農家の年収はいくら?品目別の農家収入ランキングや専業や兼業など儲かる農業を徹底解説

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農業とお金

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農業は長年、深刻な人手不足と叫ばれていますが、テレビなどでは若い新規就農者も目立ちます。
たしかに地方では後継者不足などで、廃業する農家が多いのも事実でしょう。

しかし、私が勤めていた農業法人だと若手も多く、独立を目指す人も多くいました。
独立を目指す人も多い農業ですが、新規就農を考えている人にとって気になることは、「農家の年収」になるのではないでしょうか。

イメージとして、農家の年収は低いと思っている人は多いと思います。
しかし、どの職業でも高収入と低収入の差があるように、農業にも収入には差があります。

とくに農業は経営形態や、育てる作物によっても大きく左右される職業でしょう。
今回の記事では、「農家の年収」を中心に、作物別や支出についても解説していきます。

農業を始めるための手続きなどについてはこちらの記事で詳しく説明しています。併せて参考にしてみてください。

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専業農家・兼業農家の収入の違い

田園風景

農家にはいくつか分類がありますが、主に専業農家・兼業農家に分けられます。
まず、農家の定義としては「耕地面積10a以上」、「農産物の販売金額が年間15万円以上」の世帯とされています。

収入に大きく関わる部分なので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
ちなみに10aは1,000平米と同じです。

専業農家

専業農家とは、世帯員のなかに兼業従業者が1人もいない農家です。

農業のみで生計を立てていく場合には、専業農家を選択することになるでしょう。

兼業農家

世帯員のなかに兼業従業者が1人以上いる農家です。

簡単には収入が農業中心であれば専業、農業以外にも仕事があれば兼業と考えてみてください。

経営形態による総所得の違い

専業農家 約550万円~700万円
兼業農家 約450万円~600万円

表を見てもらえるとわかる通り、専業農家と兼業農家の大きな差は農業所得です。
兼業農家は、農業を主の収入源とはしていません。

新規就農するのであれば、専業農家を目指す人が多くなるでしょう。
ただし、実家が農家である場合や、少しずつ始めたい場合には兼業農家から始めてもよいかもしれませんね。

また、どちらにも当てはまらない副業的農家があり、65歳以上で農業所得が主な収入ではない場合に当てはまります。
平成28年の農業所得で見ると、主業と準主業では570万円もの差があります。

このように経営形態によっては大きな収入の違いが出てくるため、就農の参考にしてみてください。

農業法人に就職する方法も

自分で農業を始める新規就農ではありませんが、農業法人に就職するという手もあります。
たとえば、新規就農するために数年間の勉強を兼ねて就職するのもよいでしょう。

目的にもよりますが、新規就農するためには最低限の農業知識が必要になります。
人によっては農業に従事することが目的で、自分で経営をしたいわけではないかもしれません。

まずは農業法人に就職してから考えるのもよいでしょう。

将来的に農業法人を経営したい方は、メリット・デメリット含めて事前に情報収集ができる機会につながります。

作物で変わる収入

農業と山

農家の収入は作物によって大きく変わります。
ほとんどの人は、収入よりも栽培したい品目で選ぶかもしれませんね。

しかし、農業で生活していくことを決めたのであれば収入も大切です。
作物によって変わる収入を2018年の統計をもとに確認していきましょう。

米農家の年収

稲を中心とした農業になります。
農業粗収益は265万円、経営費を引いた農業所得は56万円でした。

前年と比べると4.3%マイナスとなっていますが、ここ数年は大きなプラスマイナスがなく推移しています。
下がり続けているわけではないため、とくに気にする必要はないでしょう。

また、同年の統計はありませんが、前年では20ha以上の水田で農業粗利益が5,001万円となっています。
水田は農地の面積で大きく収入が変わる作物でもあります。

こちらの記事では、米作りの1年の流れを紹介sいています。米農家に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

畑作農家の年収

畑作は露地と同じように考えられがちですが、少し違いがあります。
比較的広い圃場(ほじょう)で麦やトウモロコシ、豆類、芋類などの栽培を行うのが畑作になります。

農業粗利益は905万円、経営費を引いた農業所得は286万円となりました。

露地野菜農家の年収

露地野菜は施設野菜と似た品目を栽培しますが、天候に左右されることは多くなります。
農業粗利益は640万円、経営費を引いた農業所得は245万円です。

前年比ではプラス6.2%と、ここ数年で大きな変化はありません。

施設野菜農家の年収

ビニールハウスなどの温室を使った野菜の栽培が施設野菜になります。
2018年の農業粗利益は1,292万円、経営費を引いた農業所得は508万円でした。

ここ数年では大きな変動がなく、高い水準を推移しています。
後述しますが、施設野菜は天候などに左右されにくく、安定した収穫が見込めるため、高い利益につながっています。

果樹農家の年収

続いて果樹ですが、農業粗利益は642万円、経営費を引いた農業所得は254万円となっています。
前年との比較では8.1%向上となりました。

露地野菜に近い数字と言えるでしょう。

花き農家の年収

最後に花きの農業粗利益は露地が718万円、施設花きでは1,605万円となっています。
農業所得は露地が266万円施設が443万円となりました。

野菜と同じように施設栽培のほうが高い利益となっていますが、その分、運営費が高くなります。

農業で儲かる作物のランキング

数値分析

2007年で調査が終了した品目別経営統計は、非常に興味深い内容になっています。
露地と施設、果樹と分けて品目ごとの農業粗利益や経営費、所得がわかるため、表にして紹介していきます。

10aあたりの平均にはなりますが、今後就農する参考にしてみてくださいね。
表は収益の高い6品目に絞っています。

露地野菜

品目 粗利益 経営費 所得(純利益)
1位.ししとう 200万5千円 57万7千円 142万8千円
2位.なす 180万3千円 57万7千円 122万6千円
3位.きゅうり 177万3千円 58万8千円 118万5千円
4位.大玉トマト 154万円 98万5千円 90万3千円
5位.ピーマン 142万7千円 53万2千円 89万5千円
6位.ミニトマト 178万7千円 98万5千円 80万2千円

粗利益、所得ともに「ししとう」が一番高い結果となっています。
上位の6品目に絞っていますが、1番のししとうと6番のミニトマトでは所得に60万円ほどの差がつきました。

施設野菜

品目 粗利益 経営費 所得(純利益)
1位.ミニトマト 407万1千円 204万3千円 202万8千円
2位.いちご 359万6千円 169万8千円 189万8千円
3位.なす 351万4千円 182万円 169万4千円
4位.ししとう 375万9千円 229万6千円 146万3千円
5位.きゅうり 243万円 108万6千円 134万4千円
6位.大玉トマト 259万5千円 136万9千円 122万6千円

施設野菜では「ミニトマト」が一番高くなりました。
また、露地で1位だったししとうは施設野菜でも高い所得となっています。

施設は、露地と比べて全体的に高い所得となっていることがわかるでしょう。
初期投資や維持費が露地と比べると高くなる施設野菜ですが、そのぶん所得も高くなることが多いです。

このあたりは自分の栽培したい品目や、資金で考えながら決める必要があります。

果樹

品目 粗利益 経営費 所得(純利益)
1位.黄桃 78万7千円 42万4千円 36万3千円
2位.キウイフルーツ 54万7千円 19万2千円 35万5千円
3位.ぶどう 68万1千円 33万9千円 34万2千円
4位.もも 56万6千円 28万円 28万6千円
5位.日本なし 59万4千円 32万5千円 26万9千円
6位.すもも 46万4千円 23万7千円 22万7千円

果樹では「黄桃」が1位となり、「すもも」が6位になりました。
露地や施設野菜のように大きな差はなく、所得では14万円ほどの差となっています。

農家に必要な支出

農機具

農業には必要な支出があります。
2019年の米の生産(10a)をもとに実際の支出を追ってみましょう。

作物によって変わってはしまいますが、少し参考になると思います。

・農機具費:25,452円
・賃借料および料金:11,495円
・肥料費:9,065円
・農業薬剤費:7,670円
・労働費:34,247円

すべて10aあたりになりますが、農地が広くなればその分、支出も増えることになります。
あくまで目安ではありますが、農業を続けるには年間に10aあたりで、上記の費用が必要になります。

また、移動用の車両を購入したりと、他にも必要な支出は出てくるでしょう。

資金繰りが難しいと感じる方は、返済不要の補助金ファクタリングサービスなどを検討してみるのも効果的です。


露地栽培と施設栽培で支出に大きな差が出る

ハウス栽培

野菜類の栽培で比較が簡単なのは露地と施設でしょう。
この2つは同じ野菜を栽培することもありますが、栽培方法が大きく違うため、支出にも大きな差が出てきます。

露地栽培の場合

まずは露地栽培ですが、土地があれば始められます。
新規就農者の多くは、露地や畑から始めることが多くなります。

やはり、初期投資が農業の中でも少ないため、新規就農者が参入しやすい要因でしょう。
ただし、露地栽培でもトラクターや堆肥、肥料など、農業を始める上で最低限の支出は必要になります。

施設栽培の場合

施設栽培は、ビニールハウスを思い浮かべてもらえればわかりやすいでしょう。
ハウスは骨の部分やビニールの部分など、材質によっても様々な種類があるため、一概に価格を出すことはできません。

しかし、主業で農業所得を得る場合には安くても数百万円の支出になります。
また、ハウスは建てたら終わりではなく、定期的にビニールの張り替えが必要になります。

張り替えでも数十万円以上の費用がかかるため、施設栽培は露地と比べると支出も大きくなるでしょう。

農業で収入を増やす4つの方法

農業での収入を増やす4つの方法を紹介します。今農業を行っている人は、ぜひ参考に取り入れてみてください。これから農業に参画しようと考えている方は、ビジネスモデルを考えるきっかけにしてみてください。

6次産業化させてコスト削減

農業は一次産業。作物を作ることが仕事だと考えている人も多いでしょう。もちろん、作物を作ることが始まりですが、二次産業である加工、三次産業である流通まで行うことがポイントです。流通まで一律して行うことによって、業者への手数料を払う必要がありません。その分コスト削減につながります。

このように一次産業から三次産業まで一括して行うことを、六次産業と言います。

六次産業は、コスト削減だけでなく、消費者の反応も見れることがメリット。自分の作った作物を、喜んでくれているお客様を目にすることで、やりがいや幸せを感じられます。

価格決定権を持つ

作物を作った販売先はJAという方も多いのではないでしょうか。JAに卸すことで、買い手は確保されていますが、JAでの言い値によって価格は変動します。

本来であれば200円で販売できるものを、10円で販売していると、収益は伸びませんよね。収入を増やすためには、自分自身で価格をつけることができる「価格決定権」が必要です。

自分自身で値段を決めるのは、マーケティング感覚も必要となりますが、自分自身で価値をつけることができます。「傷があるからB級品なのではなく、有機栽培だから傷があっても当然。味はA級品と変わりない」と販売できるようになることが大切です。

機械化や効率化を進めてコスト意識を持つ

「農業は、自然相手だからコントロールできない」「愚直に仕事をする」という考え方では、農業で高収入を得るのは難しいでしょう。業として行っている以上、農業はビジネスです。

そのため、無駄な作業はせず効率化できる部分は、作業を短縮させる。機械化できる部分は機械化した場合のコストパフォーマンスを考えるなど、コスト意識を持つことが大切です。

単に「ビニールハウスを作ってみようかな」ではなく、ビニールハウスを作った場合の作業時間はどれくらい短縮できるのか、収穫量はどれくらい増え、収入はどの程度増えるのかを計算する必要があるのです。

普段なんとなく仕事をするのではなく、どの作業にどのくらいの時間がかかっているのか記録することから始めましょう。

農業の面積あたりの収入を考えて栽培する

農業は、作物を育てて販売することで収入を得ます。そのため、一人あたり作物を育てる面積が増えれば増えるほど、収入が上がるのは想像できるでしょう。

そのため、「収入を増やすためには、農地を広げたらいいの?」と思われがちです。もちろん農地の拡大は収入アップに繋がりますが、重要なのは「面積当たりの収入が高い作物を育てる」こと。

農林水産省大臣官房統計部が、野菜作経営の品目別経営収支のデータを公開しているので参考になります。

例えば、10a当たりの農業所得は、キャベツだと208,000円。一方、ししとうは920,000円です。そのため、ししとうを作って販売した方が、収入になることが分かります。

ここで、「ししとうを作った方がキャベツより儲かる!」と安易に決めると危険。実は、ししとうの栽培は手間がかかるため、2000時間程度の労働が必要です。一方キャベツはたったの80時間。そのため、時給に計算するとキャベツは時給2,580円、ししとうはたったの時給462円になってしまいます。

このように、面積あたりの収入と労働時間の目安を参考に、どの作物を作るのかを考えるのが大切です。

新規就農に必要な初期費用

2016年の「新規就農者の就農実態調査」で、就農に必要な初期費用の平均が発表されています。
新規就農に必要となる初期費用の平均は569万円となりました。

この数字は土地代を除いているため、土地を新規に購入する場合にはさらに費用がかかるでしょう。
内訳は機械、施設が411万円、種苗や肥料、燃料が158万円となっています。

あくまで平均になるため、ビニールハウスなどを建てればさらに高額になり、露地であれば下がるかもしれません。
さらに、すぐに大きな収穫が見込めない農業では、1年目の生活費を用意しておく必要があります。

新規就農者の資金調達方法やノウハウ・生産技術の習得方法も様々あります。ぜひ参考にしてみてください。

農業の収入に対する本音

これまで農業の収入について確認してきましたが、実際に働いている人は、収入に対してどのように考えているのでしょうか。

農業法人で働く田中さん(仮名)は、「収入が少なくても、農業法人で働くことを選んだ」のだそう。その理由は、「安心感」でした。

田中さん「私は農業法人で働いています。独立農家と比べると収入は低いですが、土地を持たず、農業の知見がない私が一から農業を始めるのは難しいと思い、農業法人で働くことにしました。好きなことを仕事にでき、仲間たちと毎日充実した生活を送れているので満足しています。」

一方、独立して農業を行っている山本さん(仮名)は、「独立したからこそ、農業をビジネスにできた」と語ります。

山本さん「私が農業を始めたのは、まだまだビジネスチャンスがある領域だと感じたからです。元々IT業界で働いていましたが、ITの世界は新しい技術がどんどん出てきて、常に最先端の技術を取得しないと、戦うステージに立つことができません。ですが、農業は初心者でも戦う領域を選び、適切なマーケティング手法が取れれば、成功することは難しくないと感じています。今では年収は2000万円を超えました。独立して行っているからこその、独自の取り組みをこれからも続けていきたいです。」

農業法人、独立就農している人どちらも収入には満足していることが分かりました。収入に満足できない人や満足のいく結果を出せない人は、現場を去っていく厳しい世界だからこその本音ですね。

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まとめ

今回は農家の年収について作物、品目別や支出などについても解説していきました。
農家の収入は、専業か兼業かで農業所得は大きな差が出るとわかっています。

これから農業を主な収入源としていきたい場合には、専業農家を選ぶことになるでしょう。
また、作物による収入の違いも大きくなります。

おそらく、農業を始めようと考えている人は、自分の栽培したい作物が決まっていると思います。
ただし、収入は生活をしていく上でも大事な部分になるため、作物だけで考えないようにしましょう。

栽培したい作物だけではなく、その作物の収益も考えて取り組むことをおすすめします。