農業未経験者が新規就農するには?資金調達方法や研修方法を解説

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今の仕事を辞めて農業に挑戦したいけれど、何から始めていいのかわからないという方も多いでしょう。未経験者が農業を仕事にする方法はいくつかありますが、どんな方法を選ぶとしても、農業の基本的な知識や、新規就農に必要なものを学ぶことが大事です。

本記事では、就農前に農業を学ぶ方法、利用できる国の支援制度などをご紹介します。

新規就農とは?

新たに農業を始めることを「新規就農」と呼び、新規就農には主に3通りの方法があります。

新規自営農業就農者

「新規自営農業就農者」とは、家族からの事業継承で、農業に従事することになった人のことです。自分でゼロから農業を起こすよりもリスクの小さい就農方法ですが、家族に農業者がいない場合は成り立ちません。

新規雇用就農者

「新規雇用就農者」は、農業法人に就職することで農業に従事することになった人を指します。研修を受けて働きながら技術を習得できるほか、安定した給与を得られるメリットがあります。

事前に資金を工面したり、技術を身につけたりする必要はありませんが、企業の従業員なので自分のやりたい農業ができるとは限らない点がデメリットです。

新規参入者

「新規参入者」は、土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を始めた人のことです。また、家族ではない農家から事業継承した場合も新規参入者に含まれることがあります。

新規参入者は上記2つの手段に比べて自由な働き方ができる反面、資金面などでのリスクが大きくなります。この記事では新規参入者として就農する場合を念頭に解説していきます。

新規参入者は認定新規就農者になると有利

日本の農業従事者は高齢化が進んでおり、将来的な農業の先細りが懸念されます。そこで国は、40代以下の就農者を増やそうとさまざまな支援を行っています。その一つが「青年等就農計画制度」です。

青年等就農計画制度とは、一定の条件を満たしている新規就農者を「認定新規就農者」とし、補助金や融資の面で優遇措置を受けられるようにする制度です。認定新規就農者は、事業を開始してから5年以内であれば申請できます。

そのほかの条件は以下の通りです。

・18歳以上45歳未満の青年
・特定の知識や技能を有している65歳未満の中高齢者
・上記に該当する人が役員の過半数を占める法人

認定を受けるためには青年等就農計画を作成し、市区町村の審査を受けなければなりません。とはいえ、その手間を踏まえても資金面での支援が受けられるのは大きなメリットです。認定新規就農者に向けた主な施策としては、「農業次世代人材投資事業(経営開始型)」や無利子融資の「青年等就農資金」などがあります。

参照元:https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/attach/pdf/nintei_syunou-13.pdf

農業への新規参入に必要なもの

農業で起業するためには他の産業での起業と同様、営業活動や販路開拓、資金調達、地域との関係構築などが不可欠です。実際に事業を起こす前に、資金や土地、設備なども準備しなければなりません。

資金

全国新規就農相談センターが実施した調査によると、就農1年目に必要になった金額の平均は569万円でした。それに対し、新規就農者が確保した自己資金の平均額は232万円ですので、差額となる約340万円については補助金や融資などを活用する必要があります。(2017年3月時点)

また、それに加えて当面の生活費も用意しなければなりません。余裕のある経営を実現するためには1,000万円程度の資金が必要だと考えておくべきでしょう。

参照元:https://www.be-farmer.jp/ControlApp/Statistics/pdf/lDlUsiQ6BUnDGT2jp33D202003171504.pdf

土地

新規就農者の多くは、農地を借りて農業を始めます。しかし、農地は賃貸物件のように初期費用と身分証明書、保証人を手配するだけで貸してもらえるわけではありません。

まずは、就農したい地域の人と信頼関係を構築することが重要です。現地の農家などで研修させてもらいながら、地元の人とコミュニケーションを深めましょう。

農地だけでなく、生活の拠点となる住居も用意しなければなりません。農村部は都市と違って賃貸物件の数が少なく、住まいを確保するのは困難です。行政の移住支援制度では公営住宅や空き家を斡旋してくれる場合があるので、まずは移住先の自治体に相談してみてください。

機械・設備

農機具や施設を導入するには多額の資金が必要です。初期投資を抑えるには、研修中であれば研修先で使っている設備や機械を借りるか、中古の購入、レンタルといった選択肢があります。

技術・ノウハウ

日本では地域ごとに気候が異なります。それを考慮せずマニュアル通りに農業を行おうとしても、よい作物はできないでしょう。

まずは将来的に独立を支援してくれる農場法人で働いたり、自治体が提供する研修制度などを利用したりして、その地域に適した栽培方法やノウハウを学ぶことが大切です。

農家の平均収入は

「農業は稼げる」という理由から農家になろうとする人も多いですが、実際はどれほどの収入があるのでしょうか。農林水産省が発表した統計によると、2018年の農家の平均収入は511万円でした。

しかし、新規就農者に限ると平均収入は下がります。総務省の「新規就農者の就農実態に関する調査結果」では就農10年以内の農家約2,000人の内、「生計が成り立っている」と答えたのは24.5%でした。それほど、農業で生計を立てるのは難しいということです。

参照元:https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/12-1.html

参照元:https://www.soumu.go.jp/main_content/000607930.pdf

新規就農者が苦労したこと

全国農業会議所の調査によると、新規就農者のほとんどが経営資源のない状態からのスタートで、農地や資金、技術、住宅の確保、技術の習得に苦労しているようです。

新規就農者の実態が示している通り、資金もノウハウもない状態での起業は非常に高リスクです。安定して事業を続けるためには、事前の情報収集や資金準備が欠かせません。

参照元:https://www.be-farmer.jp/ControlApp/Statistics/pdf/lDlUsiQ6BUnDGT2jp33D202003171504.pdf

新規就農者が利用できる補助金制度

このように、新規就農者の前に立ちはだかる大きな壁が、資金の問題です。開業資金の全額を自己資金で賄うことが難しい場合、国が設けている新規就農者向けの支援金や融資を利用するという手段もあります。

農業次世代人材投資事業(準備型・経営開始型)

準備型は、就農予定者が国内で農業研修を受ける場合、最長2年間、年150万円が支援される制度です。給付を受けるためには都道府県が認める特定の研修機関で、1年以上かつ年1,200時間以上の研修を受ける必要があります。

一方の経営開始型は、就農後、最長5年間、年間最大150万円を受け取れる制度です。2年目以降は前年の所得に応じて支給額が変動します。

参照元:https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_syunou/roudou.html

強い農業・担い手づくり総合支援交付金

農業用の機械や設備の購入に利用できる国の補助金制度です。融資を受けて機械や設備を購入する際、融資残額に応じて支給されます。

強い農業・担い手づくり総合支援交付金には、支援対象によってタイプが2種類あります。「地域担い手育成支援タイプ」では、労働力不足解消のためロボット技術やICTなどを導入した就農者の優先枠が設置されているなど、それぞれのタイプによって支援内容が変わるので注意してください。

参照元:https://www.maff.go.jp/j/keiei/keikou/kouzou_taisaku/attach/pdf/index-31.pdf

無利子資金制度(青年等就農資金)

無利子資金制度とは、農業設備や機械の購入資金、家畜や種子の購入・育成資金などを無利子で借りられる制度です。対象者は、市町村から青年等就農計画の認定を受けた認定新規就農者で、個人でも法人でも利用できます。返済期間は17年以内、限度額は3,700万円です。

参照元:https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/n_kasituke/syunou_shikin/index2.html

農業のノウハウを習得する方法

ノウハウ

また、新規就農者にとって課題となるのが、農業のノウハウを学ぶことです。農業のノウハウを習得するためには以下のような方法があります。

農業法人でのインターンシップ

農業を仕事にしたいと考えている人が、実際に農業の現場で短期就業できる制度です。農業法人などの経営者や従業員とともに働きながら、リアルな現場を体験できるのがメリットといえます。農業という仕事が自分に合うかどうか見極められるので、実際に就業してからのミスマッチを防げるでしょう。

農業法人に就職する

農業法人で働きながらノウハウを身につけ、その後独立することも可能です。今すぐ起業するだけの資金的な余裕がない場合、知識を蓄積しつつ資金も貯められます。

従来、経営のノウハウに関しては自ら別の方法で学ぶ必要がありました。最近では人材育成を重視し、将来的に独立できるよう指導を行っている農業法人も多くあります。

自治体やJAが運営している農業研修を受ける

栽培したい作物や就農したい地域が決まっている人は、その地域の行政やJAが運営している農業研修に参加するとよいでしょう。

一般的に研修は2段階にわかれ、農業の基本を学ぶ基礎研修と、現地の農家に指導を受けながら栽培技術や農家経営のノウハウを習得する実践研修があります。実際に現地で暮らすため、今後に向けて人脈を作ることも可能です。

学校で学ぶ

挑戦したい作物や就農する地域が決まっていない人は、総合的な農業の技術や知識を学べる農業大学校や民間の農業研修機関に入学する方法もあります。農業大学校は42の道府県に設置されており、その地域の特性に合った農業を学べるのがメリットです。

授業料は年間12万円程度と安く、寮を備えている研修機関もあります。中にはオンライン講座や夜間・週末のコースが受講できる学校もあるため、社会人が働きながら学ぶこともできるでしょう。

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まとめ

新規就農を成功させられるかどうかには、事前の準備が大きく関わっています。就農前に農業のノウハウを学ぶ際は、自分に合った学習方法を選びましょう。

また、1年目は思うように農業収入を得られないことがほとんどです。営農資金に加えて、当面の生活費も準備しておくことをおすすめします。資金不足の場合は、国が行っている支援制度を活用し、資金調達を行いましょう。