トラクターのバッテリー上がりの対処方法|原因・対策・安全な作業方法を紹介

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トラクターと女性と農業

トラクターのバッテリーが上がったときの対処方法をまとめています。トラクターのバッテリーが上がる原因やバッテリーの問題点を見つける点検の仕方、バッテリーが上がったときの対処方法、バッテリー上がりを予防する方法まで説明しています。

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「冬の間使っていなかったトラクターのエンジンをかけようとしたらバッテリーが上がっていた」など、バッテリートラブルでお悩みの方もいらっしゃるでしょう。トラクターのバッテリートラブルは意外に多いので、トラブルを防ぐ方法や対処方法を覚えておくことが大切です。

そこで、今回はバッテリー上がりの予防や対処方法について解説していきます。注意点も取り扱っているので、ぜひバッテリートラブルの際の参考にしてください

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トラクターのバッテリートラブルとは

バッテリーが上がっている様子

トラクターは自動車と同様に、エンジンの始動やライトの点灯などに電気が必要になるので、電気を蓄えておく働きがあるバッテリーを搭載しています。そのバッテリーにトラブルが起きると、いざトラクターを使おうとしたときにエンジンがかからなくなってしまいます。

バッテリートラブルはトラクターの機構が損傷したり、部品が使用不可能になったりする故障ではないので、比較的対処しやすいでしょう。しかし、適切に対処をするためには原因から対処法まで、しっかりと熟知しておく必要があります。

バッテリーが上がる原因

トラクターのバッテリーが上がる主な原因として、使用頻度や気温などが挙げられます。バッテリーは年数が経つと性能が落ちるので、経年劣化によりバッテリー上がりが生じるケースも考えられます。まずは、どのような原因によって不具合が起きるのかをチェックしておきましょう。

こちらの記事では、トラクターのエンジンがかからない原因や対処法を紹介していますので、あわせて参考にしてください。

使用頻度

バッテリーに蓄えられている電気は、トラクターを使っていない間も放出され続けています。農作業でトラクターを繰り返し使用している時期よりも、使わない時期に放電が進みやすいため「久しぶりにトラクターを使おうとしたらエンジンがかからない」といったケースが目立ちます。

長い期間使っていなかったトラクターは、使用前に状態を点検しておくと安心です。また、使用しない時期はケーブルを外しておくと長持ちします。

気温

バッテリーは寒さに弱いです。希硫酸と鉛の化学反応を利用して蓄電する仕組みなので、気温が下がると蓄電のための化学反応がにぶくなります。

また、低い気温の中ではエンジンオイルが固くなるため、始動時には通常よりも多くの電力を必要とします。気温が低い時期は、とくにトラクターのバッテリーが上がりやすいので気をつけましょう。

経年劣化

バッテリーの寿命は、一般的に2~3年程度といわれています。使い方によっても劣化状況は変わりますが、購入から2年以上経って不具合が気になり始めたら寿命の問題も考えられるでしょう。

バッテリーは消耗品です。メーカーやサイズによって異なりますが、オフシーズンには端子を外しておく、バッテリー液を補充したりするなどのメンテナンスを行えば長く使用することは可能です。

放電が続いた場合や寒さで不具合が起きている場合とは異なり、寿命が近づいたときには新しい製品へ交換する必要があります。近年はバッテリー性能の向上が目覚ましく、前触れがなく突然エンジンが止まってしまうパターンもみられます。故障してまったく使えなくなってしまう前に、定期的に点検をするなどして備えておくと安心です。

こちらの記事では、トラクターの寿命を紹介していますので、あわせて参考にしてください。

バッテリーの故障

バッテリーに変形や損傷がある、液量が少ない、端子がさびているといった問題が起きているときもトラクターのエンジンはかかりません。不具合が起きている状態で無理にトラクターを使うと、バッテリーが上がるだけではなくオーバーヒートしてしまう恐れもあります。見た目に問題がなくても内部が故障のため不具合が生じているときもあるので注意が必要です。

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バッテリーが上がったときの対処方法

整備

バッテリーが上がってしまいエンジンがかからなくなったときは、ジャンピングスタートや充電・交換などの対処があります。突然エンジンがかからなくなったときの対処方法も確認しておきましょう。

ジャンピングスタート

バッテリーが上がったときは、救援車の電気を利用してエンジンを始動するジャンピングスタートでの対処が可能です。ブースターケーブルを使ってトラブルの起きたトラクターと救援車のバッテリーをつなぎ、トラクターのエンジンをかけます。

バッテリーチャージャーの使い方や、注意点などは動画でも解説しているのでチェックしてみてください。

ジャンピングスタートはエンジンがからなくなったときの一時的な処置です。そのため、バッテリーの不具合が起きているときは、すぐにトラクターが使えなくなるかもしれません。完全に不具合を解消するには早めにバッテリーの点検や交換を行うようにしてください。

バッテリーを充電する

バッテリーの故障や寿命ではなく、放電が原因のときは充電すると使い続けられるケースがあります。充電は液口栓を取り外せるバッテリーにしか行えないので、可能かどうかを取扱説明書で確認してから実施しましょう。充電時間は容量によって大きく変わるので、説明書などを参照してください。

トラクターからバッテリーを取り外した後、液口栓を外してから電解液を入れます。電解液が皮膚や衣服につかないように充分注意します。また、充電中に発生する酸素ガスや水素ガスに引火しないよう、火気厳禁で行いましょう。

バッテリーを新品に交換

バッテリーを交換目安時期といわれる2~3年を過ぎて使用している場合、故障や不具合などが生じたら回復は難しいため、新しい製品への交換をおすすめします。2年以上経過していないものでも、完全に放電してしまうと以前の性能には戻りません。

また、かなり劣化が進んでいるものは使用年数に関わらず使用できなくなるため、充電をしても改善できません。バッテリーがダメになったときは、早めに適合する新品の製品に交換しましょう。

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ジャンピングスタートの使用方法

ジャンピングスタート

ジャンピングスタートは、トラクターと救援車のバッテリーをブースターケーブルでつないで行う方法です。覚えておけばいざというときに非常に役立ちます。

ジャンピングスタートの手順

  1. トラクターの近くに救援車を置き、赤と黒のブースターケーブルを準備する
  2. トラクターと救援車のバッテリーが同じ電圧、同容量かどうか確認する
  3. 赤いケーブルをトラクターのバッテリーにあるプラス端子につないでから、ケーブルの反対側を救援車のプラス端子につなぐ
  4. 黒いケーブルを救援車のマイナスにつなぎ、逆側をトラクターのマイナスにつなぐ
  5. 救援車のエンジンをかける
  6. トラクターのエンジンをかける
  7. トラクターのエンジンがかかったら、つけたときと逆の順番でケーブルを外す

ジャンピングスタートの注意点

トラクターと救援車が同じ電圧のバッテリーを積んでいることを確認してください。トラクターや自動車は12Vのものが一般的ですが、トラックやSUV車の中には24Vのバッテリーを積んでいるケースがあるので注意が必要です。

また、ケーブルをつなぐ順番も重要です。つなぐ順番とはずす順番を間違えると、故障したり発火したりする恐れがあるので、必ずトラクターのプラスからつなぎ始めてトラクターのマイナスで終わるようにしてください。ケーブルの許容電流もバッテリー容量に合わせて選びましょう。

加えて、ケーブルが外れないようにしっかり固定しつつ、周りのファンやベルトにケーブルが巻き込まれないように接続時は目視で確認します。ジャンピングスタートのあとには、一度エンジンがかかってもバッテリーに根本的な問題が生じていないかどうか、早めに点検・交換をすることをおすすめします。あくまでもジャンピングスタートは一時的な措置として考えるようにしましょう。

バッテリーが上がったときに便利なジャンプスターター

救援車が近くまで入れない狭い場所でバッテリーが上がったときなど、救援車を利用しにくい場合は「ジャンプスターター」を利用すると便利です。「ジャンプスターター」は、バイクや自動車にも使用できる大容量のバッテリーです。トラクターのバッテリーにジャンピングスタートと同じ手順でつなぐと、簡単にエンジンをかけられます。

軽量でコンパクトな、スマートフォンの充電に使えるタイプも販売されているので、準備しておくといろいろと便利です。久しぶりにトラクターを使うときには、前もってジャンプスターターを購入しておけば、バッテリーが上がったとしても慌てずに対処できます。

また、劣化状況を把握するためにも定期的に点検を行い、バッテリーの劣化に気づいたら新品に交換しましょう。細やかなメンテナンスや定期的な点検がバッテリーの延命につながります。

また、バッテリーを積んでいなくても、他乗用車と繋ぐケーブルがあればエンジントラブルが起きても安心です。7Mタイプで12V用のケーブルを1つ積んでおくだけでも、いざという時に役立つでしょう。

バッテリーの定期点検

バッテリーの定期点検を行う際は、以下の点を注意しながら点検するとよいでしょう。最低でも1ヶ月に1回程度行うことを推奨いたします。メンテナンスフリーバッテリーでも定期的な点検を行うことをお勧めいたします。

  • 充電状態の点検
  • 液量点検
  • 端子部の点検
  • 取付金具の点検

充電状態の点検

エンジンをかけた時のセルモーターの回り、ホーンの音、ウインカーなどのの電気系統に異常が見受けられる場合は、使用しているバッテリーに適応した充電器で補充電が必要です。

液量点検

バッテリーの中には電解液(希硫酸)が入っており、使用する度に減っていきます。また、バッテリーは使用時、不使用時にかかわらず経年劣化が進行します。バッテリー液が少ない状態で放置していると、経年劣化が加速するため、常に適正なバッテリー液の量を保つ必要があります。

最適な液量とは、液面が最高液面線(UPPER LEVEL)と最低液面線(LOWER LEVEL)の間にあることを確認しましょう。上記間の半分を下回った場合は、バッテリー液の補充が必要になります。補充時はUPPER LEVELを超えないように入れてください。多めに入れて液体が漏れてしまうと、液漏れなどで車体の腐食原因となりますので注意が必要です。

メンテナンスフリーのバッテリーは液量を見れないので、インジゲーターで確認しましょう。

端子部の点検

バッテリー本体にひび割れ、液漏れなどがないかを確認しましょう。また、本体が膨れ上がっていたり、端子周りに粉がふいているなどは、寿命を知らせるサインですので必ずご確認ください。

取付金具の点検

車体にバッテリー本体がしっかり取り付けられているかを確認してください。前後左右に動かしてずれなければ問題はありません。締め具合が緩い場合は、締めなおす必要がありますが、強く止めてしまわないように気を付けてください。

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バッテリー内部の点検

内部に関しては、見た目での点検ができません。バッテリーテスターや比重計を使って点検すると内部抵抗や電圧の状態まで点検できます。確実に点検したいときや不安があるときはテスターなどを使用して内部状況を確認できます。

バッテリー劣化点検におすすめのテスター

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aceyoonのシガーソケットはUSBポートを2つ備えたカーチャージャーで、LEDによる電圧測定ができます。バッテリーの電圧を測定するためにわざわざボンネットを開ける必要がなく、手軽にバッテリーの状態を計測できます。12V/14V両方対応しているので、大型車の計測にも使用可能です。

バッテリー上がりの対策

バッテリー上がりを防ぐには、定期的にトラクターを使用して充電しておくことが大切です。トラクターの使用回数が少ない時期は、少なくとも3ヶ月に1回程度充電を行いましょう。

トラクターを保管するときは、保管場所にも注意が必要です。直射日光や雨露が当たる場所はバッテリーの劣化が進みやすいので、湿度が少なく直射日光の当たらない場所で保管し、急速な劣化を防ぎましょう。

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まとめ

トラクターのバッテリーは、長期間使用しない状態が続いたり、気温が低いところで使ったりすると不具合を起こしやすいので注意が必要です。バッテリーが上がってしまっただけであれば、ジャンピングスタートで対処できますが、劣化などの問題が起きている場合は早めの交換が必要になるでしょう。

交換用のバッテリーは、「カーエイドストア」など種類が豊富で信頼性の高いネットストアを利用し、よく比較検討してから購入するとよいでしょう。近隣のホームセンターよりも品揃えが豊富なので、賢く利用しましょう。

こちらの記事では、トラクターの馬力について、目安やポイントを紹介していますので、あわせて参考にしてください。