バーク堆肥とは何?効果と使い方・注意点・選び方のコツを徹底解説
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土壌改良資材として知られる「バーク堆肥」。
ホームセンターや苗の販売をしている場所で、肥料として販売されていることを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
バーク堆肥にはどのような効果があるのか、使い方について正確に知っていますか?
実は、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあるんです。
今回はバーク堆肥の使い方と注意点、そして選び方について徹底解説します。
正しい使い方と選び方を知り、バーク堆肥を使いこなしましょう。
目次
バーク堆肥とは
バーク堆肥とは英語で「Composted bark」と言われています。
「Composted」とは堆肥、「Bark」とは樹皮のこと。
つまり、バーク堆肥とは樹皮からできた堆肥のことなのです。
伐採する過程で生じたものや、加工の際に余った広葉樹や針葉樹の樹皮、余った樹皮を細かく砕き、家畜の糞や化学堆肥と混ぜて発酵させて作られています。
特殊肥料
バーク堆肥は肥料取締法によって、特殊肥料のカテゴリーとなります。
特殊肥料とは登録の義務がなく、農家による経験によって品質の管理ができる肥料。
特殊と聞くと特別な管理をされているように思いますが、実は逆で普通肥料の方が厳しい規格により管理されてるのです。
農林水産省によると、特殊肥料は下記とされています。
細かい規定がないため製法や成分、品質に違いがあることも多いので、購入の際には品質の確認を忘れないことが重要でしょう。
参考:農林水産省-肥料取締法
腐葉土・バークチップとの違い
バーク堆肥とよく比較される「腐葉土」や「バークチップ」。
名前も似たように感じますが、実は全くの別物なんです。
腐葉土は、葉を発酵させて作った土。
そもそもの原料が樹皮ではないため、大きく異なります。
また、腐葉土は窒素を多く含むのが特徴ですが、バーク堆肥は窒素はほとんど含まれていません。
そのため土に対する影響も異なります。
また、バークチップは樹皮でできていますが、ただチップ状に砕いただけのもの。
堆肥と混ぜて発酵させたバーク堆肥とは役割が異なります。
そのため、腐葉土もバークチップもバーク堆肥の代わりとして使うことは出来ないので、注意してくださいね。
こちらの記事では、腐葉土の作り方や使い方を紹介していますので、あわせて参考にしてください。
バーク堆肥の効果
バーク堆肥には、具体的にどのような効果があるのでしょうか。
次でみていきましょう。
保肥性・保水性が高い
バーク堆肥は「フミン酸」という成分が含まれており、植物にリン酸を始めとする栄養分の吸収を助ける働きがあります。
そのため、保肥性・保水性が高くなるのが特徴です。
土壌改善効果が長時間安定して続く
バーク堆肥は「リグニン」と呼ばれる有機物が多く含まれています。
リグニンは分解されにくいため、バーク堆肥は他の土壌改良材に比べて分解されにくいです。
そのため、土壌改良効果が長時間持続するのが特徴です。
土壌にいる微生物が多様化する
分解されにくい、バーク堆肥。
そのため、さまざまな種類の微生物がバーク堆肥を分解するために集まってくるため、土壌にいる微生物が多様化するという効果も。
微生物が多様化すると病原菌の繁殖を防ぐ効果があり、病気になりにくい安定した土壌を保つことができます。
こちらの記事では、土壌改良材を紹介していますので、あわせて参考にしてください。
バーク堆肥の効果的な使い方
バーク堆肥は分解されにくいからこそ効果が長時間保たれたり、さまざまな種類の微生物が集まると分かりました。
バーク堆肥自体に栄養があるのではなく、バーク堆肥を使って栄養を与えられる環境を作ることがポイントです。
では、バーク堆肥はどのように使うと効果的なのでしょうか。
表層部に窒素肥料と一緒に撒く
既に植えられている植物にバーク堆肥を撒くときには、土の中に混ぜ込む必要はありません。
表層部に撒くだけでOK。
畑などに撒く場合には30cmほど掘り起こした後、土にバーク堆肥を混ぜ合わせてから埋め戻すことがおすすめです。
撒きたてのバーク堆肥は窒素分をたくさん吸収するため、苗を植えたり種をまいたりする2週間程度前に撒いておくようにしましょう。
また、バーク堆肥は炭素を多く含んでいるため、微生物が分解しにくいのです。
そのため、窒素系肥料と一緒に撒くことで微生物が分解しやすくなりますよ。
またバーク堆肥が窒素を吸収し、植物の生育が滞ってしまうこと防ぎます。
湿らせたものを撒く
バーク堆肥は乾燥すると、保水力が低下してしまいます。
そのため、あらかじめ湿らせたものを撒くようにしましょう。
もし、バーク堆肥を巻いた後に雨がふらず乾燥してしまった場合は、水やりをして水分を与えてあげることが重要です。
土の容量10〜15%を撒く
バーク堆肥が土に完全に馴染むまでには、年単位で時間がかかります。
そのためバーク堆肥をまきすぎてしまうと、土壌が安定しない原因にもなってしまうのです。
量としては、土の10〜15%程度を目安にして撒くことがおすすめ。
効果的に利用するには、使いすぎないことも重要なポイントなんですよ。
こちらの記事では、家庭菜園の土作りについて解説していますので、あわせて参考にしてください。
バーク堆肥の使い方の注意点
次に、バーク堆肥を使うときの注意点について説明します。
炭素率が高いバーク堆肥。
微生物が炭素を分解するときには、窒素を使います。
そのため大量に撒きすぎると、窒素飢餓になることも。
植物の成長に窒素は欠かせない成分です。
植物の成長を滞らせてしまうことがないように、使いすぎによる窒素のバランスを崩してしまわないように注意しましょう。
バーク堆肥を撒くときには、先にも説明したように窒素肥料と一緒に撒くことが重要です。
また、バーク堆肥は発酵度合いも重要です。
発酵が未熟なものは「フェノール酸」という、植物の成長を阻害してしまう物質が含まれていることが多いんです。
フェノール酸は元々樹皮に含まれている成分ですが、完全に発酵されていると成分はなくなります。
そのため不完全に発酵しているものは、使うと逆効果になることも。
完全に発酵しているものを選ぶことが大切です。
バーク堆肥の選び方の5つのポイント
では、バーク堆肥が完全に発酵されているのかどうか、どのように判断したらいいのでしょうか。
選び方のポイントを5つ紹介します。
バーク堆肥を購入するときは、ひとつひとつのポイントをチェックして、購入するようにしましょう。
1.できるだけ黒色に近いもの
発酵が進んだバーク堆肥は、色が黒くなってきます。
樹皮のような明るい茶色をしたものは発酵が十分に進んでいない可能性もあるので、できるだけ黒色に近いものを選びましょう。
2.大きな破片がないもの
発酵が進んだバーク堆肥は、樹皮の破片が細かく繊維状になってきます。
大きな破片ばかり残っているものは発酵が進んでいない可能性があります。
繊維状になっているかどうかチェックしましょう。
3.アンモニア臭がしないもの
発酵が進んでいないバーク堆肥は、アンモニア臭(刺激臭)が鼻につきます。
臭いをチェックできる場合は、嗅いだときに臭いが少ないものを選びましょう。
4. CEC値が70meq/100g以上
CECとは「陽イオン交換容量」のこと。
土壌の腐植が進行するとCECの値が上昇するため、発酵度合いの目安になるんです。
70meq/100g以上のものは発酵が十分に進んでいるので、購入するときのポイントにしてくださいね。
5.カビが生えていない
発酵が未熟なバーク堆肥には、カビが生えていることも。
カビは善玉のものもありますが、素人目線では判断が難しいもの。
悪玉だった場合のリスクを考え、カビが生えていないものを選ぶのがおすすめです。
バーク堆肥の価格の目安
バーク堆肥は業務用の40Lのもなら1500円程度、20Lのものは700円程度から手に入ります。
使い切れない量を買うと管理が難しくカビを生やしてしまうので、まずは使う分だけを購入することがおすすめです。
まとめ
バーク堆肥は長時間かけて土壌にいい影響を与えてくれる堆肥。
一方、選び方と使い方の注意点が多い堆肥でもあります。
正しく使うことで、効果が変わってきます。
ポイントを抑えて、効果的に利用してくださいね。