生姜(ショウガ)の栽培方法│失敗しないおいしい生姜の育て方・コツ

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生姜

調味料や薬味として、料理をよりおいしく引き立ててくれる生姜、栽培自体はそこまで難しくありません。

本記事では、生姜の失敗しない栽培方法・育て方を、元種苗メーカー勤務の筆者が徹底的に解説します。

栽培工程ごとのポイントさえ掴めば、家庭菜園でも立派な生姜が収穫可能です。

家庭菜園初心者でも簡単に取り組みやすいプランター栽培について、こちらの記事で紹介しています。是非参考にしてみてください。

生姜栽培の時期

畑

生姜栽培は、4月下旬〜5月上旬の暖かくなる時期に植え付けて、栽培を開始します。

低温環境では生育しないため、地温が15℃以上になってから植え付けるのが基本です。生育には、25〜30℃の高温環境が適しています。

収穫時期には2つの時期があります。

  • 7月下旬〜8月:葉生姜
  • 10月下旬〜11月:根生姜

収穫時期をずらすことで、まったく別物の生姜として楽しめます

なお、上記の栽培時期は地域によって前後するため、適温での植え付け・栽培を心がけましょう。

生姜の栽培方法

スコップ

生姜の栽培方法を、ポイントや注意点とともに解説します。手順は7ステップです。

  1. 種生姜の準備
  2. 芽出し
  3. 土作り
  4. 植え付け
  5. 追肥・土寄せ
  6. 乾燥防止
  7. 収穫

順番に見ていきましょう。

1:種生姜の準備

生姜栽培では、生姜のもとになる「種生姜」を植え付けて栽培します。

種生姜は毎年4月頃になると、種苗店やホームセンターなどで購入可能ですが、適当に選んでよいわけではありません。
どのような種生姜を使うかで生育や品質が決まるため、種生姜は慎重に選びましょう。

具体的な選び方をまとめました。なるべく品質の良いものを選ぶようにしてください。

  • 芽がしっかりしている
  • 表皮がみずみずしい
  • 傷やカビがない
  • ​​色つやがよい

生姜は品種によって大きさが異なり、大きさごとに大生姜・中生姜・小生姜に分類されています。

スーパーなどで流通しているものは大生姜がほとんどで、小さい品種ほど辛味が強いのが特徴です。

2:芽出し

種生姜の入手後、植え付けまでに芽出しを行います。
芽出しとは、植え付け前にあらかじめ発芽させておくことを指し、生姜栽培において非常に重要な作業です。

種生姜を直植えして発芽させるとなると、1〜2ヶ月ほどの非常に長い時間がかかってしまいます。
その反面あらかじめ芽出ししておけば、発芽までの日数を大幅に短縮し、生育もスムーズになるため、早々に失敗するのを防げるのです。

  1. 種生姜を1片50gほどに分割し、よく乾燥させておく
  2. 培土を敷いたプランターや育苗箱に分割した種生姜を並べる
  3. 直射日光が当たらないよう軽く土を被せる
  4. たっぷりと水をやる
  5. 保温・保湿のためにビニールシートをかける

芽が出るまでは日当たりがよく、気温20℃以上の暖かい場所で管理し、土が乾かないようときどき水をあげましょう。
芽が出たら掘り起こし、植え付けに移ります。

3:土作り

種生姜の芽出しと並行して、植え付けの1週間以上前から土作りを開始します。

土作りは生姜が好む、保水性・排水性がよく、柔らかい土を目指して行います。
また、生姜は強い日光や極端な乾燥・多湿を嫌うため、ほどよく日陰になる場所を栽培地に選びましょう。

まず、植え付け1週間以上前に、堆肥と元肥を入れてよく耕しておきます。元肥には有機肥料が適していますが、ない場合は化成肥料でも問題ありません。

【1平方メートルあたりの肥料の量の目安】

  • 堆肥:3kg
  • 有機肥料:150g(もしくは化成肥料100g)

その後、株間30cmを確保して、高さ10〜20cmの畝を立てて土作り完了です。

なお、生姜栽培では連作障害が起きやすいため、1度栽培した場所での連作は避けましょう。
同じ場所で再び生姜を栽培するには、4〜5年あける必要があります。

4:植え付け

生姜の植え付けは、4月下旬〜5月上旬頃、地温15℃以上を確保できたタイミングで行います。
生姜は低温だと生育しないため、かならず晩霜の心配がなくなってから植え付けましょう。

まず株間30cm、深さ10cmほどの植え穴を作ります。そこに、しっかりと芽出しを行った種生姜を植え付けてください。
その後、5〜6cmほどの厚さで土を被せ固め、たっぷりと水をあげて植え付け完了です。

芽出しを省いた場合は、種生姜を1片50gずつに分割し、よく乾燥させてから植え付けてください。
その場合、発芽まで1ヶ月以上かかってしまうため、気長に待ちましょう。

5:追肥・土寄せ

植え付けから収穫までの間に、生育・肥大促進のための追肥と土寄せを計3回行います。

  • 1回目:本葉が2〜3枚の頃
  • 2回目:草丈が30cmほどの頃
  • 3回目:2回めの1ヶ月後

3回目の追肥は肥大期にあわせて行うので、遅くても8月中旬までには終わらせましょう。

追肥量は1平方メートルあたり化成肥料30gほどを目安とし、株元にまいて軽く耕します。

また追肥と同時に、生姜の表面が隠れるよう土寄せを行ってください。土寄せをすることで、露出部分の緑化や乾燥を防止できます。

6:乾燥防止

生姜は乾燥に弱いため、栽培中の乾燥対策は必須です。

特に暑くなる7〜8月頃には、株元にワラを敷いて乾燥防止に努めましょう。敷きワラは、雑草防止にもなるため一石二鳥です。

また、生姜は乾燥と同時に多湿環境にも弱いため、水やりの加減にも注意してください。
水やりが必要なのは長期間雨がふらない場合や土に湿度が感じられない場合のみで、土に湿度があるうちは必要ありません。

水のやりすぎは、根腐れや病気を起こす原因にもなり、水が少なすぎると乾燥して生育が悪くなります。
よく土の状況を観察して、細かい調整を心がけましょう。

7:収穫

生姜は収穫時期をずらすことで、「葉生姜」と「根生姜」の異なる2種類の生姜として楽しめる野菜です。

  • 葉生姜の収穫
  • 根生姜の収穫

それぞれの収穫時期や収穫方法を、順番に解説します。

葉生姜の収穫

葉生姜として収穫する場合は、7月下旬〜8月頃が収穫適期です。種生姜から生じる、小さな茎を食用として収穫します。

収穫の際は株全体を掘り起こすのではなく、収穫する茎部分だけ土を掘り、種生姜を傷つけないよう丁寧に茎を抜き取ってください。

葉生姜は生のまま、味噌マヨネーズにディップして食べるのがもっともおすすめです。

根生姜の収穫

根生姜はスーパーなどでよく見る一般的な生姜で、別名「新生姜」とも呼ばれます。根生姜として収穫する場合は、10月下旬〜11月頃が収穫適期です。

葉茎が黄色に変わるのがサインです。根元からスコップで掘り起こして収穫しましょう。

収穫が遅れて霜に当たると腐敗しやすくなってしまうため、かならず霜が降りる前に終わらせましょう。

生姜の保存方法

生姜

生姜は収穫後すぐに食べるのではなく、しばらく保存しましょう。

収穫したばかりの生姜は辛味が少なく、保存することで辛味が増して、生姜本来の味が完成するからです。

生姜は割らずに葉茎・根は切り落とし、軽く土のついた状態がもっとも保存がききます。

【保存に適した環境】

  • 気温:13〜15℃ほど
  • 湿度:65%程度

少し湿らせた新聞紙で生姜を包み、新聞紙を敷き詰めた発泡スチロール容器に入れて蓋で密封してください。

生姜は20℃以上で保管すると芽が出てしまい、10℃以下や湿度が高すぎると腐敗の原因となるため、適温での管理を心がけましょう。

しばらく経過すると辛味が増して食べ頃に、2ヶ月ほど経つと薬味に最適なひね生姜になります。

生姜栽培で発生しやすい病気・害虫

生姜

生姜は比較的、病害虫被害の少ない野菜です。
しかし、中には発生すると厄介な病気・害虫も多くいるため、しっかりと対策しておきましょう。

発生しやすい病気

生姜に発生しやすい病気には、以下の3種類があります。

  • 根茎腐敗病
  • 白星病
  • 紋枯病

中でも注意すべきは、根茎腐敗病です。
根茎腐敗病は生姜栽培でもっとも発生しやすく、根・塊茎・茎など株全体を腐敗させます。

種子伝染や土壌伝染、排水の悪さによって発生するため、対策を講じて発生予防に努めましょう。

  • 作付け前の土壌消毒
  • 連作を避ける
  • 無病の種生姜を用いる
  • 排水性を改善する

なお上記の4つは、根茎腐敗病だけでなく、さまざまな病気に有効な予防方法です。

発生しやすい害虫

生姜栽培で発生しやすい害虫は、4種類が代表的です。

  • アワノメイガ
  • ハスモンヨトウ
  • シロイチモジヨトウ
  • ネコブセンチュウ

葉茎を食害するアワノメイガやハスモンヨトウ、根に寄生するセンチュウ類など、どの害虫も発生すると非常に厄介です。

基本的な予防としては、発生前からの農薬散布や連作を避けることが重要になります。
また、同時に以下4つの対策も行い、害虫の発生や侵入を予防しましょう。

  • 見つけ次第捕殺する
  • 防虫ネットなどで侵入を防ぐ
  • 雑草・枯葉はすぐに除去する
  • 水はけ・風通しの改善に努める

まとめ

生姜の失敗しない栽培方法・育て方を解説しました。

生姜栽培では、連作を避けること、よい種生姜を選ぶこと、乾燥させないことが特に重要です。
このポイントを押さえ、解説通りに栽培すれば、初心者でも立派な生姜が収穫できるでしょう。

この記事を参考に、生姜栽培に挑戦してみてください。