きゅうりがかかりやすい病気は?病気にかかる原因や対策方法を紹介

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きゅうり

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きゅうりの病気は全部で20種類以上と言われており、葉や果実、株全体まで被害が生じます。

発病してからの防除は難しいため、適切な原因・対策を知り、予防することが重要です。

この記事では、きゅうりがかかりやすい病気の特徴や原因、対策方法などを、元きゅうり種苗メーカー社員の筆者が解説していきます。

きゅうり栽培で病気に悩まないための知識が詰まっているので、是非参考にしてみてください。

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きゅうりがかかりやすい病気

きゅうりの葉 枯れた
きゅうりの病気は20種類以上あり、それらすべてに対策するのは不可能です。

そこで今回は、きゅうりが特にかかりやすい病気9種類にしぼって解説していきます。

葉・株全体・果実の部位ごとに、病気の特徴を見ていきましょう。

葉っぱにできる病気

きゅうりの葉っぱに現れる病気で、代表的なのは下記の4つです。

  • うどんこ病
  • べと病
  • 褐斑病
  • 黄化えそ病

うどんこ病

うどんこ病は、葉に白い斑点状のカビが発生する病気です。家庭菜園でもよく見られます。

きゅうりの葉がカビで覆われると、光合成ができなくなるうえに伝染力が強く、放置するととすぐに株全体や周囲の作物まで広がります。

うどんこ病は高温乾燥時に発生しやすいため、通路に散水するなどして高温乾燥を避けましょう。

べと病

べと病は、きゅうりの葉の表面に茶褐色の角型斑点が生じ、葉の裏には黒いカビが発生するのが特徴的です。うどんこ病と並ぶ、きゅうりの代表的な病気です。

べと病は、多湿で発生しやすいため、換気、摘葉などで風通しを良くして、多湿を避けましょう。
また、薬剤散布する際、葉裏のカビまでかかるように散布するのが防除のコツです。

褐斑病

褐斑病は、きゅうりの葉に茶褐色斑点を形成する、カビによる病気です。

葉の裏にカビが生えるべと病とは逆に、葉の表面の斑点上に、黒いカビや綿状のカビが生えるのが特徴的です。症状が進行すると、葉全体が淡黄色に変わり、やがて枯れます。

褐斑病は、高温多湿な環境を好むので、換気と摘葉を徹底し、風通しを良くしましょう。

黄化えそ病

黄化えそ病は、ミナミキイロアザミウマが媒介するウイルス病です。一度発病すると、治療が困難で、近年問題となっています。

伝染すると、葉脈に沿って色素が薄くなり、その後モザイクやえそ斑点、黄化などの症状が現れます。次第に株全体の葉に広がり、枯死する場合も。

黄化えそ病は、害虫が原因の病気なので、害虫対策がそのまま予防になります。定期的な薬剤散布や防虫ネットで、侵入・発生の予防を徹底しましょう。

株全体にできる病気

きゅうりの株全体に現れる病気で、代表的なのは下記の3つです。

  • 斑点細菌病
  • 黒星病
  • つる割病

斑点細菌病

斑点細菌病は、きゅうりの株全体に病斑が現れる病気です。

きゅうりの葉には黄褐色の角型斑点が発生し、果実は斑点から亀裂が入り腐敗。直接的に収量減につながります。

発病の主な原因は、土壌中に生きていた細菌による土壌伝染や、消毒していない種子を使ったことによる種子伝染です。
しっかりと土壌消毒、種子消毒をおこなうのはもちろん、泥はね防止として、マルチや稲わらを敷くのも有効的な対策となります。

黒星病

黒星病が発病すると、葉や果実、茎の先端に黒い斑点上のカビが生じます。株全体に拡大すると、各部位が奇形になり、生育が止まることも。

黒星病は、低温多湿条件で発生しやすく、特に露地栽培に多い病気です。
水はけの良い場所で栽培し、マルチや風よけを張るなどして低温を防ぎましょう。

つる割病

つる割病は、根から伝染し、株全体をしおれさせていく病気です。

発病すると、下葉から黄化が始まり、上部に広がっていきます。黄化が上部まで進むと回復力が弱まり、やがて枯死します。地際部の茎が黄褐色になり、縦に割れることもあります。

つる割病の原因は、土壌伝染や種子伝染によるものがほとんどです。
土壌消毒、種子消毒をしっかりおこないましょう。輪作や、かぼちゃを台木として使うのも非常に有効的です。

果実にできる病気

株全体に現れる病気で、代表的なのは下記の2つです。

  • 菌核病
  • 灰色かび病

菌核病

菌核病は、果実の先端から、白い綿状のカビと黒い菌核が発生する病気です。主に果実に発生しますが、放置しておくと茎や葉にも同じような症状が現れます。

菌核病は、低温多湿で発生しやいため、十分な換気で多湿を避け、マルチを張るなどして低温を避けましょう。
また、菌は翌作の感染源となるので、見つけたら必ず除去することが大切です。

灰色かび病

灰色かび病は、開花後の花が腐敗し、果実に伝染する病気です。果実に伝染すると、先端に灰色のカビが生え、やがて果実全体に広がっていきます。

カビは病原菌となり、少しの振動や風で飛散しまん延していくため、管理は慎重に行う必要があります。

灰色かび病は、低温多湿で発生しやすい病気です。マルチなどで温度を保ち、風通しを良くして発生を防ぎましょう。

きゅうりが病気にかかるタイミング

きゅうり

きゅうり栽培で病気が発生するタイミングは、大きく3つに分類できます。

  • 育苗期
  • 定植期〜栽培初期
  • 栽培中期~後期

上記3つのタイミングによって、発生しやすい病気や注意点があります。詳しく見ていきましょう。

育苗期

育苗期では、うどんこ病やべと病が主な病気です。

そのため、鉢を乾燥させないようにかん水量を調整しつつ、多湿にならないように鉢同士の感覚をあけ、風通しを良くする必要があります。

また、鉢や土の消毒が不十分だと、苗立枯病が発生する可能性があります。
苗立枯病とは、茎が軟化し腐敗する病気です。発病した苗は死んでしまうので、必ず土を消毒してから鉢上げしましょう。

定植期〜栽培初期

定植から栽培初期には、うどんこ病・べと病のほかにも、褐斑病や斑点細菌病など、多くの病気が発生します。

まだ発病していない段階から、予防の薬剤散布や対策をおこない、初期防除に努めましょう。後々の薬剤散布が、だんぜん楽になります。

ただし定植直後は、薬焼けが起きやすくなっています。1回目の薬剤散布は、定植から2週間後が適切なタイミングです。

栽培中期~後期

栽培中期から後期は、特に病気が発生しやすい時期です。
うどんこ病やべと病のほかにも、菌核病や灰色かび病、露地栽培では黒星病や炭疽病など、多くの病気に注意しましょう。

病気が発生しやすいのは、葉が生い茂ってきて、風通しの悪くなるのが原因です。そのため、十分な換気、毎日の摘葉などの予防が重要になります。

ただ、いくら予防しても、病気が出てしまうこと当然あります。
その場合は、伝染源となる発病株や枯れ葉などをはやめに除去し、しっかりと薬剤散布して、被害を最低限に抑えましょう。

きゅうりが病気にかかる原因と対策

芽 苗

きゅうりが病気かかる原因は、以下の3パターンに分けられます。

  • 連作が原因
  • 湿度が原因
  • 温度が原因

病気発生後の対策方法は、基本的に薬剤散布で防除するしかありません。それでも、完全に防除することは困難です。

そのため「いかに病気を発生させないか、病気が発生する前に対策するか」が重要になってきます。

それでは、きゅうりの病気の原因3パターンと、それぞれの対策方法について詳しく見ていきましょう。

連作が原因

きゅうりが病気になる原因として、まず考えられるのがウリ科植物の連作によるものです。

連作とは、同じ科の植物を同じ圃場で、連続して栽培することを指します。
連作すると、肥料バランスが崩れて生理障害が起きたり、土壌に残っていた病原菌・害虫の影響が出たりと、大きな被害が想定できます。

きゅうりの栽培が終わったあとは、イネ科やマメ科などの植物を輪作して、連作障害を予防しましょう。

連作障害についてはこちらの記事で詳しく説明しています。参考にしてみて下さい。

連作障害の種類と症状、その原因とは?対策や予防方法まとめ

湿度が原因

きゅうりが病気になる原因の大半は、湿度が原因です。
きゅうりは、乾燥や極度の多湿に影響されやすいため、湿度管理ができていないと、施設や露地はもちろん、プランター栽培でも同じように病気にかかります。

極度の多湿だと、べと病や斑点細菌、褐斑病や灰色かび病など多くの病気になる恐れがあり、逆に乾燥していると、うどんこ病がまん延しやすくなります。
こうなると、湿度を標準で保ちたくなりますが、きゅうりは高湿度の環境を好むため、湿度不足だと収量が減ってしまいます。

具体的には、日中でも80%ほど必要なので、通路にも散水し乾燥させない事が重要です。
ただし湿度が高すぎても、病気や軟弱徒長の原因となるので、以下のポイントを押さえて湿度管理をおこないましょう。

  • 通路にも散水し、日中約80%の湿度を保つ
  • 水はけの良い土で栽培する
  • 換気を十分おこなう
  • 摘葉して風通しを良くする

温度が原因

きゅうり栽培では、温度管理も重要です。
栽培適温は日中22〜28℃、夜間17〜18℃で、これより低温でも高温でも、さまざまな病気や生育阻害を引き起こす原因となります。

また、気温だけでなく地温も重要で、こちらは20〜23℃が最適。地温を保てれば、低温を好む病気や、低温障害も防げます。

高温対策は、換気や散水、遮光カーテンなどで温度の上がりすぎを防止しましょう。
低温対策では、風よけやカーテンでの保温、ビニールマルチなどを張るのが有効的です。

きゅうりの害虫対策について

害虫 花

野菜栽培では、病気だけではなく、害虫にも注意する必要があります。

ここでは、きゅうりに悪影響を与える害虫の種類と、その対策方法について解説していきます。

  • 害虫の種類
  • 害虫の対策方法

順番に見ていきましょう。

害虫の種類

きゅうりに特につきやすい害虫は、以下の8種類です。

  • アブラムシ類
  • アザミウマ類
  • コナジラミ類
  • ハダニ類
  • ネコブセンチュウ類
  • ウリハムシ
  • ハスモンヨトウ
  • ハモグリバエ

なかでも、アブラムシ類やアザミウマ類は発生しやすく、増えるスピードもはやいので被害が大きい害虫です。

害虫の対策方法

害虫対策で重要なのは、病気と同じく予防です。

害虫が圃場に侵入した場合、一気に増えていくので、農薬でも完全に防除することは不可能でしょう。

虫がつく前の害虫予防としては、以下のような対策方法があります。

  • 定期的な薬剤散布で発生を予防する
  • ジメジメした場所を好むので風通しをよくする
  • 隠れ場所になる雑草や枯葉を放置しない
  • 防虫ネットや寒冷紗で侵入を未然に防ぐ
  • 見かけたらガムテープなどで捕殺する

とにかく、害虫を発生させない、侵入させないことが1番の対策方法です。上記のポイントは必ず押さえましょう。

家庭菜園などで「できれば農薬を使いたくない」という人は、コンパニオンプランツの栽培や、忌避効果のある自然農薬を使うのも1つの手です。
農薬よりも効果は薄いですが、環境に優しいおすすめの方法です。

まとめ

きゅうりは環境に敏感な植物です。環境が少しでも悪いと、すぐに病気にかかって生育が悪くなり、収量も減ってしまいます。

そのため1番大切なのは、病気の原因を知ること、そして発生させないための予防です。

逆に、きゅうりは病害虫で大きな被害さえ受けなければ、家庭菜園でも安定して作れます。
是非とも記事で病気の知識をつけて、美味しいきゅうりを栽培してみてください。

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