オクラの栽培方法を紹介!時期や病害虫対策、プランターでの育て方などを解説

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夏野菜の代表格にして、さっぱり・ネバネバ食感が癖になるオクラ。自宅で栽培できれば、副菜やサラダ、薬味などとして非常に重宝します。
オクラは、比較的カンタンに育てられてたくさんの量が収穫できるため、家庭菜園初心者にピッタリの野菜です。
本記事では、オクラ栽培の特徴やコツ、プランターでの育て方や病害虫対策方法などを、元種苗メーカー勤務の筆者が解説いたします。
こちらの記事では、ベランダ菜園のはじめ方や基本的な栽培方法、初心者におすすめの野菜などを解説いたします。ぜひ参考にしてください。
目次
オクラ栽培の特徴
オクラは、アオイ科・果菜類に分類される代表的な夏野菜です。ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、栄養価の高い緑黄色野菜としても知られています。
小さなスペースで長く収穫できるので、家庭菜園やプランター栽培にピッタリの野菜です。以下では、オクラ栽培の基本となる以下3点を解説します。
- 栽培時期・期間
- 栽培環境
- 種類・品種
栽培時期・期間
- 種まき:4月中旬
- 植え付け:5月上旬〜下旬
- 収穫期間:6月下旬〜9月下旬
オクラは、4月中旬に種をまき、約1ヶ月後に植え付けを行います。育苗期間が3〜4週間ほどと短いため、初心者でも気軽に種から栽培可能です。
植え付けから約1ヶ月で初収穫となり、収穫期間は約3ヶ月と長期間。量もたくさん採れるので、家庭菜園で育てると非常に重宝しますよ。
なお、栽培時期は地域や品種によっても前後するため、上記はあくまでも目安としてお考えください。
栽培環境
- 発芽適温:25~30℃
- 生育適温:20~30℃
- 適正pH:6.0〜6.5
オクラはアフリカを原産地としており、高温に強いのが特徴的です。一方で寒さには弱く、10℃以下では低温障害でまともに生育できません。そのため、気温が十分に上がってから栽培をはじめましょう。
また、日当たりがよく、排水性の高い土壌でよく生育します。草丈がかなり高くなりますが、横のスペースは取らないため、ベランダやプランターでの栽培にも適しています。
種類・品種
オクラは、形や色の異なる様々な品種があり、大きく分けて「角オクラ」「丸オクラ」「白オクラ」「赤オクラ」の4種類に分類できます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 角オクラ:一般的なオクラ。大半は五角形で、六角形や八角形のものもある。
- 丸オクラ:莢に角がない丸いオクラ。沖縄では丸オクラが主流。
- 白オクラ:莢が白っぽいオクラ。生食に適しており別名サラダオクラとも呼ぶ。
- 赤オクラ:莢が紅色〜赤紫色のオクラ。見た目以外は角オクラに類似している。
栽培や生育に大きな差はありませんが、はじめてオクラを栽培するなら、角オクラか丸オクラをおすすめします。
下記の表に、家庭菜園でのおすすめ品種をまとめましたので、迷っている人はこの中から育てる品種を選んでみてください。
種類 | おすすめ品種 |
---|---|
角オクラ | ベターファイブ・アーリーファイブ・ピークファイブ・グリーンスター |
丸オクラ | ヘルシエ・島オクラ・エメラルド・まるみちゃん・みどり丸ノ助 |
白オクラ | 楊貴妃・白ひすい・白い丸莢オクラ |
赤オクラ | ベニー・島の恋・ジュエル |
また、こちらの記事では、家庭菜園初心者でも簡単にプランター栽培を始められるような手軽に育てられる野菜を紹介しています。参考にしてください。
【プランターOK】オクラの栽培方法・育て方
ここからは、オクラの栽培方法を、コツやポイントとともに詳しく解説していきます。手順は以下の6ステップです。
- 種まき・育苗
- 土作り
- 植え付け
- 追肥・土寄せ
- 収穫
- 摘葉
なお、プランター栽培と地植え栽培、どちらにも対応できるよう解説していますので、庭や畑がない方もぜひ参考にしてください。
1:種まき・育苗
気温が十分に暖かくなる4月中旬になったら、育苗ポットに種をまき、苗を育てていきましょう。
まず3号ポット(9cmポット)を準備し、育苗用または野菜用培養土を入れて、1ポットにつき深さ1cmほどの穴を3つ作ります。1穴に1粒ずつ種をまき、土をかぶせて軽く転圧。その後、たっぷり水やりをして種まき完了です。
発芽までは4〜5日ほど、発芽適温の25~30℃で植え付けまで管理していきます。室内やトンネルで管理したり、保温資材を用いたりして温度を保ってください。
本葉が2枚になったら、苗の生育を促すために間引きを行います。生育のよい苗を1本だけ残し、生育の悪い苗やキズ・病虫害が見られる苗は、根元からハサミで切り取りましょう。
発芽から3〜4週間経過し、本葉3〜4枚になるまで育ったら植え付け適期です。
2:土作り
つぎに、野菜栽培の基盤となる土作りを行います。pH6.0〜6.5、水はけのよい土壌を目指しましょう。
地植え栽培での土作り
地植え栽培の場合、植え付け2〜3週間前になったら準備開始です。植え付けの2週間以上前に苦土石灰、1週間前になったら堆肥と元肥を入れよく耕します。施肥量は下記を目安としてください。
- 苦土石灰:150g
- 堆肥:3kg
- 化成肥料(元肥):100g
その後、高さ15〜20cmほど、株間40〜50cmほど確保して畝を立てれば、地植え栽培での土作りは完了です。
プランター栽培での土作り
プランター栽培の場合、時間はあまりかからないので、植え付け前日までに準備すれば十分間に合います。プランターは、深さ・横幅30cm以上のものを用意しましょう。
プランターの底に排水性を確保するための鉢底石を敷き詰め、その上に野菜用培養土を入れるだけで土作り完了です。
培養土は自分でブレンドして作ることもできますが、初心者にはそのまま使える市販の野菜用培養土をおすすめします。
3:植え付け
土作りが完了し、苗の本葉が3〜4枚になったら植え付けを行います。オクラは高さが出る野菜ですので、株間にはなるべく余裕をもたせるのがポイントです。
地植え栽培では、株間を40〜50cmほど確保して植え穴を作ります。プランター栽培では、深さ・横幅30cm以上のプランターに1株ずつ植えましょう。ただ、横幅60cm以上のプランターであれば、株間を30cm以上あけて2株植えても問題ありません。
株間ごとに植え穴を作ったら、根鉢を崩さないよう注意して苗を植えましょう。その後、土を寄せて軽く転圧、たっぷりと水やりすれば植え付け完了です。作業前にポットに水を含ませておくと、根鉢が崩れにくくなりますよ。
植え付けから1週間ほどは根がまだ活着していない状態になるため、土が乾かないようこまめな水やりが必要です。活着後は、土の表面が乾いていたら、その都度たっぷり水やりをする程度に抑えましょう。
4:追肥・土寄せ
植え付けから20日前後経過すると、オクラの花が咲き始めます。開花を合図に、2週間に1回のペースで追肥しましょう。1㎡あたり化成肥料20〜30gほどを、株間や畝肩にまいてください。
また、追肥と同時に、倒伏防止として土寄せを行います。オクラは自立するため、土寄せだけでも十分ですが、心配な場合は支柱を立てて補強しておくとより安心ですよ。
5:収穫
開花から4〜7日ほど経過すると、いよいよ収穫がはじまります。莢の長さが6〜8cmほど、手で触れてみて柔らかいものをハサミで収穫していきましょう。
オクラは収穫適期を逃すと、実が硬くなって味が落ちてしまいます。開花から採り頃になるまでの期間が短いため、こまめに収穫して、適期を逃さないようにしてください。
また、収穫は3ヶ月間ほど続けられるので、期間中も水やりや追肥は忘れずに行いましょう。
6:摘葉
摘葉は、3ヶ月間オクラを採り続けるための、とても大切な作業です。
収穫した節の下1〜2枚の葉を残し、それより下の葉は収穫と同時に順次取り除いていきましょう。下葉を摘み取ることで、養水分が上部の実や葉に満遍なく行き渡り、オクラの品質向上につながります。
また、通気性の改善にもなり、病害虫防止や収穫作業の効率化が図れます。全収穫期間を通して高品質なオクラを収穫するためにも、摘葉作業はかならず実施しましょう。
また、家庭菜園での土作りについては、下記の記事でさらに詳しく解説していますので、こちらも合わせてご覧ください。
初心者でも失敗しない!オクラ栽培のコツ・ポイント
ここでは、野菜栽培初心者に向けて、オクラ栽培のポイントや注意点を解説します。
オクラ栽培で特に気をつけるべきなのは「温度」と「水分管理」です。それぞれ順番に見ていきましょう。
10℃以下の低温に注意しよう
オクラ栽培では、10℃以下の低温に注意が必要です。オクラは高温を好む野菜のため、低温には非常に弱く、10℃以下の環境だと発芽も生育もできません。
暖地では4月初旬の種まきでも大丈夫ですが、それ以外の地域では4月中旬頃よりも早くまくのは避けましょう。寒冷地の場合は、十分暖かくなる5月中旬頃まで種まき時期をずらすことをおすすめします。
また、その他の低温対策として、マルチや稲ワラを敷くのも効果的です。
成長段階に合わせた水分管理をしよう
オクラは水不足になると、果実の肥大が悪くなったり奇形になったりと、生育や品質に悪影響を及ぼします。反対に水のやりすぎも病気や根腐れの原因となるため、オクラ栽培では、生長段階に合わせた水やりの頻度・量を把握することが大切です。
下記のポイントを押さえて水分管理を行い、スムーズな生育を促しましょう。
生長段階 | 水やりのポイント |
---|---|
発芽前 | 土が乾かないようにこまめに |
育苗期間 | 土の表面が乾いたらたっぷりと |
植え付け直後 | 1週間は水を切らさないようこまめに |
活着後 | 土の表面が乾いたらたっぷりと |
開花後 | 水を切らさないようこまめに |
特にプランター栽培では、上記ポイントに注意して水やりをしましょう。プランターは水抜けが早いため、地植え栽培よりもこまめに水やりする必要があります。なお、地植えでは降雨で十分な水分が保てるので、頻繁に水やりしなくても大丈夫です。
オクラ栽培で発生しやすい病害虫の予防・対策方法
手間をかけて栽培したオクラが、病気や害虫の被害にあうのは本当に悲しいですよね。
発生原因やその予防・対策方法を把握しておけば、手遅れになる前に病害虫被害を最小限に抑えることが可能です。
オクラ栽培で発生しやすい病気・害虫について、詳しく見ていきましょう。
病気の予防・対策方法
オクラに発生しやすい病気で代表的なのは、以下の5種類です。
- 葉枯細菌病
- うどんこ病
- ウイルス病
- 葉すす病
- 苗立枯病
オクラの病気は、排水性・通気性の悪さから来るものや、土壌中の病原菌や害虫によるものがほとんどです。
これらの病気は、発生を未然に防ぐこと、症状の軽いうちに改善することが重要なので、発生前からの定期的な薬剤散布に加え、普段から下記の対策を行って予防・初期防除に努めましょう。
- 水はけ・風通しを改善する
- マルチや稲ワラで泥跳ねを防ぐ
- 害虫対策を徹底する
- 連作を避ける
害虫の予防・対策方法
オクラに発生しやすい害虫は、以下の5種類が代表的です。
- アブラムシ
- カメムシ
- ハスモンヨトウ
- ワタノメイガ
- ネコブセンチュウ
ウイルス病を媒介するアブラムシや吸害を及ぼすカメムシ、それ以外にも葉・果実を食害する害虫が発生しやすくなっています。
害虫は、発生・侵入を未然に防ぐことがなにより重要です。発生前からの定期的な薬剤散布と下記の対策方法を実施して、被害を最小限に抑えましょう。
- 見つけ次第捕殺する
- 防虫ネットで侵入を防ぐ
- 雑草・枯葉は取り除く
- 水はけ・風通しを改善する
- 連作を避ける
こちらの記事では、野菜作りに大切な肥料のおすすめを紹介しています。元肥と追肥の使い方や注意点も解説しているのでぜひ参考にしてください。
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プランターでの栽培も可能なオクラですが、毎日の水やりやお手入れは手間がかかってしまいます。
シェア畑なら、畑が利用できるので、毎日水やりをする必要がなく、他の作業もお世話してくれるサービスがあります。
季節ごとの野菜の種や苗が揃っていて、栽培に必要な道具も完備されているので、手ぶらで畑に通えて便利です。
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まとめ
オクラ栽培の特徴やコツ、プランターでの育て方や病害虫対策方法などを解説しました。
オクラ栽培では、10℃以下の低温にさらさないこと、段階ごとの水分管理を行うことが重要です。この2点に注意して手順通りに栽培すれば、家庭菜園初心者でも品質のよいオクラを長期間収穫できますよ。
ぜひこの記事を参考にオクラ栽培に挑戦し、新鮮でおいしいオクラを自宅で味わってみてください!
こちらの記事では、家庭菜園初心者向けにおすすめの野菜や失敗しない選び方、はじめ方や注意点などを解説いたします。ぜひ参考にしてください。