返済不要の農業補助金・助成金まとめ!返済不要で新規就農や農家経営に活用!
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
これから農業を始めるときは農機具や資材の購入が、営農規模を拡大したいときは設備投資や人件費など多額の資金が必要です。そのため、国や都道府県では農業経営者を支援する、さまざまな補助金制度を用意しています。
補助金は返済不要なので、利用しない手はありません。補助金には募集期間と予算枠があるため、募集が始まる前に情報を集めておきましょう。新規就農したい方や営農規模を拡大したい農家におすすめの補助金制度をご紹介します。
※この記事は、2020年9月4日時点での情報となります。
目次
返済不要の農業補助金で資金調達
農業に限らず、新規でスタートする事業者には、まとまった開業資金が必要です。一般的には金融機関の融資を受けて資金調達をしますが、農業の場合は、開始から農機具などの購入、営農規模の拡大、6次産業化に至るまで、その大半を国が補助金で支援してくれます。補助金は交付金として支給されるため、原則返済不要です。
農家支援交付金は補助金のみ
同じ交付金として支給される制度には助成金もあり、こちらも返済不要です。厚生労働省や経済産業省、地方自治体が支給しています。助成額は数十万円~数百万円ですが、申請条件を満たせば、受給できる確率が高いという特徴があります。
補助金は、国と地方自治体を合わせて3,000種類以上あるとされ、さまざまな補助金の利用が可能です。ただ、募集期間が限られるうえ、申請内容が制度の趣旨に合っているか審査があります。農家支援金の場合はこの補助金制度のみです。
一覧から自分に合った補助金の種類を探すには?
農業を営む個人や法人が受け取れる補助金は、農機具や出荷場などの設備投資から人件費、農地造成など助成対象によって種類が分かれ、補助の用途が決まっています。自分に必要な制度を知りたいときは、農林水産省の逆引き辞典を利用すると便利です。
新規就農する際に、技術やノウハウの習得も資金調達と同じくらい重要です。新規就農者に向けた情報を別記事に載せていますので、是非ご覧ください。
参考:農林水産省
1.新規就農者向け「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」
これから農業を始めたい方は、次世代の農業者を支援するための補助金制度が利用できます。支給要件は、就農時の年齢が原則49歳以下、かつ独立・自営であることです。用途によって「準備型」と「経営開始型」の2つのタイプに分かれます。
就農前の研修資金を支援する準備型
都道府県が認定した農業大学校などの研修機関で、農業研修を受ける場合に、年間最大150万円の補助金を最長2年間受け取れます。年間およそ1,200時間以上の研修を約1年以上研修すること、親元で就農する場合は研修終了後5年以内に農家を継ぐか、農業法人の共同経営者になることなどが条件です。しっかり研修を受け、必要な技術を習得してから農業を始めたいという方には心強いサポートでしょう。
経営確立を支援する経営開始型
新規就農者が農業を始めて経営が安定するまで、年間最大150万円の補助金を最長5年間受け取れます。条件は、自ら就農計画を作成し、農業機械や施設を所有または借りて、農産物や加工品を出荷取引し、主体的に経営管理すること、就農後5年で生計が成り立つような実現可能な就農計画であることなどです。
農家の平均年収は作物や業種によって大きく異なります。農業を始めた当初は収入が不安定になりがちです。農業経営が軌道に乗るまで補助金を利用できるのは大きな安心材料となるでしょう。
参考:農林水産省:農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)
2.設備投資したい農家・法人向け「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」
「強い農業づくり交付金」と「経営体育成支援事業」が統合された制度です。農業法人や農業者団体・民間事業者・都道府県の農地中間管理機構(農地バンク)から農地を借りた方などが受け取れます。補助金対象によって大きく3つのタイプに分かれます。
産地基幹施設等支援タイプ
産地で中心的な農業法人や農業者団体の集出荷貯蔵施設などの導入や、卸売市場施設、産直配送に必要な集出荷場などの整備を支援します。箱もの施設対象で補助率は1/2まで、最大20億円です。
先進的農業経営確立支援タイプ
広い農地を持つ農家や農業法人の経営に役立つ、農業機械や施設を導入する際に支援します。新技術を活用した先進的機械を導入したい場合に最適です。耐用年数5~20年の農業機械や施設が対象で、補助率は事業費の3/10以内、上限額は個人が1,000万円、法人が1,500万円です。
地域担い手育成支援タイプ
農薬散布用ドローンなど、労働力不足を補うための新たなロボット技術やICT機械などの導入を、優先枠を設けて重点的に支援します。耐用年数5~20年の農業機械や施設が対象で、補助率は事業費の3/10以内、上限額は300万円です。
以上の3つのタイプは都道府県を通じた補助金ですが、新たな生産事業モデルに国が直接交付する補助金タイプもあります。
3.経営を改善したい農家向け「担い手確保・経営強化支援事業」
生産基盤を強化し、生産性向上を目指す農家や法人が、農業機械や設備の導入、農地の改良や造成をしたいときに補助金を受け取れます。農地中間管理機構(農地バンク)の農地を活用していることが条件です。
スマート農業を優先枠で支援
ロボット技術やAIなどを活用したスマート農業で生産性向上を目指したり、海外輸出などに取り組んだりする意欲的な農家や法人が、優先して支援されます。補助率は1/2以内で、上限額は個人が1,500万円、法人が3,000万円です。
4.人を雇いたい農家向け「農の雇用事業」
農業法人や農家などが新規就農者を雇用する際の研修費用を補助金で支援します。研修費用の内容により、3つのタイプに分かれます。
雇用就農者育成・独立支援タイプ
生産技術や出荷・販売ノウハウなどを習得する実践的な研修費用として、年間120万円まで、最長2年間補助金を受け取れます。雇用者は5年以上の農業経験や社会保険加入などの条件があり、雇用就農者は49歳以下で研修終了後、独立することも可能です。
新法人設立支援タイプ
新たな農業経営者を増やすため、農業技術や経営ノウハウを習得する研修費用として年間120万円まで、最長4年間補助金を受け取れます。独立支援または経営継承を行う農業法人や農家が、就農希望者を研修生として雇用する費用を支援します。
次世代経営者育成タイプ
次世代経営者を育成するため、先進的な農業法人や異業種法人などに派遣する現場実践の研修費用として月10万円まで、3ヶ月~2年間補助金を受け取れます。派遣する職員は家族経営の後継者など経営に関わり、原則55歳未満などの条件があります。
参考:農林水産省:農の雇用事業
5.収益アップを目指す農家向け「産地パワーアップ事業」
コスト削減や新市場開拓など、収益アップに計画的に取り組む産地を総合的に支援します。具体的な目標を設定し、「産地パワーアップ計画」が事業計画として認められる必要がありますが、加工処理施設や農業機械のリースなどの補助金を受け取れます。補助率は1/2が上限で、事業内容は以下の3つがあります。
新市場獲得対策
新たな生産・供給体制を作るための貯蔵・加工・集出荷場の整備や、生産工程の品質管理手法の導入、商品規格のための関連機材などを国が直接支援します。消費者ニーズに合わせたロットや品質で供給できるようになれば、業務用や輸出向け市場に対応可能です。
収益性向上対策
収益力を上げるために必要な農業機械の導入や、集出荷場の整備などを支援します。国の基金管理団体から都道府県を通じて補助金が交付されます。
生産基盤強化対策
農業用ハウスや果樹園など、農業生産基盤を継承するために必要な改修や再整備費用などを支援します。堆肥を活用した全国的な土づくりの取り組みも補助金の対象です。こちらも、都道府県を通じて補助金が交付されます。
6.荒廃農地を再生するなら「荒廃農地等利活用促進交付金」
荒廃農地で農業を再開するために必要な土壌再生・改良・営農定着などを、補助金で総合的に支援します。「荒廃農地」とは、調査員が客観的に作物の栽培は不可能と判断した農地のことです。なお、耕作放棄地は作物栽培が可能でも、農家が耕作を放棄すれば該当するため、荒廃農地とは異なります。
補助金の対象要件は、再生された農地で5年以上耕作することです。補助率は1/2で200万円まで、原則3年が上限です。
新規就農者のためのチャレンジ枠あり
新規就農者が荒廃農地の再生に取り組む場合、チャレンジ支援枠として最長4年間まで補助金が受け取れます。特に年齢の制限はないので、荒廃農地を活用したい就農者には心強い制度です。
経営者のための支援制度も使える!
今までご紹介してきたのは、農林水産省が農家や農業法人を支援する制度ですが、中小企業庁など他の省庁が経営者向けに行っている支援制度も利用できます。返済不要の補助金に絞ってご紹介します。
IT導入補助金
小規模事業主や中小企業がITツールなどを導入する際に申請できる補助金です。農産物や加工品をネット通販したいときなどに活用できます。
補助率は1/2以内で、補助金額によりAとBに申請タイプが分かれ、Aは30~150万円、Bは150~450万円です。多くの補助金制度の中でも採択率が高いので、必要な農家は申請を検討しましょう。
参考:IT導入補助金2021
ファクタリングで資金調達
農業は天候リスクが大きく、非常に不安定な業界でもあります。そんな業界だからこそ、迅速に資金調達ができるファクタリングとの相性がとてもよいです。
ファクタリングとは、売掛金を債権として事業資金を調達することを指します。融資とはことなり、債権の買取なので特に審査の必要がありません。
事業運営のために現金が必要な場合は、即日で利用できるサービスもあります。是非一度お試しください。
農機具は中古でお得に購入しよう!
新規就農者は必要な農機具を中古で購入することで、初期費用を抑えることができます。農地を拡大し、大型機械を導入したい農家や農業法人も、低予算で性能の高い農業機械を購入することが可能です。
補助金制度を活用できるとはいえ、補助率や金額には上限があります。農機具の導入費用を節減できれば、補助金を他の農業資材の購入費に充てることもできるでしょう。
「中古農機市場UMM」は、全国の農家と農機具店をつなぐ農機具専門サイトで、常時1100台以上の農機具が販売されており、10年以上の実績があります。入会費・年会費無料の農家会員になれば、全国の販売業者から農機具を購入できるようになります。
農機具をお得に購入したい方は、ぜひ活用して中古農機具を探してみてください。
まとめ
今日の農業では、家族経営で先祖伝来の農地を守るという継承が難しく、新たな担い手を育成し、経営改善や収益アップを目指す農家を支援する補助金制度が整備されています。古い設備を新調したり、大型農業機械を導入したりするための資金を補助してもらえるので、設備投資の負担を軽減できるでしょう。
また、農機具は中古農機市場サイトで購入できるので、さらに費用を抑えることが可能です。農業経営の収益性を高めるためにも、補助金制度やサービスを賢く活用しましょう。