土地転がしのやり方とは|成功させるポイントや注意点も解説
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「土地転がし」という言葉は、1980年代のバブル期に生まれました。最近では、聞き馴染みのない言葉かもしれません。
言葉の雰囲気から違法のように感じるかもしれませんが、実際には何も問題のない方法です。しかしバブル期に流行した方法であり、現在でも土地転がしが可能なのかは気になるでしょう。
今回の記事では、土地転がしのやり方や成功させるポイント、注意点も解説していきます。
目次
土地転がしとは
土地転がしについて詳しく見ていきましょう。現在でも土地転がしは可能です。
土地転売のこと
土地転がしは、土地を安く購入して高く売却するだけのシンプルな方法です。
バブル期には土地の値段変動も大きかったため、土地転がしが広く浸透していました。最近ではバブル期ほど価格の変動がないため、土地転がしで大きく稼ぐことは難しくなっています。
土地転がしに違法性はない
「土地転がし」という言葉から違法性を気にする人がいますが、土地転がし自体に違法性はありません。土地転がしは不動産取引であり、会社として行っていることも多い方法です。
ただし、利益を得た場合には納税義務が発生するため、怠ると違法になります。正確に手続きを行い、納税も行っていれば違法性は一切ない方法です。
土地転がしに関する規制
土地転がしに違法性はありません。しかし、バブル期には多くの人が土地転がしを行い、事件も起きました。
そのため、短期間での転売をさせないように、いくつかの規制が用意されています。有名な規制は、土地を所有している期間による税率の変動です。
こういった規制もあり、現在では短期間で稼ぎにくい方法となりました。
土地転がしのやり方
土地転がしのやり方は、非常に単純です。大きく3つの工程となります。
土地の購入
土地転がしは安く土地を購入し、高く売却できれば利益となります。
【土地を購入するには】
- 自らが不動産業に参入する
- 不動産会社の仲介で購入する
- 知り合いから譲り受ける
いずれにしても、土地を手に入れなければ土地転がしは始まりません。
土地を保有
土地転がしは土地を売買することなので、土地の保有期間は必要がないように感じるでしょう。しかし土地転がしでは、土地の保有期間が重要です。
土地の転売には税金が発生します。税率は土地の所有期間で変化し、購入から売却までが短い場合、高い税率となります。
税金で損をしないためにも、土地転がしで一定期間、土地を保有することは必要な時間です。
土地の売却
【土地の売却の方法】
- 不動産会社として企業や個人に売却する
- 不動産会社への売却
この時に、土地の購入金額よりも高く売却できれば、土地転がしで稼げたことになります。ただし、税金にも気をつけましょう。
売却金額が購入金額を上回っていても、税金で損をする可能性もあります。
個人での土地転がしは可能?
個人での土地転がしは可能です。しかし、不動産会社として行うことが基本であり、個人にはデメリットがあります。
継続した売買は難しい
土地を相続した場合など、個人でも土地を売買することはあります。また、個人の場合には、「宅地建物取引士」の資格が必要ありません。
宅地建物取引士は国家資格になるため取得が難しく、ハードルの高い資格です。取得が必要ないことは、個人取引の大きなメリットになります。
しかし、個人では1回限りの取引のみ認められることが多く、継続して土地の売買を行う場合、違法となる可能性があります。
不動産を事業として行う際には「宅地建物取引業」が必要となり、宅地建物取引士の取得が必須です。
ただし個人で土地転がしを行った場合にも、事業にあたるのかで判断されるため、内容によっては問題ありません。個人での土地転がしは難しい内容が多く、できれば法人化したほうが安全に土地転がしが行えます。
実績が必要
今までに投資家としての実績がなければ、仲介する不動産会社も土地を探してくれません。
インターネットでも土地探しは可能ですが、利益の高い土地を見つけられるのは珍しいことです。誰でも探せる土地ではなく、不動産会社にしか探せない土地のほうが利益は大きくなります。
不動産会社に投資家として認識されなければ、土地探しは難しく、土地の売買は難しいでしょう。
自分1人の力でも土地転がしは可能ですが、不動産会社に協力してもらったほうが確実です。
信頼できる不動産会社が必要
不動産会社に協力してもらうことは、個人の土地転がしで重要な部分です。しかし、どのような不動産会社でもよいわけではなく、信頼できるかがポイントになります。
不動産会社に土地を探してもらう場合には、仲介手数料などの費用が発生します。信頼できていない不動産会社であれば、料金に不満を感じるかもしれません。
大きくお金が動くことなので、信頼できる不動産会社は土地転がしにおいて必須です。
土地転がしを成功させるポイント
土地転がしを成功させるには、いくつかのポイントがあります。分けてみていきましょう。
不動産会社の設立
継続した土地転がしを考えているのであれば、法人化をおすすめします。
ただし、不動産会社を設立する場合には資格と許可が必要です。
宅地建物取引士が必要
不動産会社を設立して不動産取引を行う場合には、宅地建物取引士と宅地建物取引業が必要です。
宅地建物取引士は、個人で取得する国家資格で、宅地建物取引業は不動産業を行うための許可になっています。
不動産会社を設立して土地転がしを行う場合には、資格と許可が必要になるため、注意しましょう。
不動産事業を行う
土地転がしは、バブル期などと比べると短期での収益化は難しくなっています。そのため、並行して不動産事業も行うとよいでしょう。
土地価格の上昇を待っている間にも土地には固定資産税がかかるため、放置しておくと損失が大きくなります。土地活用をしながら売り時を待つというのはよい方法です。
例えば、駐車場にしたり貸し出すなど、売却までの期間も利益が出る仕組み作りをしていきましょう。
5年以上所有してから売却
個人の場合、土地の購入から5年以上所有して売却しましょう。所有してから5年以内に売却した際の所得税は高く、5年以上所有してからであれば、税率が低くなります。
個人で土地転がしを行う場合には、5年以上所有してからの売却がおすすめです。
地域に密着する
最近はインターネットでも土地を探せます。しかし、利益を考えるのであれば全てをインターネットに頼ってはいけません。不動産の情報は、インターネットに掲載された場合、よい土地だとすぐに売れてしまいます。
掲載直後に取引は終わっていることが多く、一般人がよい土地を手に入れるのは難しいです。そのため、自分が住んでいる地域に密着して土地を探すほうが、利益を上げやすくなります。
地域に密着し、不動産会社と親密になれば、土地の情報をもらえ、知り合いから土地の購入を持ちかけられるかもしれません。
土地価格が上昇する時期を見極める
土地転がしでは安く土地を購入することも大切ですが、より高く売却することも大切です。いくら安く土地を購入できても、売却時期を逃してしまうと利益にはなりません。
例えば、土地の周辺に商業施設や電車の駅ができる場合には、価格は上昇する可能性が高くなります。また、1年の中では3月が最も土地価格が高くなる傾向があります。
土地転がしでは常に情報を集めて、ネットワークを持っておくことが大切です。
物件つきの土地を購入する
土地転がしという言葉から、「土地のみ」と考えられていることが多いでしょう。しかし中には建物つきで売却したほうが、利益が大きくなる場合もあります。
例えば、建物をリフォームした上で販売すると付加価値になります。また購入時にも建物の価値が低ければ、解体費用を加味した価格で安く買い取れるかもしれません。
土地転がしに関わる税金
土地転がしは利益を生むため、税金が発生します。売却時には所得税などが課税されます。
ただし、所得税が発生するのは個人のみで、法人の場合には法人税です。この項目では、個人で土地転がしを行った場合の税金を紹介します。
所得税と住民税
土地転がしに関わる税金は、所得税と住民税です。また、所得税には、復興特別所得税もあります。
復興特別所得税は東日本大震災復興のためで、2037年まで続く税金です。税額は土地の所有期間で変化し、5年が境目となります。
区分 | 所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 |
---|---|---|---|
長期譲渡所得(5年以上) | 15% | 5% | 所得税の2.1% |
短期譲渡所得(5年以内) | 30% | 9% | 所得税の2.1% |
5年以下で土地を売却した際、税率の高さが目立っています。5年以内と5年以上では倍ほど税率が変わってくるため、所有期間は土地転がしで重要なポイントです。
特別控除あり(転売目的ではない場合)
土地転がしにはバブル期の問題もあり、高い税率が課せられています。しかし、転売目的ではない土地の売却に対しては、特別控除が用意されています。
控除は一定の金額を差し引いた上で税額を計算するため、売却した金額によっては所得税が課税されません。
不動産に関わる特別控除はいくつかあります。有名なのは自宅の売却でしょう。
マイホームを手放す場合には、最大で3,000万円の特別控除が受けられます。3,000万円以下で売却した場合には、条件付きで所得税がかからないことになります。
土地転がしの注意点
土地転がしは簡単な方法ではありません。転売ではあるものの、商品としては金額も大きいため、慎重に進める必要があります。
土地転がしの注意点についても確認しておきましょう。
短期の土地転がしは利益を出しにくい
土地転がしは、短期だと利益を出しにくくなっています。これには税率が関係しており、購入して5年以内は税率が高いからです。
バブル期であればこのような税率ではなかったため、短期で利益を出すことも可能でした。現在は短期間での収益は難しく、時間をかけて土地転がしを行う必要があります。
資産にある程度の余裕がなければ、土地転がしは難しいかもしれません。
売買だけに執着しない
あまり売買だけに執着してしまうと、損をする可能性が高くなります。例えば、売却を急いでしまうと、価格交渉では不利になり、予定していた価格よりも安くなるかもしれません。
また、土地活用も視野に入れておきましょう。すぐに売却を考えるのではなく、土地の価値が最大になるまでは活用しながら収益を生みます。
収益があれば、土地を急いで売却する必要もなくなります。土地を購入する際にも、相場などを考慮して行いましょう。
1つ1つの売買を丁寧に行えば、土地転がしは成功しやすくなります。
個人は不動産会社選びに注意
個人で土地転がしを行う場合には、不動産会社の仲介を利用することが基本です。そのため、仲介してもらう不動産会社は慎重に選びましょう。
購入時も売却時も、不動産会社によって料金にはバラつきがあります。そもそも土地には定価がないため、会社ごとの裁量による部分が大きいです。
また仲介手数料も会社ごとに異なるため、事前の確認がおすすめです。不動産会社が違うだけで、同じ土地でも数百万円以上の差が出ることも珍しくありません。
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まとめ
土地転がしはバブル期に大きく広まった言葉と方法であり、現在では誰でも簡単に稼げる方法ではありません。特に個人での土地転がしは、資格や許可の問題でも少し難しくなってしまいます。
土地を売買して稼ぐのであれば、不動産会社を設立するほうが確実です。また土地の売買だけを考えるのではなく、土地の活用も考えておけば、失敗する可能性を下げられます。
現在は土地転がしは難しい方法になっていますが、無理というわけではありません。今回の記事も参考に土地転がしをしてみてください。