枝豆の育て方・栽培方法|初心者はプランターがおすすめ!コツや注意点も紹介!
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夏を代表する野菜の1つとして枝豆を思い浮かべる人も多いと思います。自分で枝豆を育てるとなると、ハードルが高く感じるかもしれません。しかし、実際には、枝豆は比較的簡単に栽培できる初心者向けの野菜です。
この記事では、枝豆の栽培に挑戦したい人や、枝豆の育て方がわからない人に向けて、育て方やポイントを解説します。
目次
枝豆は未成熟な大豆
枝豆は大豆が成熟する前の状態です。未熟なうちは果菜類に分類されますが、成熟して大豆になると豆類になります。国内で流通する枝豆の多くは夏に収穫期を迎えるように栽培されるため、冬に出回る枝豆は冷凍のものがほとんどです。
また、枝豆は収穫から時間が経つほど風味が落ちやすい野菜です。少しでも鮮度の低下を防ぐために、枝付きで販売されることもあります。旬である夏は、枝豆を最も美味しく食べられる季節と言えるでしょう。
枝豆の分類・品種
枝豆の品種は400種類以上あると言われています。成熟して大豆になった時の実の色により黄豆種、茶豆種、黒豆種、青豆種の4種類に分類されますが、枝豆の頃はどれも緑色をしています。4種の中で最も広く栽培されているのは黄豆種です。
枝豆の栽培時期
枝豆の栽培時期は、作型によって異なります。ハウス栽培では2月ごろに種まきをして、5月頃に収穫することも可能です。露地栽培では、霜が降りなくなる4月ごろに種まきをすれば、7月ごろに収穫できます。品種や栽培地域によっては10月下旬から11月上旬頃に収穫することもあります。
種まきから収穫までの期間は、早生種で約80日ほどです。自分が収穫したい時期に合わせて、播種時期を決めてください。夏の間に複数回の収穫がしたい場合は、半月ほどずらして種まきをするのがおすすめです。
枝豆栽培の事前知識
初心者でも栽培可能な枝豆ですが、何も準備をせずに育て始めると失敗してしまう可能性もあります。枝豆の生育に適した温度などをしっかりと確認しておきましょう。
枝豆が育ちやすい温度
一般的な野菜と同じように、枝豆にも「発芽適温」と「生育適温」があります。発芽適温は25°から30°と少し高めで、生育適温は20°から25°ほどです。
種まきの時期は生育よりも早い時期になるため、発芽適温のほうが高いことに難しさを感じるかもしれません。ビニールハウスの中で発芽させたり、不織布や日除けシートなどを被せて保温することで解決できます。4月ごろは、朝晩に冷え込む日も多いので、早い時期に種をまく場合には発芽まで防寒対策をしましょう。
夏にしっかりとした枝豆を収穫したい場合には4月下旬ごろの種まきがおすすめです。確実に発芽させたい場合は、5月に入ってからの種まきがよいでしょう。
プランター栽培の成功率が高い
初めての枝豆栽培にはプランターをおすすめします。プランターなら、発芽までの保温や生育期の害虫対策として不織布などを被せやすく、管理が比較的簡単だからです。
根を広げられる範囲が限られているため、株や実は小さめになってしまいますが、初めでも成功率が高く、枝豆栽培の楽しさを体感できるでしょう。
こちらの記事では、プランターで栽培できる野菜をまとめているので、あわせて参考にしてください。
枝豆の育て方
ここからは枝豆の育て方を順番に見ていきましょう。一般的な野菜類と大きくは違いませんが、種を播いてから発芽するまでと、花が咲いてからの2つの工程にポイントがあります。
1.枝豆の種まき(播種)
枝豆の播種方法には、畝やプランターに直接まく「直まき(直播)」と、苗になるまで育ててから畝に植え替える「ポット育苗」の2つがあります。直まきとポット育苗それぞれのポイントを解説します。
直まき
土の表面に直径10cm、深さ2cmほどのくぼみを作り、種を3〜4粒ずつ播き、土を上からかぶせて軽く押さえます。隣のくぼみとの間隔は20〜30cm開けてください。
直まきは手軽ですが、鳥には注意しましょう。枝豆の種(大豆)は鳥の好物でもあり、場合によっては播種直後から掘り起こされ食べられてしまう場合があります。
とくに、屋外で鳥が多い場所では播種後すぐに不織布で全体を覆うなどの対策が必要です。ベランダ栽培でも、鳥の心配があれば、不織布をちょうどよいサイズに切って発芽するまでかぶせておきましょう。
ポット育苗
苗を育ててから畑に定植する場合には、ポットに種をまきましょう。12cmポットであれば3粒ほどを播きます。直まきと同様に、深さ2cmほどの広めのくぼみを作って種を置き土をかぶせて上から軽く押さえます。
ただし、苗を定植する方法は、定植後に枯れてしまうことも多いです。初めての栽培では直まきのほうが成功する可能性は高いです。
3.ポット苗の定植
ポットで苗を育てた場合には、本葉が広がったタイミングで定植をしましょう。発芽して最初の2枚が子葉、次の2枚が初生葉(しょせいよう)、その後が本葉です。子葉から数えて5枚目の葉が開いた頃と考えてください。
畝にポットより少し大きめの穴を掘り、ポットから外した苗を定植します。根元に土を被せたら軽く押さえます。ポットを外す際に根が切れてしまうことがありますが、また伸びてくるので成長に影響はありません。
2.間引き
発芽したら、間引きをしましょう。
3つの種を播けば、最大3本の芽が出ます。すべて発芽した場合、そのまま育てると栄養が行き渡らなかったり、日当たりが悪くなったりします。そうならないように、育成する本数を減らす作業が「間引き」です。
間引きのタイミングは、本場が2枚ほど出てくる頃に行います。発芽直後は確実に成長するかどうかがわからないからです。
間引き作業は、隣の株と根がからまっている可能性があるので慎重に行いますが、根が切れても大きな問題はありません。残しておきたい株が抜けてしまいそうになる場合には、間引く株を根元からハサミで切ってもよいです。
また、2本残したほうが株同士が競合して生育が良くなる場合もあります。十分な場所が確保できている場合には、2本残しにも挑戦してみましょう。
4.土寄せ(1回目)
株の丈が10cmほどになったら土寄せを行いましょう。株の周囲の雑草を取り除きながら、株の根元に子葉の高さくらいまで土を盛ります。
土寄せにより株の倒伏を予防でき、根に酸素を送り、根の張りも良くなります。
農機具を使って土寄せを行う場合には、株を切ってしまわないように注意してください。
5.摘心
枝豆の摘心とは、本葉の6枚目以降の新芽を摘み取って主枝の成長を止め、側枝の成長を促すための作業です。側枝にも実がつき収穫量を増やせます。また、草丈を低く抑えられ、倒伏の防止にもなります。
6.花が咲いたら水切れに注意
枝豆は花が咲くと多量の水を必要とします。もともと花が多く咲きますが、落ちてしまう花も多く、乾燥するとさらに落花数が増えてしまいます。
また、水は実が大きくなるためにも必要です。水切れにはよく注意しましょう。
7.追肥と土寄せ(2回目)
最初の追肥は花が咲き始めたころに行いましょう。このとき、同時に2回目の土寄せを行います。
2回目の追肥は1回目の半月ほど後が目安です。
枝豆は根の根粒菌が栄養分を作り出すので、過度な肥料は不要です。
8.全体の8割が膨らんだら収穫
種を播いてからは80日ほど、花が咲いてからは30から40日ほどが経ち、莢の根本に近い部分が少し膨らんだぐらいが収穫の目安です。一部分だけではなく全体の莢の膨らみ具合を見て判断するのがポイントです。すべての莢が完全に膨らむまで待ってしまうと、色が白っぽくなる部分が出てきて味も落ちてしまうので注意しましょう。
枝豆栽培で失敗する原因
枝豆の栽培で失敗してしまうポイントを紹介します。
1点目は連作障害です。枝豆は一度育てた土壌で連続して育てると、連作障害が出やすいため注意しましょう。2〜3年程度間隔を上げて栽培するのがおすすめです。
2点目はツルボケです。ツルボケとは、茎や葉っぱは元気に育っているのに、さやができないこと。ツルボケになる原因は、肥料を上げすぎて土壌の窒素が増えすぎてしまっていることにあります。
枝豆は根粒菌が着生するので、追肥はしなくてOKです。
こちらの記事では、連作障害について紹介していますので、あわせて参考にしてください。
枝豆を上手に育てるポイント
枝豆の栽培は難しいものではありませんが、少しポイントを押さえるだけで、より上手に育てられます。いくつか紹介していきます。
種は新しいものを使う
どのような野菜の栽培にも言えることですが、種は新しいものを使うようにしましょう。とくに3年以上年経過した種では発芽率が悪くなるため、毎年新しい種を用意してください。植える年に購入するか、前年に採種したものを使うのが基本です。
害虫対策をしっかりと行う
枝豆はカメムシがつきやすく、ついてしまうと実が育たなかったり、味が極端に落ちてしまいます。防虫ネットや農薬で対処しましょう。
家庭で育てる場合には、農薬よりも早期からの防虫ネットが簡単でおすすめです。ネットをかける場合にはカメムシが発生する前が好ましいため、花が咲く前に作業を行ってください。
また、害虫対策にはコンパニオンプランツが効果的です。枝豆はナスとの相性がよいので、試してみてください。
枝豆の栽培で注意する病害虫
枝豆は比較的育てやすい野菜ではありますが、虫害や病害がないわけではありません。先述したカメムシの他に、マメシンクイガやヨトウムシ、アブラムシなどの害虫被害の可能性があります。葉に被害があれば成長が妨げられてしまいますし、カメムシやマメシンクイガは実にも影響を与えます。
枝豆がかかる病気にはダイズ立枯病やダイズモザイク病などです。ダイズ立枯病は、茎全体が暗褐色に変色したり葉が黄化して枯れてしまう病気です。ダイズモザイク病はアブラムシが媒介する病気で、感染すると葉に異常が生じます。
早めの種まきを行い、収穫時期を7月ごろまでに調整することで、立ち枯れ病といった高温多湿で発生しやすい病気は予防できるでしょう。また、浸透移行性の農薬を種まきや定植時に散布しておくことで、株が成長してからも一定の予防効果を得られます。
まとめ
枝豆は比較的育てやすく、初心者にもおすすめできる野菜です。栽培する上でとくに重要なポイントは水切れと害虫対策の2つです。花が咲いたら水を欠かさないようにして、防虫ネットなどで害虫防除をして、美味しい枝豆を収穫しましょう。