【徹底解説】籾殻くん炭とは?簡単な作り方や効果・ホームセンターで買える材料
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ホームセンターや、農業用品を扱うお店でよく見る「くん炭」。
よく見るけれどどのように使うのか、効果について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、くん炭の効果や使い方について解説します。
また、機械無しで簡単にできる作り方についても紹介するので、自作してみるのもおすすめですよ。
目次
くん炭とは
くん炭とは、もみ殻を炭化させた土壌改良資材のこと。
お米を主食としない国では使われることはありませんが、日本の主食であるお米を精米するときに出るもみ殻を有効活用して使われています。
本来捨てられるもみ殻を使うため、低コストで作成できるのがポイント。
日本では昔から使われている土量改良資材なのです。
また、化学肥料を使わないため、自然農法・オーガニック農法をしている人も使えるのも嬉しいですね。
くん炭の販売店
くん炭は自分でも簡単に作ることもできますが、購入することも可能です。
JAやホームセンター、農業資材を取り扱っているお店で販売されていることが多いですよ。
もし取り扱ってない場合は問い合わせると取り寄せてくれることもあるので、お店の人に聞いてみてください。
くん炭の効果
もみ殻から作られるくん炭。
くん炭を使うことで、土壌にどのような効果があるのでしょうか。
泥はねを防ぐ
雨が降ったときや水やりをしたときに、水が土から跳ね上がり葉の裏に付きます。
この泥はねにより、土に含まれる細菌が植物に付着して病気になってしまいます。
下葉が病気になっているのは、泥はねが原因のことがほとんど。
くん炭を植物の下にまいておくと泥はねを防ぎ、病気を予防してくれます。
泥はね防止のために使用するときは、植物の根本の近くからまくようにしてください。
保水性・通気性がよくなる
くん炭は大きさがあり水の吸水力がいいため、土に混ぜて使うことで保湿性があがります。
またすき間ができることで通気性もよくなり、植物の根腐れや水切れを防いでくれる効果も。
乾燥した土壌に使うことで、土壌の水分調整をすることもできます。
pHをアルカリ性にできる
くん炭のpHはアルカリ性なので、くん炭を撒くことで酸性の土壌を中和することができます。
日本の土壌は、酸性の土壌が多いのが特徴。
植物によって酸性を好むもの・アルカリ性を好むものとそれぞれですが、ほとんどの植物は中性が適正なpHです。
そのため酸性に傾いた土壌に撒くことで、pHを調節し植物が育ちやすい土壌を作ることができます。
微生物の活動が活発になる
くん炭の表面には小さな穴が無数に空いていて、微生物が住みやすい環境を作っています。
土壌に微生物が繁殖することで、植物によい影響を与える、病気になりにくい土壌が作られます。
微生物がたくさんいる土壌では栄養分が植物に行き渡るため、甘みのある野菜が収穫できるという効果も。
美味しい野菜を作るために、微生物は欠かせない働きをします。
くん炭は土壌の活動を活発化させる効果もあるので、やせた土地にもおすすめです。
くん炭の作り方
くん炭を作るには、大がかりな機械が必要だと思っている方もいるのではないでしょうか。
大規模農場で使う大量なくん炭を作るには、機械や煙突が必要になることも。
ですが、一般的な家庭菜園や小規模の場合は、自分でも機械なしで簡単に作れます。
準備するもの
くん炭を作るには、下記の3つを準備しましょう。
- もみ殻
- 薪
- 水
もみ殻は精米するときに出るので、精米機を使ったり、お米屋さんからもらうことができます。
近くにお店がない場合はインターネットで注文すると、家に届けてもらえるのでおすすめ。
オーガニックにこだわりたい人は、お米もオーガニック製法で作られているものを選ぶと安心です。
作り方の手順
材料を準備したらくん炭を作っていきましょう。
火を扱うので取扱には注意し、火の側から離れないようにしてくださいね。
- もみ殻の量に合わせて焚き火を作る
- 木にしっかりと火が回ったら、もみ殻をかける
- しばらく待って表面が黒く炭化したら、炭化していないもみ殻と混ぜて全体を炭化させる
- 全て炭化したら、平に広げて大量の水をかけて火を消す
- 完全に火の気がないことを確認して乾燥させる
量にもよりますが少なくても数時間、多いと全て炭化させるまでには数日かかることも。
焦らずゆっくり待って作っていきましょう。
乾燥させたくん炭は、袋に入れて保存してください。
注意点
くん炭を作るときには炭化させるまで、また火を消してから乾燥させるまでにも時間がかかります。
そのため火が消えてしまわないように、そして乾燥しやすいように、雨が降らない期間に作ることが重要です。
もし雨が降ってきそうな場合は、室内で乾燥させるなど工夫してください。
また、湿ったもみ殻を使うと炭化させるまでに時間がかかったり、失敗しやすくなってしまいます。
必ず乾燥したもみ殻から作るようにしましょう。
最後に注意したいのは、火の取扱です。
くん炭の火を消すときには、多すぎるほど水をかけることも重要です。
炭化しているため少々の水をかけただけでは完全に鎮火できておらず、後から自然発火してしまうことも。
おもわぬ火災につながらないよう、多すぎるくらいの水を使って完全に鎮火させるようにしてください。
くん炭の使い方
くん炭が完成したら、実際に使っていきましょう。
くん炭には窒素分が含まれていないので、土壌のバランスを崩してしまわないように窒素成分を含んだ化学肥料・有機肥料と一緒に使うのがおすすめです。
定植穴に入れる
植物の植え付け前に使用するときは、くん炭と肥料を定植穴入れる方法が効率的です。
くん炭と肥料を入れたら、土と一緒にしっかり混ぜます。
畝に混ぜでもいいのですが、大量のくん炭が必要になるため定植穴を作る方法がおすすめ。
土壌の状態に合わせて、くん炭と肥料の量を調整してください。
定植する1〜2週間前に混ぜ込んで、土壌を安定させておきましょう。
育苗培土に混ぜる
育苗するときにも、くん炭は使えます。
通気性と保湿性がよくふかふかにする効果もあり、苗の成長を助けてくれます。
とくに、アルカリ性の土壌を好む野菜に使うと効果的。
使用するときはバケツなどに、くん炭を土・肥料と共に入れてよく混ぜます。
よく混ざった土を、それぞれポットなどに移し替えます。
くん炭の混ぜ込む量は、育てる野菜や土の性質などによっても異なります。
量がわからない場合は、10〜20%を目安にしてみてください。
また、窒素分を含む肥料と一緒に使うことも忘れないようにしましょう。
直播後に上から撒く
自然農法の場合は、直播後に直接土の上から撒いて使います。
土の上から撒くことによって、防虫効果・マルチ効果・泥はねを防ぐ効果があります。
使い方は、植物の根本の近くに、一握りずつ撒くだけ。
使える量が多い場合は、畝全体に上から撒いてくのもOK。
撒くだけなので、簡単にできるおすすめの方法です。
まとめ
古くから使われている、日本ならではの土壌改良材「くん炭」。
身近な材料で簡単に作成できるので、必要な量を自分で作成してみるのもおすすめです。
自然農法・オーガニック農法にも使える安心安全なくん炭を使って、良質な土壌を作っていきましょう。