スピードスプレイヤーの選び方|ショーシン・丸山・共立の各特徴を比較!
薬剤を効率よく散布するのに欠かせない「スピードスプレイヤー」には、「ショーシン」「丸山」「共立」などさまざまなメーカーやブランドの製品が存在します。当記事では、スピードスプレイヤーの機能や選び方のポイント、中古農機具を安く買うコツなどをご紹介します。
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「スピードスプレイヤー」は、薬剤を効率よく散布するのに欠かせない農機です。しかしスピードスプレイヤーには、さまざまなメーカーやブランドの製品が存在するため、どれを選ぶべきかお悩みの方も多いでしょう。
そこで今回は、各メーカーのスピードスプレイヤーの製品スペックを比較しながら、主な機能や選び方のポイントについて解説します。中古農機具を安く買うコツもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
スピードスプレイヤーの機能とは?
「スピードスプレイヤー」とは、薬剤を散布する際に使う農機具のことです。見た目は大型車のようで、薬剤を噴霧するポンプや送風機、人が乗る操縦席、エンジンなどで構成されています。
スピードスプレイヤーは主に果樹園などで使われます。霧状の薬剤を強力な送風機で噴射しながら移動することで、効率よく薬剤をまくことが可能です。
病害虫の付着防止用の農薬をまく際、小型の散布機やホースで散布していると、大規模な農園では時間や手間がかかってしまいます。しかしスピードスプレイヤーがあれば、車両を走行させて農薬を噴霧できるため、散布にかかる労力を大幅に軽減できるのです。
スピードスプレイヤーの選び方のポイントは?
スピードスプレイヤーにはさまざまな製品があるうえ、スペックや機能、薬剤タンクの容量、ポンプの吐出量などもそれぞれ異なります。どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。選び方のポイントを押さえ、自分の農園に合ったスピードスプレイヤーを検討することが大切です。
圃場の形態に合っているか
スピードスプレイヤーを選ぶ際は、圃場(ほじょう)の形態に合っているか確認しましょう。製品によっては、立ち木向き・棚園向き・わい化園向き・みかん園向きなど、どの圃場に適しているか明確なものもあり、自分の農園に合うものを選びやすくなっています。
薬剤タンクの容量
薬剤タンクの容量は、製品によって異なります。500~600L程度のものから1,000L入るものまであるため、購入前にスペック表などをチェックしておきましょう。
大規模の農園であれば、薬剤タンク容量の大きいスピードスプレイヤーが便利ですが、薬剤タンクが大きい分、価格も上がりやすくなります。自分の農園に合った、ちょうどよい容量を見極めることが肝心です。
ポンプの吐出量
スピードスプレイヤーを選ぶ際は、ポンプの吐出量にも注目し、1分間にどれだけの薬剤を噴霧できるか確認しておきましょう。吐出量が多いほど短時間で多くの薬剤を散布できるため、効率アップにつながります。
一度に大量の薬剤を噴霧したい場合は、吐出量の多いスピードスプレイヤーを選ぶのがおすすめです。ただし、農園の規模によっては過剰となる場合もあるため、その点も考慮しておきましょう。
走行形式
スピードスプレイヤーには「4WD(4輪駆動)」「4WS(4輪操舵)」「6輪駆動」など、さまざまな走行形式のものがあります。農園は地面が傾斜になっていたり、凹凸があったりなど走行しにくい路面もあるため、小回りが利いて効率よく走れるものがおすすめです。
4WDはやわらかい地盤でも比較的走行しやすく、4WSはオフロードに強く小回りも良好。6輪駆動は傾斜地でも走行しやすいなどの特徴があります。圃場の地盤に合わせ、もっとも適した走行形式を選びましょう。
また、最近のスピードスプレイヤーは自走式が中心ですが、30年ほど前はトラクターなどでけん引する形式が主流でした。中古農機を買う場合、ものによってはけん引式の可能性もあるので、事前にどちらの形式かチェックしておきましょう。
車体
スピードスプレイヤーの車体には、「オープンタイプ」と「キャビンタイプ」の2種類があります。オープンタイプでは屋根がないため、薬剤の散布時に防除ヘルメットやゴーグルなどの装備が必要です。
対するキャビンタイプでは操縦席に屋根やドアが付き、薬剤の散布中に運転者を守ってくれるため、上記の装備は不要です。ただし、価格はオープンタイプと比べて割高な傾向があるので、予算との相談となる点には注意しましょう。
操縦方法
最近のスピードスプレイヤーは、自動車感覚で操縦・旋回できる丸ハンドル付きのものが主流です。しかし以前は、左右のタイヤの回転差を利用し旋回する、スキッドステアリングのタイプが多くありました。中古農機を買う場合は、操縦方法の確認も大切です。
エンジン出力
エンジン出力の値にも注目しましょう。これは、エンジンで車体を動かすのに発揮できる力のことで、値が大きいほど馬力が強くなります。たとえば同じ500Lの水を運ぶ場合でも、より馬力の大きなエンジンを搭載した機種のほうが、使い心地は快適でしょう。
エンジン出力の単位は「kW」や「PS」などで表されます。スペック表に記載されているので、忘れずにチェックしておきましょう。
ほかにもさまざまな機能がある
ほかにも、噴霧ノズルの角度が可変式となっている製品や、散布時の音が静かな製品など、さまざまな機能を持つスピードスプレイヤーが販売されています。中には薬剤がタンクの中でよく混ざるよう、かくはん機能を搭載したものもあります。
製品の特徴やスペックは、メーカーのホームページやカタログなどに掲載されているので、どれを選べばよいか迷った際は、それらをチェックするのがおすすめです。
各メーカーのスピードスプレイヤーの比較
スピードスプレイヤーの主なメーカーやブランドといえば、「ショーシン」「丸山」「共立」などが有名です。同じスペックでもメーカーごとに細かな違いや特徴があるため、購入時はよく比較することをおすすめします。
参考までに、ここでは4WDのスペックでもっとも安い製品を例に、各メーカーの特徴をご紹介します。
ショーシン 3S-C522S
「ショーシン」は、スピードスプレイヤーを専門に扱うメーカーです。スピードスプレイヤーを開発して60年という歴史を誇り、日本におけるスピードスプレイヤーの代表的なメーカーといえます。
ショーシンの4WDでもっとも安い「3S-C522S」は、小型で扱いやすさを重視した棚園・わい化園向きの機種です。大径湾曲ファンを搭載し、低回転で送風するため、周囲に配慮した低騒音での散布が可能。同時に燃費の節減も実現しています。
また、季節や圃場に合わせて噴霧量を調節できるよう、標準・広角で切り替えできるスイッチノズルを採用しています。ノズルには金属を使用しており、高い耐久性と高級感もポイントです。
薬剤タンク容量は500L、エンジン定格出力は16.1kW、最大吐出量は45L/分です。標準税込小売価格は275万円と、他メーカーの下記2機よりも高額です。
参考:商品ページ
丸山 SSA-E501DX
「丸山製作所」は農機具をはじめ、工業用ポンプや消火器などさまざまな製品を手がけるメーカーです。水と空気に関する製品を多数世の中に送り出してきたノウハウを活かし、スピードスプレイヤーの開発にも力を入れています。
丸山でもっとも低価格の「SSA-E501DX」は、棚専用のスピードスプレイヤーです。シンプルな造りで使いやすく、噴霧器には丸山が手がけたオリジナルの5連ポンプを搭載。このポンプでは、薬剤が一方向に流れるため、安定した流量と圧力を実現できます。
また、5連ポンプによって耳障りな高音域の騒音を軽減させ、比較的静かな音で運転できる点も魅力です。長時間座っても疲れにくい「DXシート」を採用するなど、座り心地にもこだわりが見られます。
薬剤タンク容量は500L、エンジン出力は9.0kWと、ショーシンの「3S-C522S」に比べて馬力はかなり小さいといえます。吐出量は42.3L/分で、こちらもショーシンよりやや劣りますが、希望小売価格は税込228万8,000円と比較的リーズナブルです。
共立 SSVH535FKN
「共立」は、株式会社やまびこが展開する農機具のブランドです。同社はスピードスプレイヤーの国産第1号機を発売した会社として知られており、ほかにも幅広い農機を開発・販売しています。
共立のスピードスプレイヤーで歩行型シリーズを除き、もっとも安価なのは「SSVH535FKN」です。棚向けの圃場に適した、コンパクトな造りが特徴です。HSTを採用しているため、1本のレバー操作で無段変速と前進・後進などの切り替えができ、簡単に操作できます。
薬剤タンク容量は500L、エンジン出力は12.5kWと平均的ですが、ポンプの吐出量は48L/分と、上記のショーシン・丸山の2機種をやや上回ります。希望小売価格は税込258万5,000円です。
参考:商品ページ
3つの機種を比べた結果
ショーシン・丸山・共立の最安機種をそれぞれ比較したところ、エンジン出力などの面ではショーシン「3S-C522S」が他2社を上回りますが、吐出量の面では共立「SSVH535FKN」に軍配が上がることが分かりました。
一方で、丸山「SSA-E501DX」は価格面において他2社よりも優れていることが見て取れます。スペックはショーシン・共立の2機種に比して控えめではありますが、価格だけ見れば数十万円もの開きがあるため、リーズナブルな製品を求めている方におすすめです。
とはいえ、ご紹介したのはあくまで各メーカー最安の機種であり、このほかにもいろいろなスピードスプレイヤーがあります。複数の観点から比較・検討し、自分に合った1台を見つけましょう。
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便利なスピードスプレイヤーですが、高いものでは700万円を下らない製品もあるため、新品にはなかなか手が出せない方も多いことでしょう。そうした方には、中古農機具専門サイト「中古農機市場UMM」の利用がおすすめです。
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まとめ
スピードスプレイヤーを選ぶ際は、タンクの容量や吐出量、走行形式、車体、操縦方法などさまざまなポイントをチェックしましょう。欲しい機能や圃場の形態にも注目し、長く使えるお気に入りの1台を選んでください。
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