パセリの栽培方法│家庭菜園初心者でも失敗しない育て方!
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料理の飾りやつけ合わせとして使われることが多いパセリ。実は野菜の中でもトップクラスの栄養価を持っています。
栽培難易度も低く、1度植えれば1年中収穫できるため、家庭菜園にもピッタリの野菜です。
本記事では、家庭菜園でもできるパセリの育て方や水耕栽培の方法を、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。
目次
パセリ栽培の特徴
パセリはビタミン・ミネラルなどが多く含まれるハーブの1種で、数ある野菜の中でもトップクラスに栄養価が高い野菜です。
彩りとしてだけでなく、サラダやスープ、料理の香りづけなどにも使えます。家庭で栽培していると非常に重宝するでしょう。
栽培も比較的簡単で、小さなスペースの家庭菜園でも十分な量が収穫可能です。
栽培時期
パセリ栽培は、4〜5月の気温が上がってくる頃に、種まきまたは植え付けからスタートします。
7月頃に収穫時期を迎え、翌年5月頃までの長期的な収穫が可能です。
パセリは種まき〜育苗までに、もっとも多くの手間と時間がかかります。
そのため、少量で栽培する家庭菜園では、ホームセンターや種苗店で購入した苗を植え付けて栽培するのがおすすめです。
栽培環境
パセリの生育には、気温は15〜20℃ほど、日当たりのよい場所や明るい日陰での栽培が適しています。
寒さや暑さには強く、特別な手入れをしなくても、問題なく越夏・越冬が可能です。
ただし乾燥にはやや弱いため、土の表面が乾いたらすみやかに水をあげましょう。
特に暑い夏は乾燥しやすいため、乾燥防止にわらを敷いたり、こまめな水やりが必要になります。
種類・品種
パセリにもさまざまな種類があります。
【日本で多く流通しているパセリ】
- カーリーパセリ
- イタリアンパセリ
カーリーパセリは日本でもっとも使われている品種で、葉が細かくカールしているのが特徴的です。
独特な苦味を持ち、料理のつけ合せなどによく使われます。
イタリアンパセリは、葉が平たく大きめで、ヨーロッパでは一般的な品種です。
カーリーパセリよりも味や香りがやわらかく、サラダやパスタなどによく合います。
パセリの栽培方法
パセリの栽培方法をポイント・注意点とともに解説します。手順は6ステップです。
- 種まき
- 育苗管理
- 土作り
- 植え付け
- 栽培管理
- 収穫
購入した苗で栽培する場合は、「3:土作り」からご覧ください。
1:種まき
4〜5月の暖かくなってきた頃に、種まきを開始します。発芽適温は、地温20℃ほどです。
- 育苗培土を詰めたポットを準備
- 深さ5mmほどのくぼみを作る
- 1ポットに5〜6粒ずつ重ならないように種をまく
- 1〜2mmほどの土をかける
- 霧吹きでたっぷりと水をやる
パセリは光を感じないと発芽しないため、覆土が厚すぎないよう注意しましょう。
発芽までは、2〜3週間ほどかかります。それまでは涼しい場所で保管し、土の表面が乾いてきたら水をあげましょう。
2:育苗管理
発芽後の育苗管理は、間引きが主な作業になります。
間引きは本葉2〜3枚の頃に行い、生育のよい株を1本だけ残して、ほかは間引きしてください。
間引きすることで、生育がスムーズになり、より丈夫な株へと成長していきます。
また、育苗期間中は、日当たり・風通しがよく、パセリの生育適温である15〜20℃ほどの環境で管理しましょう。
パセリの本葉が5〜6枚になったら、植え付け適期です。
3:土作り
植え付け2週間前から、本圃となる畑やプランターの土作りをはじめましょう。
パセリは日当たり・水はけがよい環境、pH6.0〜6.5ほどの柔らかい土を好みます。
長期間の栽培になるため、場所を変更できない地植えの場合、栽培場所は慎重に選びましょう。
植え付け2週間前に酸度調整として苦土石灰を入れて耕し、その1週間後に堆肥と元肥を入れ、ふたたび耕します。
【1平方メートルあたりの施肥量目安】
- 苦土石灰:100g
- 化成肥料:50g
- 堆肥:2kg
よく耕したら、株間30cmを確保し、高さ10cmほどの畝を立てれば土作り完了です。
プランターに植え付ける場合は、鉢底石・野菜用培土を入れて完成です。
パセリは根が真っ直ぐ伸びるので、なるべく底が深いプランターを選びましょう。
4:植え付け
パセリの苗が本葉5〜6枚になった頃、植え付けを行います。植え付けに最適な時期は、種まきと同じ4〜5月です。
まず、地植えなら株間30cm、プランターなら株間20cmで苗と同じ大きさの植え穴を作ります。
根鉢を崩さないよう植え付けて、軽めに土を被せ、軽く押さえましょう。土を被せる時は、根鉢の表面が埋まりすぎないよう注意してください。
その後、たっぷりと水をあげて植え付け完了です。植え付けから30日ほどで収穫時期を迎えます。
5:栽培管理
植え付け後の管理は、追肥が主な作業です。
追肥は、2〜3週間に1回のペースで行いましょう。1株あたり化成肥料10g程度を施しておくと、生育が順調に進みます。
なお、葉が黄色くなってきたら、肥料切れを起こしている合図です。
また、パセリは6〜7月頃になると、花茎を伸ばし花を咲かせます。
この状態を「とう立ち」と呼び、放置すると栄養が分散して、最悪の場合枯れる可能性もあります。花や蕾は見つけ次第すみやかに摘み取りましょう。
6:収穫
植え付けから30日ほどが経過し、本葉が13枚以上になったら収穫適期です。
外側の下葉から順に、必要な分だけハサミで収穫しましょう。
ただし、1度に収穫しすぎると生育が悪くなってしまうため、収穫量には注意が必要です。
常に8〜10枚ほどの葉を残しておくことで、生育を抑制することなく、長期間の収穫を続けられます。
以降も、2〜3週間に1回の追肥と適度な水やりを続けて、翌年の春頃まで収穫可能です。
パセリの増やし方
パセリは「株分け」によって増やせる植物です。
株分けとは、名前のとおり1つの株を複数に分けることを指します。
【株分けのタイミング】
- 育苗期間中に間引きの代わり
- 購入したばかりの苗
大きく成長してからの株分けでは根を傷めてしまうため、どうしても生育が悪くなります。
- 苗をポットから外す
- 水を張ったバケツなどに浸しながら土を落とす
- 根を切らないよう注意しながら苗を1本ずつに分ける
- 新しく準備した畑やプランターに植え付ければ株分け完了
パセリの水耕栽培
パセリを手軽に栽培したいなら、水耕栽培もおすすめです。
土を使わないため病害虫の心配が少なく、管理も簡単、味もマイルドになるなど、水耕栽培にはさまざまなメリットがあります。
また、小さなスペースで栽培でき、身近にあるものを利用して栽培できるため、家庭菜園にもピッタリです。
それでは、パセリの水耕栽培の手順を解説しましょう。
- 種まき・発芽
- 移し替え・定植
- 管理・収穫
購入した苗で水耕栽培を行う場合は、「2:移し替え・定植」からご覧ください。
1:種まき・発芽
水耕栽培の種まきは、スポンジやロックウールなどを培地として使います。
スポンジに数箇所の切れ目を入れて、1つの切れ目に対し、1粒ずつ播種してください。
パセリは発芽率が低いので、スポンジ1つに対して4〜5粒ほどまいておきましょう。
発芽までは2週間ほど、それまでは水を張った容器に入れて管理します。水はこまめに変えて清潔に保ちましょう。
2:移し替え・定植
発芽後、スポンジ下部から根が出てきたら、ガラスやペットボトルなど縦長の容器に移し替えます。
この容器の移し替えが、普通栽培でいうところの畑に植え付ける定植にあたります。
根だけが水に浸るように、スポンジは容器の入り口に固定しましょう。
購入した苗を定植する場合は、根をきれいに洗って切込みを入れたスポンジに挿し、同じように縦長の容器に入れて管理してください。
3:管理・収穫
定植後、本葉が2〜3枚になった頃に、生育のよい芽を1本だけ残し、ほかは間引きしておきましょう。
その後は、生育を促すためにLEDライトに当てながら管理をしていきます。ムラなく全体に、しっかり照射することがポイントです。
LEDライトがない場合は、日中は日当たりのよい場所で、夜はライトの下で管理してください。
LEDライトと比べると生育は遅れますが、それでも十分に栽培可能です。
以降は、こまめな水の交換と、2〜3週間に1度の液肥を忘れずに行い、30日ほどで収穫時期を迎えます。
水耕栽培の注意点
パセリを健全に生育させるためにも、3日に1回ほどのペースで水を交換し、清潔な状態を保ちましょう。
水耕栽培では水質に細心の注意を払う必要があります。
土を使わない水耕栽培は、きれい・清潔といったイメージがあるかもしれません。
しかし、水も放置するとカビや微生物、植物の細胞などによって、どんどん汚れていきます。
もちろん不衛生な水だと、病気や害虫などのリスクも高まります。
普通栽培と比べると病害虫は少ないです。ただし、もし発生してしまったら水を通じて急速に拡大していき、野菜が全滅することも十分にありえる話です。
そのため、むしろ普通栽培よりも病害虫には注意すべきと言えます。
まとめ
家庭菜園でもできるパセリの育て方や水耕栽培の方法を解説しました。
パセリは発芽さえできれば、特別難しい工程もなく、購入した苗で栽培すればさらに簡単です。
解説したポイントさえ押さえれば、1年中いつでも採れたて新鮮なパセリを楽しめます。
この記事を参考に、パセリ栽培に挑戦してみてください。