水菜(ミズナ)の栽培方法|プランター・ペットボトルでの育て方も解説!
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みずみずしく、シャキシャキとした食感が特徴的な水菜。家庭で栽培すれば、サラダの具材として非常に重宝します。
水菜は栽培難易度が低く、1年中の収穫も可能なため、家庭菜園にもぴったりな野菜です。
本記事では、プランター・ペットボトルでも育てられる水菜の栽培方法を、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。
目次
水菜(ミズナ)の特徴
水菜はアブラナ科の葉菜類で、別名「キョウナ(京菜)」とも呼ばれる、京都を中心に伝統的に栽培されてきた京野菜です。
90%以上が水分で、β-カロテンやビタミンC、葉酸、カルシウムなどの栄養素を豊富に含む緑黄色野菜でもあります。
ここでは、水菜栽培の基礎となる3点を解説していきます。
栽培時期・期間
水菜は栽培に適した時期が広く、種まき時期は3〜10月までの春・夏・秋まきがあります。
種まき時期をずらして栽培すれば、ほぼ1年中収穫し続けられるでしょう。
ただし、春まき栽培ではとう立ちが、夏まき栽培では害虫被害が多発するため、管理は少々大変になります。
そのため、比較的栽培しやすい秋まき栽培がおすすめです。
- 9〜10月:種まき
- 11〜3月頃:収穫
春・夏は1ヶ月〜1ヶ月半、秋でも2ヶ月半ほどの短期間でおいしい水菜が収穫できます。
栽培環境
水菜の生育適温は15〜25℃ほど、寒さに強く、冷涼な気温を好みます。
適温以上だとヒョロヒョロの軟弱な水菜に成長し、適温以下では成長が遅くなります。ただし寒さには強いため、冬でもゆっくり育っていくのが特徴的です。
【栽培環境】
- 日当たりのよい環境
- pH6.0〜6.5ほど
- 保水性・排水性のバランスのよい土壌
栽培初期は水分がたくさん必要です。後半になると湿害が出やすくなるため、水やりの量には注意しましょう。
なお、水菜は連作障害が起きやすいため、アブラナ科野菜を栽培した畑では連作できません。同じ畑で再び栽培するには、少なくとも1〜2年はあける必要があります。
種類・品種
水菜の種類は、収穫する大きさによって「小株採り用」「中株採り用」「大株採り用」の3種類に分けられます。
それぞれ食感が異なり、小さいほど葉茎が柔らかく、大きいほどシャキシャキ感が強くなるのが特徴です。
【それぞれの特徴や食べ方、適した品種】
大きさ(草丈) | おすすめの食べ方 | 適した品種 | |
---|---|---|---|
小株 | 15cmほど | サラダ | 京みぞれ・京しぐれ |
中株 | 20〜30cm | サラダ | 水天 |
大株 | 30cm以上 | 鍋・漬物 | 白茎千筋京水菜 |
ほかにも色付き品種の「紅法師」など、さまざまな種類があります。作りたいサイズや用途に合わせて、栽培する品種を選んでみてください。
水菜(ミズナ)の栽培方法
プランターでもできる水菜の栽培方法を、失敗しないためのポイントや注意点とともに解説していきます。
- 土作り
- 種まき
- 間引き
- 水やり
- 追肥・中耕
- 収穫
1:土作り
水菜を栽培するための畑・プランターを準備していきます。
日当たりのよい場所を選び、pH6.0〜6.5ほど、保水性・排水性のバランスのよい土を作りましょう。
畑の場合
種まきの2週間以上前に堆肥・苦土石灰を入れて耕し、1週間前に元肥を入れて再度よく耕します。
【1平方メートルあたりの施肥量の目安】
- 堆肥:2kg
- 苦土石灰:100g
- 化成肥料:100g
その後、高さ10cmほど、条間を確保して、畝を立てれば土作り完了です。
【収穫サイズごとの条間】
- 小・中株採り:15〜20cm
- 大株採り:30cm
プランターの場合
プランターの底に鉢底石を敷き詰めて、野菜用培土を入れるだけで簡単に作れます。
深さはそこまで必要ないので、栽培する量に合った幅のプランターを選びましょう。
幅60cm・1条植えで、小株採りなら10株ほど、大株採りなら3〜4株ほどが目安です。
さらに収穫量を多くしたい場合は、条間を確保できるプランターを準備し、2条植えで栽培してください。
2:種まき
水菜栽培では、基本的に畑やプランターに直まきします。なお、発芽適温は20〜30℃ほどです。
まず、土作りの際に確保した条間通りにまき溝を作り、播種します。
【収穫サイズごとの種まき方法】
- 小・中株採り:1cm間隔で1粒ずつ条まき
- 大株採り:20〜30cm株間で3〜5粒ずつ点まき
その後、軽く土をかぶせ鎮圧して、たっぷり水をあげれば種まき完了です。
種まき後、3〜4日ほどで発芽します。それまでは水を切らさないよう、適宜水やりしてください。
春・夏まきの場合は、幼苗期に害虫被害が出やすくなります。種まき直後に、防虫ネットや寒冷紗などを張っておくと安心です。
3:間引き
発芽後の管理は、間引きが主な作業です。
小・中株採りの場合は、本葉が1〜2枚になった頃を目安に間引きを開始、数回に分けて行います。
本葉が3〜4枚の頃までに、小株採りは5〜6cm、中株採りは10〜15cm株間に調整しましょう。
大株採りの場合は、本葉1〜2枚の頃に生育のよいものを2本残して間引き、本葉3〜4枚頃に1本立ちにしてください。
引き抜いて間引きすると、根を傷める原因になります。間引きする際はハサミで株元から切り取りましょう。
4:水やり
水菜栽培では、水管理も非常に重要です。
栽培初期は乾燥が大敵なため、草丈が10〜15cmになるまでは畑・プランターの水分を切らさないよう注意しましょう。
栽培後半になると、栽培初期とは逆に多湿に弱くなります。そのため、土が乾いていたら行う程度に水やりの頻度を抑えてください。
なお、乾燥の激しい夏期・冬期は、稲ワラなどを株元に敷いておきましょう。保湿効果で乾燥を和らげ、同時に霜や雑草防止にもなります。
5:追肥・中耕
追肥・中耕は、間引きが終わったタイミングで行います。
ただし、小株採りの場合は元肥のみでも十分に生育するため、基本的には必要ありません。生育が悪い場合のみ、追肥してあげましょう。
中・大株採りの場合は、間引きが終わったタイミングで、条間・株間に追肥します。
追肥量は、1平方メートルあたり化成肥料30gを目安にしてください。
追肥後は、肥料と土を混ぜるように土を軽くほぐしましょう。土をほぐすことで通気性の改善・除草にもなり、順調に成長していきます。
6:収穫
水菜の収穫は、草丈を目安に行います。希望の収穫サイズまで成長したものから、順次収穫していきましょう。
【収穫サイズ】
- 小株:15cmほど
- 中株:20〜30cm
- 大株:30cm以上
株元をまとめて掴んで根ごと引き抜くか、食べる分だけ根元で切り取って収穫してください。
水菜は収穫したてが最もおいしく食べられます。そのため、大きさは気にしすぎず、食べる分だけ収穫してすぐ食べる方がよりおいしく水菜を楽しめるでしょう。
ただし春まき栽培の場合は、収穫が遅れると「とう立ち」により葉が固くなってしまうため、適期での収穫を心がけてください。
ペットボトルで簡単!水菜(ミズナ)の水耕栽培
少量の水菜をより手軽に栽培したいなら、ペットボトルを用いた水耕栽培もおすすめです。
土を使わないため病害虫の心配が少なく衛生的、室内でも手軽に水菜栽培を楽しめます。
特別なものは必要なく、身近にあるものを利用して栽培できます。お財布にも優しい栽培方法です。
【水菜の水耕栽培手順】
- 栽培準備
- 種まき
- 移し替え
- 収穫
1:栽培準備
水菜の水耕栽培に必要なものを揃えましょう。家庭にあるもので十分に栽培可能です。
【水菜の水耕栽培に必要なもの】
- 500mlペットボトル
- アルミホイル
- 柔らかいスポンジ
- 浅めのトレー
- 水菜の種(小株)
- 液肥
ペットボトルとアルミホイルは、加工して栽培容器として使います。下記通りにあらかじめ作っておきましょう。
【栽培容器の作り方】
- ペットボトルを上部3分の1のところでカット
- 飲み口が下になるよう、ペットボトルの下部に挿し込む
- 根に光が当たらないよう、アルミホイルを巻きつけて完成
2:種まき
柔らかいスポンジを使い、種まきをします。
- 3cm角に切ったスポンジの中央に十字の切り込みを入れる
- スポンジにたっぷりと水を含ませる
- 水は絞らずに浅めのトレーに並べる
- 切り込みの中に種を2粒ずつ播種
- スポンジが半分浸かるまで水を入れて種まき完了
種まき後、3〜4日ほどで発芽します。それまでは毎日水を交換して、衛生的に保ちましょう。
発芽後は、直射日光の当たらない明るい場所で管理します。なお、スポンジ上部が乾きそうな場合は、上から軽く霧吹きで水をあげてください。
3:移し替え
スポンジ下部から根が出てくるまで成長したら、加工したペットボトルに移し替えましょう。
ペットボトルの飲み口にスポンジを挿し込み、根の先端が浸かる程度まで水を入れます。
この時、根が水に浸かりすぎていると、根腐れの原因になるため、必ず先端のみが浸かるようにしてください。
水は3〜5日に1度交換し、2週間に1回ほどの頻度で液肥をあげればすくすくと育ちます。
4:収穫
水菜の草丈が15cm以上になったら収穫適期です。
大きさはあまり気にせず、食べる分だけ根元で切って収穫してください。
ただし春に種をまいた場合は、収穫が遅れると葉が固くなったり、苦味が強くなったりします。草丈15〜20cmを目安に、収穫適期を逃さないようにしましょう。
まとめ
プランター・ペットボトルでも育てられる水菜の栽培方法を解説しました。
水菜栽培では初期と後半の水やりにさえ注意すれば、初心者でも立派な水菜が収穫できるでしょう。
ペットボトルを使えばより手軽に栽培できるので、この記事を参考に、水菜栽培に挑戦してみてください。