ズッキーニの育て方とは?種まきから収穫まで栽培のコツを解説
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ズッキーニは大変作りやすい作物で、定植から約1カ月半、開花してから4~6日の未熟果を収穫します。見た目はキュウリに似ていますが、ペポカボチャの仲間で温暖かつ乾燥した気候を好みます。
強健で種から育てられ、親づるだけ伸長するのでカボチャほど場所は取りません。みずみずしい実はもちろん、花も食用としての需要があります。種まきから収穫、病害虫対策などをわかりやすく解説します。
目次
ズッキーニとは
ウリ科カボチャ属の果菜です。アメリカ南部やメキシコ原産のペポカボチャの仲間で、温暖かつ乾燥した気候を好みます。未成熟の状態で収穫するため皮が薄く、丸ごと調理して食べられるので無駄がありません。
ズッキーニはカリウムを多く含み、ベータカロテンやビタミンB類も豊富です。雌花・雄花は食用花(花ズッキーニ)として食べられますが、繊細なためほとんど流通していません。
日本での流通状況
近年ではスーパーでよく見かける食材になりましたが、日本で流通し始めたのは1980年代と歴史は浅く、調理方法も多くは知られていません。イタリアやフランスでは定番食材で、炒める・揚げる・煮るなど、どんな調理にも対応できる万能野菜です。
日本では長野県と宮崎県の生産量が突出しています。2018年の統計では、この2県だけで収穫量が全国の約57%を占めています。
参考URL:農林水産省『地域特産野菜生産状況調査/平成30年産地域特産野菜生産状況
色やかたちのバリエーションが豊富
ズッキーニの品種は豊富で、かたちはキュウリ型・丸型・円盤型・星型など、色は緑色・黄色など、模様はストライプ・ドット入りなどが存在します。流行のウイルスやうどんこ病にやられてしまうこともあるので、初めて栽培する際は耐病性のあるF1品種を選ぶとよいでしょう。
種類別の特徴として、日本で最もメジャーな「キュウリ型×緑系統(グリーンボート2号、モスグリーン、ブラック・ボーなど)」は雌花が多く、果実の肥大化するスピードが早めです。「キュウリ型×黄系統(イエローボート、ゴールドトスカ、オーラムなど)」は雄花が多く、受粉用に栽培されるケースもあります。皮は明るい黄色で、やわらかい果肉が特徴です。
「丸型品種(ゴールディ、グリーンエッグ、ブラックエッグなど)」はテニスボール大のサイズで、キュウリ型と差別化して生産できます。花ズッキーニはどのズッキーニからも収穫できますが、適した品種(ステラ、ダ・フィオーレ、ジェノベーゼなど)も販売されています。
ズッキーニの栽培スケジュール
露地栽培は、3月中旬~4月中旬ごろになったら育苗ポットに種をまきます。生育温度は18~23℃です。定植または直播きするタイミングは、暖かくなった4月中旬~5月中旬が目安です。
連作障害はほとんど起こりませんが、念のため過去1~3年にウリ科の植物を育てた場所は避けましょう。
ズッキーニは、日当たりと水はけのよい、弱酸性から中性の土壌が適しています。つるは矮性で、分枝は発達せず親づるが伸長します。最終的に1.5~2m近く育つため、1株につき1㎡程度は確保しましょう。
実が次々にできるため、草勢を保てるよう定期的に追肥して育てます。収穫時期は7月上旬~8月下旬、開花してから4~5日の未熟なうちの収穫がベストです。すぐに大きくなってしまうので、収穫期を見落とさないよう注意してください。
ズッキーニの育て方
ここからは、ズッキーニの具体的な栽培方法を見ていきましょう。種まきから収穫まで、順を追って説明します。
種まき
種からの育成が容易なため、育苗ポットを使った栽培がおすすめです。約30日前後で定植できるサイズに育ち、直播きに比べて長く収穫できるようになります。3~4号の育苗ポットに、深さ1cmの穴をあけ2~3粒まいて土を被せます。
種子は嫌光性で、気温が10℃を下回ると発芽しません。新聞紙などで光を遮り、ホットキャップやビニールを使って保温してください。発芽後は日に当て、生育のよいものを1本だけ残して本葉が4~5枚になるまで育てます。
土づくり
定植の2週間前を目安に、1㎡あたり石灰100gを土に混ぜ込みます。1週間前になったら、深さ30cmほど掘った土底に堆肥を約1kg入れ、掘り上げた土に化学肥料50gを混ぜ込んでから、畝立てをしておきましょう。
4月ごろ遅霜の心配がなくなったら、80cm~1mの株間を確保して定植します。ズッキーニは元肥が多すぎるとつるぼけになるので要注意です。生育初期の肥料は抑えめにして、追肥で補うようにします。
マルチと支柱立て
根が浅く広がるので、土が乾かないようマルチを張ります。泥はねなどで実が土に触れるとキズになるため、定植後に敷きワラも敷いておくと安心です。
ズッキーニはつるなしですが、生育途中に親づるが倒れ、地面を這うように伸びていきます。土に触れるのを防ぐのと葉に光を当てるため、支柱で親づるを横方向に誘引しましょう。
50cmほどの支柱を2本用意し、株から20~30cm離れた場所に固定します。生育が早いので親づるは直接支柱に誘引せず、葉柄を結びつける仕立てにします。
追肥
追肥はズッキーニを定植してから2週間後のタイミングで株間に1回、以降は畝の肩に2~3週間隔で行います。1株につき化成肥料1握り(約30g)を目安にしてください。
人工授粉
ミツバチが頻繁に飛んでいるような地域であれば、受粉に人の手は必要ありません。しかし、虫の少ない時期や確実に結実させたい場合は人工交配がおすすめです。
ガクの下に膨らみがあれば雌花、なければ雄花です。雄花は花びらが開き始めるタイミングでないと花粉が十分に出ません。花が咲くのは早朝なので、夜明けから朝9時くらいまでに作業を終わらせましょう。
雄花を採取したら指先で雄しべに触れ、黄色い花粉が付着するか確認します。雄花の花びらを外し、やわらかい筆や綿棒から花粉を採って雌花の柱頭にこすりつけ受粉させます。
受粉に失敗したズッキーニは、先細りして収穫できるサイズまで育ちません。食用にもならないため、見つけ次第ハサミで切って処分します。残しておくと腐って病気の原因になるので注意してください。
収穫
ズッキーニにはトゲがあるので、軍手を用意します。開花してから4~6日を目安に、約20cmに育った若い果実から収穫していきましょう。時機を逃すとすぐに肥大化し、味が落ちるだけでなく株にも負担が掛かるので注意してください。
適切に管理すれば1株から10本程度収穫できます。実を収穫したら、株を長持ちさせるために下葉を切り落とし、風通しを確保しましょう。花ズッキーニは、雌花は果実が10cm以下、雄花は開花前後が収穫のタイミングです。花弁にキズがつかないよう丁寧に扱います。
ズッキーニの病害虫・トラブル対策
ズッキーニは比較的作りやすい作物ですが、病気や害虫の対策はきっちりと行う必要があります。よくあるトラブルや、生育不良の原因とその対策について見ていきましょう。
病気対策
ズッキーニで一番よくみられる病気はうどんこ病です。葉に白い斑点ができ、そのまま他の葉にも広がっていきます。原因は糸状菌で、雨量の少ない乾燥した時期が続くと病気になるリスクがアップします。
放っておくと株が枯れてしまうこともあるため、早めの対策が必要です。専用の薬剤を散布するか、定期的に水やりをすることで湿度を保ちます。さらに、混み合った下葉処理を小まめに行うなどして通気性を確保してください。
次に見られるのが灰色カビ病です。花の一部が灰色になり、実が軟化してそのまま腐ってしまうケースもあります。原因となるボトリチス菌は多湿を好むため、通気性を確保し、見つけ次第取り除いてください。感染を防ぐため、花柄や落ち葉はゴミに出すか地中深く埋めるようにします。
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害虫対策
害虫はウリハムシやアブラムシが発生します。ウリハムシは体長7〜8mmの茶色の甲虫で、食害で葉を穴だらけにします。生育初期に群がってしまうと枯れてしまうので、被害のある地域は寒冷紗で対策しましょう。
駆除は草木灰が効果的です。朝露が葉に残る早朝を狙い、畑全体に撒きます。数が減らない場合は、専用の殺虫剤や農薬を散布します。
また、ズッキーニに適したコンパニオンプランツのネギ類もウリハムシ対策に効果があります。ニラやネギを近くに植えれば、同時にツルワレ病も抑制できるでしょう。
アブラムシはウイルスを媒介して、モザイク病を引き起こします。感染すると葉が萎縮し、親づるが水浸状に軟化して腐敗します。一度感染してしまうと治療する薬剤はありません。殺菌剤で手指や器具を消毒しながら株を抜き取り焼却処分しましょう。
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収穫が続かない、収穫量を増やしたいとき
ズッキーニは未成熟の状態で収穫するため、肥料が不足しがちです。4~5本以降実が続かない場合は肥料切れが考えられます。収穫が始まったら2週間ごとに追肥し、草勢が維持できているか確認しましょう。
また、とり遅れがあると株が疲弊してしまうので、品種に適したサイズで収穫していくことがポイントです。わき芽かきや花摘、摘葉を行うことでも収穫量が増やせます。品種によりわき芽の出に差がありますが、基本は伸びてきたわき芽をカット(わき芽かき)すればOKです。
花が咲いたら雌しべの1番~3番花は咲く前に摘花し、収穫後果実より下にある葉を少しずつ切除(摘葉)しましょう。そうすることで収穫量のアップが期待できます。
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まとめ
ズッキーニを育てるにはいくつか気をつけるポイントがあります。比較的育てやすい野菜ですが、病気や害虫の対策はきっちりと行わなければいけません。また、収穫量をアップするためには工夫も必要です。
慣れてくれば毎年のコンスタントな収穫が期待できる作物です。洋風料理では定番の食材であるズッキーニの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。