お米作りの1年の流れ|田んぼの準備や田植えなど美味しいお米ができるまで

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稲の風景

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みなさんは日頃、どのくらいお米を食べているでしょうか?農林水産省による調べでは、2018年度の年間1人当たりの米の消費量は53.5kgとなっています。これは1日あたりにすると約150g、ご飯茶碗1杯分です。1962年は1日あたり約320gと現在の2倍以上だったのですが、多様な食文化の浸透によって約60年で半分以下になったことがわかります。

それでも、1日3食のうちの1食を支えているお米は私たちが生きていく上で欠かせないものです。そんなお米ですが、どんな工程を経て私たちの元に届くのかご存知でしょうか?今回は、お米を育てる1年の流れを、各工程での工夫や豆知識を交えてご紹介します。

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お米 栽培の概要

お米作りは、種籾から収穫まで1年がかりです。私たちが日頃食べるお米は「うるち米」という種類で、水田を使った「水稲」という方法で育てられています。また、種籾を蒔く方法には「直播き栽培」と「移植栽培」がありますが、ほとんどは苗を作ってから水田に植える「移植栽培」で行われています。ここでは、いまだ主流の「うるち米」を「水稲」で栽培する流れをご紹介します。

スケジュール

水稲栽培の1年の流れを簡単に紹介すると以下の通りです。

稲刈りの時期については、こちらの記事で詳しく説明しています。併せて参考にしてみてください。

全体の流れ

  1. 1月〜5月中旬:田んぼの準備・苗作り
  2. 5月下旬〜9月:田植え・管理
  3. 10月:収穫

作業

  1. 1月〜3月:土作り
  2. 4月:種籾・苗床準備
  3. 5月上旬:播種
  4. 5月中下旬:基肥・代掻き
  5. 5月下旬:田植え
  6. 8月上旬:穂肥
  7. 10月上旬:刈り取り
  8. 10月中旬:乾燥・調整

水管理

  1. 5月中下旬:深水
  2. 6月〜7月上旬:浅水
  3. 7月中旬:中干し
  4. 7月下旬〜9月上旬:間断かんがい
  5. 9月中旬:落水

田んぼの準備

ここからは、時系列に沿って稲作の内容をご紹介していきます。まずは「田んぼの準備」です。田んぼの準備は、耕起(田起こし)→ 畦塗り→基肥→入水→代掻きという流れです。

耕起(田起こし)

  1. 秋耕:稲刈りの後、秋から冬にかけて稲わらをすき込みます。腐熟促進剤を施用すると稲ワラの分解がスムーズです。
  2. 春耕:春の気温が上がり始めた頃、出芽した雑草をすき込むとともに、残渣を分解させるために耕します。また、土壌改良資材など必要に応じて施用します。稲の栽培に適したpH値は5.5〜6.5です。

畦塗り

水田に貯める水が漏れ出さないよう、水田の境に泥土を塗ります。土と水をこね混ぜ、固まりかけてきたら鍬で畔の内側に塗ります。手作業は大変なので、畦塗り機を使用するのが一般的です。

基肥

初期生育の促進を目的に行うのが基肥です。窒素・リン酸・カリウムの成分を中心に施肥します。

入水

パイプラインや農業用水路から水を引き、田んぼに水を入れます。水量は、田んぼ全面が軽く浸かる程度にするのがポイントです。

代掻き

代掻きは、水を張った田んぼをロータリで攪拌します。この作業の目的は、田植えしやすくするためです。土を柔らかく平らにして、水の深さも均等にします。また、雑草の発生を抑え、水もちも良くなります。代掻き後は、土壌を落ち着かせるため、田植えまでに3日は空けましょう。

代掻きのやり方や注意点についてこちらで詳しく説明していますので参考にしてください。

豆知識

水田の底の土は、上から作土、すき床といいます。作土は、稲が根を張る部分で、柔らかく有機物や肥料分が多く、18〜20cmの厚さが一般的です。すき床は、土を踏み固めた層で、漏水を防ぎ、人や農具が土に潜り込まないようにする役割があります。

また、水田の水は、稲に吸収されたり、蒸発したりして徐々に減っていきます。1日当たりの水の減りは、15〜20mmくらいが良く、これより多いと、養分や肥料が流れている可能性があるので注意しましょう。しかし、これより少ないと水はけが悪くなり、根を痛めます。

また、水の減りがちょうどよいことを「水もちがよい」といいます。水もちがよいと、稲に適量の養分や水分を供給できるので、雑草の発生を抑え、寒さから守ることが可能です。

苗作り

ここからは苗作りについて説明します。

種籾準備

稲の種はもみ殻に包まれており、これを種籾と呼びます。よい種籾を選んで発芽しやすくするために、種まきをする前に「選種→消毒→浸種→芽出し」という作業を行います。

選種

まず、選種を行います。選種とは良質の種籾を選別する作業です。一般に「塩水選」という方法で行われており、比重1.13(水10リットルに対して約2.2kgの食塩)に調整した塩水に種籾を入れ、かき混ぜます。その後、浮いた籾を取り除き、沈んだ籾だけを使います。なぜなら、沈んだ種籾は胚や胚乳が充実していて、良好な発芽や育成が期待できるからです。

消毒

続いて消毒をします。種籾には病原菌がついている可能性があるので、薬剤液に1〜2日浸し、数時間陰干ししましょう。

浸種

次は浸種です。種籾を水に浸け、十分に水を吸水させます。水温は10〜15度、日数は、水温×日数=100を目安としましょう。

芽出し

最後に芽出しです。浸種の済んだ種籾を、30度〜32度のぬるま湯に1日漬けます。そうすると、胚の部分から芽が出ます。

苗代の準備

種籾の準備と並行して、稲の苗を育てるための「苗代」を準備しましょう。ここでは「水苗代」をご紹介します。まず、入水・排水が便利な場所を選んでください。育苗箱を並べるだけのサイズを確保し、周りに溝を掘ったら、苗代をたてます。育苗箱と苗代を密着させ、水位が均一になるようにしましょう。

播種

芽出しが終わったら、育苗箱の底に新聞紙を敷き、平らになるように土を詰めましょう。表面にたまる程度に冠水させ、種籾を全体にムラなく撒きます。撒き終わったら水をやり、5mmほどの厚さに覆土してください。育苗箱を苗代に並べたら、苗代用のトンネルを掛け、隙間ができないように固定して床面が浸かる程度の水位に入水させます。

育苗管理

育苗管理は「出芽→緑化→硬化」の工程を経ます。苗が出芽したら緑化に移ります。

  1. 緑化:緑化は、出芽した苗を日光や気温にならす工程です。出芽したら弱い光に2〜3日当てます。昼間は約25℃、夜間は10℃以上を目安に、トンネル内で1週間ほど管理します。
  2. 硬化:硬化は、緑化させた苗を、低温にならす工程です。トンネル内で徐々に自然環境に慣らし、田植えの1週間ほど前になったらトンネルを外します。

田植え

種まきから1ヶ月後ほどすると、根が絡み合って苗はマット状になり、田植えに適した状態になります。田植えの際は、植え付けの間隔を決めましょう。品種や作業性などを考慮して決めます。なお、植え付けの深さは3cm前後がおすすめです。浅すぎると浮いてしまいますし、深すぎると分げつ数が少なくなり、収量が減ってしまいます。

管理

田植え後、分げつがどんどん増えていき、茎も伸び始めます。分げつ数が最も多くなる時期を「最高分げつ期」と呼びます。

水管理

稲の生育に合わせて、田んぼに水を入れたり引いたりして深さを調整します。植え付け直後から活着するまでは、苗が水没しない5〜7cm程度の水深にして、保温により苗を保護します。

  1. 深水管理:苗の活着後から分げつ期は、2〜4cm程度の水深にして、地温を上昇させることで分げつの発生を促します。
  2. 浅水管理:最高分げつ期の頃になったら、田んぼから水を抜きます。

中干し

土に亀裂が出るまで干すことを「中干し」と呼びます。根には水を求めて根を張り巡らせる性質があります。しかし、水を張ったままだとその必要がないため、穂を支える力がつきません。中干しは、穂が出る前に根を刺激して成長を促し、穂を支えられる稲に育てるための作業です。中干し後は、湛水と落水を数日ごとに繰り返す「間断かんがい」をします。

追肥

稲の生育状況に応じて、追肥をします。タイミングと効果は以下の通りです。

  1. 分げつ肥:田植えの2〜3週間後に、分げつや葉面積を増やす目的で行いますします。
  2. つなぎ肥:有効茎を確保した後、窒素不足を補うために行います。
  3. 穂肥:出穂の15〜25日前に行い、収穫時の籾の数を増やします。
  4. 実肥:出穂後に実りを良くするてめに行います。

肥料は、窒素・カリウム・リン酸を生育状態を見ながら適量を施しましょう。

雑草防除

雑草防除は4つの方法を組み合わせて行います。

  • 化学的防除:除草剤を利用する
  • 生態的防除:湛水にすることで発生を抑える
  • 生物的防除:アイガモを放し飼いにして雑草を食べてもらったり、カブトエビの攪拌行動を利用して雑草を浮かせる
  • 機械的防除:人手や除草機で雑草を取る

病害虫防除

病害虫被害を防ぐためには、まず健全な稲を育てること、病害虫に強い品種を選ぶことが重要です。また、薬剤の使用も効果があります。

主な稲の病害虫

  • いもち病:代表的な病害。気温25°前後で曇雨天が続くと多発する。
  • 紋枯病:高温多湿で発生しやすく、7月から9月にかけて葉に楕円形の斑紋を形成する。
  • イネツトムシ:幼虫が葉を筒状に丸め、葉を食害する。
  • ツマグロヨコバイ:イネを吸汁し、萎縮病など伝染病を媒介する。
  • ジャンボタニシ:田植え直後の柔らかい稲を食害する。繁殖力が高く、放置は危険。稲の茎や田んぼに産みつけられる赤い卵には毒があるため、素手で触ってはいけません。水に浸せば孵化しない。

いもち病や害虫予防など、稲の病気に関わることをこちらの記事で紹介しています。是非参考にしてみてください。

収穫

実入りが進み、穂が黄金色に輝くと収穫の適期です。最近では効率のよいコンバインによる収穫・脱穀での作業が主流になりつつあります。

収穫時に必要な、バインダーの購入は中古農機具がおすすめです。また、こちらでは、コンバインを購入・売却するためのポイントについてまとめています。あわせて参考にしてください。


乾燥

収穫時のもみは多くの水分を含んでいるため、乾燥させます。乾燥方法には2種類あります。

  • 自然乾燥:はさ掛けなどによる天日乾燥。乾燥が不均一になることも。
  • 機械乾燥:熱風・短時間で乾燥させるため、ムラも少ない。ただし、高温で急激に乾燥すると、米が割れることも。

調整

最後に、「籾摺り」と「選別」を行います。もみすりとは、もみ殻を除いて玄米にする作業、選別は、よい玄米とくず米に分ける作業です。これらの作業は、ライスセンターなどで行うこともできます。

まとめ

最後に、玄米は精米してようやく白米となって食卓に上がります。

いかかでしたでしょうか?長い長い旅路のなかで頑張って生き残ったお米だけが、私たちの元にやってきてくれます。普段当たり前のように食べているお米ですが、お米農家さんがこんなにも大変な作業をしてくださっているからこそ、美味しいお米を食べられます。この記事を読んだ皆さんは、明日からお米に対する見方が変わるのではないでしょうか。

こちらの記事では、米作りをサポートする機械について解説しています。参考にしてみてください。