長ネギのプランター栽培手順!プランター1つでOK!スーパーのネギを再生する方法も解説
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長ネギは薬味・炒め物・お鍋など、さまざまな料理に使える汎用性と、風邪予防にもなる豊富な栄養で食卓には欠かせない野菜です。
プランターでの長ネギ栽培は難しいと言われています。しかし、工夫すれば十分に栽培可能です。
小さなベランダでも、新鮮で美味しい長ネギが思う存分楽しめます。
本記事では、長ネギのプランター栽培手順やスーパーのネギを再生する方法などを、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。
目次
長ネギはプランターで栽培できる?
葉ネギであればプランター栽培も簡単ですが、深さが必要な長ネギはプランターでは育てられないと思われがちです。
しかし、工夫すればプランターでも十分に栽培できます。
【プランター栽培のポイント】
- 深さを確保するために高さ40cm以上のプランターを使う
- 土寄せの代わりに「増し土」を行う
本記事で解説するプランター栽培なら、大きなスペースやセルトレイでの育苗、追肥が必要ありません。
家庭菜園初心者や小さなベランダでも気軽にはじめられるのは、非常に大きなメリットです。
長ネギの特徴
長ネギは、ヒガンバナ科ネギ属に分類される野菜です。
主に白い部分(葉鞘)を食べるネギで、別名「白ネギ」「根深ネギ」などとも呼ばれています。
日本古来から東日本を中心に栽培され、「下仁田ネギ」や「深谷ネギ」が有名です。
長ネギ栽培の基礎となる、栽培時期・環境について解説します。
栽培時期・期間
長ネギの栽培時期には、春まき・秋まきの2通りがあります。
【長ネギの栽培スケジュール】
種まき | 収穫 | |
---|---|---|
春まき栽培 | 3月下旬〜4月頃 | 12〜2月頃 |
秋まき栽培 | 9月中旬〜10月中旬 | 翌年9〜11月頃 |
春まき栽培は3月下旬〜4月頃に種をまき、12〜2月頃の冬に収穫。秋まき栽培では9月中旬〜10月中旬に種をまき、翌年秋の9〜11月頃に収穫します。
基本的にはトウ立ちしにくく育てやすい、春まき栽培がおすすめです。栽培期間も短いうえ、冬収穫なので非常に甘みが強いおいしいネギになります。
栽培に適した環境
- 発芽・生育適温:20℃
- 適正pH:6.0〜6.5
- 好む環境:日なた・通気性・排水性が良好
- 連作障害:あり(1〜2年)
長ネギの発芽・生育適温は20℃ほど。暑さ・寒さには強く、夏は30℃、冬はマイナス8℃まで耐えられます。
栽培には日当たり良好でpH6.0〜6.5ほど、通気性や排水性のいい土が最適です。多湿環境には弱く、水はけの悪い土では湿害が起きやすくなります。
そのため、水のやりすぎには注意してください。基本的に雨任せで、雨が当たらない場所でも土の表面が乾いたら水やりすれば十分です。
病害虫には比較的強いです。ただし連作障害は起きやすいため、1度栽培した場所で再び育てるには、最低でも1〜2年はあけましょう。
長ネギのプランター栽培手順
長ネギをプランターで栽培する方法を、ポイントや注意点とともに解説します。
- プランター準備
- 種まき
- 育苗・間引き
- 増し土・追肥
- 収穫・冬の管理
1:プランター準備
長ネギの種まき・栽培するためのプランターを準備します。
プランターは深さ40cm以上、横幅は育てる量にあわせて選びましょう。60cm幅のプランターで、20本前後の長ネギが収穫できます。
プランターに鉢底石を薄く敷き詰め、その上に野菜用培養土を5〜10cmほどだけ入れて準備は完了です。
培養土は「手順4:増し土」で徐々に増やしていきます。この時点では5〜10cmしか入れないことがポイントです。
2:種まき
栽培準備が完了したら、種をまきましょう。
- プランター横幅と平行に、深さ1cmほどのまき溝を付ける
- 長ネギの種を1箇所に3〜4粒ずつ、5cm間隔でまく
- 軽く土をかけ鎮圧し、たっぷりと水をあげる
- 発芽するまで不織布・新聞紙などをかけて保湿
発芽までは1週間ほどかかります。それまでプランターの水を切らさないよう、ときどき水やりをしてください。
3:育苗・間引き
発芽後の育苗管理は、間引きがメイン作業です。
- 草丈が7cmほどまで生長した頃:1箇所につき2本になるよう間引き
生育の悪いものや傷のあるものから取り除き、生育のいい健康な苗を残します。
なお間引きの際は残す苗を傷つけないよう、根元を押さえながら引き抜いてください。
間引き後は水やりと雑草管理を適宜行いつつ、草丈20cmほどまで生育させていきます。
4:増し土・追肥
長ネギの草丈が20cmを超えたら、1ヶ月に1回の増し土を行いましょう。
増し土とはプランターの土を増やしていく作業で、畑での土寄せと同じ役割をもちます。
増し土や土寄せは長ネギの白い部分を長くするために行う、長ネギ栽培でもっとも重要な工程です。増し土のやり方やタイミングは、しっかり把握しておきましょう。
【増し土のタイミング】
- 1回目:草丈20cmほどの頃
- 2回目:1回目の約1ヶ月後
- 3回目:2回目の約1ヶ月後
- 4回目:3回目の約1ヶ月後
増し土は草丈が20cmほどを超えた頃から、1ヶ月に1回のペースで合計3〜4回行います。
使う土は種まきにも使った野菜用培養土です。量は葉が分岐している場所の4〜5cm下あたりまでを目安に投入してください。
葉の分岐部に土が入ると、生育不良や腐敗の原因になるため要注意です。
最後の増し土では倒伏防止・防寒も兼ねて、株元にしっかりと土寄せしておきましょう。
増し土に野菜用培養土を使えば、追肥は必要ありません。肥料分のない土を使う場合のみ、増し土と一緒に5〜10g程度の化成肥料を施してあげましょう。
5:収穫・冬の管理
最後の増し土から30〜40日経過すると、いよいよ収穫時期を迎えます。
長ネギはある程度大きければいつでも収穫可能なので、食べたい時に収穫して大丈夫です。土を少しほぐし、株元をがっちり掴んで引き抜けば、簡単に収穫できます。
ただし暖かい気候になるとトウ立ちして食味が落ちてしまうため、遅くても2月末までには収穫を終えましょう。
ネギは寒さに非常に強く、冬のマイナス温度でも特別な管理は必要ありません。寒さに当たったネギは甘味が増して非常においしくなるため、初霜が降りてからの収穫がおすすめします。
スーパーで買った長ネギを再生する方法
ネギの根さえあれば、ネギの葉を簡単に繰り返し収穫可能です。
スーパーで買った長ネギを使った、再生栽培の方法を解説します。
- プランター・長ネギの準備
- 植え付け・管理
- 収穫
- 収穫後の管理
なお、この方法で繰り返し収穫できるのはネギの葉っぱのみです。白い部分は使えないのでそこは注意してください。
1:プランター・長ネギの準備
プランターは通常の長ネギ栽培よりも浅めのもの、深さ15〜20cmほどのプランターで十分です。ネギ1本だけの栽培なら、2リットルペットボトルなどでも代用できます。
土の準備も非常に簡単。プランターの8分目まで、野菜用培養土を入れるだけで大丈夫です。
長ネギはスーパーなどで根付きのものを購入してください。根元から5〜10cmほどのところでカットし、そこだけを利用します。
2:植え付け・管理
プランターと長ネギが準備できたら、さっそく植え付けましょう。
- 株間3〜5cmほど確保
- 茎が2〜3cmほど地表に出るように植え付け
倒れないようにしっかりと株元を押さえ、たっぷりと水をあげれば植え付け完了です。
その後は、日当たりのいい場所で管理します。1週間もすれば新芽が伸びてくるので、除草や水やりを適宜行いつつ、理想の長さまで育てていきましょう。
3:収穫
草丈がある程度伸びたら、収穫しましょう。
収穫の目安は特にないので、ちょうどいい長さ、好きなタイミングで収穫して大丈夫です。
収穫する際は、株元の茎を2〜3cmほど残してカットすることが重要です。そこから新芽が伸びてきて、再び収穫ができます。
4:収穫後の管理
1度収穫した後は、培養土の肥料分がかなり減っています。
【化成肥料の追肥】
- 収穫後からは1ヶ月に1回のペース
- 1株につき3〜5gほど
しっかり肥料をあげれば生長を続けるので、数ヶ月は繰り返し収穫できるでしょう。
何度も繰り返し収穫していると、さすがに品質が悪くなってきます。味が落ちてきたと感じたら、新しいネギに植え替えましょう。
こちらの記事では、長ネギの保存方法を紹介しています。正しい保存で、長持ちさせましょう。
まとめ
長ネギのプランター栽培手順、再生栽培の方法を解説しました。
適したプランターを選び、増し土を手順通り行えば、プランターでも立派な長ネギが収穫可能です。
家庭菜園初心者でもプランターなら気軽に育てられます。この記事を参考に長ネギ栽培に挑戦してみてください。