イチゴの育て方・栽培方法│家庭で甘いイチゴができる植え付け時期とコツを徹底解説!
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
スイーツに欠かせないフルーツとして、多くの人から愛されるイチゴ。最近では、プランター栽培や、ストロベリーポットなどで手軽に育てられる植物としても人気です。
今回は、イチゴ栽培初心者に向けて、イチゴの育て方と甘くするコツを詳しく解説します。また、イチゴの特徴や栽培に必要な道具も紹介するので、これからイチゴを育ててみたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
家庭菜園でおすすめのイチゴの特徴・収穫時期
イチゴの特徴や、収穫時期、おすすめの品種などを紹介します。
イチゴの特徴
イチゴは「バラ科」に属する多年草で、果物ではなく野菜の一種です。ビタミンCや食物繊維、葉酸、カリウムなど、体にうれしい栄養素を多く含んでいて、積極的に摂取することで健康や美容効果が期待できるといわれています。
また、私たちが普段食べている赤い部分は、茎が厚くなってできた花托(かたく)と呼ばれるもので、実はイチゴの表面にある粒々とした部分です。
イチゴは親株から「ランナー」と呼ばれるつるを伸ばし、どんどん株を増やして生長していくという特徴があります。日当たりがよい場所を好む一方で暑さに弱いので、涼しく水はけのよい環境で育てるのが望ましいでしょう。
一季なり
- 植え付け時期:10月~11月
- 収穫時期:5月~6月
一季なりイチゴはクリスマスシーズンに合わせて、ハウスで「促成栽培(加温して生長を早める栽培法)」を行う場合もあります。四季なりイチゴよりも味がよいとされ、ケーキなどにのせる生食用として需要があります。
初心者の方は、一季なりのほうが露地栽培の旬の時期に収穫ができ、育てやすいです。
四季なり
- 植え付け時期:3月~4月
- 収穫時期:年中収穫可能
四季なりは秋だけでなく3~4月にも植えつけが可能です。寒い時期以外は花をつけるため、収穫時期が長いという特徴があります。
四季なりは病気に強く、比較的簡単に育てることができます。長い期間収穫を楽しめるため、家庭菜園で育てるのに人気がある品種が多くあります。
その他、プランターで簡単に栽培できる、初心者向けの野菜の育て方を紹介しています。こちらの記事を参考にしてみてください。
家庭菜園でおすすめの品種
イチゴは用途によって酸味をあえてだしたものや、甘さを控えたものもあります。甘いイチゴを育てたいのであれば、糖度の高い品種を選んで栽培するのがおすすめです。
糖度の高い品種でおすすめなのは、「章姫(あきひめ)」や「とちおとめ」「さちのか」などです。
そのほかにも、イチゴの代表的なブランドに「あまおう」「紅ほっぺ」など、さまざまな品種が販売されているので、甘さにこだわって苗を選ぶとよいでしょう。
イチゴの栽培は難しい?
一般的にイチゴの栽培は上級者向けだとされています。その理由は、栽培の難しさです。
イチゴの実は土に触れてしまうと病気になりやすいため、土に触れないように育てる必要があります。また、アブラムシをはじめとする虫がつきやすいこと。乾燥に弱く、冬でも水やりが必要なこと。などたくさんの理由があります。
特に、肥料の量は土の状況によっても変わるので、ベテラン農家でも失敗しやすいポイントです。
イチゴの栽培方法
続いて、イチゴの育て方を詳しく解説していきます。
イチゴの栽培方法例
イチゴは寒さに強く、マイナス6度でも耐えられます。一方、暑さには弱く、5度以下の空気に触れないと花が咲かないとも言われています。
ですが、あまりにも寒いと実が育たないため、温度調節が非常に大切です。
一般的な「ハウス栽培」
一年中需要が高いイチゴは、ハウス栽培をして、出荷までの期間を短縮していることがほとんどです。そのため、ビニールハウスで育てやすく品種改良されているイチゴが多いです。
寒いところを好むイチゴですが、凍ってしまうと身をつけることができません。そのため、寒い地域では、ビニールハウスで寒さ対策をしながら育てることも多いです。
「水耕栽培」で作られることも
また最近では水耕栽培をしているところも。水耕栽培とは、土を使わず水だけで栽培する方法です。
草刈りをする手間もいらず、管理が簡単なことや、成長のスピードが早いこと、農薬を使わなくても栽培可能なことなどから注目されています。
家庭でも、水耕栽培をする容器や培養液を準備すれば、水耕栽培も可能ですよ。
イチゴ専用のプランター栽培
イチゴは一般的なプランターでも育てられますが、イチゴ専用のプランター「ストロベリーポット」を使うのがおすすめです。
イチゴは土に触れると、病気になりやすいと説明しました。ストロベリーポットは、普通のポットよりも高さがあるため、実をつけたときに鉢の外側に垂れ下がるので、実が土について病気になってしまことを防げます。
イチゴ栽培に必要な道具
まずは、イチゴの栽培に必要な道具は以下12点を用意しましょう。
- イチゴの苗
- 苦土石灰(くどせっかい)
- 堆肥
- マルチシート(敷きわらまたはポリフィルムマルチでも可)
- 固定ピン(マルチを固定するピン)
- スコップ
- 移植ゴテ
- じょうろ
- 筆
- レーキ
- 園芸バサミ
- ガーデングローブ
苦土石灰は植物が育ちやすいよう、土をアルカリ性に保ってくれる肥料のことです。土づくりの際に緩効性肥料と一緒に使用します。
マルチシートの役割は土の温度を一定に保ち、植物を病気や乾燥から守ることです。また、実がなったときに泥汚れがつくのも防いでくれます。
レーキや移植ゴテは、スコップでも代用できますが、土に穴を開けるときや、ならすときにあると便利です。筆はイチゴを受粉する際に使用します。
ベランダや庭で育てる場合は、プランターが必要です。また、培養土を準備しておくと便利です。
土づくり
イチゴの苗を植える3週間ほど前から土づくりを始めましょう。まず、1㎡に対して100gの苦土石灰を撒いてよく耕し、2週間放置してなじませます。その後、1㎡に対して堆肥3kgと化成肥料100gを混ぜ、高めに畝(うね)をつくってください。畝幅は、1列60cmにするのが基本です。
苗を選ぶ
苗を選ぶときは葉の色や状態をよく確認しましょう。葉が枯れていたり縮れていたり、白い粉をふいている場合は、何かしらの病気にかかっている可能性があります。イチゴには親株の性質が子株に受け継がれるという特徴があるので、病気にかかったイチゴを植えてしまうと子株にも影響がでます。
逆に、葉が青々としていてクラウン(根元)がしっかりしたものを選べば、子株を増やすときも安心です。ナメクジやアブラムシなどの害虫がくっついていないかもよく確認してください。
苗の植えつけ
プランターの場合
プランターで育てる場合は、深さ20cmほどのプランターを用意しましょう。標準プランター(長さ65cm)の場合は3株。直径15cmの鉢なら1株が目安です。
プランターを準備したら、培養土をプランターに敷き詰め苗を植えます。2株以上育てる場合は、20~25cm程の間隔が開けて植え付けます。また、ランナーの向きを揃えて植えましょう。
さらに、クラウンが土に埋もれてしまうと生育不良を起こしやすくなるので、浅めに植えます。植え付けが終わったら、水をたっぷりあげてください。
畑の場合
畑に植える場合は、苗の間隔を30cmほどあけて、ランナーを必ず北側にして植えつけます。これはランナーと反対方向に実をつけるイチゴの性質を利用したもので、花や実に日を当たりやすくする方法です。
このときプランターの場合と同様で、クラウンが土に埋もれてしまわないように、浅めに植えるよう心がけましょう。植えつけが終わったらたっぷり水をあげてください。
追肥
苗がしっかり根づいてきたら追肥を行います。追肥にはゆっくりとした効き目の緩効性肥料(液体タイプ)を使うのがおすすめです。
追肥の量は1㎡に対して30gを撒いてください。そして1ヶ月後にもう1回、同量の追肥を行います。
マルチング
土づくりと植えつけが終わったら、苗や実を守るためにマルチングをします。まず、畝のサイズに合わせてマルチシートを切ってから、マルチシートの片側をピンで固定しましょう。そしてマルチシートの中心線と畝の中心がずれないように、端まで伸ばしてピンで固定してください。
このとき、マルチシートをたるませないようにするのがポイントです。そして、マルチシートの余分な部分を畝の溝に押し込み、上から土をかぶせて踏み固めます。マルチシートをぴんと張ると苗の部分が盛り上がるので、穴をあけて引き出せばマルチングの完成です。
受粉
イチゴは他家受粉であり、放っておいても風や鳥、虫などの力を借りて受粉します。しかし、確実に実をつけたいのなら、花が咲きはじめた頃に受粉をしてあげるとよいでしょう。
受粉の方法は、花粉をつけた筆を雌しべの中心につけるだけです。花粉のつき方にムラがあると実の生長がうまく進まないので、まんべんなくつけるように注意しましょう。
収穫
イチゴは受粉してから通常20~35日ほどで収穫できる状態まで生長します。実がなって全体が赤く色づいてきたら収穫できる目安です。
収穫するときは、実のすぐ上のつる部分を親指と人差し指でつかみ、手首を内側に曲げるようにして優しくとります。このとき、つるを強く引っ張ったりしないように注意してください。
イチゴの実の生育速度は寒い時期にはゆっくりですが、気温が高くなると速度が上がり、一気に熟していきます。適した収穫時期は短いため、タイミングを逃さないようこまめに畑を見回りましょう。
甘いイチゴを栽培するコツ
甘くておいしいイチゴを育てるためのコツを紹介します。適した育て方を実践して甘いイチゴを育てましょう。
寒さ対策をする
イチゴは寒さに強い植物のため、マイナス5℃程度までなら特に対策をしなくても大丈夫です。しかし、マイナス5℃以下や雪が降る環境などでは、ビニールなどでカバーして寒さを防ぐ必要があります。寒さ対策をするときは、ビニールシートと支柱を使って防寒トンネルをつくりましょう。苗が雪に埋もれてしまうと、傷みの原因になるので注意してください。
また、12月頃からランナーが出てくることがあります。少し早い時期に出てくるランナーはハサミで根本から切るようにしてください。
脇芽・ランナー・葉を摘み取る
甘いイチゴを栽培するためには、脇芽やランナー、葉などを適度に摘み取る必要があります。生育途中や実がなってからでてきたランナー、脇芽は根元から切り取りましょう。
そうすることで養分の分散を防ぎ、甘いイチゴができるのです。また、葉は1本のつるに8枚程度を目安に、それ以外は取り除いてください。枯れたり変色したりしている葉も見つけ次第とるようにしましょう。
摘花をする
イチゴの花が咲いたら、3~5輪ほど残して取り除くようにしましょう。そうすることで、養分がイチゴ自体に届き、より一層甘くなります。
日当たりをよくする
イチゴは日当たりのよい場所を好みます。春先など暖かい時期であれば1日8時間程度、気温が低い時期には1日12時間程度の日照時間があるとよいでしょう。また、日当たりが悪いとイチゴの生育自体がうまくいかなくなってしまうので、栽培に適した環境で育てることが大切です。
肥料を与える
苗が活着してきたら、ホームセンターなどで販売されているイチゴ専用の肥料を撒きましょう。甘いイチゴを育てるためには、専用の肥料を与えるのが効果的です。
肥料の効き目が切れるタイミングは、固形肥料が1ヶ月、液体肥料は2週間とそれぞれ違うので、使いやすい方を選んでください。
水やりは控えめにする
イチゴは、土が乾いていたらたっぷりと水をあげるのが基本です。しかし、水のあげすぎには注意しましょう。
水のあげすぎは根腐れの原因になるので、土の状態を毎日観察してから水やりをしてください。
夏の場合
昼間は気温が高く、プランターや土の中で、煮えてしまいます。朝や夕方の比較的に涼しい時間に水をやり、乾いてしまわないよう気をつけましょう。
冬の場合
冬場はイチゴの休眠期に当たるため、水を吸い上げる量が減ります。土が乾いていないか確認しながら、週に1回程度水やりを行います。
イチゴ栽培で注意すべき病害虫
比較的育てやすいイチゴですが、注意しないと病害虫により枯れてしまったり、十分な収穫が望めなかったりすることがあります。
他の植物と同じように、アブラムシやナメクジ、ハダニなどが付くこともあります。防虫ネットで予防したり、こまめに葉や花托の状態を確認したりするなど、日頃から気をつけることが大切です。
イチゴがかかりやすい病気
イチゴは「うどんこ病」や「灰色かび病」「炭疽病(たんそびょう)」にかかりやすい果物です。葉や茎、実に白い斑点やかび、褐色の病班などが見られたときは、病気にかかっているのかもしれません。発見したらすぐに対処する必要があります。
イチゴは乾燥していたり、逆に湿気が多すぎたり、葉が多すぎて風通しが悪かったりすると、イチゴが病気にかかりやすくなります。病害虫に侵されないよう、適切な生育環境を整えてください。
コンパニオンプランツで病気を防ぐ
イチゴは連作障害が出やすい野菜です。他の野菜と一緒に育てることで未然に病気や害虫を防ぐことができます。
コンパニオンプランツでイチゴと相性が良い野菜はにんにくです。にんにくの独特な臭いと香りが害虫を遠ざけ、更にイチゴなどと混植することで病気を防ぐ効果があります。
イチゴの栽培におすすめの肥料
イチゴの栽培で難しいのは、肥料の量です。肥料をあげすぎると、花が咲かなくなってしまいます。
実は、プロにとっても肥料の量を調節するのは難しいものです。初心者は、「マグァンプK」のような、根っこから出る酸や微生物の働きで溶けるタイプの肥料がおすすめです。
マグァンプKは、水に溶ける成分と溶けない成分が混ざっており、土壌内に栄養が行き渡ると、栄養分が溶け出さないようになります。何もしなくても調節してくれるので、安心です。
お得に農機を購入したいならUMM 中古農機市場がおすすめ
本格的にイチゴの栽培を行いたい方は、農機のオンライン取引サービスを行う「中古農機市場UMM」に会員登録するのがおすすめです。大規模な栽培に役立つ農機を全国の農機具販売店から低価格で購入できます。
気になる農機の新着情報を見られるウォッチリスト機能や、お得なキャンペーン情報の配信など、会員だけが使えるさまざまな特典も満載です。農家会員の場合、会員登録費や年会費は一切かからないので、情報だけほしいという方も気軽に登録してみてください。
まとめ
寒さに強く、日当たりがよければわりと簡単に育てられるイチゴですが、肥料のあげすぎや水のやりすぎには注意が必要です。また、イチゴの実は泥がつくと病気にかかってしまうため、泥がはねないよう、優しく水をあげるように心がけてください。
水のやりすぎを防ぐには、毎日の観察が必要不可欠です。甘くて大きなイチゴを育てるために、防寒対策や病気対策をしっかりと行いましょう。