混合ガソリンとは?混合油の作り方やエンジンオイルの混ぜ方、注意点を徹底解説!

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混合ガソリンを初めて使う際は、把握しておくべきことがたくさんあります。必要に迫られて、基本的なポイントも押さえないまま流れ作業をしていると、思わぬ大事故につながりかねません。

そこで今回は、実際に混合ガソリンを使用するうえで必要な知識や、とくに注意すべきポイントなどをご紹介します。安全な取り扱いのために、しっかりと覚えておきましょう。

混合ガソリンとは

ガソリン

農作業などでよく使われる「混合ガソリン」。都市部で農業と関わりない生活を送っている方にとっては、あまり聞いたことがないものかもしれません。

混合ガソリンとは、混合給油方式を採用した内燃機関で使用するために、通常使用されるガソリンやエタノールなどの燃料にオイルを混ぜたもののことです。別名「混合油」「混合燃料」とも呼ばれています。

使用する機器によって、混合比率をあらかじめ指定されていることがほとんどです。多くの場合、自分で材料を用意し混合するか、ガソリンスタンドなどに依頼して作ってもらうことになります。そのほか、少し割高ではありますが、最初から混合済みの商品もあります。

では、なぜ混合ガソリンが必要となるのでしょうか。混合する具体的な材料や、適合する機械についても詳しく解説していきます。

なぜ混合ガソリンが必要なのか

なぜ混合ガソリンが必要なのかというと、内燃機関、すなわちエンジンの仕組みによって求められる燃料が異なるからです。エンジンには「4ストロークエンジン」と「2ストロークエンジン」の2種類があり、とくに後者を搭載した機器において、混合ガソリンを必要とします。

4ストロークエンジンとは、燃料を動力に変えていく過程で、吸気・圧縮・爆発・排気の4工程を順に行うエンジンです。対する2ストロークエンジンは、吸気と圧縮を同時に行い、次に爆発と排気を同時に行います。つまり、2工程で動力を生み出しているのです。

その仕組み上、4ストロークエンジンはエンジンオイルを循環させ、再利用することによって作動に必要な潤滑を得ますが、2ストロークエンジンでは燃料そのものに潤滑材を混ぜて使う必要があります。

そのため、一般的に4ストロークエンジンでは燃料とエンジンオイルの補給口が別々に備えられていますが、2ストロークエンジンでは燃料とオイルを混合し、燃料口から補充して使用します。

もっとも、バイクなどの例外もあるため、一概にすべてがその限りとはいえません。近年では、4ストロークエンジン搭載でありながら、混合燃料を使用するものも増えてきています。

混合ガソリンの材料

混合ガソリンの材料が燃料とオイルであることは、前述したとおりです。場合によってはエタノールなどを使うこともありますが、一般的に農作業などで使う場合は、もっぱらガソリンと2ストロークエンジン用のエンジンオイルを混合します。

適合する機械は何があるのか

農作業で使われる機械のうち、混合ガソリンを使う主な機器といえば、草刈り機とチェーンソーが挙げられます。ほとんどの場合、このどちらか一方または両方で必要になり、混合ガソリンを用意する形になるでしょう。

混合ガソリンの作り方・混ぜ方

携行缶

混合ガソリンを作る場合は、いくつかの手順を踏む必要があります。ここでは、混合ガソリンの作り方をご紹介します。

材料の準備

まずは、混合ガソリンの作成・使用に際して必要となる材料を準備します。ガソリンはガソリンスタンドで購入できますが、消防法上の理由により、灯油用の18Lポリ容器などをガソリンスタンドに持ち込んでも、ガソリンを売ってもらうことはできません。

ガソリンを購入するには、消防法に適合した金属製タンクを用意する必要があります。購入さえ済ませれば、ガソリン携行用の容器と混合ガソリン保管用の容器は別にして構いませんし、ガソリンの携行容器に作成後の混合ガソリンを保管することも可能です。

次に、2サイクルエンジンオイルを準備します。よく使う場合は、草刈り機やチェーンソーで使うことを前提としたオイルを準備するのもおすすめです。

また、混合ガソリンを作るための混合用容器を準備すると、大変便利です。燃料を移し替える際には、燃料ポンプも重宝します。

混合する

使用する機器に応じた混合比になるよう、ガソリンとオイルを混ぜ合わせます。混合するオイル量の比率は、自分で計算してもよいですが、Web上には混合比計算に役立つサイトもあるため、そうしたサイトを利用するとミスが生じにくくなるでしょう。

保管容器に入れて携行する

作成した混合ガソリンを保管する場合も、ガソリンの保管・携行容器と同じものが必要です。ガソリン用・混合ガソリン用の2つの適合容器を用意するか、ガソリンを購入してきた容器に作成後の混合ガソリンを入れて携行しましょう。

混合ガソリンは取り扱いに注意

注意の写真

混合ガソリンはガソリンを材料とする都合上、取り扱いに危険をともなうため、注意すべき点も多岐にわたります。作成時・使用時・保管時・処分時それぞれのポイントをしっかりと押さえ、慎重に取り扱いましょう。

作成時の注意点

まずは、混合のガソリン作成時における注意点からご説明します。

混合比率は機械によって異なる

混合ガソリンを作る際の混合比率は一様ではなく、使用する機械によって異なります。取扱説明書に記載があるため、記載された比率に従い作成するのが基本です。

一般的に、草刈り機の場合は混合比25:1(ガソリン1Lに対しエンジンオイル40ml)、チェーンソーの場合は50:1(ガソリン1Lに対しエンジンオイル20ml)の割合で混合することが多いようです。

  • 25:1 = 1L:40ml / 2L:80ml / 3L:120ml
  • 50:1 = 1L:20ml / 2L:40ml / 3L:60ml

必要な分だけ作るのが望ましい

混合ガソリンには、明確な使用期限はありません。オイルのグレードや成分、混合比率などが影響するからです。異物が混入しないよう慎重に取り扱い、しっかりとした容器に入れ、適切な環境で保管しておけば、1ヶ月程度はもつといわれています。

とはいえ、混合後にあまり長時間が経過すると、ガソリンの気化が進み、空気中の水分を取り込んでしまいます。オイルの成分がガソリンから分離するなどの影響も避けられません。

そうした理由から、混合ガソリンはその日に必要な分だけを作るのがよいでしょう。

保管時の注意点

次に、保管時の注意点を見ていきましょう。

保管する時間・場所・量に気をつける

混合ガソリンは時間が経つと劣化・変質する都合上、その日のうちに使いきることが望ましいため、原則的に保管はしません。しかし、2日続けて作業を行う場合や、作りすぎてしまった場合などは、一旦保管することになります。

保管の際は火気から遠ざけ、直射日光が当たらない屋内の涼しい場所で保管してください。屋外で保管していると、混合ガソリンの劣化を早めてしまいます。

ガソリンと同様に保管量の制限がある点にも注意しましょう。たとえば個人住居の場合、保管量が100Lを超えるようなら、消防機関への届出が必要です。

使用時の注意点

使用時にも注意すべき点がいくつかあります。しっかり把握しておきましょう。

火気に近付けてはいけない

混合ガソリンはガソリンを材料としているため、当然ながら火気厳禁です。タバコやライターなどはもちろん、ちょっとした摩擦による火花などでも引火する恐れがあるので、くれぐれも用心してください。

ペットボトルなどの樹脂容器に取り分けるのはNG

混合燃料をペットボトルなどの樹脂容器に入れると、容器の成分によってはガソリンに溶けてしまいます。この成分がエンジン内に入ると最悪、焼け付きを起こし、機械そのものの故障に発展する恐れがあります。

もし後述の理由などにより、ガソリンをペットボトルに取り分けた場合は、それはもう燃料として使用できないものと思ったほうがよいでしょう。

純粋ガソリンとの区別に注意

混合ガソリンを使用する際、しばしば純粋なガソリンとの区別がつかなくなるケースがあります。容器で見分けられるならよいのですが、そうでない場合は以下2つの方法で判別が可能です。

  1. ガソリンを少しだけ取り出し、金属の上などに垂らして気化させる
  2. ガソリンを少しだけ取り出し、水と一緒にペットボトルに入れる

1の方法では、気化したあとに何も残らなければ純粋ガソリン、ベトベトしたものが残った場合は混合ガソリンと判断可能です。

2の方法では、純粋ガソリンの場合は水とガソリンが完全に分離し、はっきりと両液体の境界が確認できます。対して混合ガソリンの場合は、エンジンオイルの成分が一部水と混ざるため、ガソリンと水・オイルが混濁した液体に分かれます。

注意点として、混合したかどうか判然としないガソリンを使って、混合ガソリンを作ることは避けましょう。もし、そのガソリンがすでに混合されていた場合、混合比率が変化するため、使用した機械の故障を招く恐れがあります。

処分時の注意点

混合ガソリンは危険物なので、処分方法にも気を配る必要があります。処分の際は、適切に対応しましょう。

混合ガソリンは家庭ごみに出せない

基本的には使いきることが前提の混合ガソリンですが、多く作りすぎてしまったり、劣化して使用できなくなったりした場合、処分する必要が出てきます。しかしガソリンは危険物ゆえ、家庭ごみとして出すのはご法度です。

不要になった混合ガソリンは、ガソリンスタンドに持って行けば廃油として処分してもらえます。また、各自治体のごみ収集を担当する部署に連絡すると、廃棄物処理業者を紹介してもらえるので、そちらの方法でも処分可能です。

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まとめ

農作業などで必要となる混合ガソリンについて、その概要や作り方、使用時の注意点などをご紹介しました。

混合タイプの2ストロークエンジンにとって、混合ガソリンは正常な動作のために欠かせません。もしも混合比率を間違った場合、潤滑不足や残滓などの影響で動きが悪くなり、故障につながる恐れもあります。

また、ガソリンを直接取り扱う以上、大変危険をともないます。不用意に火気に近付けないことはもちろん、安全面に細心の注意を払い、適切に作業しましょう。

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