稲の病気で多い「いもち病」とは?病気の特徴や害虫がもたらす稲への影響

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お米 稲

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日本の食生活に欠かせないお米ですが、栽培には想像以上の手間がかかっています。
特に病気や害虫など、正常な稲の育成を妨げることがあります。

現代では農薬の散布など、ある程度の病害虫を抑えられますが、被害がなくなることはありません。
中でも「いもち病」は、多くの農家を悩ませる病気でしょう。

日本の高温多湿な環境や、水を張った状態にする稲作は、いもち病以外も病害虫のリスクが高くなります。
今回の記事では、稲の病気で最も多い「いもち病」についてや、その他の病害虫についても解説していきます。

それぞれの予防策も見ながら進んでいきましょう。

米作りの一連の流れについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。是非参考にしてみてください。

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稲の病気で多いのは「いもち病」

お米 稲

稲の病気で多く有名なのは「いもち病」です。
これは、発生が多いだけではなく、稲への被害が大きいことも要因です。

いもち病とはどんな病気?

いもち病は、カビ(糸状菌)が引き起こすもので、25℃から28℃ほどの高温と、高湿度で発生しやすくなります。
稲自体につく水滴を介して広がるため、湿度の高い梅雨時期に広がりやすい病気です。

また、いもち病は3つの種類に分かれ、「苗いもち」「葉いもち」「穂いもち」があります。

苗いもち

種子消毒が不十分であった場合に発生しやすくなります。
育苗の段階で発生しますが、発病に気づかずに田植えを行った場合には、いもち病が多発する原因になります。

葉いもち

葉いもちは、葉に病斑が発生することで生育に悪影響が出ます。
葉の状態で発生した場合には、収穫まで行えないことが多く、早期の発見が重要です。

また、苗いもちの状態で田植えを行った場合には、葉いもちが多発する原因となります。

穂いもち

穂いもちは、収穫部分の穂にいもち病が発生します。
穂の根本部分で発生するため、その先の穂が育成しにくくなります。

品質の低下だけではなく、籾自体が実らないこともあるため、収穫に大きな被害が出やすくなるでしょう。
また、葉いもちから穂いもちへと移行しやすいため、葉いもちの段階で、しっかりとした予防が重要になります。

いもち病の発生原因

いもち病の発生原因は主に湿度です。
日本の夏は気温の高さだけではなく、湿度も高くなるため、カビが発生しやすい環境を作ります。

さらに、いもち病は葉などについた水滴からも感染を広げるため、梅雨といった湿度が高い時期に蔓延しやすくなります。
稲として育った状態だけではなく、苗の状態から発生する病気であるため、育苗から収穫近くまで油断できません。

いもち病の対策

いもち病の対策は「予防」が重要です。
発生してから完全に治すことは難しいため、あらかじめ予防を徹底しましょう。

前述した通り、いもち病は苗の状態から発症します。
苗の状態でいもち病が発生していた場合には、感染している苗を処分します。

また、葉や穂のいもち病でも、刈り取った後には放置しないようにしましょう。
刈り取った状態でも、いもち病の感染は広がるため、早めの処分が大切です。

いもち病はカビの一種なので、農薬の散布だけではなく、田んぼの通気性を良くするといった方法も効果的です。
除草や間引きなど、湿度を下げることも意識していきましょう。

他にもある稲の病気

夕焼けの稲

稲の代表的な病気はいもち病ですが、他にも稲が感染しやすい病気があります。
いくつか紹介していきます。

紋枯(もんがれ)病

紋枯れ病はいもち病の次に有名な病気です。
カビによって起こる病気ですが、いもち病のカビとは別の種類になります。

茎の部分から徐々に葉へ広がっていくため、収穫にも影響が出やすい病気です。
特に背の高いコシヒカリなどでは茎が弱くなり、倒伏の可能性が高くなるので注意しましょう。

ただし、いもち病のように水滴からの感染はありません。

予防方法

紋枯れ病は株元から発生するため、稲の株元をよく観察しましょう。
発見した場合には、薬剤を株元に散布します。

ごま葉枯れ病

ごま葉枯れ病もカビによって引き起こされる病気です。
稲が出穂(しゅっすい)してからの発病が多く、いもち病のように病斑が現れます。

ごま葉枯れ病が進行すると穂まで枯れてしまうため、収穫に大きな影響が出ます。

予防方法

ごま葉枯れ病の原因は土壌の窒素やカリの不足です。
田植え前に土壌を改良しておきましょう。

縞葉枯れ(しまはかれ)病

縞葉枯れ病は主にヒメトビウンカによって媒介される、ウイルス性の病気です。
病斑が特徴で、生育初期であれば葉が丸まり、枯れてしまいます。

また、穂ができても実が入らないといった症状も出ます。

予防方法

予防方法としては、ヒメトビウンカの駆除です。
薬剤を育苗中や、田植え後にも行うことで予防と駆除ができます。

苗立枯れ(なえたちかれ)病

苗立枯れ病は稲に限った病気ではありませんが、発症した場合には枯れて倒れてしまいます。
カビによって引き起こされる病気になるため、稲の最盛期である夏前から夏の終わりまで注意が必要です。

予防方法

高温多湿時に発生しやすいため、換気に注意しましょう。
例えば、田んぼ内や、あぜ道の除草などです。

雑草を減らすことで通気性が良くなり予防になります。

墨黒穂(すみくろほ)病

墨黒穂病は穂の部分に感染する病気です。
他の病気のように斑点などが現れないため、収穫時期が近くなってから発見されることが多くなります。

墨黒穂病が発生した稲は、籾が墨のように黒くなります。

予防方法

前年度に墨黒穂病が発生した田んぼでは、事前に薬剤を散布し、予防しましょう。
風選で墨黒穂病にかかった籾を選別できますが、部分的に感染している場合には選別が難しくなります。

窒素肥料を多く施肥した場合に起こりやすくなるため、土壌作りに注意しましょう。

ばか苗病

ばか苗病は苗の黄化や徒長が発生する病気です。
徒長などは問題がないようにも思えますが、放置しておくと枯れてしまいます。

また、株元に胞子があるため、他の稲にも感染します。

予防方法

主に種子伝染で広がるため、健全な種子を使用することが重要です。
種子消毒をしっかりと行い、前年度にばか苗病が発生した田んぼからは採種しないようにしましょう。

害虫がもたらす稲への影響

稲 イネ トンボ 虫

稲は病気だけではなく、害虫からも様々な被害を受けてしまいます。
また、害虫の中にはウイルス性の病気を媒介するものもいるため、十分に対策が必要です。

カメムシ

カメムシは稲の葉や茎から汁を吸い、葉だけではなく、穂になる部分を枯らしてしまうこともあります。
また、穂が実ったあとに穂を吸われてしまうと、黒く変色して出荷できなくなります。

変色した規格外のお米が混じっているだけでも、全体の評価が下がってしまうため、十分な対策が必要でしょう。

予防方法

カメムシは稲科の雑草も好むため、あぜ道などの除草を行うことが重要です。
また、木酢液(もくさくえき)の散布も効果的です。

ウンカ

ウンカは害虫の中でも、稲に与える影響が多い種類です。
特にヒメトビウンカはウイルスを媒介し、縞葉枯れ病を引き起こします。

ひどい時には田んぼの稲を全滅させることもあるため、十分に注意が必要な害虫です。

予防方法

昔は、田んぼに油を張ってウンカの動きや呼吸を止める方法が使われていました。
近年では、ウンカに対して効果が高い農薬が開発されています。

しかし、抵抗性のウンカが増加しているため、農薬の種類によっては効き目が低いことも課題です。

イネミズゾウムシ

イネミズゾウムシは幼虫も成虫も稲に影響を与える害虫です。
稲の葉を食害するだけではなく、幼虫が羽化した場合には、土に潜り根も食害します。

イネミズゾウムシの食害にあうと、稲の生育が悪くなります。

予防方法

イネミズゾウムシは5月下旬から6月上旬ごろに卵を産みます。
この時期に農薬を散布することで、効率的に駆除できます。

また、時期をずらしてしまうと、幼虫が孵化して土に潜ってしまうため注意しましょう。

イネドロオイムシ

イネドロオイムシは5月ごろに田んぼで卵を産むため、稲の育成初期に影響を与えます。
稲の生育初期に食害を及ぼすため、成長しても穂が成りにくかったり、質を落としてしまいます。

夏でも気温の低い地域で発生するため、本州中部から北での被害が多くなる害虫です。
発生してしまった場合には、一晩で田んぼが白く変色するほどの影響を与えます。

予防方法

予防はイネドロオイムシが卵を産む、5月ごろに合わせて農薬を散布しましょう。
最初に飛来するころに1回目の散布を行い、収穫までに数回続けて散布します。

地域によっては関係のない害虫ですが、該当地域ではしっかりと予防しましょう。

コブノメイガ

コブノメイガは蛾の一種で、羽化する前の幼虫が葉を食害します。
7月から9月ごろまでの比較的長い期間、食害するため、収穫量や品質に大きな影響を与えます。

東日本より北での被害はあまりありません。
しかし、西日本から九州での被害が大きく、深刻化しています。

予防方法

毎年発生する量が違うため、その年ごとに見極める必要があります。
また、出穂後の予防では被害が拡大するため、出穂前から薬剤散布などで予防しましょう。

九州では3代にわたって稲を食害します。
1代目での食害は少なく、2代目である8月から被害が拡大します。

2期目に合わせて薬剤を散布することで、予防の効果を最大限引き出せるでしょう。

農薬と合わせて行う病害虫予防の方法

トラクター農薬散布

病害虫予防の基本は農薬です。
現在では、さまざまな病害虫に対応した農薬が開発され、効果も高くなっています。

しかし、基本的な方法も同時に行うことで、病害虫の被害を最大限に抑えられます。

苗の間隔を適度にあける

病気の中でも、カビ類は湿度の高さで発生します。
苗の間隔を適度にあけることで風通しを良くし、湿気を抑えられます。

病気が多い場合には間引きを行うなど、稲の間隔を見直してみましょう。

除草を定期的に行う

少し解説しましたが、田んぼやあぜ道の除草は、病害虫の予防にも効果的です。
まず、田んぼ内の雑草を除草することで風通しがよくなり、湿気を抑えることで病気を予防できます。

また、あぜ道の除草を定期的に行うことで、害虫が潜む場所を減らせるでしょう。

ハーブなどを植える

害虫避けにはハーブなどの植物が効果を発揮する場合があります。
種類にもよりますが、田んぼの周りに害虫が嫌うハーブを植えることで予防できます。

取り入れる農家も多く、農薬と併用することで、減農薬にもつながるでしょう。

まとめ

いもち病は稲作にとって深刻な被害を与える病気です。
カビの一種なので、高温多湿な日本では避けられない病気でもあります。

しかし、農薬の散布や除草、間引きなどで病害虫を抑えることは可能です。
他にも稲に関わる病害虫は多いですが、主には土壌の改善や、適切な時期の農薬散布で予防できます。

稲は夏に栽培するため、病害虫は多くなりますが、適切な方法で対処していきましょう。