ライムソワーで肥料散布!価格とブロードキャスターとの違い・中古購入
農作業において、肥料を効率的に散布できる「ライムソワー」は大変重宝します。当記事ではライムソワーの特徴やメリット・デメリット、購入の際の選び方などについて、同じ肥料散布機として共通点の多い「ブロードキャスター」と比較しながら解説します。
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「毎日の農作業をもっと効率的にこなしたい」と考えたことはありませんか。専業・兼業関わらず、農業に充てられる時間は限られています。効率性を向上させるためには、マンパワーに加えて、農機具を組み合わせることが大きなポイントです。
一口に農機具といっても、さまざまなものがあります。今回は、肥料を効率的に散布するために使う「ライムソワー」について、その特徴や導入するメリット、選び方などをご紹介します。
目次
効率よく作物を育てるには肥料散布機が重要
作物を育てるためには、さまざまな栄養素を含んだ豊かな土壌が不可欠です。それゆえに肥料の散布が鍵となりますが、これにムラがあると、作物の生育に大きな影響を与えてしまう可能性があります。
小規模な農園であれば、手作業による散布でも特に問題はありませんが、大規模な農園となると手作業では非効率です。農園が大きければ大きいほど、農作物への施肥を効率化できる肥料散布機が重宝します。
主な肥料散布機の種類
肥料散布機にはさまざまな種類がありますが、散布する肥料の形状によって、使用できる散布機が変わります。肥料の形状は「液状」「粉末状」「ペレット(粒)状」「ペースト状」の4つに大別でき、それぞれ以下の散布機が対応しています。
・液状肥料:動力噴霧機、スピードスプレイヤー
・粉末状肥料:ライムソワー
・ペレット状肥料:ライムソワー、ブロードキャスター
・ペースト状肥料:マニュアスプレッダー
このうち「ライムソワー」と呼ばれる散布機は、粉末状肥料だけでなくペレット状肥料にも対応できることから、幅広い農作物の施肥に使用されています。
ライムソワーの特徴
ここでは、上記の散布機の中でも用途が広いライムソワーに焦点を当て、その特徴についてご紹介します。
粉末状・ペレット状肥料に対応
ライムソワーは本来、石灰やヨウリンなどの粉末状・砂状肥料を散布するために開発されました。現在ではブロードキャスターと並び、ペレット状肥料の散布にも用いられています。一方で、液状肥料や粘度の高いペースト状肥料の散布には使用できません。
均一な散布が可能
ライムソワーは主に、肥料を貯めるタンク(ホッパー)・かくはん装置・繰出装置・シャッター・落下口・動力伝動装置などから構成されています。全体的に横長で、機体の大部分をホッパーが占めている形状です。
この中で特に重要な役割を担っているのが、かくはん装置と繰出装置。羽根車またはスクリューを利用して、肥料を排出孔から押し出し、落下させながら散布します。ブロードキャスターと比較して、より低い位置から肥料を落下させる点が特徴です。
こうした仕組み上、ライムソワーは散布幅を狭く設計されているため、必要量の肥料を正確かつ均一に散布することができます。
多種・多機能
ライムソワーの種類は数多く、施肥量を調節できたりリモコン操作が可能だったりと、機能面も多岐にわたります。サイズもさまざまで、トラクターに設置するタイプとけん引するタイプに分かれます。
近年では、従来のトラクター用作業機に加え、歩行型作業機も導入されており、使用する農園の範囲によって使い分けることが可能です。農地はもちろんのこと、水田や雪上施肥にも対応できるものもあるため、雨雪の多い地方でも広く親しまれています。
快適性・安全性にも優れる
トラクター設置型のライムソワーのほとんどは、PTO駆動(作業に必要な動力をトラクターから効率よく取り出す機構のこと)を搭載しており、ライムソワー自体の充電などを気にする必要はありません。
また、車速やPTOのオン・オフとシャッターの開閉が連動しているタイプもあり、手動でシャッター開閉を行うことなく運転に集中できることから、安全性にも優れています。シャッターの開閉は施肥量に影響するため、無駄な散布を防ぐことにもつながるはずです。
ブロードキャスターとの違い
同じペレット状肥料対応の散布機であるブロードキャスターと比較した場合、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いについて検証してみましょう。
ブロードキャスターの場合
ブロードキャスターの場合は、機械下部に付いている円盤の遠心力を利用し、7m幅で肥料を飛ばしながら散布します。一度に広範囲の散布が可能なため、散布時間を大幅に短縮することができます。
反面、均一に施肥するには不向きです。特に往復しながら散布する際は、散布範囲が重なり、土壌全体に肥料ムラができてしまいます。本来なら散布しなくてもよい範囲まで散布するため、必要以上に肥料を消費してしまうデメリットがあります。
ライムソワーの場合
一方、ライムソワーは散布幅が狭く、ブロードキャスターと比べて作業時間は長くなりがちです。しかし、散布幅を容易に調整できるため、施肥範囲に応じて都度調整することで、必要量を必要な範囲にムラなく施肥できる点が異なります。
ライムソワーの散布幅はホッパーの長さに依存し、歩行型で100~120cm、トラクター設置型で200~300cm程度が一般的です。放心円状に7mほど散布できるブロードキャスターに比して控えめですが、散布量が均一なので重複することなく施肥できます。
また、散布量はシャッター部分の開閉により調整できるうえ、全自動でシャッターを開閉してくれるものもあります。一度セットしておけば、使用するたびに調整する手間を省けるのも便利です。
ライムソワーを導入するメリット
ライムソワーを導入する場合、施肥の効率化を図れますが、具体的には以下のようなメリットが期待できます。
・施肥作業の省人化および時間短縮
・施肥作業の負担軽減
・肥料コストの削減
・環境への影響の軽減
手作業で施肥を行う場合、重たい肥料を広範囲にわたって均等かつ丁寧に撒かねばならず、非常に時間がかかります。特に炎天下での作業を強いられる夏場などでは、熱中症の危険もあるため、作業負担はかなりのものです。
ライムソワーを導入すれば、ブロードキャスターほどではないにしろ、こうした過酷な作業にかかる時間を大幅に短縮できます。マンパワーも補えるうえ、手作業より負担が少なくなり、人手不足気味の農園ならなおのこと重宝するでしょう。
またライムソワーは、ブロードキャスターよりも無駄の少ない施肥が可能です。必要以上の肥料を散布する心配がなく、肥料コストや環境への影響も抑えられます。
ライムソワーの注意点
このようにメリットの多いライムソワーですが、注意すべき点もいくつかあります。以下のポイントを押さえ、適切な使用を心がけましょう。
悪天候時には注意が必要
ライムソワーは肥料を落下させて散布するため、強風時には落下した肥料が風に流されてしまうことがあります。専用の飛散防止用落下パイプなどが市販されているので、これを装着するとよいでしょう。
肥料の種類によっては、雨天時にホッパー内の肥料が湿気を吸収し、そのまま固まることがあります。こうなると均一に落下させることができないため、散布ムラの原因となります。雨天時には使用を控えるか、なるべく湿気を吸わない工夫を施しましょう。
ホッパー内の肥料残量を確認する
ホッパーは横長の形状ゆえ、肥料残量が少なくなるほど、落下する肥料の量にばらつきが生じてきます。使用時には肥料残量を確認し、減っていれば都度補充しましょう。その際、散布する予定の量よりも気持ち多めに肥料を補充しておくと、散布ムラを防げるはずです。
ちなみにライムソワーの中には、肥料の種類や施肥範囲を登録することで、必要量を自動計算してくれる機能を持ったタイプもあります。計算が面倒だと感じる方は、その手のタイプを探してみるのも手です。
こまめなメンテナンスが大切
均一な散布を行うためには、こまめなメンテナンスが大切です。特に、かくはん装置と繰出装置はライムソワーの要であるため、入念に点検しましょう。また、使用後に欠かさず清掃しておくことで、サビの発生を防ぎ長持ちさせることができます。
ライムソワーの選び方
ライムソワーにはさまざまな種類があり、メーカーによって価格や機能面でも違いがあります。ライムソワーを購入する際、どれを選んでよいかわからないという方も少なくありません。
一般的に、新品ライムソワーの価格相場は40万円前後とされており、施肥量の調整方法が手動か自動かによって上下します。30万~70万円ほどかかるブロードキャスターと比べて、機能差による価格の幅はそう大きくないため、基本的には機能性重視で選べばOKです。
ただ、施肥範囲によってはサイズの適不適があることも事実なので、用途や使用する範囲をきちんと考慮したうえで、ミスマッチがないよう検討することが大切です。
ちなみに、ライムソワーの耐用年数は約7年と比較的長く、中古品でも新品と遜色なく使用できる可能性があります。購入費をなるべく抑えたいという方は、中古市場にも目を向け、積極的に情報収集してみるとよいかもしれません。
農機具を安く購入するなら「中古農機市場UMM」がおすすめ
農機具を安く購入したい方には、中古農機具専門サイト「中古農機市場UMM」の利用がおすすめです。各メーカーの農機具を同一サイト内で比較できるため、今回ご紹介したライムソワーを選ぶ際にも参考になります。
また、同サイトに会員登録しておくと、サイト上に新規の農機具が登録された際、メールで通知が届きます。お得なキャンペーン情報も多数配信しているため、農業従事者にとって大変心強いサイトです。
会員登録は以下のURLから行えるため、興味がある方はぜひ登録しましょう。
まとめ
肥料散布機を導入することで、施肥の効率化や負担軽減、肥料コストの削減などさまざまなメリットが期待できます。中でもライムソワーは、粉末状・ペレット状の両肥料に対応可能なので、活躍できる場面が多いでしょう。
ライムソワーは非常に種類が豊富なうえ、メーカーによって機能や価格なども異なります。購入を検討する際は、複数のメーカーを比較しながら決めるのがおすすめです。中古農機具の専門サイトなども参考にして、自分に合った1台を見つけてください。