水耕栽培でも根腐れするの?根腐れする原因と対処法・根腐れしたときの見分け方
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
植物を育てているときに気になるのは「根腐れ」。
「土栽培で根腐れするのは水のやりすぎが原因なの?」「根腐れしている植物の症状は?」「水耕栽培でも根腐れするの?」など、根腐れについて気になることは多いですよね。
そこで今回は、根腐れについて徹底解説!
根腐れする原因と対処法、見分け方についてチェックしていきましょう。
目次
土栽培での根腐れは水のやりすぎ?根腐れが起こる原因
根腐れとは、名前の通り植物の根っこが腐った状態のことを言います。
植物が栄養素を取り込む重要なパーツが腐ってしまうと植物全体がダメになってしまうので、重大な病気だと言えるでしょう。
よく「根腐れは水のやりすぎが原因だ」と言われますが、実は水のやりすぎは関係ありません。
では、どのような理由で根腐れを起こしてしまうのでしょうか。
1.土中の酸素不足
根腐れを起こす一番の原因は酸素不足です。
植物は葉の部分だけではなく、根で呼吸しています。
そのため土中の酸素がなくなると呼吸できず、壊死してしまうのです。
「土の中に酸素なんてあるの?」と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、土の中は隙間がたくさんあり、隙間に空気が含まれているのです。
微生物が豊富な土壌は、微生物が土の中を動き回ることによって穴ができ、その穴が空気の通り道になり酸素が循環しています。
ですが、家の中の観葉植物などは微生物はあまり含まれていないため、土の中の酸素がなくなり根腐れの原因になってしまうのです。
2.嫌気性微生物の増殖
土の中の酸素がなくなると植物の根は壊死してしまいますが、それだけが原因ではありません。
実は、壊死してしまった植物の細胞には「嫌気性微生物」が発生します。
嫌気性微生物とは、酸素が少ない状態を好む微生物のこと。
この微生物が増殖することで、壊死した根っこを腐敗させてしまうのです。
根っこ全体に腐敗が進んでしまうと植物は栄養を取り込めなくなり、壊死してしまいます。
水耕栽培で根腐れする原因は「酸素」
「水耕栽培でも根腐れするの?」と疑問をもつ方もいると思いますが、長い間水につけていることで腐ってしまうのでは水耕栽培は成り立ちません。
ただ、水耕栽培は根腐れしないのかと言えば、残念ながら根腐れする可能性はあるのです。
水耕栽培が根腐れするケースでは、酸素が行き渡らないことにあります。
根っこの部分を全て水につけた場合、植物は水中にある酸素を取得しています。
しかし水を循環させない状態で根っこを全て水につけたままにしていると、植物は酸素を取得できずに根腐れしてしまうことに。
そのため水を循環させない場合は、根元の部分を空気中に出して酸素を取り込める状態にしておく、など工夫が必要なのです。
水耕栽培で根腐れを防ぐためには水を循環させる、もしくは根本を空気中に出しておくことが重要です。
根腐れしている症状の見分け方
「根腐れした植物は具体的にどういう状態になるの?」「根腐れした植物の見分け方が分からない」といった方も多いのではないでしょうか。
実は、根腐れした植物は分かりやすい特徴があるので、簡単に見分けることができるのです。
ではさっそく根腐れの症状をチェックしていきましょう。
1.土は湿っているのに枝葉が萎れている
根腐れしている場合、根が本来の機能を果たせていないので水分を上げても吸収できません。
そのため土は湿っていても、枝葉がしおれている状態になります。
また茎にシワができている状態も、水分がうまく取り込めていない証拠。
水をあげても回復しない場合は、根腐れしている可能性が高いと言えます。
また葉の量が減ったり、黄色く変色している場合は栄養がなくなっている証拠。
植物が少ない栄養で生きていくために、使う栄養素を最小限に抑えるために葉の量を減らしたり、葉緑体の生成を抑えるため黄色く変色しているのです。
このような症状は、栄養が取り込めていないときに起こります。
肥料を与えても回復しない場合は、そもそも根が機能していないことを疑うことが大切です。
2.土からカビや腐敗臭がする
根腐れしている場合、嫌気性微生物によって腐敗が進みます。
そのため、土の近くの臭いを嗅いでみるとカビのような臭いや、腐った臭いがすることも。
臭いが発生している場合は、根腐れが進行している証拠です。
これ以上進行しないように、早めに対策をすることが重要ですよ。
復活するの?水耕栽培で根腐れしたときの対処法
「育てていた植物が根腐れしてしまっていた…」というときは、どのように対処したらいいのでしょうか。
根腐れに気づいた場合は、すぐに対処することで復活させることも可能です
では、さっそく対処法をチェックしていきましょう。
1.根腐れした部分を切り落とす
根腐れしてしまった根っこは回復できません。
残しておいてもほとんど機能しないため、まずは根腐れした部分を切り落としましょう。
根腐れした部分は黒く変色しているので、簡単に見分けられます。
切り落とすときには切り口からバイキンが入ってしまわないように、消毒したハサミで切り落としましょう。
剪定はさみなど植物用の刃が鋭いもので切ってあげると、切り口がキレイなので早く回復することが可能です。
2.枝葉を最小限に切りそろえる
根腐れした部分が多く根っこの大部分を切り落とした場合、根っこを切り落とした量にあわせて枝葉も切りそろえることが大切です。
枝葉が多いと、少ない根では枝葉の成長に十分な栄養を取り込めません。
そのため植物に負担をかけないためにも、枝葉は最小限の量に切りそろえて負担をなるべく抑えることが重要です。
3.清潔な用土に植え付けする
根腐れを起こした土は酸素を含まず、嫌気性微生物が発生していることも。
そのため、土は全て入れ替えるのがおすすめです。
土は根っこに絡んでいるので、健康な根を傷つけてしまわないように土を優しくほぐしながら土を落としてくださいね。
ある程度の土を落としたら、水で洗い流して土を完全にとるのもおすすめです。
新しい用土は、清潔で養分を含んだものにしましょう。
今まで栄養を上手に取り込めていなかった分、植物は栄養不足状態になっています。
少し長めに養分を与えてあげることが重要ですよ。
また、腐葉土を混ぜて水はけをよくすることや、空気の通り道を作っておくことも大切です。
また根腐れしてしまわないように、新しい土にも注意を払ってくださいね。
4.半日陰で様子を見る
枝葉を切りそろえて清潔な用土に植え替えした後は、しばらくは「半日陰」に置いておきましょう。
弱っている植物に直射日光はパワーが強すぎるので、半日陰程度で大丈夫です。
新しい芽が生えてきたら、回復している証拠。
芽が出てきたら、植物にあわせて太陽の光がより当たる場所に鉢を移動させてあげてくださいね。
まとめ
植物が根腐れするのを防止するには「酸素」が重要です。
人間が酸素がないと息ができずに死んでしまうように、植物も酸素を取り込めないと腐ってしまいます。
「葉っぱから酸素を取り込めるはず」と思い込まず、植物の栄養を取り込むのに重要な「根っこ」の部分から酸素を取り込めるように、工夫して育ててあげましょう。