家庭菜園のポイントは土作りにあり。堆肥や石灰でつくる“良い土”って、どんな土?

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土から芽生えた双葉

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家庭菜園で野菜を上手に育てるために情報収集を始めると、「土づくり」というキーワードを目にすることがよくあります。しかし、その詳細を知ろうとすると、「堆肥」「石灰」「土壌改良」「連作障害」などの難しそうな単語が多く、理解が曖昧なまま家庭菜園を続けている人もいるのではないでしょうか。

この記事では初心者の方向けに、土づくりの目的や基本的な方法や考え方を、なるべく簡単な言葉でまとめました。土づくりは畑作において不可欠の知識ですが、趣味の家庭菜園で始めから完ぺきにやろうとすると大変かもしれません。自分にできそうなことから実践して、年々レベルアップを目指しましょう。

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土作りの目標は「ふかふか土」

手ですくい上げたふかふかの土

土づくりの目的は、野菜が育つ土壌を良い環境にすることにあります。その良い環境を視覚的に表現する言葉が「ふかふか」。土壌の深くまでふかふかとしていてやわらかい土を作ることを目標にしてください。

ふかふか土に必要なもの1:空気

ふかふかの土には、空気が含まれています。土の間に適度に空気だまりがあることは、通気性、保水力、水はけ等の良さにつながります。ふかふか土は植物の根に酸素と水を供給する能力が高い土といえます。

ふかふか土に必要なもの2:有機物

空気をよく含んだふかふかの土をつくるために欠かせないのが、有機物です。畑では、冬の間に堆肥や腐葉土などの「有機質資材」を土に施し、よく耕しておきます。プランター栽培ではピートモスやヤシがらを土に混ぜることもあります。

土壌中の有機物は「腐植」と呼ばれ、腐植は土の粒とくっついて「団粒」と呼ばれる構造を作ります。有機物が豊富な土は、それを植物が利用できる形に分解する小動物や微生物の住処となります。また、団粒構造は植物の生育に必要なミネラルを保持する能力に優れてもいます。結果として、ゆっくりと長く植物に養分を供給してくれる土になるのです。

土作りの手順を解説。畑が空いたら開始しよう

土を耕している

団粒構造をもつ土を保ち、野菜の生育を順調に保つために、畑が空いたら土づくりをしましょう。土づくりの時期や手順に決まりがあるわけではありませんが、この記事では、休耕期間が比較的長くなりやすい冬を想定して基本的な手順を示します。

1.土壌消毒で土をリセットする

前作が終わり畑を片付けたら、雑草の種や病原微生物を殺すための「土壌消毒」をして、土をリセットしましょう。土壌消毒にはいくつかの方法がありますが、簡単なのは、土に水分を入れてビニールで被覆し地中温度を60℃に到達させる「太陽熱消毒」です。

他に、分解されやすい有機物を土壌に混入して太陽熱で加熱し、微生物を一気に増殖させることで酸欠状態にする「土壌還元消毒法」や、クロルピクリンやダゾメットなどの薬剤を使う「土壌消毒剤による消毒」などがあります。

2-1.堆肥で有機物を補給する

土づくりに欠かせない有機物について説明します。有機物と言うと「堆肥」と「肥料」が思い浮かぶかもしれませんが、土づくりで使うのは堆肥の方です。

堆肥と肥料は違うもの?

堆肥と肥料は似ていますが、主な目的が異なります。堆肥は土壌中の生物を養い土の性質を良くするために使うもので、肥料は植物をよく育てるために使うものです。堆肥は結果として植物の生育に必要な養分をゆっくりと補給することにはなりますが、堆肥だけですべての要素を補給できるとは限りません。

堆肥の種類

堆肥は大まかに「植物性」と「動物性」に分けられます。

植物性堆肥を畑にすき込むと、通気性や保水性がアップし、やわらかい土壌に仕上がります。よく使われるのは、落ち葉を発酵させた「腐葉土」です。「わら堆肥」は粘土質の土壌を改良します。樹木の皮を発酵させた「バーク堆肥」は、保温効果があるのでマルチングにも使用可能です。

動物性堆肥は、植物の成長促進と土壌改良のどちらも期待できる堆肥です。家畜の種類によりますが、リン酸・カリウム・窒素などの栄養素を含みます。

代表的なものは「発酵鶏ふん」で、化成肥料並みの高い肥料効果をもっています。「牛ふん堆肥」は適度な肥料分と土壌改良効果のバランスに優れ、「豚ぷん堆肥」は発酵鶏ふんと牛ふん堆肥の中間的存在です。「馬ふん堆肥」は牛ふん堆肥と似ていますが、より繊維分を多く含みます。

2-2.石灰肥料で土壌pHを整える

石灰は、野菜に合ったpH(水素イオン濃度)に土壌を調整する役割と、カルシウムを補給する役割をもちます。土壌中のミネラルが作物に吸収されたり雨に流されたりすると、pHが酸性に傾きます。酸性に傾いた土壌には石灰をまいて耕しておきましょう。

野菜の種類別の土壌pH(参考値)

野菜の種類によって、適したpHは異なります。pHが酸性傾向の方が良い場合もあります。初心者には、自己判断では無く、育てたい野菜の栽培方法に準じて石灰などの資材を使用することを勧めます。

  • pH6.5以上:エンドウ・サトウキビ・ホウレンソウ・ミツバなど
  • pH6~6.5:オクラ・アスパラガス・シュンギク・ハクサイ・ピーマン・レタスなど
  • pH5.5~6.5:イネ・インゲン・カボチャ・キャベツ・ダイコン・ニンジンなど
  • pH5.5~6:ニンニク・ジャガイモ・ラッキョウなど

初心者にはゆっくり効く緩効性の石灰肥料がおすすめ

石灰にもさまざまな種類があり、土壌を中和する力が異なります。「生石灰」と「消石灰」は速効性と酸性矯正力が強く、水をかけると発熱して膨張するので取り扱いには注意が必要です。播種・定植までに生石灰は20日以上、消石灰は2週間程度、間隔を空ける必要があります。

「石灰窒素」は緩効性で窒素が含まれており、堆肥を完熟に近づける効果や、除草効果をもちます。播種・定植までは1週間程度、間をおきましょう。

同じく緩効性の「炭酸カルシウム」「カキ殻」「炭酸苦土石灰」はすぐに播種・定植が可能です。マグネシウム(苦土)が不足している畑には「炭酸苦土石灰」が適しています。

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苦土石灰の使用方法や注意点、実際の効果などをこちらの記事で詳しく紹介しています。併せて参考にしてみてください。

土壌pHの調べ方

石灰をまく前に土壌pHを調べたい場合、簡単なのはpH試験紙やpH測定器を使う方法です。pH試験紙を用いる方法では、畑の土と水を2:5の重量比で撹拌し、上澄みのpHを測ります。土壌用の「pHメーター」や「酸度計」と呼ばれる測定器を使うと、より簡単に測れます。土壌に挿すだけで酸度が測れ、製品によっては水分量や照度までチェックできます。

しかし、pHを計測するだけでは正確な石灰施用量を知ることはできません。本格的な土壌改良を目的としている上級者はpHだけではなく電気伝導度(EC値)も合わせて測定し、必要な養分の種類や量を判断してください。

2-3.深耕して土を風化させる

植物の根が深く伸びることができるよう、1年に1回は30cm以上の深さまで土を耕します。冬などの休耕期間が長いときは、耕した土をならさず、ちいさな山にしたまま寒風にさらし、風化させます。土の中に酸素を補給する他、害虫・雑草対策にもなります。

3.土をならし元肥をまき植え付けの準備をする

植え付けの時期が来たら、山にしていた土をならして土の塊をくだき、元肥(もとごえ)とする肥料をまき、畝や溝を作ります。肥料にはいくつもの種類がありますが、元肥として使う場合は、植物の3大養分が配合された「化成肥料」と「有機肥料」を組み合わせるか、「有機化成肥料」を使うとよいでしょう。

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元肥・追肥などの肥料の使い方を別の記事で詳しく解説した記事もあります。参考にしてみてください。

肥料の種類1:有機肥料

米ぬかや鶏ふん、油かす、草木灰など、自然由来の有機質原料を発酵・腐熟させてつくられた肥料を「有機肥料」と呼びます。有機肥料はゆっくり効く緩効性肥料であり、まいてすぐには効果が出ませんが、施肥量を間違えてしまっても大きな失敗につながりにくい利点があります。臭いが強いものが多いので、畑の場所によっては注意が必要です。

おすすめはマイガーデンベジフルです。土の上にまくだけで元肥、追肥としても使用でき、非常に簡単に使える有機肥料です。効果の持続性も高く、有機肥料特有の臭いもありません。

肥料の種類2:化成肥料

複数の肥料などを化学的に造粒・成形してつくられる肥料を「化成肥料」と呼びます。作物の生育に必要な3大養分の「窒素・リン酸・カリ」を配合してある化成肥料は農作業の効率化・省力化に貢献するため、日本の農家の多くが化成肥料を使っています。

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化成肥料には色々な種類があります。化成肥料の種類や注意点等をまとめた解説記事もあります。

有機肥料を配合した化成肥料は特に「有機化成肥料」と呼ばれます。初心者でも扱いやすい有機と化成のハイブリッド肥料です。化学肥料と同じ粒状で、肥効期間は約1ヶ月、根の生育や光合成を促進する必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

肥料の種類3:化学肥料

無機質原料から化学的工程を経て作られる肥料を「化学肥料」と呼びます。硫酸アンモニウム(硫安)・尿素・過リン酸石灰(過石)・熔成リン肥(ようりん)・硫酸カリ(硫加)などがあります。

有機肥料に比べて安価で臭いがなく、粒状で持ち運びや施肥も簡単です。成分が明確に表記されており、1回の施肥で効果が強く表れるため、追肥としての使用に向いています。間違った使用方法で植物を傷めてしまうケースもあるので注意が必要です。

堆肥を自家製で作ることもできる

畑にコンポストが置かれている

家庭菜園をする人が堆肥を手に入れたい場合、ホームセンターやインターネット通販などで購入するのが一般的です。しかし、「コンポスター」と呼ばれる堆肥を作るための容器があれば、自宅で手作りすることもできます。

コンポスターの種類

「コンポスター」は、堆肥(コンポスト)を作るための容器です。畑で使うポリバケツを逆さまにしたようなプラスチック製の専用容器や、キッチンやベランダなどで使える生ごみ処理機などがあります。

自家製堆肥の作り方

コンポスターに、ケヤキやクヌギなど落葉広葉樹の落ち葉と米ぬかを5:1の割合で投入し、全体の60%分の水を入れてよく混ぜます。3ヶ月から半年の間、週1回の間隔で切り返してください。

また、自宅で出る生ごみも堆肥の原料にできます。コンポスターに畑の土も同時に投入すると、畑の微生物の力で分解が早く進みます。

発酵の際には65℃前後の熱が発生します。発酵が不十分な堆肥は非常に臭いですが、完熟した堆肥は悪臭はしません。臭いがなくなり、サラサラとした黒い土状になったら、完成です。

まとめ

土づくりは畑作の基本ですが、理解するためには科学的な知識が必要となるため、プロの農家でも一朝一夕に極めることのできない技術です。家庭菜園で行う場合、まずはふかふかの土をつくることを目指して、できるところから取り組んでみてください。