田植え機のメンテナンス方法|長持ちさせる方法と自分でできる点検の仕方
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車やバイクなどと同様に、田植え機も適切なメンテナンスをしないと壊れてしまいます。田植えの忙しい時期に田植え機が壊れてしまうと、作業の予定が大幅に狂ってしまうかもしれません。
そこで今回は、田植え機に起こりやすいトラブルや、普段からできるメンテナンス方法などをご紹介します。適切にメンテナンスを行い、トラブルを未然に回避しましょう。
目次
田植え機に起こりやすいトラブルは?
田植え機に起こるトラブルは多岐にわたります。放置すると完全に壊れてしまう可能性があるため、注意が必要です。まずは、田植え機に起こりうる主なトラブルと、その原因について紹介します。該当する項目がないかチェックしてみましょう。
エンジンが始動しない
まず、セルモーターが回らない場合は、バッテリーの電力不足やヒューズ切れなどが疑われます。電気系統に異常が生じている、配線が断線しているなどのケースでも、セルモーターが回らなくなるため要注意です。
セルモーターは回るのにエンジンが始動しない場合、点火プラグやキャブレターなどに異常が発生している可能性があります。ガソリンが古すぎる場合も、正常に燃焼せずエンジンが始動しません。
エンジンの回転数が不安定
アイドリング時や、出力を上げても不安定な場合、原因としてキャブレターの詰まりが考えられます。また、燃料フィルタにゴミが詰まっていると、エンジンへ正常に燃料を送りこめず、回転数が安定しません。
燃料フィルタやキャブレターの詰まり以外に、点火プラグの汚れも原因として挙げられます。状態が酷いと、回転が安定しないだけでなくエンストすることもあるでしょう。
安全装置が作動する
多くの田植え機には、使用者の安全を守るため安全装置が搭載されています。安全装置が作動してしまうと、エンジンが自動的に止まることもあるため、注意が必要です。
安全装置が作動する原因は、過剰な電気的負荷です。高負荷がかかると安全装置が作動し、ヒューズが切れてしまいます。また機種によっては、植付爪に何らかの負荷がかかったときに、安全装置が作動するものもあります。
きちんと苗を植えられない
苗がまっすぐに植えられない、欠株や浮き苗が出てしまう、といったトラブルも少なくありません。これは、植付爪の変形や摩耗などが原因として考えられます。
植付爪は負荷がかかりやすく、摩擦も起きやすい部分のため、劣化しやすいのです。変形や摩耗以外にも、調整不良が原因で、きちんと苗を植えられないこともあります。
マフラーからの白煙・黒煙
ディーゼルエンジン搭載の田植え機で起きやすいトラブルのひとつです。エンジンそのものに不具合が生じている可能性もあるほか、エンジンオイル量の不足やオイル汚れ、オイルフィルタの詰まりなども考えられます。
明らかに黒煙を排出している場合、エアクリーナーエレメントに汚れが詰まっている可能性もあるでしょう。煙の色が目に見えて異常と感じたときは、注意が必要です。
冷却水や燃料漏れ
ラジエーターホースが劣化すると、そこから冷却水が漏れることもあります。これを放置していると、エンジンを正常に冷却できず、エンジンブローの原因となります。
燃料を送る配管やホースの劣化・破損などは、燃料漏れを引き起こします。使用中にガソリンや軽油の臭いが目立つ場合、燃料漏れが発生しているかもしれません。
充電できない
田植え機にはバッテリーが搭載されています。電気系統へ送るための電力を蓄えるバッテリーですが、冷却ファンベルトにゆるみがあると、充電不良を起こします。
このトラブルは、主にディーゼルエンジン搭載の田植え機で起こることを覚えておきましょう。ベルトのゆるみのほか、劣化や損傷でも同じ症状を起こしやすい傾向があります。
苗のせ台の動作不良
スムーズに苗のせ台が作動しないケースでは、「支持シュー」と呼ばれる部品の摩耗が原因かもしれません。欠株が増える原因にもなるため、注意が必要です。
支持シューの摩耗以外には、グリス不足も原因のひとつとして挙げられます。この場合、グリスを塗布してあげれば症状が改善するはずです。
田植え機のメンテナンス方法
さまざまなトラブルに見舞われる可能性がある田植え機は、日ごろどのようなメンテナンスを行えばよいのでしょうか。ここからは、具体的な点検やメンテナンスの方法をご紹介します。
エアクリーナー
エアクリーナーは、エンジンに送り込む空気をろ過するための装置です。汚れをせき止めるストッパーの役割を果たすため、スポンジ部分にゴミが溜まりやすいのです。
まずエアークリーナーボックスを開けて、スポンジを目視で確認してみましょう。汚れが酷いようなら、家庭用洗剤や灯油などでもみ洗いしてください。
燃料フィルタポット
キャブレターを搭載した田植え機なら、燃料フィルタポットの点検も必要です。燃料コックレバーを回して燃料供給を止め、フィルタポットを外して目視で状態を確認します。
取り外したエレメントは、ガソリンで洗浄します。あまりにも汚れが酷い場合は洗浄だけでは不十分のため、交換も視野に入れましょう。
点火プラグ
エンジンが動力を生み出すために必要な点火プラグは、先端が汚れやすい特徴をもちます。点検を行うときは、プラグキャップを外し、プラグレンチやボックスレンチで点火プラグも取り外してください。
先端の電極が真っ黒に汚れているのなら、ワイヤブラシで掃除しましょう。汚れが酷いか、もしくは先端の電極が溶けている場合は、交換をおすすめします。
バッテリー
目視でバッテリー液をチェックしましょう。不足しているのなら、精製水を補充してください。ミネラルウォーターや水道水などで代用すると、故障につながるため注意が必要です。
田植え機のライトが暗い、セルモーターが弱々しく回る、といった症状が確認できているのなら、寿命を迎えている可能性があります。このような兆候がある場合は、バッテリー交換を検討しましょう。
オイル類
自動車と同じく、田植え機もオイルのメンテナンスを怠ると、最悪、エンジンの故障につながります。定期的にオイルの量をオイルゲージでチェックし、適量が入っているかどうか確認してください。
量だけでなく、汚れもチェックしましょう。量が少ない場合は補充し、汚れが確認できるのなら交換してください。なお、オイルを交換するときは、あわせてオイルフィルタも換えるのが基本です。
ブレーキ
ブレーキに不具合があると、正常な制動力を発揮できず事故に直結します。ペダルを踏み込んだとき、きちんと止まるかどうか確認しましょう。また、傾斜のある場所で駐車ブレーキをかけ、勝手に動かないかチェックしてください。
制動力が弱いのなら、ブレーキに不具合が起きている可能性もあります。この場合、素人によるメンテナンスは難しいため、専門業者に点検や修理を依頼しましょう。
植付爪
定規やメジャーなどを使い、爪の長さを確認しましょう。爪の長さは機種ごとに異なるため、取扱説明書で確認してください。1~3mmは許容範囲といわれていますが、3mm以上摩耗しているのなら交換が必要です。
爪が開いている、欠損しているといった状態でも正常な苗とりができないため、交換しなくてはなりません。固定しているナットをゆるめ、新品と交換しましょう。
苗のせ台
取扱説明書で支持シューの場所をチェックし、摩耗具合をチェックしてください。摩耗が酷ければ、新しいものに交換します。摩耗が少なければ、注油やグリス不足が考えられるため、取扱説明書で指示されている箇所へ注油、およびグリスの塗布を行いましょう。
田植え機を長持ちさせるには
田植え機は決して安いものではありません。中古でも100万円以上するケースが多く、新品なら200万~300万円ほどします。簡単に買い替えができない高価なもののため、長持ちさせるポイントをしっかりと押さえておきましょう。
定期的にメンテナンスを行う
田植え機を長持ちさせるコツは、何といってもメンテナンスです。突発的な原因による故障もありえますが、やはりメンテナンス不足で壊れてしまうケースが大半です。
不具合を放置し、さらに症状の悪化を招くケースも多いため、定期的なメンテナンスを行いましょう。部位ごとのメンテナンスの頻度は機種によって異なるため、取扱説明書でよく確認してください。
乱暴な扱いをしない
自動車やバイクでも、乱暴な扱いをすると壊れてしまいます。急発進や急ブレーキを繰り返す、レバーやペダル類を力任せに操作するなどは、可能な限り控えましょう。段差を上り下りするときはなるべくゆっくり移動し、強い衝撃を与えないよう注意してください。
プロの点検も受ける
上述の点検やメンテナンスを行えば、故障のリスクを軽減できます。しかし、田植え機の専門家ではない素人による点検では、トラブルの兆候を見逃しやすいのも事実です。
そのため、セルフでの点検やメンテナンスも行いつつ、一定のスパンでプロに相談・依頼することをおすすめします。専門業者に点検を依頼すれば、見落としがちな不具合をきちんと発見し、トラブルを未然に回避できます。基本的には、田植え機を購入したお店やメーカーへ修理を依頼してください。
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こちらの記事では、田植え機を購入する際の選び方を紹介していますので、あわせて参考にしてください。
まとめ
田植え機に起こりえるトラブルはさまざまですが、定期的な点検やメンテナンスを行えば、故障リスクを軽減できます。自身で点検やメンテナンスを行うのはもちろんですが、定期的に専門業者へも依頼して、コンディションを維持しましょう。
また、使わなくなった田植え機をお持ちの方は、一括見積もりサイトなどで売却することもおすすめします。複数社の見積もりを比較すれば、よりお得に田植え機を手放せるでしょう。
こちらの記事では、稲刈り機の種類や選び方のポイントを紹介していますので、あわせて参考にしてください。