土地売却の基礎知識まとめ-売却までの6ステップ・税金や相場まで
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土地の売却は専門的な内容が多く、自分で売却に関わる全てを行うのはほぼ不可能です。基本的には不動産会社などへ任せることになるでしょう。
しかし、全てを専門家に任せても、自分で行う作業はあります。任せきりにするのではなく、自分でも全体の流れを把握しておくことは大切です。
土地売却の基礎知識や、売却までの流れを把握しておきましょう。難しい内容が多い土地売却ですが、できる限りわかりやすく解説していきます。
目次
土地売却の基礎知識
土地の売却は一生に何度もあることではありません。そのため、「売却にはどれくらいの期間がかかるのか」、「土地の売却に必要なものは何なのか」を知っている人は少ないです。
まずは、大体の期間や必要なものなど、基礎知識をつけましょう。
売却にはどのくらいの期間がかかるのか
一般的な土地の売却は、およそ3ヶ月から6ヶ月ほどと言われています。
- 売り出し価格の決定など:1ヶ月
- 買主が決定し、売買契約を結ぶ:1~3ヶ月
- 引き渡しなどの手続き:1~2ヶ月
あくまで平均的な数字で、場合によっては短かかったり、さらに長引くこともあります。
売り出し価格を相場よりも高めに設定した場合は、通常よりも売却に時間がかかることが多いです。反対に、相場よりも価格を低く設定した場合には売却期間は短くなり、全体の期間も短くなるでしょう。
また、立地があまりよくないなど、土地によっては売却が完了するまで1年以上を要することも珍しくありません。売り出し価格だけではなく、立地などの条件によって売却期間は大幅に異なります。
ただし、土地に詳しくない人に適正価格での売り出しは難しいため、査定や不動産会社との連携はしっかりと行なってください。自分の売却したい金額も大切ですが、時間をかけたくない場合には途中で価格の見直しを行うなどの柔軟な対応が必要です。
土地売却に必要な9つのもの
土地の売却に必要なものをまとめました。
必要なもの | 内容 |
土地・建物登記済証または登記識別情報 | 土地の所有者であることを証明する書面 |
売買契約書 | 土地の売却が決まった際に2部必要 |
固定資産税・都市計画納税通知書 | 納税額が記載された書類 |
測量図 | 土地の面積を明確にする |
実印・印鑑証明 | 取引書類の捺印と確認に必要 |
本人確認書類 | 運転免許証、保険証、パスポートなど |
銀行口座 | 土地を売買したお金のやり取りに必要 |
印紙・印紙代 | 売買契約書などに貼付 |
仲介手数料 | 仲介する不動産会社への支払い |
ほとんどの書類は市役所などで入手可能です。納税通知書などは自宅に郵送されてくる書類なので、なくさないように注意しましょう。
また、取得する書類には有効期限が設けられていることが多いので、必要な時期に合わせて取得してください。全ての書類や必要なものは同じ時期ではなく、手続きを進めながらや売買が完了してからの場合があります。
建物がある場合などは別の書類も必要になります。他にも売却する土地が相続したものの場合、別の手続きが必要です。
基本的には、仲介してもらう不動産会社と密に連携を取り、サポートしてもらいましょう。
農地の売却については、農地売却には地目変更が必要?売却方法や手続きを解説している記事を参考にしてください。
土地を売却してから確定申告までの流れ
基本的には土地の査定から始まり、確定申告を行なって終了です。詳しく土地売却の流れを確認していきましょう。
1:まずは査定する
まずは、売りたい土地の価格を決めるために、査定を行います。ポイントは、複数社へ依頼することです。
1社だけの査定では、本当の土地の価値がわかりません。極端に高いと売却まで時間がかかり、低い場合には損をします。
- 地元の不動産会社
- 全国に対応している不動産の一括査定サイト
地元の不動産会社に査定を依頼した場合には、実際に土地を見て査定してもらいます。土地を見て査定することから、より詳細な査定になるでしょう。
一括査定サイトの場合、インターネット上で必要な情報を入力し、複数社から見積もりが届きます。およそ1週間ほどで届くことが多く、気になった不動産会社があった場合には、直接土地を見にきてもらいましょう。
2:売り出す土地の価格を決める
査定で出た金額を参考にし、複数社の平均か少し高めの価格に設定するのが一般的です。
売値を決めるのは自分なので、いくらにしなければいけないという決まりはありません。ただし相場を大きく外れた価格だと、損をしたり時間が経っても売れないという事態に陥ります。
また、自分だけで価格を決めるのではなく、仲介してもらう不動産会社とも相談しましょう。不動産会社の経験が長いと知識も豊富なため、立地なども加味して売れやすい価格を教えてくれます。
なかなか売れない場合には価格を落とすことも可能です。買主から価格の値引き交渉を受けた場合にも理想に近い価格で売却しやすくなります。
3:仲介の不動産会社を決める
土地の売却で重要なのは、仲介する不動産会社です。ほとんどの場合は、査定を依頼した不動産会社の中から決めることになります。
金額だけではなく、対応や、やり取りのスピード感も重視しましょう。査定の依頼をしていれば、大体の雰囲気がわかってきます。
対応が遅かったり態度が悪い場合には、売却もうまく進みにくくなります。
4:媒介契約を結ぶ
媒介契約は3種類あり、それぞれ特徴が異なります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
複数契約 | ◯ | ✕ | ✕ |
自己発見取引 | ◯ | ◯ | ✕ |
報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
指定流通機構(レインズ)への登録義務 | なし | 7日以内に登録 | 5日以内に登録 |
それぞれの特徴を解説します。
一般媒介契約
一般媒介契約は最も制限の少ない契約方法で、一番の特徴は複数社と契約できる点です。
売却の仲介を1社に絞りたくない場合には、一般媒介しか選択肢はありません。また自分で買い手を見つけた場合にも、自己発見取引が可能なため、不動産会社との契約に関係なく売却できます。
基本的にメリットの多い方法ですが、契約先が増える分、やり取りも多くなります。早く売却したかったり、自分で買主を探したりする方におすすめです。
専任媒介契約
専任媒介契約は、名称の通り1社のみと契約する方法です。また、不動産会社から依頼主へ2週間に1回以上の報告義務が発生するため、安心して依頼できます。
ただし、1社とだけ契約する分、土地が売れるかどうかは不動産会社頼みです。不動産会社が積極的な売却活動を行わなかった場合には、売れ残ってしまう可能性も少なくありません。
ただし自己発見取引が可能なので、なかなか売れない場合には自分で買主を探しても大丈夫です。
専属専任媒介契約
内容は専任媒介契約とほとんど同じです。ただ、内容はより厳しくなっており、不動産会社から依頼主への報告義務は1週間に1度以上に変わります。
これは不動産会社にとって厳しい条件ですが、売主も自己発見取引ができません。どちらにとっても少し厳しい条件になるため、不動産会社とも相談して決めてください。
5:売却のための行動を始める
売却活動は仲介する不動産会社が全て行うのではなく、売主にも必要な行動があります。
- 土地をきれいに保つ
- 土地見学の対応
購入希望者が現地を見学する際、草が伸びっぱなしになっていたり、ゴミが散乱していると印象がよくありません。
また、購入希望者の現地見学に立ち合いが必要な場合もあります。
対応は仲介の不動産会社が行いますが、土地に関する質問は答えなくてはいけません。土地柄など、周辺の情報は持っておいたほうが有利です。
6:【売買契約】買主との協議
土地の買い手が見つかると、仲介の不動産会社を通して申し込みが入ります。正式な売買契約を結ぶ前に買主と協議を行います。
買主が特に条件を提示してこない場合、時間はかかりません。しかし、価格交渉や条件など、協議になる場合もあります。
また、大きな協議がなくても、土地の引き渡し時期など、細かい条件の協議は必要です。あくまで仲介を挟んでいるため直接の協議はなく、不動産会社を経由して進めていきます。
7:【売買契約】売買契約を結ぶ
基本的には不動産会社と買主だけではなく、売主も同席して進めます。
- 売買契約書2部
売買契約書は売主と買主で1部ずつ保管し、これが売買した証明になります。売買契約の時に、土地の引き渡し日を決めておいてください。
また、契約を結んだ段階で手付金を支払ってもらいましょう。手付金は売買契約を結んだ後のキャンセルなど、契約を解除した際の担保としての役割もあります。
もし、手付金を支払ってもらわない場合、契約をキャンセルされた場合には売り時を逃すだけになってしまいます。
ここまでは売買契約が中心ですが、仲介を依頼した不動産会社へ手数料の一部をここで支払う場合もあるので確認しておきましょう。
8:土地の引き渡しを行う
売買契約が終了し測量図の準備が完了したら、土地の引き渡しを行います。
- 測量図
「測量図」は、土地の面積や隣接する土地との境界線を明確にするために必要な書類です。基本的には、売却準備の段階で用意しておいてください。
土地の境界は売却で近隣や買主とのトラブルに発展しやすいです。本来の境界よりも広く提示していた場合、測量してから狭くなると高い確率でトラブルになります。
引き渡し当日は残りの代金の受け取りと買主へ必要書類を渡し、名義などを変更して終了です。単純そうに見えますが、固定資産税の日割り計算も事前にしておきましょう。
ただ、名義変更などの難しい部分は、買主側が手配して行うことが一般的です。基本的には当日中に名義変更などの手続きを行うため、土地の引き渡しは午前中など早めの時間帯に行なってください。
9:確定申告
土地を売却して利益が出た場合、確定申告が必要です。利益が発生しない場合、確定申告は必要ありません。
確定申告は、土地の売却が発生した翌年の2月16日から3月15日までの間に行ってください。
- 得た利益=売却金額-(土地の購入費用+売却にかかった諸経費)
例えば3,000万円で土地を売却し、もともとの土地購入費用が2,800万円、売却の諸経費が200万円だった場合は利益が0円になります。
この場合には利益を得ていないので、確定申告の必要はありません。他にも特別控除などが用意されており、詳しくは国税庁のサイトで確認できます。
確定申告の必要があるにも関わらず申請を行わなかった場合には、加算税や延滞税が発生します。土地の売却は金額が大きいため、確定申告を行わなかった場合のペナルティは高くなります。
土地売却にかかる4つの費用
土地を売却する際には、大きく4つの費用が必要です。それぞれ分けて確認していきましょう。
- 不動産会社の仲介手数料
- 繰り上げ返済手数料
- 測量図作成費用
- 建物の解体費用
不動産会社の仲介手数料
一般的な土地の売却には不動産会社と契約をします。自分で買い手を探して取引もできますが、手続きの手間やリスクを考えると仲介の依頼が安心です。
仲介手数料は上限が法律で定められており、それ以上の金額は請求できません。
取引金額 | 上限 |
200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
200万円〜400万円 | 売買価格×4%+消費税 |
400万円〜 | 売買価格×3%+消費税 |
土地の価格が上がるほどパーセンテージは低くなります。基本的に上限での請求が多く、極端に表よりも安くなることはないでしょう。
繰り上げ返済手数料
繰り上げ返済手数料は、ローンを組んで返済している土地を売却する場合に必要です。返済途中では名義人が貸主になっているため、土地の売却ができません。
多くの場合は、自己資金で残債を返済してから売却を行います。しかし、残っているローンの返済には手数料がかかります。
手数料は借入している金融機関やプランによっても変化するため、事前に確認しておきましょう。
測量図作成費用
土地の売却には測量図が必要で、作成には費用がかかります。測量にも種類があり、土地の売却であれば50万円前後が平均的です。
ただし地域や測量する場所によっても異なるため、確認が必要です。売却する土地の境界をはっきりさせるために、測量は早めに依頼しておきましょう。
建物の解体費用
売却する土地に建物があり、解体が必要な場合は解体費用がかかります。解体費用は、地域や建物の大きさ、構造などによって大きく変化します。
解体が必要になる場合は、早めの見積もりが重要です。仲介の不動産会社が紹介してくれることもありますが、土地の価格と同じで複数社に見積もりを依頼してください。
1社だけだと、極端に高い価格でも気づけません。
買主が解体費用を負担する場合もあるので、この辺りはしっかりと協議しましょう。
土地売却にかかる3つの税金
土地の売却には、3種類の税金がかかります。正確な利益を計算するためにも事前に税金を確認しておきましょう。
印紙税
印紙税は、売買契約書に貼付する印紙代です。文書に対して課税されます。
印紙の購入で支払っているため、税金を納めた感覚はないかもしれません。
抵当権抹消の登録免許税
抵当権抹消の登録免許税は、ローンが残っている場合に必要な税金です。抵当権はお金を貸している側が建物や土地の権利を所有している証明で、返済時に抹消しなくてはいけません。
この時に抹消するための費用として、抵当権抹消の登録免許税が発生します。また、司法書士に抹消の代行を依頼した場合には、さらに費用が必要です。
- 不動産1個に対して1,000円
- 建物があると追加で1,000円
譲渡所得税
譲渡所得税は、所得税のことです。譲渡所得は土地を売って発生する利益のことで、土地の所有期間によって税率が変化します。
土地の売却相場を調査する方法
相場から極端に外れた価格では損をしたり、長く売れないといった状況になります。
まずは、自分の調査できる範囲で土地の売却相場を調査しましょう。
実勢価格を調べる
実勢価格とは、実際の取引で成立した価格のことです。
売り出し価格などではなく、実際にいくらで取引されたかを示すものなので、適正な売り出し価格を検討しやすくなります。
国土交通省が公開している「不動産取引価格情報検索」では、各地域で取引のあった不動産情報が見られます。地域や駅からの距離なども掲載されています。
全く同じ土地は存在しないため、あくまで参考程度に大体の相場を掴みましょう。
公示価格や基準地価から調べる
公示価格と基準地価は、どちらも公的機関が公開している土地の価格です。
そのまま売却価格として設定することはおすすめしません。参考にできるのは土地だけの価格であり、実際に売却を進めるにはさまざまな費用が発生します。
公示価格や基準地価を参考にしながら、他にも発生する費用などを考えて売却価格を決定してください。国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で、取引価格などを検索できます。
固定資産税評価額から調べる
固定資産税評価額は、固定資産の価値を評価した金額です。土地を持っている場合には毎年、土地の評価額に合わせた固定資産税を支払います。
つまり、固定資産税評価額で現在の土地の価値を知れます。ただし、固定資産税評価額は公示時価の70%になるように設定されているため、そのまま参考にはできません。
- 売却価格の目安=固定資産税評価額÷0.7
基本は、上記の計算式で出た数字が売却価格の目安になります。ただ、もう少し高い価格で売却されていることが多いため、上記に1.1から1.2ほど掛けてもいいでしょう。
固定資産税評価額に関しては、毎年届く「固定資産税課税明細書」で確認できます。手元に残していない場合には、役所で「固定資産税評価証明書」を取得しましょう。
いい条件で土地を売却するための8つのポイント
より安全に、いい条件で土地を売却するためには、8つのポイントがあります。どれも重要なため、売却活動を始める前に頭へ入れておきましょう。
査定は複数社へ依頼する
高く売却するためには、複数社への査定依頼は重要です。1社にしか依頼しなかった場合、その1社の価格が全てになってしまい、損をする可能性があります。
全ての会社で同じ査定結果になることはなく、高い査定も低い査定も出てきます。
3社以上に査定を依頼すると、大体の相場がわかるでしょう。結果として最適な売却金額を設定できます。
土地を持っている地域に根付いた不動産会社だけで3社探すのが大変な場合は、一括査定サイトも検討してみてください。
相続した土地の場合は名義変更しておく
当然の話ですが、土地は所有者本人にしか売却できません。土地を相続した場合は、名義変更をしておきましょう。
土地の名義が相続前のままになっていると売却できないため、正規の手続きで自分に名義を変更してください。手続きが難しい場合には、司法書士へ依頼しましょう。
共有名義の場合は全員の同意が必要
複数人で土地を所有している場合、1人では売却できません。売却を行う場合には、共有名義者、全員分の委任状が必要です。
売却を考えた時点で相談しておきましょう。相談前に査定などを依頼した場合にはトラブルに発展する可能性が高く、売却は難しくなるかもしれません。
最新の測量図が必要
土地の売却には、土地の面積などを正確に記した最新の測量図が必要です。
住宅などであれば隣接する土地との境界線は明確ですが、放置されていた土地では曖昧になっていることもあります。どこまでが自分の土地なのかをはっきりさせるためにも、新しい測量図を作成してください。
契約不適合責任に注意
契約不適責任とは、売却した土地が契約書の内容と異なっていた場合に問われる責任です。住宅では、雨漏りやシロアリ被害などを隠して売却した場合に起こります。
土地の場合は関係がないようにも思えますが、地中に大きなゴミやガレキなど、不用品が埋まっていた場合も責任になります。埋まっていたことを知らなくても、事実があれば責任を問われるため注意しましょう。
契約不適合責任を問われた場合には、契約書の通りに補修が必要になったり、代金の減額を求められたりします。また、補修や減額に応じなかった場合、契約の解除だけではなく、損害賠償請求の可能性もあります。
土地の地中まで把握するのは難しいですが、昔から土地の状態を知る人に話を聞くなど、状態を把握する努力は必要です。
土地を整地する場合
売却する土地に古い建物などがある場合、解体して更地にすることもあります。更地と言っても整地にはいくつか種類があり、適した方法が必要です。
- 粗整地
- 砕石舗装
- 真砂土舗装
- コンクリート舗装
- 防草仕上げ
大きく分けて、5つの整地方法があります。土地の売却で主に使われる方法は、粗整地と防草仕上げです。
粗整地は最も単純な方法で、解体で出たコンクリートやガラス、草木などを除去し、土地をならした状態にします。
防草仕上げは、粗整地からさらに防草シートなどを施工して、雑草が生えないようにした状態です。
更地にして問題ないのか確認する
建物は、どのような場合でも解体して更地にしていいわけではありません。
建築基準法で定められた、再建築を不可とする土地があります。再建築が不可な土地は新たに建物の建築ができないので、更地にすると建物のない状態で利用しなくてはいけません。
用途が限られた土地になるため、再建築不可の土地では既存の建物をリフォームして売却するなどの工夫が必要です。
土地は綺麗に保っておく
土地に対する問い合わせがあった場合、買い手は現地の下見に来ます。
前もって問い合わせがあれば事前でも掃除は間に合いますが、問い合わせなしに土地を見て回る人もいます。そういった際に土地が汚くては、購入する意思が薄れるかもしれません。
また、放置された土地はゴミを不法投棄される可能性が高くなります。不法投棄されたゴミは、土地の所有者が片付ける責任があるだけではなく、近隣にも悪い影響を与えます。
売却を考えている土地は、定期的な草刈りやゴミの処分など、常に綺麗に保つ気配りが大切です。
売却額を査定する方法
土地の売却額を査定する方法は、大きく分けると「自分で査定する」「不動産会社へ依頼する」の2つがあります。自分で査定する場合は、公示価格や基準地価、固定資産税から算出します。
不動産会社へ依頼する場合は、自分で査定の必要はありません。
不動産会社に依頼するのがベスト
自分での査定もできないわけではありませんが、その道のプロに任せるほうが確実でしょう。
ただし、自分である程度の価格を予想しておくことは大切です。公示価格や基準地価、固定資産税などからある程度の価格は想像しておいてください。
また、相場を知るためにも複数社への依頼が基本です。
失敗しない不動産会社の選び方
土地の査定を依頼する不動産会社は、以下の点に注意して選んでみてください。
3タイプの不動産会社からぴったりなものを選ぶ
不動産会社は大きく3つのタイプに分けられます。
- 大手不動産会社
- 中小不動産会社
- フランチャイズ
一見すると大手のほうが売却額が高く、早く売れそうな気がするかもしれません。しかし土地の売却に関しては、3タイプの不動産会社に大きな違いはないと考えて大丈夫です。
不動産会社は、大手や中小、フランチャイズに関係なく物件情報を共有しています。不動産会社は規模で選ぶのではなく、あくまでサービスや対応などの内容で選びましょう。
土地売却が得意な不動産会社か
不動産会社は1つのジャンルではなく、売買や賃貸など、いくつかに分かれています。売買の中でも、戸建てやマンションを中心としていたりと、細かく得意な分野が異なります。
そこで選ぶべきは、土地の売却が得意な不動産会社です。これは、売買実績を見るとわかります。
土地のみの売却に不慣れな会社は土地の査定額が大きく異なる可能性だけではなく、売却までに時間がかかったり、不備が出たりする可能性もあります。
土地の売却が得意な不動産会社は、適正な売却方法だけではなく、取引の内容にも不安を感じることが少なくなります。
不動産会社を探す時は、土地の取り扱い実績が豊富かだけではなく、自分が売りたい土地と似た土地の売却実績があるかも確かめておきましょう。中でも農地は土地として特殊なため、実績は重要です。
駅前の不動産会社は要注意
駅前は、近隣地域の中でも土地代が高い場所です。そのため駅前にある不動産会社は、高い賃料を支払って店舗を運営しています。
家賃が高い分、売買のノルマが高く設定されている可能性があり、強引に契約を迫られるかもしれません。
強引な不動産会社に依頼した場合、他の会社を選ぶ暇を与えてくれない可能性があります。もちろん、駅前の不動産会社が全て要注意というわけではなく、周りの評判も大切にしましょう。
実際に利用したことがある人に話を聞くなど、視野の広い活動が重要です。
複数の不動産会社を選ぶと安全
1社だけでは土地の売却金額を決めるには難しく、複数社からの査定で相場も知れます。
最低でも3社以上には査定を依頼しましょう。また、実際に仲介として契約する不動産会社も、1社に絞る必要はありません。一般媒介契約であれば複数社と契約できます。
事前に口コミ・評判をチェックしておく
地元の不動産会社の場合、周りで利用した人を見つけることも可能です。
最近はインターネットに多くの口コミサイトが展開されているため、さまざまな情報を確認してみてください。全ての情報が正しいわけではありませんが、真っ当に運営している会社であれば、いい口コミを多く見つけられるでしょう。
宅地建物取引業の免許があるか
土地の売買を行うには、「宅地建物取引業」の免許が必要です。
土地の売却を仲介する場合でも宅地建物取引業の免許は必要であり、ないと違法です。免許なく営業している不動産会社があるとは思えませんが、大きな取引になるため確認はしておきましょう。
宅地建物取引業を所持しているかどうかは、国土交通省建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確認できます。また、不動産会社のホームページに記載されていることがほとんどです。
できれば、不動産会社のホームページと国土交通省のページを合わせて確認してみてください。宅地建物取引業には免許番号があり、「(01)〇〇〇〇〇号」のような形式で表示されます。
かっこの中は、宅地建物取引業の免許を取得してからの大まかな期間がわかります。宅地建物取引業は5年に1回の更新があり、1であれば最初の5年、2では5年以上が経過しています。
つまり、かっこ内の数字が多いほど不動産会社としての経験が長いということです。
売却の際に注意したい土地のタイプ
土地はどのような場合でも簡単に売却できるのではなく、注意しなくてはいけない土地のタイプがあります。
境界が明確ではない土地
住宅街などでは珍しいですが、周りも更地ばかりであれば、土地の境界が不明確になっている場合があります。境界を明確にせず売却準備を始めると、自分の土地以外を含めているかもしれません。
基本的には、境界をはっきりとさせる境界標と呼ばれる杭のようなものの設置と、測量図を作成します。隣接する土地との境界をはっきりさせてから売却準備を始めるのは基本です。
あいまいなまま売却を進めると、後で近隣や買主とトラブルになる可能性が高くなります。
相続した土地
相続した土地の場合、売却を進める前に名義変更が必要です。例え親から相続した土地であっても、名義人が親名義では売却できません。
土地を相続した場合、先に名義変更を行なってから売却の準備を進めましょう。
家が建ったままの土地
土地に家が建っている場合、解体して更地にするか、そのまま売却するかの選択が必要です。場所や家の築年数によっては更地にしたほうが早く売れることもありますが、解体費用もかかるのでよく考えましょう。
また、再建築不可の土地であれば新たに家を建てられず、土地としての利用しかできなくなります。住宅街だと更地は需要がなくなってしまうので、家をリフォームして売却するなどの対策が必要です。
賃貸中の土地
土地が賃貸中の場合、勝手な売却はできません。賃借でも契約を交わしているため、自分の土地であっても返却してもらってからの売却になります。
ただし、マンションなどの賃貸は貸し出したまま収益不動産としての売却は可能です。あくまで、所有者が変わるといった形です。
農地などは、基本的に立ち退いてもらってからの売却になります。もし、身近な人へ口約束で貸している場合でも、勝手な売却はトラブルの元です。
最悪の場合、買主とのトラブルにも発展するので、賃貸中の土地で売却を考えているのであれば、十分に注意してください。
遠方の土地
自宅から離れた土地を所有している場合、頻繁に現地へ赴くことは大変です。頻繁に訪れなくてもいいように、信頼できる不動産会社との契約を行いましょう。
基本的に代理人を用意すれば、売買契約は郵送でも可能です。ただし、仲介の不動産会社から定期的な報告を得られるようにしてください。
できれば、定期的な報告が義務化されている「専任媒介契約」か、「専属専任媒介契約」がいいでしょう。一般媒介契約では売却活動の報告義務がないため、期待する回数の報告がないかもしれません。
不動産売却時で活用できる3つの税金対策
土地を含む不動産の売却には、さまざまな税金がかかってきます。金額が大きいので、少しでも軽減できるようにしましょう。
1:3,000万円特例控除
特別控除は、利益となる譲渡所得から3,000万円を引きます。ただし、土地のみではなく、家を売却する場合のみしか利用できません。
条件が難しいので、一部を抜粋します。
- 現在、住んでいない場合には住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売却する
- 売る年の前年、前々年までに同じ特例、譲渡損失についての繰越控除の特例などを受けていない
- 売る年の前年、前々年に家の買い替えや交換の特例を受けていない
- 売主と買主が親子や夫婦などの関係でない
参考:国税庁
他の特例との併用や、受けた後の2年間は再適用できません。注意点は多いですが、適用された場合には支払う税金を大幅に削減できます。
申請も大変なので、検討する場合には税理士などに相談してみてください。
2:特定居住用財産の買い替え特例
特定居住用財産の買い替え特例は、名称の通り、家を買い換える場合に利用できる特例です。
- 居住期間と所有期間が10年を超えている
- 売却金額が1億円以下
- 他の特例を受けていない
- 買い換える家の床面積が50平方メートル以上500平方メートル以下
- 中古マンションの場合、築年数が25年以内
参考:国税庁
上記は一部ですが、全体ではさらに細かく特例の内容が定められています。また、あくまで所得税が繰延べられるだけであり、新しい家を売却した場合には、前回の利益分も課税されます。
3:居住用不動産の譲渡損失の損益通算と繰越控除
家や土地を買い換える場合、必ずしも利益が発生するわけではありません。損失が出た場合、「居住用不動産の譲渡損失の損益通算と繰越控除」を利用することで、負担を少なくできます。
損益通算は、所得で損失が出た分を、他の所得から差し引くことです。家の買い替えで出た損失を他の所得、給与などから差し引くことで、課税される金額が低くなります。
ただし給与所得で自動的に還付されることはなく、翌年の確定申告を行い、所得税を還付してもらいましょう。さらに損失が大きい場合には、繰越控除で3年間まで控除が繰り越されます。
上記の2件と同じように条件はありますが、適用できるのであれば使用したい税金対策です。
抜粋した条件は下記の通りです。細かい条件は国税庁のサイトで確認してください。
- 売却時に10年以上のローンが残っている
- 売却する年の所得が3,000万円以下
- 売主と買主が親子や夫婦などの関係ではない
参考:国税庁
土地売却に関するよくある質問
基本的には仲介の不動産会社と契約することで疑問も減りますが、依頼前に悩むこともあるでしょう。
ここでは、土地売却に関するよくある質問をいくつか紹介します。
弁護士は必要か?
土地の売却は税金や法律に関わる内容が多いので、弁護士が必要と考える人が多いかもしれません。しかし、土地の売却を考えた際、真っ先に相談が必要なのは不動産会社です。
昔は契約書の内容確認では弁護士の立ち合いが必要でしたが、必須ではなくなっています。ただし不正がないかを確認してもらうのであれば、弁護士に立ち会ってもらうことは現在でもあります。
ただ、弁護士はトラブルなどの解決を行う法律の専門家であり、土地売却の専門家ではありません。土地の売却で弁護士が一切、必要ないというわけではありませんが、基本的には不動産会社か司法書士です。
買主を探すのは不動産会社、土地の登記変更など、書類の手続きは司法書士と考えてください。
仲介と買い取りの違いは?
土地を売却するには、仲介と買い取りの2種類があります。仲介は不動産会社が代わりに買主を探し、買い取りは不動産会社が土地を買い取ります。
それぞれに特徴があり、仲介は時間がかかっても高い価格で売りたい場合におすすめです。買主を直接探すため、需要と供給のバランスが合致した際に売却となります。
高く設定していても、買い手さえ見つかれば希望額で売却できるのは仲介の大きなメリットです。
買い取りの特徴はスピードです。不動産会社が買主になるため、価格の合意されできればすぐに売却となります。
仲介に比べると売却価格が低くなることが多いですが、早く売却したい場合には買い取りを選ぶのも1つの方法です。
田舎の土地は売りにくい?
田舎の土地は都心部などに比べると需要が少なく、売りにくいです。それでも所有しているだけで維持費や固定資産税がかかるため、早めに手放したい方も多いでしょう。
田舎の土地は売れないわけではなく、昨今の移住ブームやソーラー畑など、需要は一定数あります。重要なのは、田舎の土地売却に強い不動産会社へ仲介、もしくは買い取りを依頼することです。
最近は不動産の一括査定サービスも出てきているため、まずは一括査定を行うのがいいでしょう。また、資金に余裕があれば、太陽光発電で利益を得るのもおすすめです。
査定に申し込んだら売らなくてはいけない?
一括査定など、「査定に申し込むと売らなくてはいけない」と考えている人も多いのではないでしょうか。
強引に契約に持ち込もうとする不動産会社もいますが、査定に申し込んでからでも売却は断れます。
査定は契約ではなく、あくまで土地の価格を知るものです。売る気もなく査定に申し込むのはよくありませんが、価格や雰囲気など、希望と異なる場合にははっきりと断ってください。
土地の売却は知識がなくてもできる?
土地の売却は、税金や書類関係などの専門的な分野が多く、知識がなければ難しいでしょう。しかし、あくまで自分で全てを行うのが難しいということです。
基本的には、知識が豊富な不動産会社などに仲介を依頼するため、知識がなくても売却できます。ただし、簡単にでも全体の流れなどを把握しているほうが、スムーズに取引は進むでしょう。
土地売却のプランの見積もりは「タウンライフ」
出典:タウンライフ
土地活用の中でも有名なのが、「タウンライフ土地活用」です。
全国100社以上の企業が登録しているため、所有している土地にあった活用方法を示してくれます。
運営会社 | タウンライフ株式会社 |
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料金 | 無料 |
登録企業 | 100社以上 |
もらえる資料 | ・土地活用プラン ・見積書と収支計画書 ・市場調査書 |
料金は無料となっており、複数社から土地売却のプランがもらえます。申込みフォームの入力は約3分と簡単で、パソコンが不慣れでも電話でのサポートをしてくれます。自分だけで判断するのは、どうしたらいいかわかない場合、プロに相談するのも1つの方法です。
この記事のまとめ
土地の売却は難しいことも多く、面倒に感じることが多いかもしれません。しかし、基本的には不動産会社に仲介を依頼するため、大きな負担もなく売却可能です。
最初に複数社へ土地の査定を依頼し、その中から価格や対応などがいい不動産会社に仲介を依頼してください。不動産の一括査定サイトや、地元の不動産会社を利用するとよいでしょう。
仲介を依頼する場合には、自分で準備することは多くありませんが、あくまで不動産会社と協力する形で売却を進めます。自分でもある程度の基礎知識と準備を始めることをおすすめします。