防草シートの敷き方|畑・庭の除草が楽になる!失敗しない選び方や敷くコツを解説
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農業や家庭菜園をするうえで、かならず付いてくるのが「雑草問題」。刈っても刈っても生えてきて、庭や畑を覆い尽くす非常に厄介な存在です。
しかし防草シートを利用すれば、いままで雑草にかかっていた時間・労力・費用を大幅に減らせます。適切な敷き方をマスターすることで、よい野菜の生育・収穫にも間接的につながるでしょう。
本記事では、防草シートの敷き方や選び方、メリット・デメリットなどについて、元種苗メーカー勤務の筆者が徹底的に解説します。
目次
防草シートとは?
防草シートとは、名前のとおり雑草の生長を防ぐシートのこと。植物の生育に不可欠な光を大幅に遮断して、雑草が伸びるのを抑制します。
畑や庭の除草作業には、多くの時間と労力がかかります。
とくに広い畑では「除草作業が終わった頃にはまた新しく伸びはじめている」という経験がある人も多いでしょう。
防草シートは、そのような悩みを解決してくれる便利アイテムです。
防草シートを敷くメリット
- 手軽・安価
- 長期に渡って雑草を防げる
防草シートを敷けば雑草がほとんど伸びなくなるため、除草作業にかかる時間・労力、機材や除草剤にかかる費用が大幅に削減できます。
その効果は安価なものでも2〜3年、高価なものであれば10年以上持続するため、費用対効果はかなり大きいと言えるでしょう。
また雑草に潜む害虫対策や、通路が歩きやすくなり、作業効率の向上にもつながります。
設置や張替えなどの作業は大変ですが、得られるメリットに比べれば大した作業ではありません。
防草シートを敷くデメリット
- 設置・張替え作業が大変
- 景観をそこなう
防草シートの設置や張替えは、面積が広さによっては非常に大変な作業になります。
ただ、面積が小さければそこまで大変ではなく、数年分の雑草管理と比べると防草シートを敷いたほうが結果的に楽になるでしょう。
景観をそこなう可能性については、防草シートの上に砂利・人工芝・ウッドチップなどを被せることで、防草効果を得ながらおしゃれな庭がつくれます。
防草シートの敷き方・コツ
防草シートはただ単に敷くだけでは、望んだとおりの防草効果は得られません。
正しい敷き方や、敷くときのコツをしっかりと理解し、防草シートの効果を最大限に活かしましょう。
【防草シートを敷く際に必要なもの】
- 草刈り器具
- 除草剤
- スコップやレーキ
- 防草シート
- カッター
- 固定ピン
- ハンマー
- メジャー
1:除草・整地
防草シートを敷く前準備として、シートを敷く場所の除草・整地を行います。
草勢の強い雑草やデコボコの地面では、防草シートの効果が十分に発揮されません。雑草が伸びてきたり、貫通したりすることもあるため、前段階でしっかり除草しておくことが大切です。
除草は草刈り機や鎌などでしっかり草を刈り、よく晴れた日に除草剤を散布します。
除草後、スコップやレーキを用いて地面を平らにならし、大きな石をしっかり取り除けば除草・整地完了です。
2:設置・カット
整地完了後は、防草シートの設置・カットを行います。敷きたい場所に防草シートを仮置きし、適切なサイズにカットしましょう。
防草シートは、人・もの・砂利などの重みでズレが生じる可能性があります。そのため壁際ピッタリではなく、3〜5cmほどの余裕を持たせて切るのがポイントです。
また防草シート同士を連結するときは、すき間ができないよう10cmほど重ね合わせて設置してください。風の侵入や雑草が伸びるのを防ぎつつ、シート破れの対策にもつながります。
3:固定ピン打ち込み
カットした防草シートに固定ピンを打ち込んでいきましょう。
- 両端にピンを打ち込み防草シート全体を固定
- 50cm間隔でピンを打っていく
ピンを打つときは、ハンマーを使ってしっかり打ち込んでください。打ち込みが甘いと強風で浮いてしまったり、ピン上部に足やものが引っかかって大変危険です。
防草シートの横幅が広い場合は、中央部分にも100cm間隔で固定ピンを打ちましょう。風で浮くのを防ぎ、より頑丈に固定できます。
なお、地中の石にぶつかって固定ピンが入らない場合は向きを変えたり、少し場所をずらして打ち直してください。
防草シートの選び方
防草シートを選ぶときは、3点に着目して選びましょう。
- 色・遮光性
- 水はけ
- 耐久性・値段
色・遮光性
防草シートは基本的に黒色で、ほかに緑色や白色の防草シートもあります。
緑色防草シートは景観に溶け込むため、家庭菜園におすすめ。白色防草シートは日光を反射して、果実の色付きや光合成効率を上げるため、果菜類のハウス栽培におすすめです。
ただ、白色防草シートは、黒や緑に比べると遮光性が低い傾向にあり、雑草の生長を抑制しきれない可能性があります。
白色防草シートを使う場合は、雑草があまり生えない場所で使う、もしくは黒い防草シートと2重にするなど工夫して使いましょう。
水はけ
防草シートでは、水はけの良さが非常に大切です。
水はけが悪い防草シートだと、水たまりができてしまいます。シート上の水たまりは雑草の種が発芽したり、病気の原因や作業性の悪化につながったりと、デメリットがかなり大きくなります。
そのため、基本的には水はけがいいものを選ぶようにしましょう。
ただ、水をほとんど使わない場所や地面からの湿気を抑えたい場合には、水はけが悪い防草シートも有効的に使えます。
耐久性・値段
防草シートの値段は、耐久性の高さに比例しています。
安いものは網目が粗く耐久性が低いため、1〜2年ほどしか使えません。対して高価なものは網目が細かく丈夫なため、普通に使って10年以上、工夫次第では半永久的に使い続けられます。
「長く使いたい」「なるべく張り替えの手間を減らしたい」場合は、十分な耐久性がある高価なものを選びましょう。
ただし面積によっては莫大な費用がかかり、どんな場所でも高い防草シートを利用すればいいというわけではありません。
「畑の通路に一時的に敷くだけ」「1〜2年程度で交換する前提で使う」場合は、安価なものでも十分な効果が得られるでしょう。
おすすめ防草シート3選
農業・家庭菜園におすすめの防草シートを3つほど紹介します。
- 国華園 防草シート
- ルンルンシート 白ピカ
- ザバーン 240G
【短期間での利用におすすめ】国華園 防草シート
出典:Amazon
耐用年数 | 約2〜3年 |
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遮光率 | 記載なし |
サイズ | 0.5m×50m〜 |
厚さ | 0.3mm |
値段(Amazon) | 2,223円〜 |
もっとも標準的な防草シートです。非常に安価なため、やや目が粗く耐久性は心もとないですが、遮光性・水はけは問題ないでしょう。
畑の通路用や2〜3年の短期利用としてなら、十分な性能・コスパの防草シートです。
ただし、スギナやチガヤなど貫通力の強い雑草は抑制できないため、敷く場所には注意してください。
【果菜類の栽培におすすめ】ルンルンシート 白ピカ
出典:Amazon
耐用年数 | 約5年 |
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光反射率 | 約90% |
サイズ | 0.5m×100m〜 |
厚さ | 記載なし |
値段(楽天) | 9,530円 |
光を反射し、果実の色付きや光合成を促す白い防草シート。イチゴやトマトといった果菜類のハウス栽培や、モモやリンゴなどの果樹栽培にとくにおすすめです。
遮熱性や水はけにも優れているため、シート付近の温度や地温の上がりすぎを防ぐ効果があります。
白い防草シートは清潔で明るい印象を与えてくれるため、おしゃれな庭やイチゴ狩りなどの観光農園にもピッタリです。
【究極の防草シート】ザバーン 240G
出典:Amazon
耐用年数 | 約7〜13年 |
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遮光率 | 99.7% |
サイズ | 1m×30m〜 |
厚さ | 0.64mm |
値段(Amazon) | 13,000円〜 |
ザバーン 240Gは、アメリカのデュポン社が開発した防草シートです。
非常に優れた耐久性と99.7%の遮光率をもち、貫通力の高い雑草の生長も抑制します。
その強度を維持しながら水はけにも優れているため、非の打ち所がありません。まさに「究極の防草シート」です。
普通に敷くだけでも10年以上使えます。シートの上に砂利などを敷き詰めればさらに耐久性が上がり、半永久的に使い続けられるようになります。
緑色なので景色に溶け込むのも魅力的。手強い雑草がある場所だけでなく、おしゃれな庭や家庭菜園にも、おすすめできる逸品です。
防草シートの注意点
防草シートを利用する際の注意点は2つです。
- 庭や畑のマンホール部分はくり抜く
- すき間・破れた場所は補修する
畑や庭にあるマンホールは、水が詰まったときなどにメンテナンスで開ける可能性があります。防草シートで隠れているといざというときに大変なため、マンホール部分はくり抜いて見えるようにしておきましょう。
また防草シートのすき間や破れは、放置せずにしっかり補修することが大切です。たとえ小さな穴であっても、後々の雑草処理が大変になることはよくある話です。
小さい破れや固定ピンの打ち損じ跡などは、雨に強い粘着テープを用いて補修。大きく破れた場合には、破れた部分に新しい防草シートを被せて補修します。
ただし長く使ったことで、経年劣化や破れがあまりにひどい場合は、素直に張り替えることをおすすめします。
まとめ
防草シートの敷き方や選び方、メリット・デメリットなどについて解説しました。
防草シートは1度敷くだけで、数年分の除草にかかる時間・労力・費用を節約できる優れものです。
メリット・デメリットをしっかり理解し、適切な選び方・敷き方をマスターすれば、さらに生産効率が向上するでしょう。