農業が抱える3つの問題点と解決方法は?【日本・世界・発展途上国】
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「農業はたくさんの問題を抱えている」と言われていますが、あなたはどんな問題点があるか知っていますか?
今回は日本、そして世界の農業が抱える問題点について紹介します。
国によって異なる問題点から共通する問題まで、あなたなりの解決策をぜひ考えてみてください。
目次
日本の農業が抱える問題点
まずは日本の農業が抱える主な問題点について紹介します。
問題1.農業経営の新規参入の難しさ
農業の問題点の1つ目は「新規参入が難しい」ことです。
新規参入が難しい理由は「初期投資が高額なこと」が理由のひとつ。
農業を始めるときには、農地と農具が欠かせません。
最近ではあいている土地が増えていると言われていますが、山間部など農業がやりにくい場所がほとんど。
生活をしやすい場所に農地を準備することは、難しいのです。
また、アクセスのいい場所に農地を準備するためには、高額な費用がかかります。
加えて、トラクターを始めとした農業用の機械を準備するとなると、中古のものでそろえたとしても100万円以上は必要。
地方自治体が農業を支援するために、新規農業従事者には支援金を配布していますが、支援金をもってしてもまかなえる金額ではないのです。
さらに農業は、収入を得られるまでに時間がかかることも新規参入を困難にしています。
農業を始めても最初の1年~3年は土作り、その後も農作物ができてからではないと収益は発生しません。
やっとの思いで農作物を作っても想定していた量ができなかったり、販売できる品質ではなかったりすることも。
また、災害などで出荷できなくなるとその分収益は下がります。
初期費用が高額なのに収益が出るまでに時間がかかる点が、農業経営に新規参入する人の障害になっていると言えるでしょう。
こちらの記事では、農業の始め方をまとめていますので、あわせて参考にしてください。
問題2.後継者が育ちにくい
農業の2つ目の問題点は「後継者が育ちにくい」ことです。
農業は自然との関係でやり方が変わります。
土の状態や気温によって同じ作物でも作り方がぜんぜん違いますし、「このようにすれば絶対に成功する」という決まりがありません。
また、問題が数値化されていないことも多く、可視化されていないという問題もあります。
そのため技術の継承が難しく、後継者に知識が継承されていかないのです。
大規模農家では農業機械を利用したり、数値で管理したりと情報共有が進んでいるところもありますが、個人レベルで技術の継承が行われにくいことが、農業の発展を鈍足化しているといえるでしょう。
問題3.農業従事者の減少・高齢化
農業の3つ目の問題点は「農業従事者の減少」そして「高齢化」です。
近年運送技術の向上から、海外から輸入されてくる農作物は品質もよく、国内産よりも安くで手に入ることも多いです。
そのため、国産の農作物も価格競争にまきこまれて思った金額では販売できないことも。
農業を取り囲む環境はどんどん厳しくなっています。
このような厳しい環境ですが、農業従事者の労働環境や収入は決して良いとは言えません。
朝早くから夜遅くまで働いて、月収20万円にも満たないことも。
もちろん、個人農家として年収数千万円を上げる農家もいますが、ごく一部。
このような条件の悪さから農業に従事する若者は減り、高齢化しているのです。
世界の農業に関する問題
日本の農業の問題は「新規参入のハードルの高さ」「技術の継承がされず後継者が育たない」「農業従事者の減少」がありました。
では、世界では農業に関してどのような問題があるのでしょうか。
中国:農業の大規模化と限界集落
隣国の大陸・中国では、農業の大規模化が進んでいます。
人口の多い中国では必要な食料を作り出すために、世界最大規模の野菜工場が作られています。
LEDで野菜を育て、無農薬野菜を1年中出荷することが可能に。
IT化も進んでおり、温度や肥料の管理は全て機械が行っています。
そのため農業に従事する人はどんどん減っており、一部の大規模農場・工場だけが発展している状態に。
一人っ子政策を続けてきた結果、急速に高齢化も進んでおり、これまで農業で生計を立てていた農村から若者がいなくなっていることも。
人がいなくなった農村が、限界集落化しているという問題が各地で多発しています。
フィリピン:給料の入る時期
フィリピンでの農業の問題点は「給料が発生する時期」と「国民性」が関係しています。
農業は作物ができて販売できないと、収益が発生しません。
植え付けをしてから出荷するまでは、早くても3ヵ月はかかると言われています。
そのため3ヵ月ごとに給料が入り、やりくりをしないといけない状態になるのです。
いっぽうフィリピンはその日暮らしで、金遣いが荒い国民性があります。
3ヶ月間計画的に金銭をやりくりできず、次の収穫までお金がなくて生活できなくなる人が多数。
そのためバイクのドライバーや運送業など、日給で給料がもらえる仕事に転職する人が増え、農家が減少しています。
カンボジア:人手不足・雨季の栽培が難しい
農業大国であるカンボジアでは「人手不足」や「雨季の栽培が困難」なことが問題になっています。
タイなど近隣国へ出稼ぎに行く若者が増えたため、農業従事者が減少。
高齢者や子供だけでは農地を耕しきれず、農家が減少しています。
また雨季になると栽培が困難になり、国産の野菜は価格が沸騰。
近隣の農業国からの輸入が増えます。
とくにベトナムでは日系企業が技術提供をしており、通年で野菜を生産できる技術が高く生産量も安定し、見た目もきれいな野菜を栽培しています。
そのため、カンボジア国民もベトナム産の野菜を欲しがるようになり、カンボジアの農業は衰退しているのです。
発展途上国の農業に関する問題
次に、発展途上国の農業に関する問題を確認してみましょう。
問題1.技術が全近代的で生産性が低い
発展途上国では一次産業に従事する割合が高く、農業従事者も先進国に比べて高い割合を誇ります。
ですが技術が近代的なことから、生産性が低いことが問題です。
IT化が進んでいないことや、農業用の機械が最新のものを使えていないことから、一人当たりの生産量はとても低いのです。
そのため給料も低く、農村の貧困化が進んでいます。
こちらの記事では、スマート農業について紹介していますので、あわせて参考にしてください。
問題2.都市部に人が流れることによる人手不足
農業で十分な収入が得られないと分かると、若者はより給料の高い仕事を求めるようになります。
そのため農村から都市部に出稼ぎに行く人が多くなり、農村は人手不足に陥ります。
残された高齢者や子どもたちだけでは農業は続けられず、農村が衰退しているのです。
問題3.輸出栽培に頼った生産
発展途上国では、外貨を得るために輸出用の作物を生産するケースが多いことも問題に発生しています。
大量生産しているにも関わらず大量に輸出しているため、農業大国であっても自給率が低いことも。
自国の食料をまかなえなかったり、輸出に頼り切りで価格競争にまきこまれやすいのも問題になっています。
まとめ
農業に関する問題は世界各地で発生しています。
今や食糧不足は、地球規模での課題。
各国が協力して、農業を改革していく必要があるといえるでしょう。
日本では何ができるのか、そして私達自身にできることは何があるのでしょうか。
農業の問題について考え、行動に移すことから農業改革は始まるのです。