井戸掘りにかかる費用の相場は?施工の流れや必要な期間を解説
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最近では井戸に馴染みがないものの、便利さからあらためて注目され始めています。
井戸を作ることで水道料金は必要なくなり、災害などの断水時でも水に困ることはありません。
ただし、井戸掘りはメリットばかりではなく、デメリットや注意点もあります。
大掛かりな作業になるため、井戸掘りを行う前に、この記事で全体の流れなども確認してみてください。
目次
井戸掘りにかかる費用の相場
まずは井戸掘りにかかる費用の相場を解説します。
井戸掘りの費用は、およそ20万円から100万円ほどです。
とても幅のある価格帯ですが、さまざまな要因で変化する可能性があると考えてください。
詳しくは各項目で解説していきます。
深さ
井戸は地中を掘り進めて水脈を探します。
しかし、土地によっては浅い位置で水が出ることもあれば、深く掘らないと水が出ないこともあります。
深く掘り進めるほど作業時間も多くかかるため、深くなるほど費用が高くなると考えてください。
この辺りは井戸掘りを行う業者によって異なりますが、50m以内が基本料金、50m以上は深さに応じて追加料金という形が多いです。
ポンプの設置
井戸は掘るだけでは使えず、水を組み上げるためのポンプが必要です。
ポンプの種類は基本的に2種類で、電動と手動があります。
普段から使用するのであれば電動は必須ですが、災害時には手動が強いです。
また、手動よりも電動の方が費用は高くなるため、井戸掘り全体の費用が変化する部分でもあります。
水質検査
井戸の水を飲用として利用する場合、水質検査をしてください。
また個人利用ではなく、規模の大きな利用であれば水質調査が義務になるため注意しましょう。
水質調査は保健所か検査機関で行っていますが、飲用向けでは51項目の検査が適しており、費用は地域や依頼する機関によって異なります。
たとえば、大阪府では20万円ほどの費用が必要です。
水が出なくても発生する費用
井戸掘りはどこでも確実に水が出るわけではなく、出ない場合もあります。
こういった場合でも業者は人や機材を使用しているため、費用が発生しています。
そのため、水が出なくても料金の支払いが必要になると考えておきましょう。
全額ではないことが多いものの、水が出なかった場合に費用がどうなるのかの確認は必要です。
その他の費用
井戸掘りには上記で解説した費用以外に、追加費用が発生する場合もあります。
たとえば、業者が遠い場合には出張費、固い岩盤がある場合には岩盤掘削を行うための追加費用が発生する時もあります。
また、井戸掘りの方法や使う部材によっては費用が変化すると認識しておきましょう。
井戸掘りの種類
井戸掘りは1種類ではなく、大きく分けて3つの方法があります。
パーカッション工法
「パーカッション工法」は比較的、費用のかからない方法です。
ただし、柔らかい地盤に向いている工法であり、固い地盤には向きません。
また騒音も大きいため、住宅街では難しいでしょう。
ロータリー工法
ロータリー工法は幅広い深さに対応しているため、一般家庭での井戸掘りによく使われる方法です。
ただ、排水処理や掘り出した土の処理に費用と時間がかかります。
エアハンマー工法
エアハンマー工法は、固い地盤の井戸掘りに適しています。
反対に柔らかい地盤には向いていません。
また、深く掘れないこと、騒音が大きいことから住宅街では使いにくい工法です。
井戸掘りの施工の流れ
井戸掘りを施工する流れを見ていきましょう。
少しはイメージが湧くはずです。
現地調査
業者に依頼した場合、井戸を掘る場所や地層など、現地を調査して確認します。
この時点で、上記で解説した井戸掘りの工法なども選択することになります。
ただし、基本的には業者が土地に合わせて選択するため、自分で決めることはありません。
こちらの記事では、草刈り業者の費用相場や選ぶポイント、値段を抑える方法を徹底解説しているので、参考にしてください。
掘削機の搬入
井戸掘りに必要な掘削機を搬入します。
ボーリングマシンと呼ばれ、大型の機材になることから搬入には半日ほどかかります。
井戸掘削の準備
周辺機材の設置など、掘削の準備を行います。
また、必要な場合は防音壁なども設置します。
掘削開始
掘削機の搬入、準備が終われば掘削を開始します。
かかる日数としては、長くても2日ほど。
50mほどまでであれば1日で作業が終了することもあります。
ケーシングの取り付け
ケーシングは井戸の崩れや水質を守るためのパイプで、井戸には必須です。
ケーシングのサイズによって水量や水質が異なるため、業者としっかり相談しましょう。
一般住宅では関係ありませんが、エアハンマー工法の場合は掘削時にケーシングを設置するため、必要のない工程です。
掘削機の搬出
ここまでで井戸掘り自体は完了しているため、掘削機を搬出します。
搬入と同様に半日ほどで完了します。
ポンプの取り付け
井戸の掘削は完了していますが、水を汲み上げるためのポンプが必要です。
用途や予算に合わせて、手動か電動かを選びましょう。
井戸のメリット
井戸は現代に必須のものではありません。
しかし、設置することで得られるメリットは大きいです。
水道代がかからない
井戸は水道を使用しないため、水道代はかかりません。
井戸を掘るための費用はかかりますが、その後にかかる費用はなくなるため、一番のメリットです。
災害時も水不足にならない
日本は台風や地震など、災害の多い国です。
大きな災害が起きた場合には、断水や停電になることも少なくありません。
通常の水道では断水時、水が出なくなってしまいます。
しかし、井戸の場合は水道ではなく地下の水を汲み上げているため、断水時でも使用できます。
ただし、電動のポンプを使用している場合、停電時には水の汲み上げができません。
水温が一定
井戸水は年間を通して水温が一定しています。
メリットではないように感じますが、体感としては夏に冷たく冬に暖かい水が出てきます。
夏場の暑い時期には冷たく、冬場の寒い時期には暖かい水が使えるため、全体的に使いやすくなるのもメリットです。
とくに手洗いや洗い物で重宝するでしょう。
井戸のデメリット
メリットをご紹介しましたが、デメリットがないわけではありません。
井戸掘りを後悔しないためにも、デメリットを確認しておきましょう。
井戸掘りに費用がかかる
前述している通り、井戸掘りには費用がかかります。
近年は掘削機の高性能化もあり費用は抑えられてきていますが、それでも高額なことに変わりはありません。
掘ってしまえば水道代もかからず便利な井戸ですが、初期費用が高いことはデメリットになります。
こちらの記事では、庭木の剪定方法や適切な時期、おすすめ業者や費用相場を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
水質に注意が必要
井戸水は地域によっても水質が異なるため、すべての用途に使えるわけではありません。
たとえば、飲用であれば水質調査を行い、適しているか確認が必要です。
適していない場合は浄水装置の設置が必要になるなど、余分な費用が発生します。
また、お風呂などで利用する場合には給湯器が必要ですが、水質によっては給湯器の配管が詰まり故障する可能性があります。
このように井戸水は万能ではなく、利用方法によっては使えない可能性も高いです。
停電時には使えない
井戸水は災害時の断水でも関係なく利用できますが、停電には注意してください。
井戸水を汲み上げる方法を電動のポンプにしている場合、電気がなければ利用できません。
あくまで断水のみの場合しか利用できず、停電時に利用したい場合は手動のポンプが必要です。
井戸水を使う注意点
井戸水を使うにはいくつかの注意点があります。
代表的なものを解説します。
定期的な水質調査が必要
井戸は掘って終わりではなく、定期的な管理が必要です。
代表的なのは水質調査でしょう。
個人で利用する場合、水質調査は義務ではありませんが、生活用水や飲用として使うのであれば定期調査をおすすめします。
とくに飲用であれば年に1回は調査を実施してください。
法律や条例に従う
井戸は勝手に掘っていいものではなく、法律や条例が定められています。
条例は各都道府県によって違いがあるため、井戸を掘る地域で確認してください。
基本的には井戸掘り業者への確認が簡単で無難です。
自分で勝手に井戸を掘った場合、法律や条例に違反する可能性があるため、十分に注意しましょう。
使用を中止する目安
井戸水は水道水のように管理された水ではないため、下記の症状が出た場合は使用を中止してください。
- 水の濁りや異臭
- 定期検査で基準値を上回る数値
主には上記の2つです。
とくにわかりやすいのが水の濁りや異臭です。
明らかに水の色が違う場合、井戸水に土が混じったりしている可能性があります。
異臭も同様で、確実に悪い傾向です。
もうひとつは定期の水質検査による結果を確認します。
国が定めている基準値を上回っている際には、井戸水の利用を中止しましょう。
再度、井戸を使い始めるためには、最初に井戸掘りを依頼した業者などに問い合わせてみてください。
浄化装置の設置や各部品の取り替えなど、もう一度井戸を使えるように調整が必要です。
井戸掘りはプロに依頼するのがおすすめ
最近は自分で井戸掘りをする人もいるようですが、基本的にはプロに依頼しましょう。
自分での井戸掘りは深さや設備にも限界があるため、おすすめできません。
まとめ
最近ではすっかりと見かける機会の減った井戸ですが、あらためて井戸の良さが認識されてきています。
DIYで井戸掘りを行う方もいるものの、必要な道具は多く作業も安全ではありません。
井戸掘りは業者への依頼が基本です。
全国にはさまざまな業者があるため探すのは大変ですが、生活110番を使えば簡単に見つけられます。
まずは電話かLINEで簡単に問い合わせてみてください。