不十分だった可能性があります。

なお、雨の後など土が湿っているときに収穫すると球が傷みやすいので、晴天がしばらく続いた日を見計らって収穫するとよいでしょう。

乾燥

収穫したニンニクは根と茎葉の1/3ほどを切り落とし、そのまま外で3〜5日乾燥させましょう。乾燥したら葉の先端を切り取って紐で10球程度を束ね、風通しがよく雨の当たらない日陰に吊るして保存します。

1ヶ月ほどして収穫時よりも3割ほど水分が減ったら、ネットなどに入れて風通しのよい日陰で貯蔵しましょう。あまり長く置いているとニンニクが休眠から覚めて芽を出します。その前に食べてしまうか、冷凍保存するのがおすすめです。

ニンニク栽培の注意点

越冬前に害虫がつくケースは少ない一方、生育が盛んになる春先になってからは害虫で失敗することもあります。ニンニクに発生する代表的な病害虫は、アブラムシやアザミウマ、ダニ、ヨトウムシなどです。

害虫に寄生された株は吸汁被害で葉が変形したり、ウイルスに感染してモザイク病などの病気にかかったりする恐れがあるので、害虫は見つけ次第駆除してください。

なお、一度病気を発症した株は治療が困難になるため、予防が重要です。マルチングや防虫ネットで株を保護するか、必要に応じて農薬の使用も検討してみましょう。あまり農薬を使いたくない場合は、酢溶液など農薬を使わない対処法もあります。

にんにく栽培でかかりやすい病気・害虫対策についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

ニンニク栽培に関するFAQ

ニンニク栽培に関するFAQをまとめました。ぜひ参考にしてください。

日当たりがよくないと育たない?

日当たりのよい方が、栽培に適しています。ニンニクは、栽培期間に太陽の日差しをたくさん浴びることで光合成を盛んにします。光合成は、葉や実を成長させるために必要です。日当たりが悪いと、成長が遅くなり、実が小さくなることがあります。しかし、家庭菜園でプランターなどで育てる場合は、ずっと日当たりがいい場所に置くのは難しいかも知れません。少しの時間は日に当たり、半日影と呼ばれるくらいの場所を探すなど工夫をしましょう。

スーパーで買ったニンニクは育つ?

スーパーで買ったニンニクは育ちます。スーパーに並ぶニンニクは、食用として栽培されているので、一部栽培に適さない品種もあります。しかし、発芽ができるものであれば、栽培できるので、ぜひ試してみてください。

乾燥させなくても食べられる?

ニンニクは乾燥させなくても食べられます。スーパーなどで販売されているニンニクは、長期保存用に乾燥させて水分を飛ばしているものが一般的です。それに対し、乾燥させる前のニンニクのことを生ニンニクといいます。

生ニンニクは水分が多いのでみずみずしく、もちもちとした食感が特徴です。2週間程度しか持たないため基本的には収穫直後にしか味わえず、スーパーなどにはほぼ出回っていません。

珍しい生ニンニクですが、道の駅などの直売所やネット通販で販売されることがあります。手に入れたい場合は、収穫期に合わせてチェックしてみましょう。

ニンニクが分かれていない原因は?

ニンニクは、およそ4月に分球が始まります。それ以前に収穫してしまうと、分球しておらず分かれていない状態になります。適切な時期に収穫しましょう。

また時々、収穫時期になっても分球しないニンニクがありますので、食べても問題ありませんが、次の種として残しておくのもよいでしょう。

栽培に失敗してしまった原因は?

ニンニク栽培で失敗してしまうこととして、芽が出ないことが挙げられます。その原因は、適切な植え付け時期でなかったことや、植えた向きが悪かったことが考えられます。

植え付け時期は、早くとも9月中旬から11月頃です。それ以上早く植えてしまうと、土の温度が高く腐ってしまうので気をつけましょう。また、植えるときは必ず尖った方を上にしてください。正しい向きで植えないと、芽は出てきません

ニンニクはコンパニオンプランツとしても便利

コンパニオンプランツ」とは、種類の異なる野菜を混植することで害虫の防除や成長の促進、病気の予防などが期待できる組み合わせの植物のことです。日本語では「共生植物」などとも呼びます。

ニンニクの強い臭いの元である「アリシン」という成分によって、ウリ科の野菜やイチゴなどと一緒に植えると、病害虫の寄生を防ぐ効果が期待できます。植物全般と相性のよいニンニクですが、キャベツやマメ科の野菜と混植させると生育が鈍るといわれているので注意が必要です。


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まとめ

ニンニクは狭い面積でも比較的たくさんの収穫が期待できます。病害虫による被害が少なく、栽培の手間もそこまでかからないので、農業を始めたての方にとっても育てやすい作物といえるでしょう。

ニンニクは寒地と暖地で栽培に適した品種が異なるため、その土地の気候に合わない品種を植えてもうまく育ちません。追肥や収穫の時期を正しく見極めながら、ニンニクづくりを成功させましょう。