玉ねぎの失敗しない栽培・育て方を伝授!大きくならない原因など徹底解説
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「玉ねぎ栽培は難しい、失敗しやすい」というイメージを持っていませんか?
たしかに野菜の中では玉ねぎは難しい部類に入りますが、段階ごとのポイントを掴めば、家庭菜園でも失敗することなく栽培可能です。
本記事では、玉ねぎの失敗しない育て方を、元種苗メーカー勤務の筆者が解説します。
目次
玉ねぎ栽培を失敗しないためのポイント7つ
玉ねぎ栽培を失敗しないためのポイントは7つです。
- 品種に適した栽培時期を守る
- 育苗管理で丈夫なよい苗を作る
- 玉ねぎに合った土作りをする
- 適正サイズの苗を正しく植え付ける
- 追肥の量や時期に気をつける
- 収穫のタイミングを逃さない
- 病害虫発生前から予防を徹底する
この7つのポイントを知っておけば、初心者でもおいしい玉ねぎが栽培・収穫できるはずです。
玉ねぎの栽培手順と一緒に、失敗しないためのポイントを詳しく見ていきましょう。
玉ねぎの適切な栽培時期
玉ねぎの栽培時期は品種によって異なるため、その品種に適した時期に栽培することが重要です。
玉ねぎの品種は、大きく分けて3種類あります。
- 早生
- 中生
- 晩生
収穫時期までは早生が1番短く、晩生が1番長くかかります。逆に、貯蔵できる期間は晩生が1番長く、早生が1番短いのが特徴です。
各品種の秋まき+春まきの栽培スケジュールの目安です。
栽培方法 | 種まき | 定植 | 収穫 | |
秋まき | 早生 | 9月上旬 | 11月上旬 | 3〜4月 |
中生 | 9月中旬 | 11月中旬 | 5〜6月 | |
晩生 | 9月下旬 | 11月下旬 | 6〜7月 | |
春まき | 2〜3月 | 4〜5月 | 8〜9月 |
玉ねぎ栽培は、基本的に「秋まき春夏どり」が主流です。しかし、品種により少しずつ異なるのが分かるでしょう。
また春まき栽培は、越冬が困難な寒冷地向きの栽培方法です。暖かい地域ではとう立ちしやすいため、温暖地・一般地での春まき栽培はおすすめしません。
地域や環境条件に適した品種を選び、品種ごとの種袋に記載されているスケジュールをかならず守って栽培しましょう。
玉ねぎの育苗管理
「野菜栽培は苗作りで半分が決まる」と言われており、玉ねぎ栽培も例外ではありません。
育苗期間の約2ヶ月を、大きなミスなく順調に進めてよい苗を作ることが、定植後の生育や最終的な収量などに大きく関わってきます。
ここで解説する育苗手順や失敗しないためのポイントを知っていれば、初心者でも十分によい苗が作れるでしょう。
- 苗床準備
- 種まき
- 間引き・除草
- 追肥・土寄せ
なお、苗を購入する場合は、育苗管理は飛ばして「玉ねぎ畑の土作り」から見てください。
苗床準備
種まきの3週間前から、苗床準備をはじめます。
まずは、培土に堆肥・苦土石灰・化成肥料を入れてよく耕します。1平方メートルあたりの施肥量は、下記を目安としてください。
- 堆肥:2kg
- 苦土石灰:150g
- 化成肥料:100g
玉ねぎは酸性土壌に弱いため、苦土石灰を入れて土壌pHを調整するのがポイントです。
よく耕した後、畝を平らにして種まきまで待ちましょう。
種まき
玉ねぎの種まきは、条まきで行います。
苗床に条間8cmの浅い溝を作り、5mm間隔で播種、軽く土をかけてしっかりと押さえましょう。
その後たっぷりと水をやり、新聞紙や不織布などをかけて保湿します。
玉ねぎは通常5日ほどで発芽しますが、土が乾燥しているとうまく発芽しません。
発芽までは水を切らさないよう、しっかりと保湿し、ときどき水をあげるのがポイントです。
間引き・除草
間引きは草丈が7cmほどまで伸びたら開始し、本葉3枚目が生じる前に終わらせましょう。
最初は混み合っているところを間引き、最終的に株間を1〜1.5cmに調整して、間引き完了です。
「せっかく発芽したのに、間引くのはもったいない」と思うかもしれません。
ですが間引かないと、玉ねぎ同士がぶつかり合ってスムーズに生育できないだけでなく、根や球が傷つき病気にかかる原因にもなります。
生育のよい苗を守り、より大きくするためにも、しっかりと間引きましょう。
また間引きと同時に雑草も除去しておくと、その後の管理が楽になります。
追肥・土寄せ
間引き完了後すぐに追肥を行います。
生育促進のため、1平方メートルあたり30gの化成肥料を条間にまいてください。
また、追肥と同時に軽く土寄せをし、苗が倒れるのを防ぎましょう。
この追肥と土寄せの一手間を加えることで、さらに丈夫な強い苗に仕上がります。
玉ねぎ畑の土作り
定植の2週間前になったら、畑の土作りを始めます。
まずは堆肥・苦土石灰を入れて耕し、定植1週間前に元肥となる化成肥料・リン酸を入れて再び耕しましょう。
1平方メートルあたりの施肥量は、下記を目安としてください。
- 堆肥:3kg
- 苦土石灰:150g
- 化成肥料:100g
- リン酸:30g
その後、株間を15cm確保し、畝を立て、玉ねぎ用の穴あき黒マルチを張ります。
黒マルチには雑草予防や防寒、肥料の流出防止、病害予防など、さまざまな効果があります。
黒マルチを張らずに栽培も可能です。しかし張るだけで栽培管理が格段に楽になり、成長促進にもつながるので使わない手はないでしょう。
失敗を避けるという意味でも、黒マルチは張っておくことをおすすめします。
失敗しない植え付け方
栽培スケジュールの定植時期までに、しっかりと育苗・畑作りを完了させ、苗の植え付けが遅れないようにしましょう。
植え付けでは、苗選びと植え付け方が重要です。苗選びは、以下の目安を参考にしてください。
- 草丈が20〜25cm
- 本葉が3〜4枚
- 茎が鉛筆ほどの太さ
- 茎の白い部分が伸びている
上記のサイズより大きすぎるととう立ちしやすく、小さすぎると球が大きくなりません。できるだけ適正サイズの苗を選びましょう。
植え付け方は、茎の白い部分が半分見える程度に浅植えするのがポイントです。
白い部分が見えないほど深植えすると、縦長の球になってしまうので注意してください。
植え付け後は、たっぷりと水をあげて根づくよう促します。
定植後の追肥・肥料について
定植後の追肥は、12月下旬に1回、2月下旬に1回の計2回行います。
マルチを張っている場合は、肥料の流出が少ないので量は控えめに、マルチの穴ごとに化成肥料ひとつまみが適量です。
失敗しないためのポイントとして、3月下旬以降は決して追肥しないでください。
玉ねぎは3月下旬頃に肥大期に入ります。肥大期に追肥してしまうと、窒素過多により肥大が遅れる可能性があるのです。
また、雑草やネギ坊主の発生にも目を配り、見つけ次第除去していきましょう。
細かい管理をしっかりやることが、栽培成功につながります。
玉ねぎの収穫時期
早生品種なら3〜4月、中生・晩生品種なら5〜7月頃に収穫時期を迎えます。
葉が自然に倒れる倒伏(とうふく)が収穫適期のサインです。このサインを見逃さないようにしてください。
ただし倒伏してすぐだと、まだ成長しきっておらず、小さい玉ねぎしか収穫できません。
また、地上部が完全に枯れきった状態で放置してしまうと、貯蔵中に腐敗が生じる可能性があります。
そのため収穫は早すぎず遅すぎず、畑全体の8割ほどが倒伏した頃に行うのがポイントです。
収穫後は2〜3日しっかり乾燥させて、雨や直射日光の当たらない風通しのよい場所で貯蔵しましょう。
玉ねぎ栽培で注意する病気・害虫
玉ねぎは比較的病害虫に強い野菜ですが、栽培期間が長い分、発生した時の影響が大きいため対策は必須です。
ここでは、玉ねぎ栽培で注意すべき病気・害虫について、詳しく解説しています。
発生原因やその対策方法を知って、病害虫被害を最小限に抑えましょう。
注意すべき病気
玉ねぎ栽培で注意すべき病気には「べと病」「さび病」「軟腐病」などがあります。
玉ねぎがかかりやすい病気は、ほとんどが継続的な雨や水はけの悪さ、土壌病原菌が原因で発生・拡大する病気です。
そのためしっかり対策をとって、根本的な土壌環境の改善に努めましょう。
- 降雨前の農薬散布
- 排水・風通しの改善
- 作ごとの土壌消毒
- 3〜4年ごとの輪作
注意すべき害虫
玉ねぎ栽培で注意すべき害虫は「タネバエ」「アブラムシ」「ヨトウムシ」などが代表的です。
害虫は1度発生すると爆発的に増えるため、完全に止めることは難しいでしょう。
そのため、発生前からの農薬散布や物理的防除で徹底的に予防することが重要です。
- 発生前からの定期的な予防散布
- 見つけ次第テープなどで捕殺
- 防虫ネットや寒冷紗で侵入防止
- 湿気を好むため風通し・水はけを改善
- 隠れ場所になる雑草や枯葉の除去
ポイントを必ず押さえて、発生・侵入を未然に防ぎましょう。
まとめ
以上、玉ねぎの失敗しない栽培方法を解説しました。
手順ごとのポイントを知っていれば、玉ねぎ栽培での大きな失敗は避けられるはずです。
初めて栽培する人も、過去に失敗したことがある人も、ぜひこの記事を参考に玉ねぎ栽培に挑戦してみてください。