キャベツの栽培方法|プランター・初心者でも失敗しない育て方!

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キャベツ

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スーパーなどで1年中購入でき、食卓には欠かせないキャベツ。春キャベツに夏キャベツ、冬キャベツなど、栽培時期によって異なる味わいが楽しめます。

気温や害虫などに注意すれば、プランターなどの家庭菜園でも十分に栽培可能です。

本記事では、初心者でも失敗しないキャベツの栽培方法について、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。

キャベツの特徴

キャベツ

キャベツは、ケールを祖先にもつアブラナ科多年草の葉物野菜です。

非常に栄養価が高く、古くから薬膳として利用されるほど。特に多く含まれるビタミンUは、別名「キャベジン」とも呼ばれ、胃粘膜の保護・再生などに効果的です。

ここでは、キャベツ栽培の基礎を解説していきます。

栽培暦・時期

キャベツ栽培には、春まき・夏まき・秋まきの3通りの栽培時期があります。

【キャベツ栽培時期の目安】

種まき 植え付け 収穫
春まき栽培 2〜3月 4月 6〜7月(夏どり)
夏まき栽培 7月 8月 10〜1月(秋冬どり)
秋まき栽培 10〜11月 11〜2月 5〜6月(春どり)

キャベツは真夏を除いてほぼ1年中栽培可能です。ただし、春まき・秋まきはトウ立ちしやすく、栽培難易度は少し上がります。

家庭菜園では、秋冬に掛けて収穫する夏まき栽培が比較的育てやすくおすすめです。

栽培環境

キャベツの生育適温は15〜20℃ほど、暑さに弱く、冷涼な気温を好みます。

28℃以上だと生育が悪くなり、結球が始まると耐寒性も弱まるため、細かい温度管理が大切です。

【栽培環境】

  • 日当たりがよい環境
  • pH6.0〜7.0ほど
  • 排水性・保水性の良い土壌

多湿環境では根腐れや軟弱徒長になるため、排水性の悪さや水のやりすぎには注意しましょう。

また連作障害も起きやすく、同じ場所で再び栽培するには2〜3年あける必要があります。

キャベツの栽培方法

キャベツの栽培方法を、失敗しないポイントや注意点とともに解説します。

  1. 種まき
  2. 育苗・間引き
  3. 土作り
  4. 植え付け
  5. 追肥・土寄せ
  6. 種まき

1:種まき

キャベツ栽培では、育苗ポットなどで苗をある程度まで育ててから、畑やプランターに植え付けるのが基本です。

  1. 育苗ポットに市販の野菜用培土を詰め、種をまく苗床を準備
  2. 深さ1cmほどの穴を作る
  3. 1ポットにつき3〜4粒ずつ重なり合わないように種をまく
  4. 軽く土をかぶせ固める
  5. たっぷり水をやれば種まき完了

発芽までは3〜5日ほどかかります。それまでは乾燥させないよう、適宜水をあげてください。

キャベツの発芽適温は15〜30℃ほどです。夏まきでは寒冷紗などで涼しく管理し、春まきではトンネルなどを掛けて暖かく管理しましょう。

2:育苗・間引き

育苗期間中、間引きを2回に分けて行います。

  • 1回目:発芽から1週間後/2本残して間引き
  • 2回目:本葉2枚の頃/生育のよいものを1本だけ残して間引き

育苗中の水やりは発芽させるまでとは異なり、そこまで必要ありません。晴れた日の朝に水をやり、夕方には表面が乾く程度で十分です。

育苗期間は35〜45日ほど、本葉が4〜5枚ほどになったら植え付け適期です。

夏まきの育苗では徐々に露地環境に近づけて管理していくと、植え付け後の生育がスムーズになります。

3:土作り

植え付け時期が近づいたら、畑・プランターの土作りをしていきます。

酸性土壌では根こぶ病、排水性が悪いと根腐れが多発するため、pH6.0〜7.0ほど、排水性・保水性のバランスがよい土を作りましょう。

畑の場合

植え付け2週間以上前に苦土石灰と堆肥をすき込み、1週間前に元肥を入れてよく耕します。

【1平方メートルあたりの施肥量目安】

  • 苦土石灰:100g
  • 完熟堆肥:2kg
  • 化成肥料:100g

株間30〜40cmを確保して、高さ10〜20cmほどの畝を立てれば、土作り完了です。

プランターの場合

底に鉢底石を敷き詰めて、野菜用培土を入れるだけでお手軽に作れます。

プランターは深さ・幅が30cm以上のものを使いましょう。

株間は最低30cmは必要です。幅60cm以上の大型プランターでは2株、小型プランターなら1株が目安です。

4:植え付け

苗が本葉4〜5枚まで生育したら、準備した畑・プランターに植え付けましょう。

株間30〜40cmほどで植え穴を作り、根鉢を崩さないように植え付けます。

キャベツは深植えを嫌うため、根鉢の表面が見える程度の浅植えにしてください。

軽く土をかぶせ鎮圧し、たっぷり水をあげれば、植え付け完了です。

植え付けから生育前半にかけて、特に夏・秋まき栽培は害虫が多く発生します。被害を最小限に抑えるためにも、防虫ネットなどをトンネル掛けし、害虫の侵入を防ぎましょう。

5:追肥・土寄せ

植え付け後は、追肥・土寄せをセットで2回ずつ行います。

より大きなキャベツに育てるためには、タイミングよく追肥することが大切です。

【栽培時期ごとの追肥時期】

1回目 2回目
春・夏まき 植え付け3週間後 1回目の3週間後
秋まき 新芽が出る頃 結球が始まる頃

秋まき栽培では春先のトウ立ちを防ぐため、冬越ししてから追肥するのが基本です。

キャベツの結球は、植え付けから50〜60日ほど経過し外葉が20枚ほどになると少しずつ始まります。結球のタイミングをしっかり把握し、適期での追肥を心がけましょう。

追肥量は、1平方メートルあたり化成肥料50gほどとし、畝の両肩に施します。追肥後、通気性の改善・除草を兼ねて株間を軽くほぐし、土寄せして株を安定させてください。

6:収穫

種まきから4〜6ヶ月前後で、いよいよ収穫時期を迎えます。

キャベツを押さえてみて、固く締まっていれば収穫適期です。収穫適期は一斉に来ることが多いため、十分に結球・肥大したものから若どりします。

収穫する際は、キャベツを斜めに倒し、株元を包丁などで切りましょう。外葉を2〜3枚付けて切ると、きれいなキャベツが収穫できます。

収穫が遅れてしまうと裂球や固くなる原因になるため、早めの収穫を心がけてください。

なお、寒い時期のキャベツは、紫に変色することがあります。

これは「アントシアニン」というポリフェノールの1種によるものなので、食べてもまったく問題ありません。むしろ寒さに当たった分、甘みが一層増しているでしょう。

キャベツ栽培は難しい?よくある失敗の原因と対処法

キャベツ

キャベツは細かい温度管理や害虫対策が欠かせず、栽培は比較的難しい野菜です。そのため、栽培に失敗することも往々にしてあります。

よいキャベツを収穫するためにも、よくある失敗の原因を押さえ、適切な対処ができるようにしておきましょう。

  • 葉が巻かない(結球しない)
  • 球が割れる(裂球)
  • 害虫被害によるもの

葉が巻かない(結球しない)

キャベツの葉が巻かない、結球しない場合は、3つのいずれかに原因があります。

  • 外葉の生育が十分でない
  • 気温が高い・低い
  • 肥料・日照不足

キャベツは、外葉が20枚ほどないと結球しません。外葉を順調に増やしていくには「栽培方法5:追肥・土寄せ」の通り、適期で追肥することが大切です。

また、キャベツの結球には13〜20℃ほどの気温が適しています。28℃以上や7℃以下では著しく遅くなり、3℃以下になるとほとんど結球しません。

種まきや植え付け時期を守っていれば、気温が原因になる可能性は低いでしょう。

外葉の生育・気温に問題がない場合は、肥料や日当たりが不足していないか、もう一度見直してみてください。

球が割れる(裂球)

キャベツの裂球は、収穫遅れが主な原因です。

キャベツは球の内側から外側に向かって肥大していき、収穫適期を過ぎても生長は続きます。収穫が遅れると、生長による圧力に耐えられなくなり、結果的に球が割れてしまうのです。

そのため、収穫適期になり次第、早めの収穫を心がけましょう。

割れたキャベツは次第に酸化・腐敗していき、食味もどんどん落ちていきます。せっかく栽培したのに、おいしい状態で食べられないのは非常にもったいないです。

害虫被害によるもの

キャベツは土壌酸度や排水性にさえ注意していれば、病気にかかる心配はほとんどありません

しかし、害虫は非常に多く、被害も大きくなりやすいため対策は必須になります。

【キャベツで発生しやすい害虫】

  • アオムシ
  • ヨトウムシ
  • ハイマダラノメイガ(芯食い虫)
  • コナガ
  • ネキリムシ

中でもアオムシ・ヨトウムシ・芯食い虫などは、葉や芯を食害し、株の生育や結球を止める可能性もある非常に厄介な害虫です。

生育初期や結球期は、特に害虫が発生しやすくなります。

農薬の予防散布と見つけ次第の捕殺、防虫ネットをトンネル掛けにするなどして、侵入・発生を未然に防ぎましょう。

まとめ

初心者でも失敗しないキャベツの栽培方法について解説しました。

キャベツ栽培では気温や害虫にさえ注意すれば、初心者でも立派なキャベツが収穫可能です。

この記事を参考に、キャベツ栽培に挑戦してみてください。