耕運機の爪4種類の特徴や違い|各メーカーや選び方、交換時期も解説!
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耕運機を使っていると、徐々に爪がすり減り、やがて交換時期が来ます。
しかし、爪にはどんな種類があるのか、選び方や交換するタイミングを知らないという人も多いのではないでしょうか?
本記事では、耕運機の爪の種類や選び方、メーカーや交換時期など、爪交換の際に役立つ知識を元勤務先でトラクターや耕運機を使っていた筆者が解説します。
耕運機の爪4種類
耕運機の爪には、形によって4つの型があります。
「ゼット爪」「イーグル爪」「ゴールド爪」など、爪の製品名は知っていても、爪の型は知らないという人も多いのではないでしょうか?
一般的によく使われているナタ爪を含めて、4種類の型があるので、耕運機の基礎知識として押さえておきましょう。
- ナタ爪
- L型爪
- 花形爪
- 正逆爪
ナタ爪
ナタ爪は、4種の中でもっともスタンダードなナタ型の爪です。
耕運機やトラクターに初期装備されています。土の柔らかい水田から硬くなった畑まで、幅広い土質を耕せます。
汎用性・実用性が非常に高く、どんな場所であってもナタ爪を使うのが基本です。
そのため、どの爪を買うか迷ったら、ナタ爪を選べば間違いありません。
L型爪
L型爪は、主に畑作で使われるL字型の爪で、歩行耕運機によく装備されています。
食い込む力が強く、ブレや振動を抑えながら、しっかり深くまで耕せるのが特徴的です。
非常に安定感のある耕運ができるため、女性や高齢の方でも簡単に操作できます。
花形爪
花形爪は、丈が短く幅の広い、花びら型の爪です。
土を細くする砕土性に優れ、耕せる深さが浅いのが特徴で、畑作での利用に向いています。
そのため、硬くなった畑や浅根性の作物を栽培する時、深く耕したくない土地で使うのがおすすめです。
正逆爪
正逆爪は、正転・逆転のどちらにも対応している、木の葉型の爪です。
爪の付け替えなしで正転・逆転耕運、畝立てができるため、非常にスピーディーな作業が可能になります。
耕せる深さは比較的浅いです。しかし、逆転ではナタ型にも劣らない力強さをもっており、硬い土でも十分に耕運可能です。
耕運機の爪の選び方
基本的にナタ爪を選べば間違いありません。
ですが、実際に爪を買うとなると「何を基準に選べばいいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか?
耕運機の爪は、2点に注目して選ぶのがおすすめです。
- 作業性
- 耐久性
作業性で選ぶ
基本的には、どんな場所で利用するのか、どんな性能を重視するのかを考慮した、作業性で選びます。
具体的には、土をひっくり返すための「反転性」と、畑の土を細かくするための「砕土性」のどちらを重視するかがポイントです。
【向いている作業場所】
- 反転性の高い爪:すき込みが大切な水田
- 砕土性の高い爪:排水性が重要な畑作
どんな作物を栽培するのか、どんな場所で使うのかを踏まえて、目的に沿った作業性の爪を選びましょう。
耐久性で選ぶ
作業性のつぎに大切なのが、爪の耐久性です。
耐久性の低い爪を選べば、摩耗するスピードも速く、爪を交換する頻度も多くなります。
そのため、耕運する面積や回数が多いほど、耐久性の高さは重要です。
耐久性が高い爪ほど価格も高価になります。ただし爪の交換頻度を減らし、長期間で高水準の作業性を維持できます。
逆に、耕運する面積や回数が少ないのであれば、お手頃な価格の爪でも十分な場合がほとんどです。
価格と交換ペースを考慮して、コストパフォーマンスの高い爪を選びましょう。
なお、砂質土壌や石が多い場所では、さらに摩耗が激しくなります。そういった場所で利用する場合は、耐久性の高い爪がおすすめです。
代表的なメーカー・爪一覧
耕運機の爪は、クボタなどの有名農機メーカーだけでなく、さまざまなメーカーが作っており、爪ごとに作業性・耐久性などが異なります。
クボタ・ヤンマーなどの純正爪は、標準的な性能のものであっても、簡単には手を出せない高級品です。
そのため、高品質かつリーズナブルな爪を取り扱っている、耕運爪専門メーカーの製品をおすすめします。
【代表的な耕運爪メーカー】
- 東亜重工
- 小橋工業
- 日本ブレード
東亜重工
東亜重工は、刃物の名産地である兵庫県三木市を拠点として、明治25年に創業した農業用刃物の老舗メーカーです。
長い歴史と実績、そして職人が1本1本作る高品質な製品で、安定した支持を得ています。
東亜重工の代表的な爪は、以下の5種類です。※表の5段階評価は目安です。
名称 | 耐久性 | 反転性 | 砕土性 | 水田 | 畑 |
---|---|---|---|---|---|
TG爪(ナタ爪) | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
トーア反転爪 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 |
スーパーゴールド爪 | 3 | 5 | 3 | 5 | 4 |
コブラ爪 | 5 | 3 | 5 | 3 | 4 |
キングコブラ爪 | 3 | 5 | 4 | 5 | 4 |
小橋工業
小橋工業は、明治43年創業の農業用機械・耕運爪の老舗メーカーです。
非常に品質が高く、農家から絶大な人気を誇っています。
小橋工業の代表的な爪は、以下の3種類です。※表の5段階評価は目安です。
名称 | 耐久性 | 反転性 | 砕土性 | 水田 | 畑 |
---|---|---|---|---|---|
Zプラスワン | 4 | 3 | 5 | 3 | 4 |
快適プラスワン | 4 | 5 | 3 | 4 | 3 |
快適Zプラスワン | 5 | 5 | 3 | 4 | 3 |
日本ブレード
日本ブレードは、1972年に耕運爪専門販売メーカーとして創業された会社で、現在では農業関連以外の事業も展開しています。
前の2社より若い会社ですが、50年近い歴史と引けの取らない知名度があるメーカーです。
日本ブレードの代表的な爪は、以下の4種類です。※表の5段階評価は目安です。
名称 | 耐久性 | 反転性 | 砕土性 | 水田 | 畑 |
---|---|---|---|---|---|
黒ナタ爪 | 2 | 3 | 3 | 3 | 3 |
タイガー爪 | 5 | 4 | 3 | 4 | 3 |
イーグル爪 | 5 | 4 | 4 | 4 | 4 |
Zプラスワン爪 | 4 | 3 | 5 | 3 | 5 |
耕運機の爪の交換時期
耕運機の爪の交換時期は、爪の中位が幅2cmほどまで減った頃が目安です。
幅が2cm以下でも、作業自体は難なくできているように見えます。しかし、実際には土の砕土性・反転性が大幅に低下しています。
結果的に耕運作業に多くの時間と燃料を消費するため、知らぬ間に損をしているかもしれません。
爪は決して安いものではありません。しかし、かかる時間と燃料代を考えると、2cmほどで交換したほうが効率的にも経済的にもお得です。
耕運機の爪を長く使うには
耕運機の爪を長く使うには、耕運のスピードが重要です。
特に爪が先細りになっている、根本から減っている場合は、耕運スピードに原因があります。
- 先細りになる:耕運機のスピードに比べてロータリーの回転が速すぎる
- 根本から減る:耕運機のスピードが速すぎる
作業を速く終わらせるために車速やPTOを上げがちです。そうすると返って爪の消耗が速くなり、余計にお金がかかってしまいます。
爪は消耗品のため、徐々に減っていくのは仕方のないことです。「PTOを1にする・もう少し車速を下げる」など使い方を見直して、爪の摩耗を抑えましょう。
まとめ
耕運機の爪の種類や選び方、メーカーや交換時期について解説しました。
耕運機の爪は、基本的にはナタ爪を使うことが多くなります。
ただ、場所によってはL型爪や花形爪、正逆爪が適している場合もあるので、あなたが利用する場所を考慮した爪を選びましょう。