アシタバの栽培・育て方|明日葉の収穫時期や毒性、プランター栽培の方法を徹底解説!

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アシタバ栽培

アシタバ(明日葉)は、数ある野菜の中でもトップクラスの栄養価を持ち、注目を集めている健康食材です。

収穫まで時間こそかかるものの、しっかり管理していけば4〜5年ほど収穫を続けられ、栽培も難しくありません。

プランターでも栽培可能なので、栽培初心者や家庭菜園にもピッタリの品目です。

本記事では、アシタバの栽培方法や増やし方・毒性などを、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。

初心者でも簡単なプランター栽培についてはこちらの記事で紹介しています。併せて参考にしてみてください。

アシタバの特徴

アシタバ セリ科

アシタバは、セリ科シシウド属の多年草です。
ビタミン・食物繊維・カリウムなどの栄養素が豊富に含まれ、青汁の原料にも使われています。

ここでは、アシタバ栽培の基礎となる3点を解説しましょう。

  • 栽培・収穫時期
  • 栽培環境
  • 苗の選び方

栽培・収穫時期

アシタバ栽培は、基本的に10〜11月頃の種まきからスタートします。
ただし、アシタバは寒さに弱いため、寒冷地では4〜5月頃からはじめる春まき栽培が一般的です。

植え付けは、翌年4〜6月頃に行います。その約2ヶ月後にはじめての収穫時期を迎えます。
春から秋にかけて収穫し、冬越しさせれば4〜5年は収穫可能です。

以上のようにアシタバ栽培では、収穫までに半年〜1年ほどの長い時間がかかります。
なるべく早く収穫したい場合は、苗を購入して植え付けからスタートするのがおすすめです。

栽培環境

アシタバは、暑くも寒くもない冷涼〜暖かい気候を好みます。

  • 発芽適温:10〜15℃ほど
  • 生育適温:15〜25℃ほど

5℃以下や25℃以上になると生育が悪くなるため、夏の暑さ対策・冬の寒さ対策は必ず行いましょう

またアシタバは、適度な日当たりと風通しのよい環境を好んで生育します。

ただし日当たりがよすぎる場所だと、直射日光で枯れる可能性があります。そのため、明るい日陰や午前中だけ日が当たる程度の「半日陰」が理想的です。

苗の選び方

アシタバ栽培を種まきからスタートすると、かかる時間や手間が大幅に増え、栽培自体も難易度が跳ね上がります。

野菜栽培に慣れていない初心者や、なるべく早く収穫したい場合は、苗を購入するのがおすすめです。

4月頃の植え付けシーズンになると、種苗店やホームセンターに並びます。

【苗を選ぶ際の注目ポイント】

  • 葉は濃い緑色
  • 本葉4〜5枚

なお、葉が黄色いものは避けてください。アシタバは、劣化すると葉が黄色くなる性質を持っています。

アシタバの栽培方法

栽培方法

アシタバの栽培方法をポイント・注意点とともに解説します。手順は7ステップです。

  1. 種まき
  2. 育苗管理
  3. 畑の土作り
  4. 植え付け
  5. 追肥・乾燥防止
  6. 収穫
  7. 越冬管理

購入した苗で栽培する場合は、「3:畑の土作り」からご覧ください。

1:種まき

アシタバの種まきは、温暖地では10〜11月頃、寒冷地では4〜5月頃に行います。発芽適温は、10〜15℃ほどです。

【代表的な種まきの方法】

  • 育苗箱に種をまいてポットに移植する
  • 育苗ポットに種をまいて間引きする

育苗箱に種をまいてポットに移植する方法は、なるべく多く生産したい人や農家向けです。育苗ポットに種をまいて間引きする方法は比較的手間がかからず簡単にできるため、家庭菜園向けとなります。

【育苗ポットに種をまく場合】

  1. 種を一晩浸水させておく
  2. 育苗培土を詰めたポットを準備
  3. 1ポットにつき5〜8粒ほどばらまき、薄めに土をかける
  4. 霧吹きでたっぷり水をやり、種まき完了

種を一晩浸水させておくと、この一手間で発芽率が格段にアップします。

育苗箱の場合は、5cmほどの間隔で重なり合わないように種をまき、同じように薄く覆土しましょう。

土をかける際は厚すぎないように注意してください。アシタバは好光性植物のため、光を感じないと発芽しません

発芽までは、1ヶ月前後かかります。その間は土を乾燥させないよう、よく観察してときどき水をあげましょう。

2:育苗管理

発芽後の管理は、育苗ポットの場合は間引き、育苗箱の場合は移植が主な作業です。

育苗ポットに種をまいた場合は、本葉が重なり合う頃に間引きを行います。発芽した中から、もっとも生育のよいものを1本選び、ほかは間引きしてください。
なお間引いた株は、別のポットに移植して育てることも可能です。

育苗箱に播種した場合は、本葉が2枚になった頃に育苗ポットへ移植します。
育苗培土を入れた3号ポットを準備し、根を傷つけないように注意して移植してください。

この状態で翌年4月頃まで育苗し、本葉が4〜5枚になったら植え付けを行います。

3:畑の土作り

アシタバは排水性が良く、pH6.0〜6.5ほどの弱酸性土壌を好みます。
長期間の栽培になるため、場所を変えられない地植えの場合は、栽培場所は慎重に選ぶようにしてください。

地植え栽培の場合は、植え付け2週間ほど前に畑の土作りをはじめましょう。

最初にpH調整のために苦土石灰を入れてよく耕し、植え付け1週間前に堆肥と元肥を入れ、ふたたびよく耕します。

【1平方メートルあたりの施肥量目安】

  • 苦土石灰:100g
  • 完熟堆肥:3kg
  • 化成肥料(有機肥料):100g

株間を40cmほど確保し、高さ10cmの畝を立てて準備完了です。

プランター栽培の場合は、プランターに鉢底石・野菜用培土を入れて完成です。
アシタバは根を深くまで伸ばすため、なるべく底の深いプランターを選びましょう。

4:植え付け

翌年4〜6月頃の気温が上がってくる頃、苗の本葉が4〜5枚に成長したら、植え付けを行います。

まずは、地植えなら株間40cm、プランターなら株間30cmで植え穴を作ります。植え付け本数は、大きめのプランターで2株、鉢なら1株が目安です。

根鉢を崩さないように植え付けて、軽く土をかけ少し押さえてください。この時、根鉢の表面を埋めすぎないのがポイントです。

その後、たっぷりと水をあげれば、植え付け完了。定植後の水やりは、土の表面が乾いたタイミングで行いましょう。

5:追肥・乾燥防止

定植後の管理は、追肥と乾燥防止が主な作業です。

追肥は、定植の1ヶ月後から収穫が終わるまでの間、月に1回のペースで行います。
1株あたり化成肥料30gほどを目安に、株間に追肥してください。

また、気温上昇とともに乾燥が激しくなってくる真夏の7〜8月頃には、乾燥対策を行います。
株元にワラやモミガラを敷くことで、極度の乾燥を防ぐことが可能です。

また、夏場の直射日光に当たりすぎると枯れる可能性があるため、注意してください。
日差しが強い日には、日陰に移動させたり、寒冷紗などで日よけをして直射日光を避けましょう。

6:収穫

植え付けから約2ヶ月後、いよいよ収穫時期を迎え、秋までの収穫が可能です。
アシタバは育ちすぎると食味が落ちてしまうため、収穫適期を逃さないようにしましょう。

草丈30cmほどで開きかけの若い葉が、ちょうど収穫適期になります。茎の付け根からハサミで切って、茎ごと収穫しましょう。

この時、一度にすべて収穫してしまうと、生育が抑制されて少量しか収穫できません。
常に2〜3本の葉を残しておくことで、生育を抑えることなく、長期間の収穫が可能です。

また、栽培3年目になると、花茎を伸ばし花が咲く「とう立ち」の状態になります。
放置しておくと株が枯れてしまいます。種を採取する時以外は、見つけ次第すみやかに摘み取るようにしてください。

7:越冬管理

アシタバを4〜5年と長く栽培するには、厳しい冬を越えさせる必要があります。翌年も収穫するために、防寒対策に努めましょう。

アシタバは収穫が終わる秋頃には成長が止まり、葉が枯れてきます。
枯れ葉を放置すると病気の原因になるので、地上部は刈り取ってください

「地上部が枯れたり、刈り取るのって大丈夫なの?」と思うかもしれません。しかし翌春には新しい芽が出てきて、ぐんぐん成長していくので心配ありません。

地上部を刈り取った後、株元にワラやモミガラを厚く敷き、寒さを和らげてあげましょう。
プランター栽培の場合は、寒さを避けられる室内での管理をおすすめします。

春になり新芽が出てきた後は、栽培手順5〜7を繰り返し、うまく管理していけば4〜5年ほど収穫を続けられます。

アシタバの増やし方

アシタバ

アシタバの増やし方は、種を採取し栽培するか、株分けの2通りが一般的です。
挿し木などで増やす方法もあります。しかし、その後の管理が難しいためおすすめしません。

種から増やす場合

種から増やす場合は、栽培3年目以降にとう立ちしたアシタバの花を咲かせて種を採取し、栽培手順と同様に栽培しましょう。

株分けで増やす場合

株分けは名前のとおり1つの株を複数に分ける方法です。
株分けは株の成長が活発になる春先、3〜4月頃に行います。

  1. 根を痛めないように注意しながら、アシタバの株を根ごと掘り起こす
  2. 余分な土を落とす
  3. 根が均等になるように包丁などで2〜3つに分ける
  4. 新しく準備した畑やプランターに植え付けて完了

同じ場所で栽培すると連作障害が起きる可能性があります。もともと栽培していた場所とは別の場所に植え替えましょう。

アシタバに毒性があるって本当?

毒

アシタバに毒性はありません。むしろ、青汁の原料になるくらい身体によい食材です。

アシタバに毒性があると勘違いされてしまう理由は、2つ考えられます。

  • 葉茎の切り口から出る黄色い液体
  • よく似た植物「ハマウド」の存在

葉茎の切り口から出る黄色い液体

アシタバを収穫する際、葉や茎の切り口から鮮やかな黄色の液体が出てきます。これが、有毒物質と勘違いされていると考えられます。

黄色い液体の正体は、ポリフェノールの一種である「カルコン」と「クマリン」という成分です。もちろん、有毒物質ではありません。

それどころか、抗菌作用や抗酸化作用があるとされている物質です。
身体の免疫力を高め、アンチエイジング効果も期待できるため、むしろ積極的に摂るべきでしょう。

よく似た植物「ハマウド」の存在

アシタバと同じセリ科シシウド属の植物で、見た目もよく似ている植物「ハマウド」があります。

ハマウドは古くから「毒性がある植物」として認識されているため、アシタバがハマウドと間違われてしまったのではないでしょうか。

しかしハマウドの毒性についても諸説あり、毒があるという人もいれば、ないという人もいるのが実情です。

ちなみに、厚生労働省の「有毒植物による食中毒に関する注意喚起」にハマウドの名前は載っていません。

出典:厚生労働省

ただし有毒植物かもしれないので、見分け方を覚えて食べないように気を付けましょう。

  • アシタバ:茎に筋はない・葉が薄く葉脈が目立つ
  • ハマウド:茎に赤い筋がある・葉が分厚い

上記を知っていれば、アシタバとハマウドを見分けるのは意外と簡単です。

まとめ

アシタバの特徴や栽培方法、増やし方や毒性などについて解説しました。

アシタバ栽培は育苗までが大変なため、早く収穫したい人や栽培初心者は、苗を購入するのをおすすめします。

新鮮なアシタバをいつでも楽しみながら、健康的な生活を送りましょう。

この記事を参考に、アシタバ栽培に挑戦してみてください。